UEFAヨーロッパリーグ(UEL、英: UEFA Europa League)は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催する、ヨーロッパのクラブチームによるサッカーの国際大会である。この大会への参加資格は、各国のリーグ戦やカップ戦での成績に基づいている。
UEFAカップウィナーズカップが廃止される前の1971年から1999年までは"第3層"であったが、現在はUEFAチャンピオンズリーグの下、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグの上に位置する"第2層"の大会である。
インターシティーズ・フェアーズカップとして創設された大会が前身となり、1972年にUEFAカップとして正式に発足。1999年、それまであった欧州三大カップ戦の一角、UEFAカップウィナーズカップ(ヨーロッパ各国のカップ戦優勝クラブによる国際大会)を吸収する形で(UEFAカップ出場資格に、ヨーロッパ各国のカップ戦優勝クラブを加える形で吸収)、統合された。
グループステージ以外においては、対戦の勝敗は基本的にH&A方式の2戦合計にて決められる。また、決勝戦のみ中立地での1戦で勝敗を決する(1997-98シーズンより)。グループステージには、2021-22シーズンからは4クラブ×8組の32クラブが出場する(2004-05シーズンより2008-09シーズンまでは5クラブ×8組の40クラブが出場(1回総当たり、各クラブがホームゲームとアウェーゲームを2回ずつ実施)、2009-10シーズンより2020-21シーズンまでは4クラブ×12組の48クラブが出場(H&Aの2回総当たり)していた)。
従来、UEFAヨーロッパリーグ(当時の名称はUEFAカップ)は、各国リーグの上位クラブ同士が対戦するということもあって、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)と並んでレベルの高い大会であった(90年代中盤までUEFAチャンピオンズリーグは、どの国も1クラブ(リーグ優勝したクラブのみ)しか出場できなかった。そのため当時のUEFAカップは、リーグ優勝を惜しくも逃した各国の上位クラブが多数参加する非常にレベルの高い大会であった)。しかし1997-98シーズン以降、UEFAチャンピオンズリーグ出場クラブ拡大の余波を受け、各国リーグから複数のクラブがUEFAチャンピオンズリーグへの参加が認められるようになると、欧州主要リーグのビッグクラブが軒並みUEFAチャンピオンズリーグに参加してしまう事態となり、UEFAカップは、「国内リーグで優勝もしくはUEFAチャンピオンズリーグ出場権を逃したチームのための大会」という不名誉な位置付けの大会に成り下がりつつあった。
この課題を解決するための施策として、UEFAチャンピオンズリーグ本大会グループリーグ(GL)3位敗退クラブなどが当年度のUEFAヨーロッパリーグに参加することを可能とすることで、例えば近年ではマンチェスター・シティ、チェルシー、リヴァプール、ユヴェントスのようなUEFAチャンピオンズリーグの優勝を目指すようなビッグクラブやアトレティコ・マドリード、ボルシア・ドルトムント、ポルト、バルセロナのようなUEFAチャンピオンズリーグでもGLを勝ち抜けるであろうと目される有力クラブが、UEFAヨーロッパリーグへ参加できるよう手配するようにしている。
その他の施策としては、グループリーグの導入(当初は変則H&A形式のリーグ戦として2004-05シーズンより導入)、決勝戦を中立地での1戦のみで決する(決勝戦はUEFA4つ星認定スタジアム以上の格付けを持ったスタジアムで開催する)、より格式高い大会とするためのセレモニーとしてUEFAヨーロッパリーグ・アンセム(賛美歌)の導入や新たな大会ロゴマークの新設、大会名も2009-10シーズンより従来のUEFAカップからUEFAヨーロッパリーグへと変更する、等、UEFAチャンピオンズリーグに近いような大会方式に変更された。さらに2014-15シーズンより、優勝クラブには翌年度のUEFAチャンピオンズリーグへの出場資格が与えられている。
2021-22シーズンより、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)が創設されたことにより、UELに直接出場するクラブ数は大幅に削減された。UECL優勝クラブは翌年度のUELのグループステージ出場権を得る。
UEFAランキング1位~4位の国の前年度国内リーグ5位のクラブと同ランキングの5位の国の国内リーグ4位のクラブの計5クラブがUELのグループステージに直接出場する。
2018-19シーズンから2020-21シーズンまで UEFAランキング1位~51位の国は2つ、52位~54位の国は1つの出場枠を持つ。ただし、リヒテンシュタインは国内リーグが無いため、国内リーグ戦の成績による出場クラブはない。リーグカップ戦からの出場枠を有するイングランド、フランスは国内リーグ戦の成績による出場は1クラブのみとなる。
(1) UEFAランキング1位〜4位の前年度国内リーグ5位と6位クラブ
(2) UEFAランキング5位〜6位の前年度国内リーグ4位と5位クラブ
(3) UEFAランキング7位〜15位の前年度国内リーグ3位と4位クラブ
(4) UEFAランキング16位〜51位の前年度国内リーグ2位と3位クラブ
(5) UEFAランキング52位~54位の前年度国内リーグ2位クラブ
UEFAランキング1位~15位の国の前年度国内カップ戦優勝クラブ、計15クラブがUELに直接出場する。上位6か国の優勝クラブはグループステージから出場する。
2018-19シーズンから2020-21シーズンまで
1996-97シーズン以降、同じ年度のUEFAチャンピオンズリーグの敗退チームの一部も当大会に合流する。
2021-22シーズンから、UELを分割する形で、UCL、UELに次ぐ、3番目のレベルの大会として、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)が創設された(かつて、3番目のレベルの大会としては、2008年までUEFAインタートトカップが存在し、上位入賞クラブがUEFAカップ出場権を得ていたが、UELに統合された)。そのため、従来、UEL出場権を得ていたUEFAランキング16位以下のカップ戦優勝クラブ、同1~4位の前年度国内リーグ6位クラブ、同5位の前年度国内リーグ5位クラブ、同6位以下で前年度国内リーグ成績により出場権を得ていたクラブは、当大会では無くヨーロッパカンファレンスリーグに出場する。
予選はトーナメント形式によるホーム・アンド・アウェー戦を実施する。2試合終了後同点の場合には延長戦、PK戦を行い勝者を決定する。なお、2020-21シーズンまではアウェーゴールルールが採用されていた。各対戦前に各クラブのランキングポイントによりポットを分けた上で同国のクラブ同士が対戦しないように抽選を行う。予選で敗退したクラブはカンファレンスリーグに出場する。
グループリーグは32チームを4クラブずつ、8グループに分けたホーム・アンド・アウェー戦のグループリーグを実施する。抽選は各クラブのランキングポイントにより4つのポットにわけ、また同国のクラブが同じグループに入らないように行われる。各グループ1位のクラブは自動的に決勝トーナメント進出が決まるが、2位のクラブはチャンピオンズリーグのグループリーグを3位で敗退したクラブとのプレーオフにより決勝トーナメント進出を争う。3位のクラブはカンファレンスリーグの決勝トーナメント進出を懸けたプレーオフに出場する。
決勝トーナメントは、16クラブでのトーナメント形式によるホーム・アンド・アウェー戦を実施する。2試合の合計スコアが同じ場合は延長戦→PK戦で次のステップ進出クラブを決める。(アウェーゴール方式は2020-21シーズン限りで廃止)決勝のみ(自国クラブが勝ち上がった場合は中立地でなくなるが)中立地での一発勝負となる。
決勝トーナメントプレーオフの組み合わせ抽選はグループリーグ2位の8クラブがシードされ、同国のクラブ同士が対戦しないように抽選される。1回戦の組み合わせ抽選はグループリーグ1位の8クラブがシードされ、同国のクラブ同士が対戦しないように、またグループリーグで対戦したクラブとも当たらないように考慮される。2回戦以降の抽選ではシード分けはされず、同国同士・グループリーグ同組同士の対戦も制限されない。
2024-25シーズンから
2021-22シーズンから
2018-19シーズンから2020-21シーズンまで
UEFAランキングによる出場クラブ数の変更
抽選はグループリーグ終了後に決勝トーナメント1回戦の抽選を行う。1回戦においては、UEFAチャンピオンズリーグ3位クラブのうち、成績上位4チームをグループステージ1位の枠に入れてシードし、成績下位4チームはグループステージ2位の枠に入れる。そして1位の枠から1つ、2位の枠から1つという形で抽選を行う。2位の枠から選ばれたチームが第1戦のホームとなる。また同国のクラブ同士が対戦しないように、またグループリーグで対戦したクラブとも当たらないように考慮される。準々決勝、準決勝は再度抽選となるが、この際には1回戦の抽選に伴う考慮はなく、全くのフリーで抽選を行う。
国内カップ戦優勝クラブがUCLに出場のため不参加でカップ戦準優勝クラブが出場する場合、各国の判断によっては、どのラウンドから参加するかを国内リーグの順位に従って決める。
2024-25シーズンより、現行の32チームから36チームに出場枠が拡大され、グループステージを4チーム、8組に分けるフォーマットは廃止され、スイス方式の総当たり方式が導入される。
具体的には、予選リーグは参加36チームが、組み合わせ抽選により、オープン形式で8チームt対戦を行い、そのうちホーム・アウェー各4試合づつを実施。8試合終了時点での成績上位8チームは自動的に決勝トーナメントに進出。9-24位についても組み合わせ抽選によりホーム・アンド・アウェー方式によるプレーオフを行い、その勝者8チームを加えた16チームが決勝トーナメントを争う。
シーズン途中に移籍して新加入した選手が前所属クラブでUEL本大会に出場歴のある場合、新たな所属クラブで同年度の大会に出場登録はできない。同年度のUCL本大会に出場歴のある選手は、1人に限り登録が可能(但しUCLに出場した際の前所属クラブが、UCLでグループリーグ3位になってUEL決勝トーナメントに参加する場合は不可)。UCL、UELの予選のみに前所属クラブで出場歴がある選手に関しては、新たな所属クラブで本大会から登録できるルールに変更された(元々は前所属クラブが敗退していない場合は登録不可だった)。
2022/23シーズンの例。
上記はステージ進出ごとに加算されることを意味している。そのためグループステージ全勝で優勝した場合の額は2291万ユーロとなる。加えて以下の額がクラブに与えられる。
注:優勝年度及び準優勝年度は、優勝が決定した年を並べている。例えば、1971-72年度王者は1972年としている。
大会がUEFAヨーロッパリーグになった2009-10シーズン以降、テーマ曲「UEFAヨーロッパリーグ賛歌 (UEFA Europa League Anthem) 」が使われており、試合開始前、テレビ中継開始時と終了時に流される。このアンセムには、UEFAチャンピオンズリーグアンセムとは違って歌詞は存在しない。初代アンセムは、2009-10シーズンから2014-15シーズンまでの6年間使われ、作曲はフランスのヨアン・ツバイクが担当し、パリ・オペラ座管弦楽団の演奏によるものだった。
2015-16シーズンから2017-2018シーズンまでのアンセム(2代目)は、ドイツの作曲家・ミヒャエル・カデルバッハによって作曲されたもので、アップテンポや拍手をベースに、選手・サポーター・チームスタッフとの一体感を表現したものとなっていた。
2018-19シーズンからは、本大会のヴィジュアル・アイデンティティ(VI)がリニューアルしたのに合わせ、アンセムも3代目のものに一新された。現行のアンセムは、夜に行われる試合の情熱とエネルギーを表しており、高揚感を生み出す力強い楽曲となっている。
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