『コインシデンタル・ミュージック』(Coincidental Music)は、日本のミュージシャン、細野晴臣のオリジナルアルバム。
概要
細野は1984年にテイチクへ移籍し、「ノン・スタンダードレーベル」・「モナドレーベル」の二つのレーベルを立ち上げ、本作はモナドレーベルの第一弾作品として発売された。
収録曲はすべてCMに使われた曲であり、コンタック600、西武セゾンカード、日本生命ロングランなどのCM使用曲が収録されている。
当時の細野は「感じたことを『即座に』音楽として発する」という即興性を志向しており、本作でも全曲、限られた時間での作曲やプログラミングによって作られている。
1996年のCD化を最後に長らく廃盤となっていたが、2008年にタワーレコード限定で紙ジャケットとして再発売された。
本作と『マーキュリック・ダンス』・『パラダイス・ビュー』・『エンドレス・トーキング』の4作を細野は「観光音楽」と呼んでいる。
収録曲 (カッコ内は使用CM)
A面
- リキテンシュタイン(西武セゾンカード)
- 30秒ほどの曲。
- 1984年10月11日、セディックスタジオにてレコーディングされた。
- 音楽はモニターテレビを見ながら制作された。
- ピエトロ・ジェルミ(コンタック600)
- 1983年7月7日、タムコスタジオにてレコーディングされた。
- CMには細野晴臣が出演した。
- 当初この曲のタイトルは「ロベルト・ロッセリーニ」だったが、いつのまにかこの「ピエトロ・ジェルミ」になっていたという。
- アルバム用に新録音したロングヴァージョン。ただ、新録前のCMバージョンも一応CD化はされている。と言うのは大貫妙子がナレーションを担当した関係で、2011年発売の『CM&TVテーマ集 TAEKO ONUKI WORKS 1983-2011 CM / TV Music Collection』に大貫のナレーションは勿論、細野のセリフを含むテレビ音源で収録されているからである。一応としたのは曲単体でのCD化ではないからである。
- ノルマンディア(日本生命ロングラン)
- 1984年7月11日、サウンド・シティ・スタジオにてレコーディングされた。
- タイトルはCMのロケ地「ノルマンディー」から。
- クライアントからの強い要望で「坂本龍一の戦場のメリークリスマス風で」と言う注文で作られた作品。後に坂本がカヴァー。
- 中国の人(日本生命ロングラン)
- 1985年4月24日、フリーダムスタジオにてレコーディングされた。
- 本作の中では一番新しいCM曲である。
- 1991年に、HISの日本の人で「日本の人」というタイトルで歌詞が付けられるなどリメイクされ、歌は忌野清志郎が歌った。
- サヨコスカッティ(資生堂「リバイタル」)
- 1982年5月8日、細野のプライベート・スタジオ、LDKスタジオにてレコーディングされた。日本人モデルのパイオニア山口小夜子をイメージして制作された。
- マジンガー・H(旺文社「戦略戦術シリーズ」)
- 1984年5月10日、LDKスタジオにてレコーディングされた。
B面
- ザ・プラン(無印良品)
- 1985年6月20日、テイチク杉並スタジオにてレコーディングされた。
- 本作に収録されているのは店内用の予告用として作られた別ヴァージョン。
- 銀河鉄道の夜〜ピアノ・ヴァージョン
- 1984年12月22日、アルファレコード芝浦Aスタジオにてレコーディングされた。
- グループ・タック制作のアニメーション映画『銀河鉄道の夜』のために作られた最初のイメージ音楽であり、同サウンドトラックとは違うピアノヴァージョン。CMとして使用されたわけではない。
- この曲はスタジオ内で即興的に作られた。
- ジョルジュ・ドン(パルコ)
- 1984年5月7日、セディックスタジオにてレコーディングされた。
- ジョルジュ・ドンの来日中にあわただしく制作された。
- バイオ・フィロソフィー(ヤクルト)
- 1984年5月8日、セディックスタジオにてレコーディングされた。
- CMには細野晴臣が出演した。
- メンフィス・ミラノ(西武ヴァリエ)
- 1982年8月10日、LDKスタジオにてレコーディングされた。
- ヨハン・ブルグミュラーの「25の練習曲」の1つである、「狩猟」をモチーフとしている。
関連項目
注釈
出典
外部リンク
COINCIDENTAL MUSIC | hosonoharuomi.jp | 細野晴臣公式サイト
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