連合王国貴族(れんごうおうこくきぞく、英: Peerage of the United Kingdom)は、1801年に合同法によりグレートブリテン及びアイルランド連合王国が成立してから授爵された貴族の総称。
連合王国貴族は、公爵 (Duke, Duchess)、侯爵 (Marquess, Marchioness)、伯爵 (Earl, Countess)、子爵 (Viscount, Viscountess)、男爵 (Baron, Baroness) で構成される。すべて世襲制だが、1958年の一代貴族法により男爵のみ世襲 (Hereditary baron) と功労による一代限り (Life baron) とがある。なお、日本語で準男爵と一般的に訳されているbaronetは貴族 (peerage) には含まれない。
王族でない公爵創設は1900年のファイフ公爵が最後であり、侯爵の創設は1926年のレディング侯爵が最後であった。1964年にハロルド・ウィルソンの労働党政権が成立後はほとんど授爵が絶えており、1984年にハロルド・マクミランがストックトン伯爵となってから創設がない。
なお、アイルランド貴族については、合同法成立以後も連合王国貴族とは別に新たな貴族が創設されているが、こちらも1898年のカーゾン男爵の新設が最後となった。
1999年貴族院法が成立後、連合王国貴族を含めた世襲貴族の議席は92議席に限定された
貴族は尊称としてLordやLadyを名前の前に付けるが、個人名そのものをLordやLadyの付いたものに改名する偽貴族詐欺も横行している。
現存する世襲貴族の連合王国貴族一覧
公爵家
- ウェリントン公爵(1814年)ウェルズリー家
- サザーランド公爵(1833年)エジャートン家
- ウェストミンスター公爵(1874年)グローヴナー家
- ファイフ公爵(1900年)カーネギー家
侯爵家
- エクセター侯爵(1801年)セシル家
- ノーサンプトン侯爵(1812年)コンプトン家
- カムデン侯爵(1815年)プラット家
- アングルシー侯爵(1815年)パジェット家
- チャムリー侯爵(1815年)チャムリー家
- アイルズベリー侯爵(1821年)ブルーデネル=ブルース家
- ブリストル侯爵(1826年)ハーヴェイ家
- エイルザ侯爵(1831年)ケネディ家
- ノーマンビー侯爵(1838年)フィップス家
- アバーガヴェニー侯爵(1876年)ネヴィル家
- ゼットランド侯爵(1892年)ダンダス家
- リンリスゴー侯爵(1902年)ホープ家
- アバディーン=テメイア侯爵(1916年)ゴードン家
- ミルフォード・ヘイヴン侯爵(1917年)マウントバッテン家
- レディング侯爵(1926年)アイザックス家
伯爵家
- ロスリン伯爵(1801年) : セント・クレアー=アースキン家
- クレイヴン伯爵(1801年) : クレイヴン家
- オンズロー伯爵(1801年) : オンズロー家
- ロムニー伯爵(1801年) : マーシャム家
- チチェスター伯爵(1801年) : ペラム家
- ウィルトン伯爵(1801年) : グローヴナー家
- ポウィス伯爵(1804年) : ハーバート家
- ネルソン伯爵(1805年) : ネルソン家
- グレイ伯爵(1806年) : グレイ家
- ロンズデール伯爵(1807年) : ラウザー家
- ハロービー伯爵(1809年) : ライダー家
- ハーウッド伯爵 (1812年) : ラッセルズ家
- ミントー伯爵(1813年) : エリオット=マーレイ=キニンマウンド家
- カスカート伯爵(1814年) : カスカート家
- ヴェルラム伯爵(1815年) : グリムストン家
- セント・ジャーマンズ伯爵(1815年) : エリオット家
- モーレイ伯爵(1815年) : パーカー家
- ブラッドフォード伯爵(1815年) : ブリッジマン家
- エルドン伯爵(1821年) : スコット家
- ハウ伯爵(1821年) : カーゾン家
- ストラドブローク伯爵(1821年) : ラウス家
- ストーのテンプル伯爵(1821年) : テンプル=ゴア=ラントン家
- コーダー伯爵(1827年) : キャンベル家
- リッチフィールド伯爵(1831年) : アンソン家
- ダラム伯爵(1833年) : ラムトン家
- グランヴィル伯爵(1833年) : ルーソン=ゴア家
- エフィンガム伯爵(1837年) : ハワード家
- デュシー伯爵(1837年) : モートン家
- ヤーバラ伯爵(1837年) : ペラム家
- レスター伯爵(1837年) : コーク家
- ゲインズバラ伯爵(1841年) : ノエル家
- ストラフォード伯爵(1847年) : ビング家
- コッテナム伯爵(1850年) : ペピス家
- カウリー伯爵(1857年) : ウェルズリー家
- ダドリー伯爵(1860年) : ウォード家
- ラッセル伯爵(1861年) : ラッセル家
- クロマーティ伯爵(1861年) : マッケンジー家
- キンバリー伯爵(1866年) : ウッドハウス家
- ウォーンクリフ伯爵(1876年) : モンタギュー=ステュアート=ウォートリー家
- ケアンズ伯爵(1878年) : ケアンズ家
- リットン伯爵(1880年) : リットン家
- セルボーン伯爵(1882年) : パーマー家
- イデスリー伯爵(1885年) : ノースコート家
- クランブルック伯爵(1892年) : ゲイソン=ハーディ家
- クローマー伯爵(1901年) : ベアリング家
- プリマス伯爵(1905年) : ウィンザー=クライヴ家
- リヴァプール伯爵(1905年) : フォジャム家
- セント・アルドウィン伯爵(1915年) : ヒックス=ビーチ家
- ビーティー伯爵(1919年) : ビーティー家
- ヘイグ伯爵(1919年) : ヘイグ家
- アイヴァー伯爵(1919年) : ギネス家
- バルフォア伯爵(1922年) : バルフォア家
- オックスフォード=アスキス伯爵(1925年) : アスキス家
- ジェリコー伯爵(1925年) : ジェリコー家
- インチケープ伯爵(1929年) : マッカイ家
- ピール伯爵(1929年) : ピール家
- ビュードリーのボールドウィン伯爵(1937年) : ボールドウィン家
- ハリファックス伯爵(1944年) : ウッド家
- ゴーリー伯爵(1945年) : ラスヴェン家
- ドワイフォーのロイド=ジョージ伯爵(1945年) : ロイド・ジョージ家
- ビルマのマウントバッテン伯爵(1947年) : ナッチブル家
- チュニスのアレグザンダー伯爵(1952年) : アレクサンダー家
- スウィントン伯爵(1955年) : カンリフ=リスター家
- アトリー伯爵(1955年) : アトリー家
- ウォールトン伯爵(1956年) : マーキス家
- スノードン伯爵(1961年) : アームストロング=ジョーンズ家
- ストックトン伯爵(1984年) : マクミラン家 ※2015年現在、臣民に対して与えられた最後の世襲貴族爵位。
子爵家
男爵家
脚注
参考文献
- 田中嘉彦「英国ブレア政権下の貴族院改革 : 第二院の構成と機能」『一橋法学』第8巻第1号、一橋大学大学院法学研究科、2009年3月、221-302頁、doi:10.15057/17144、ISSN 13470388、NAID 110007620135。
関連項目
- 世襲貴族
- イングランド貴族
- スコットランド貴族
- グレートブリテン貴族
- アイルランド貴族
- イギリス貴族嫡男の儀礼称号の一覧
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