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センテナリアン


センテナリアン


センテナリアンcentenarian)とは、100歳以上の人物(長寿者)のことである。日本語では「百寿者」とも表現する。

110歳以上の人物を指すスーパーセンテナリアンは、センテナリアン1,000人につき約1名しか存在しない。115歳以上となると非常に稀有で、有史以来現在まで記録されたのは67人のみである。国際連合は2015年の推定で、世界中に約41.7万人のセンテナリアンがいると発表した。更に、寿命が世界中で伸び、なおかつ世界人口も急増しているため、100歳以上の人々の数は将来急速に増加すると予想されている。

現状

アメリカ合衆国は2022年7月1日現在、センテナリアンの人数が世界最多で推計88,988人(男性:17,085人、女性:71,903人)となっており、国民3,745人につきセンテナリアンが1人いる。2019年・2020年は10万人を突破していたが、2020年に行われた国勢調査により修正され、再び10万人を切っている。

日本はアメリカ合衆国に次いで2番目にセンテナリアンの数が多く、2023年9月現在、推計92,139人であった。なお、調査が始まったのは老人福祉法が制定された1963年だが、この時は153人のみであった。その後、1998年に10,158人、2003年に20,561人、そして2009年には40,399人と、短期間のうちに数が倍増。

国立社会保障・人口問題研究所による2023年の将来推計人口調査によると、2050年までには約46万7,000人(死亡率が中位推計の場合)に上り、約6割のセンテナリアンが第二次ベビーブーム世代(団塊ジュニア)を占めるようになる2075年に約71万5,000人となり、その年をピークにその後減少し、2120年には約41万8,000人になるとの予測が成されている。一方で、この数は100万人に達するとの試算もある。

なお、2023年時点での予測では、2050年で1950年生まれの100歳人口は約15万4,260人であり、100歳生存率は約6.6%となっている(男女別では、男性は3万1,190人、女性は12万3,070人である。100歳生存率は、男性で約2.8%、女性は約10.22%となる)。

日本の平均寿命の高さを、炭水化物中心の食事と健康的な生活に求める専門家は多い。都道府県別でセンテナリアンが都道府県内に占める人口10万人当たりの人数は2023年9月現在、全都道府県で最も高く2013年以降県内人口に占めるセンテナリアンの割合が高かった島根県で155.17人であり全国平均と比較して210%、次いで高知県は146.01で全国平均の198%、第3位の鳥取県は126.29人で全国平均の171%とそれぞれ多くなっている。
また、かつて長寿県と言われた沖縄県の県民の平均寿命が高かった時期があり、その高い要因が食事以外に裏付けられる要因が4つあり、後に長寿学研究でも言及されていた。なお、2023年における日本国内のセンテナリアンの人数は約1,356人に1人、対して沖縄県は人口比が全国平均の115%と上回り、2023年で約1,180人に1人となっている。しかしながら、沖縄県を人口比で上回る都道府県が27県あり、その中で島根県・高知県・鳥取県・鹿児島県は800人に1人以上はおり、最も多い島根県は約644人に1人であった。

日本の100歳以上人口は1970年以降増加を続けているが各都道府県ごとの統計では、2000年代終わり頃(明治末期~大正世代)より百歳到達者数や百歳以上の人口が前年比で減少となる県(特に男性)が増えている。特に沖縄県は100歳以上人口の増加が鈍く、人口10万人当たりの百歳以上高齢者数は1973年~2009年まで1位だったが、2010年に2位に後退し、2014年に11位、2023年には28位まで落ちている。要因としては米国型食習慣の普及、肥満症や糖尿病、戦死が多い世代である、新型コロナウイルスの影響などが考えられている。

センテナリアン人口

日本及び海外諸国

国際連合人口部による推計値では、1960年に20,000人、1990年に92,000人、2000年に151,000人、そして2010年には294,000人に増加し、2015年には417,000人に膨れ上がっている。これらの古い推定値は、アメリカ合衆国などが行う全国的な調査結果が考慮されていないことに注意。 また、2020年の国連の予測値によると、世界中の100歳以上の高齢者は573,000人に過ぎないことになっている。

下表は、国ごとのセンテナリアン人口の最新の推計値を、最古のものと比較出来るよう纏めたものである。なお、入手可能な資料から作成しているため、年度は国によって異なる。

日本のセンテナリアン人口・人口比推移

日本国内のセンテナリアンの1884年以降の推移示した表は以下の表となる。

都道府県別のセンテナリアン人口・人口比

なお、日本国内のセンテナリアンの都道府県別で示した表は2023年9月15日時点で以下の表となる。なお、10万人当たりのセンテナリアン人口は2023年9月時点のセンテナリアン人口から2022年の人口で割った数値である。

100歳人口と生存率

伝統

100歳の誕生日に贈り物を進呈するなど、何らかの祝賀を行う国は多い。例えばアメリカ合衆国では、伝統的に大統領が手紙を送り、長寿のお祝いとしている。NBCのトゥデイでも、1983年以降新たにセンテナリアンとなった人物を紹介。

イギリス並びにコモンウェルスでは、女王が挨拶状(かつては電報)を送付。アイルランドでは2,540ユーロの報奨金が出されるとともに、大統領から手紙が送られる。これはアイルランド生まれであれば、海外へ移住していても貰えるのが特徴である。スウェーデンでは国王または女王から電報が届く。

日本では銀杯と共に総理大臣から祝状が送られ、長寿と生涯の繁栄を祝う。
また、伝統ではないが、かつて短期間であるが、明治初期の1869年(明治2年)~1871年(明治4年)の3年間に養老扶持の名で、88歳以上の高齢者に扶持米が毎年贈られ、100歳以上は3人扶持(88歳~99歳は2人扶持)と扶持米を1人分多く贈られた(なお、1人扶持分の米の量は5俵分(重さ換算で約300㎏)である。)。そして、養老扶持を廃し祝寿金にした際、100歳以上は10円(88歳~99歳は5円)と5円分多く贈られたが、1872年(明治5年)1月に1回贈られたのみである(なお、1円は現在価値で、2万円である。)。その後、1925年(大正14年)5月に、大正天皇・皇后の結婚25周年を記念して、100歳以上の者に2円(90歳以上は1円)と「養老」と記るされた朱塗木杯が、90歳代の高齢者含め2万482人へ贈られている(なお、大正時代の1円は、現在の価値で約688~約2,790円である。)。ちなみに、同年10月1日に行われた第2回国勢調査では、90歳以上の高齢者は1万4,457人いることになっている。

また多くの文化において、100歳まで生きることを願う旨を、祈りの言葉に取り入れている。ヒンドゥー教徒の間では、高齢者の足に触れた者は「100歳まで生きますように」と声を掛けられることが多い。

スウェーデンの伝統的な誕生日の歌に「100年間生きられますように」との一節がある。ユダヤ教で祈りを捧げる際、「100歳まで生きるかもしれない」と言うのが一般的である。ポーランドには長寿を願う歌に「スト・ラト」(Sto lat、直訳すると「100歳」)があり、世界中のポーランド系住民を含め、誕生日に歌われることが極めて多い。

イタリアでは誕生日になると、100歳以上生きられるかどうかを占う。皆が100歳まで幸福に生きられるようにとの願いを込めて、「チェント・アンニ」("Cent'anni"、「100歳」の意)と言うイタリア人もいる。ギリシアでは誕生日を祝う場合、「ナ・タ・エカトスティシス」(na ta ekatostisisνα τα εκατοστήσεις、意訳すれば「100歳の誕生日を迎えられますように」)という表現で締める。

古代におけるセンテナリアン

いわゆる古典古代におけるセンテナリアンの存在が史料から示唆される。なお、一般に、過去を対象にした統計は財産や権力を有する集団の属性が普通の人々の属性よりも強く反映される。

紀元前400年における平均余命は、わずか30年ほどと推定されているが、Grmek および Gourevitch の推測によれば、古代ギリシアでは生後5年を過ぎた子供は(すなわち当時乳幼児期に一般的だった疾患をすべて生き延びた子供は)比較的高齢まで生存することが充分に見込めたという。

古代文明を対象としたある統計では、古代ギリシアの男性は平均で45年生き、女性は36.2年生きたとしている(サンプル数・男性91、女性55)。注目すべきことに平均余命の男女差が現代と逆になっているが、これは当時の出産の死亡率が現代よりもずっと高く、女性の平均余命を押し下げているためである。また平均的な市民にとって衛生や食生活(いわゆる地中海食)、運動に気を配ることは一般的だったが、古代ギリシアの市民は実質的に全員に兵役が課されていたことから現代にくらべて負傷することが多く、このことは男性の平均余命をさげている。

3世紀半ばの哲学史家ディオゲネス・ラエルティオスは、ある程度信頼できるセンテナリアンについての記述としては最古に類するものを残している。ディオゲネスによると、前2世紀の天文学者ヒッパルコスは、原子論を唱えたデモクリトスが確かに109年生きたとしているという(前470/460年頃 - 前370/360年頃)。古代におけるデモクリトスについてのその他の証言もすべてデモクリトスが少なくとも90年以上生きたとしているようである。しかしこの長寿は、90年以上生きた同時代の他の哲学者にくらべて劇的に突出していたわけではなかったらしく、そのような哲学者には、例えば、クセノパネス(前570/565年頃 - 前475/470年頃)、懐疑論の祖であるピュロン(前360年頃 - 前270年頃)、数学者・天文学者のエラトステネス(前285年頃 - 前190年頃)がいる。デモクリトスのケースは史料に基づくことから、寿命が154年とも157年とも290年ともいうエピメニデス(前7世紀から前6世紀)のような例とは区別される。

古代ギリシア・ローマ以外でも、多数の歴史的人物が100歳を超えて生きたとされる。エジプト学者の説くところによると、第6王朝のファラオであるペピ2世は100年以上生き(前2278年頃 - 前2184年頃)、治世は94年に及んだという。もっともこれには議論があり、治世は64年であったとされることもある。また、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世に第1回ニカイア公会議の招集を決意させたコルドバのオシウスが102年生きたと伝えられているほか、ドイツのベネディクト会士ベルノルト・フォン・コンスタンツが著した『年代記』1097年の条には、エステ家の祖であるアルベルト・アッツォ2世・デステの死が「すでに100歳を超えて」いたとの注釈とともに記されている。結論としては、古代におけるセンテナリアンは非常に稀だったにしても存在しなかったとは考えられない。

老年学を専門とするジェロントロジー・リサーチ・グループは年齢に確証がある史上初のセンテナリアンとしてノルウェーのエイリッフ・フィリップセン(1682年-1785年)を認定している。フィリップセンは後に101歳、102歳を初めて迎えた人物にもなる。

センテナリアン研究

イタリアで行われた調査によると、健康なセンテナリアンはビタミンA及びビタミンEを多く摂っており、これが長寿を迎える上で重要という。しかし、他の要因が重要な役割を果たすサルディニアのセンテナリアンには当て嵌まらないとして、これに反する調査もある。

ポーランドで実施された予備研究では、健康な若年層の男性とは対照的に、上シレジアのセンテナリアンは血清中のビタミンEが乏しい一方で、赤血球中のグルタチオンジスルフィドレダクターゼやカタラーゼの活動が活発であることが分かっている。

デンマークの研究でも、センテナリアンは赤血球中のグルタチオンジスルフィドレダクターゼの活動が活発であることを発見。認知機能や身体能力が最も高い層で、この酵素の活動が最も活発な傾向にあったという。

また、センテナリアンを親に持つ者は、ナイーブB細胞の数が多いとの研究もある。長生きの親の子どもも長寿を迎えることはよく知られるが、受け継がれた遺伝子が重要であるにもかかわらず、その理由は分かっていない。

なお、FOXO3A遺伝子が平均寿命に肯定的な影響を与えることが知られており、100歳以上の人間に極めて多く見られるという。これは世界共通の模様。

100歳以上の男女には、この他にも社会的物理的環境に関する共通の要因があると、ボストン大学ニューイングランドセンテナリアン研究所長のトマス・T・パールズ博士は言う。その要因とは、友達が多く親戚との絆が強い、自尊心がかなりある、などである。

加えて、センテナリアンの子は同年代に比べて心臓血管の状態が良好との調査もある。

ジョン・W・サントロックの著書『寿命の伸長に対する局所的アプローチ』では、下記の5つの要因が長寿に最も重要としている。

  1. 遺伝と家族健康歴
  2. 健康。例えば体重、食事、喫煙の有無、運動量など
  3. 教育水準
  4. 性格
  5. 生活様式

また、センテナリアンに最も多いのが未婚女性で、ホロコーストのような惨事を経験すれば、ストレスや貧困にうまく対応するようになり、長寿に至る傾向があるという。

かつて平均寿命が都道府県別で最も高かった沖縄県でセンテナリアンの数が多い要因については、以下の5つが挙げられている。

  1. 日々の食生活で穀類や魚、野菜を多く採る一方、肉類や卵、乳製品はあまり口にしない
  2. 本土の住民に比べ、明らかにストレスが少ない生活様式
  3. 地域社会の面倒見が良く、高齢者が孤立せず、介護を受けるケースが多い
  4. 他国の平均よりも退職年齢が遅い上、歩きや庭いじりなどの活動を重視
  5. 目的意識が霊的な問題への関与に由来し、祈りがストレスや諸問題を和らげてくれる(ユタを指すと思われる)

韓国の仁荷大学が行った歴史研究によると、宦官のセンテナリアン率が3%を上回っており、去勢を施されていない男性に比べて、平均14 - 19歳長生きするという。

最近は韓国の全南大学を中心として研究が行っている。全南大学の老化科学研究所では2018年、2020年、2022年、2023年に求礼、谷城、淳昌、潭陽、和順、光州などに居住しているセンテナリアンの健康状態、生活習慣、家族関係、社会保障なのについての研究結果を報告した。

日本におけるセンテナリアン論争

2010年、日本国内のセンテナリアンの数に疑義が生じる事態となった(高齢者所在不明問題)。これは、一連の報道により数十万人の高齢者が「行方不明」になっていたためである。

同年7月には、戸籍上は111歳となっていた東京都「最高齢」の男性が、実は約30年も前に死亡していたことが発覚し、警察が105歳以上とされている人物の調査に乗り出す事態となった。

その後、少なくとも200人が行方不明となっているのが分かっており、8月初頭に始まった全国調査でその数が更に増え続けた。

それ以前の2005年にも、厚生労働省発表の高齢者名簿(上位100位)に掲載された東京都荒川区の110歳女性(19位)が、40年以上所在が確認されていないことが判明している。

脚注

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参考文献

  • Koch, Tina; Kralik, Debbie; Power, Charmaine (2005). 100 Years Old: 24 Australian Centenarians Tell Their Stories. Camberwell, Vic: Viking. ISBN 0-670-02872-X 

関連項目

  • 長寿
  • スーパーセンテナリアン
  • 高齢で死去した著名人一覧
  • 百歳バンザイ!
  • きんさんぎんさん
  • 高齢者所在不明問題

外部リンク

  • 沖縄センテナリアン研究所
  • ニューイングランドセンテナリアン研究所

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: センテナリアン by Wikipedia (Historical)