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アメリカ独立宣言


アメリカ独立宣言


アメリカ独立宣言(アメリカどくりつせんげん、英語: United States Declaration of Independence)は、イギリス(グレートブリテン王国)によって統治されていた北米13植民地が独立したことを宣言する文書である。1776年7月4日、大陸会議によってフィラデルフィアで採択された。

正式な文書名は「The unanimous Declaration of the thirteen united States of America(13の団結したアメリカの諸国(州)による全会一致の宣言)」。

このため、7月4日"Fourth of July")は「アメリカ合衆国の独立記念日」(Independence Day)として毎年盛大に祝われる。

なお、「独立宣言」と表記している歴史教科書や、「アメリカの独立宣言」、「アメリカ独立宣言」と表記している歴史教科書がある。

ベルギー合衆国独立宣言(1789年、ブラバント革命の最中に発された)、ニュージーランド独立宣言(1835年)、リベリア独立宣言(1847年)など、多くの国の独立宣言に影響を与えた。

沿革

1763年2月、フレンチ・インディアン戦争が終結すると、イギリス国王ジョージ3世とジョージ・グレンヴィル率いるグレンヴィル内閣は、北米13植民地への課税と支配を強化した。この本国政府による植民地圧迫策は、次第に植民地住民の本国に対する不満を鬱積させ、本国からの離反機運の醸成をもたらす(詳細は、「アメリカ合衆国の歴史」の項目と、「アメリカ独立戦争」、「アメリカ合衆国の独立」の項目を参照)。

それぞれに独自の発展を進めていた北米13植民地は、1772年11月、連絡組織として通信連絡委員会を発足させる。この委員会は、1774年9月、第一回大陸会議(ジョージア植民地を除く12の植民地代表の集会)に発展し、本国政府との和解策を練った。1775年4月、レキシントン・コンコードの戦いで、イギリス軍と植民地民兵隊の間に銃火が交えられ、独立戦争の火蓋が切られた。翌5月、第二回大陸会議が開会され(全13植民地代表がそろう)、ここ武力衝突に至っても本国政府との和解の道を模索していた。しかし、情勢は日増しに悪化し、翌1776年1月、独立論を訴えるトマス・ペインの著書『コモン・センス』が刊行されてベストセラーになると、住民の間でも植民地代表者の間でも、独立論は最高潮に達した。

同年6月7日、バージニア植民地代表のリチャード・ヘンリー・リーは大陸会議に『独立の決議』を提案し、これに基づいて同月10日、独立宣言起草委員会が発足した。この委員会は、トーマス・ジェファーソン、ジョン・アダムズ、ベンジャミン・フランクリン、ロジャー・シャーマン、ロバート・R・リビングストンの5人で構成されたが、ジェファーソンが宣言案を起案(起草)し、フランクリンとアダムズがわずかに修正して委員会案とされた。委員会案は大陸会議に提出されて、さらに多少の推敲がなされた。

そして、1776年7月2日、リチャード・ヘンリー・リーの『独立の決議』がまず可決され、『アメリカ独立宣言』は7月4日に採択された。

内容

独立宣言は、「基本的人権と革命権に関する前文」、「国王の暴政と本国(=イギリス)議会・本国人への苦情」に関する28ヶ条の本文、そして「独立を宣言する結語」の3部から成る。

基本的人権・国民主権が盛り込まれている。

中でも、「全ての人間は平等に造られている」と唱え、不可侵・不可譲の自然権として「生命、自由、幸福の追求」の権利を掲げた前文は、アメリカ独立革命の理論的根拠を要約し、後の思想にも大きな影響を与えた。その理論は、名誉革命を理論的に正当化したジョン・ロックの自然法理論の流れを汲む。

後世

20世紀

プロジェクト・グーテンベルクで最初に電子書籍化された文書だった(1971年)。

日本への影響

宣言公布当時の日本は、江戸幕府10代将軍徳川家治の統治下にあった。黒船来航以前で、アメリカ合衆国とはまだ直接の外交や貿易は存在せず、独立宣言が持ちこまれることもなかった。その後、開国により欧米の文物が流入するなかで、はじめて受容された。

学問のすゝめ

福澤諭吉はその著書『西洋事情』で、「千七百七十六年第七月四日亜米利加十三州独立ノ檄文」としてアメリカ独立宣言の全文を和訳して紹介した。

このうち、冒頭の章句および思想は、のちの『学問のすゝめ』初編冒頭に引用され、人々に広く知られるところとなった。

日本国憲法

アメリカ軍を中心とするGHQの占領下にあった日本で、1946年に公布、1947年に施行された日本国憲法の第13条にも、その影響は見られる。

脚注

参考文献

  • Becker, Carl. The Declaration of Independence: A Study in the History of Political Ideas. 1922. and Google Book Search. Revised edition New York: Vintage Books, 1970. ISBN 0-394-70060-0.

関連項目

  • アメリカ独立宣言におけるイギリスへの苦情 - 宣言の本文に記された、イギリス国王ジョージ3世への27か条の苦情
  • アメリカ独立宣言文書の歴史 - 宣言の草稿と複写について
  • アメリカ独立宣言の署名 - 宣言署名の経緯について
  • アメリカ合衆国の独立
  • アメリカ合衆国憲法
  • アメリカ独立戦争
  • 独立記念館
  • アメリカ合衆国建国の父
  • アーブロース宣言
  • 独立宣言署名者56人の記念碑 - ワシントンD.C.のコンスティテューション・ガーデンズにある記念碑
  • ナショナル・トレジャー - 2004年の映画
  • ウィリアム・アンド・メアリー大学

外部リンク

  • In Congress, July 4, 1776. The unanimous declaration of the thirteen United States of America. アメリカ議会図書館
  • 『アメリカ独立宣言』:新字旧仮名 - 青空文庫(福澤諭吉訳)
  • 福澤諭吉訳 『西洋事情 巻之二 合衆国』 - 国立国会図書館
  • 福澤諭吉訳 『福沢全集 巻1「西洋事情(初編)」』 - 国立国会図書館
  • katokt訳 『独立宣言』(プロジェクト杉田玄白)
  • 『アメリカ独立宣言』 - コトバンク

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: アメリカ独立宣言 by Wikipedia (Historical)