高岡 早紀(たかおか さき、1972年12月3日 - )は、日本の女優、歌手。本名:高岡 佐紀子(たかおか さきこ)。
神奈川県藤沢市出身。アオイコーポレーション所属。2011年、個人事務所エアジンを立ち上げる。
幼少期から藤沢市の安田バレエ教室でクラシックバレエを習う。
13歳だった1986年、本名の「高岡佐紀子」名義で雑誌『セブンティーン』のモデルとして芸能活動を開始。
14歳だった1987年5月4日、東京厚生年金会館で行われた「ミスマガジンアイドル夢工場'87」の最終審査に進出するも、落選。
同年、バレリーナになるつもりで海外留学の資金集めをどうするか考えていた所、靴メーカー「マドラス」主催の「第3回シンデレラ・コンテスト」を知り、優勝賞金500万円につられて深く考えずに応募。その回の出場者の中で最年少だったが優勝し、直後にCMデビューが前提のコンテストだったことを初めて知る。
1988年4月、「マドラス」のテレビCMで俳優・岡田眞澄と共演。同月30日、「高岡早紀」の芸名でCMソングの『真夜中のサブリナ』をリリースし、アイドル歌手としてもデビューした。同期デビューの歌手はWink、田中律子、西田ひかるら。
1989年10月7日公開の映画 『cfガール』にて女優デビュー。1990年には映画『バタアシ金魚』に出演した。
意図せず芸能界デビューすると次々に仕事が決まったことで、当初思っていたバレリーナになる夢は断念した。ただし、高校3年生になった頃に周りが進学や就職を考える中、高岡も「このままでいいのか?」と迷いが生まれたことが発端となり、93年頃に当時の事務所を辞めて数ヶ月間ロンドンに留学してバレエ教室と英会話スクールに通った。
堀越高等学校を卒業した1990年に、ハウスフルーツインゼリーのCMに出演。
1992年は写真集『WAOOOO!!』を出版する。
1994年、映画 『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(以下、『忠臣蔵』)に出演し、ヌードを披露。同作品では日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞などを受賞する。翌年には、篠山紀信撮影のヘアヌード写真集 『one, two, three』を出版。映画、写真集と相次いでヌードを公開した。
1995年から放映された「アパガード」(株式会社サンギ)のCMでは、俳優の東幹久と共演、「芸能人は歯が命」というキャッチフレーズは流行語となった。
芸能事務所は、ボンド企画、フロム・ファースト、スターダストプロモーション、再度フロム・ファースト、エイベックス・マネジメントと変遷し、2011年に個人事務所エアジンを設立。芸能事務所と業務提携の形をとっていた。2019年6月1日よりtos-sに所属、2021年1月にジョイナス エンターテインメントに移籍し、2022年8月1日からはアオイコーポレーションに所属。
結婚・子育てによる一時休業を経て(後述)女優活動復帰後、2005年に舞台「キレイ 神様と待ち合わせした女」への出演が決まる。しかし本番2週間前の稽古中に転倒し、本人によると女優を続けることに不安がよぎるほどの顔に大きなケガを負った。その後何とか無事に治り出演を果たしたが、本人は当時を振り返って「あの舞台を降板していたら、そのまま女優を辞めていたと思う」と語った。
2013年の主演映画「モンスター」のエンディング曲を歌ったことがきっかけで、歌手活動を再開した。また、2019年に五十嵐貴久原作のホラー・サスペンス「リカ」シリーズのリカ役として出演したドラマが話題となり、その後公開された映画「リカ〜自称28歳の純愛モンスター〜」でも同役を演じた。
2021年5月20日に初のエッセー「魔性ですか?」を出版。
父親は横浜でジャズ・ライブハウスを経営していたものの高岡が幼い頃に他界。母親一人で育てられた。妹はモデルの高岡由美子。
海の近くに住んでいたことから幼少時は砂浜が遊び場で、洋服のまま砂浜を駆け回りどろんこになって家に帰ってくるような子だった。ただし、当時は口数が少なく自己表現が苦手で基本的には大人しい性格だった。
高岡によると母の「父を失った寂しさを感じさせたくない」との思いから、母子家庭ながら小学生の頃からピアノ、習字、スイミングなどのお稽古事に通わせてもらっていた。その中でも6歳の頃に始めたクラシックバレエは、「言葉での表現が苦手な自分でもバレエなら表現できる」とのことで夢中になった。
19歳の頃、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』の撮影で深作欣二監督と出会ったことが女優としての転機になったと語っている。
先述のロンドン留学中に「面白い仕事があるから帰ってきませんか?」と日本から連絡があり帰国して出演したのが同作品だった。高岡はヒロインのお岩役を演じることになったが、本格的な時代劇は未経験だったため、単身で京都の松竹撮影所に入ると着物の所作を学ぶところから始まった。着付け、歩き方、雑巾の絞り方まで細かな指導を受け、日舞の先生にもついて朝から晩まで様々なお稽古をしては撮影所とホテルを往復するだけの日々を送った。
その後始まった撮影現場では、映画製作に妥協を許さない深作から何度も怒鳴られながら何十回もリハーサルを繰り返した。ある日高岡がお岩役をどう演じたらいいか分からず音をあげると、深作から「俺は男だから分からない。お前は女なんだから女の気持ちが分かるだろう」と言われた。これについて高岡は、「目からうろこが落ちた。『どんな役でも自分なりに演じればいい』ということに気付された。監督のこの言葉は女優としての私の宝物です」と語っている。
子供の頃から「母と同じ23歳で結婚したい」との思いもあり、1996年に俳優の保阪尚希と結婚。1998年に長男、2000年に次男と2人の息子を出産。この間出産や子育てのため一時仕事を休業。2004年6月に離婚(息子2人の親権は保阪が得た)。2010年9月に女児(父親は当時交際していて一度は再婚を考えた6歳上の青年実業家)を出産。なお、高岡は3児とも自宅で出産しており、妹の高岡由美子も立ち会いを経験した影響を受けて同様である。
2014年頃からのパートナーは、外食産業ダイヤモンドダイニング社長の松村厚久。
ジャズピアニストの山下洋輔夫妻は両親の親友で、家族ぐるみの付き合いがあるという。山下は、過去に父のライブハウスによく出演しており、高岡は幼少の頃から可愛がられてきた。その後山下とは映画「モンスター」でビアノ演奏する彼と共演したり、2015年のジャズの祭典「SAPPORO CITY JAZZ」(サッポロ・シティ・ジャズ)では山下洋輔トリオにゲストボーカルとして迎えられ、ドラマーの村上 “ポンタ” 秀一とも共演した。
バタアシ金魚
忠臣蔵外伝 四谷怪談
KYOKO
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