Aller au contenu principal

第23回参議院議員通常選挙


第23回参議院議員通常選挙


第23回参議院議員通常選挙(だい23かいさんぎいんぎいんつうじょうせんきょ)は、2013年(平成25年)7月21日に日本で行われた国会(参議院)議員の選挙である。

概要

2012年(平成24年)12月16日に執行された第46回衆議院議員総選挙で自由民主党が政権を奪還して、初めての大型国政選挙である。

第21回参議院議員通常選挙以降、参議院では政権与党が過半数を下回るねじれ国会が続いており(2009年の第45回衆議院議員総選挙から2010年の第22回参議院議員通常選挙までの期間を除く)、非改選議員と合わせて与党が過半数を確保できるかが最大の焦点とされていた。

参議院の議員定数242人の半数、すなわち、2007年(平成19年)7月29日執行の第21回参院選で選出された選挙区73議席と比例代表48議席の合計121議席が当選挙での改選対象となる。第21回参院選は、自民党は第1次安倍内閣で大敗を喫しており、その後の退陣や2009年の政権交代にも繋がる契機となっただけに、安倍にとっては雪辱の舞台でもある。

12年に一度重なる東京都議会議員選挙との同年実施となる。当年の同選挙は6月23日に実施され、本参院選は約1か月後に行われた。

また、公職選挙法の改正により、以下の点が変更となった。

  • 選挙区の改選数が一部変更され、神奈川・大阪が1人増で4人、福島・岐阜が1人減で1人となる。
  • 2013年4月19日の改正により、「インターネット選挙運動」が認められることとなった。
  • 同年5月27日の改正により、「成年被後見人の参政権」が回復した。

香川県高松市での開票において、票の不正操作が行われ、逮捕者を出す事態となった。

選挙データ

内閣

  • 第2次安倍内閣(第96代)

公示日

  • 2013年(平成25年)7月4日

投開票日

  • 2013年(平成25年)7月21日
  • 総務省発表(7月11日)によると、離島や山間地など全国11都道県81投票所で投票日を18日〜20日に繰り上げ。開票はいずれも21日。
    • 7月18日:鹿児島県(13か所)、7月19日:北海道など(9か所)、7月20日:長崎県など(59か所)。
    • また外務省は、在エジプト大使館での在外投票を「13日まで」から「7月11日まで」に繰り上げた。

有権者数・投票率など

総務省|第23回参議院議員通常選挙結果 都道府県別投票総数、有効投票数、無効投票数(選挙区)より抜粋

  • 期日前投票者数は、12,949,984人で、全有権者の12.36%にあたり、参議院議員通常選挙では過去最多であった。
  • 比例代表の無効票数は1,563,233であった。

選挙制度

改選数

  • 121(選挙区73・比例区48)

定数の変更

2012年に選挙区定数の4増4減が行われた。大阪府、神奈川県がそれぞれ定数6から8(改選数は4)に増員され、福島県、岐阜県はそれぞれ定数4から2(改選数は1)に減員された。

  • 選挙区
    • 小選挙区制 ‐ 改選数31
      • 1人区 - 31
    • 中選挙区制 ‐ 改選数42
      • 2人区 - 10(北海道・宮城・茨城・新潟・長野・静岡・京都・兵庫・広島・福岡)
      • 3人区 - 3(埼玉・千葉・愛知)
      • 4人区 - 2(大阪・神奈川)
      • 5人区 - 1(東京)
  • 全国比例区
    • 非拘束名簿式比例代表制 ‐ 選出数48

イメージキャラクター

その他

  • 立候補者433人 (地方区:251人・全国区:186人)

党派別立候補者数

433人が立候補した。立候補者数は前回参議院選の437人(選挙区251人、比例区186人)を4人下回った。比例区において政党名での投票が可能となる「参議院名簿届出政党等」は、12団体であった。なお元衆議院議員の小林興起を代表とするつばさ日本、株式会社アイスターを支持母体とするなかよしの党、萱野茂二風谷アイヌ資料館の館長萱野志朗らによって結成されたアイヌ民族党、前回の参院選で東京都選挙区に党代表が立候補したあきつ新党は、最終的に候補の擁立を見送った。

注釈

民間団体による候補者アンケート

  • 言論NPOが、7月12日に「あなたは政治家として何を実現しますか」 と題した各候補者(選挙区、比例区)へのアンケート結果を公開している。

主な争点

政策

  • アベノミクス
  • 憲法改正
  • 日本の原子力発電所
  • 消費税
  • TPP

各政党の政権公約

Collection James Bond 007

民間団体によるマニフェストの評価・比較

  • 言論NPOが、7月16日に「主要9政党の分野別マニフェスト評価」を発表している。
  • 選挙政治サイト政治山は、早稲田大学マニフェスト研究所協力のもと、「マニフェスト・公約 比較表」を掲載している。

選挙結果

与党

自民党、公明党

  • 自民党が現行制度下では最多となる65議席(選挙区47議席、比例区18議席)を獲得し、6年ぶりに参議院第一党に復帰した。選挙区では31ある1人区のうち、岩手と沖縄を除く29選挙区で議席を獲得。2人区ではすべて1議席を確保し、3人区の千葉と5人区の東京では2議席を獲得した。比例区では18議席を得て12年ぶりの比例第1党となった。また結党以来初めて現職候補が全員当選している。
  • 公明党は選挙区に立候補した4人全員が当選し、比例区の7議席と合わせて改選前を上回る11議席を獲得した。

この結果、自民・公明両党による与党は76議席を獲得。非改選の59議席と合わせて過半数を上回る135議席となり、衆参両院で多数派が異なるねじれ国会は解消された。

野党

民主党

  • 前年12月の衆院選で政権から陥落した民主党は候補を擁立した19の1人区で全敗し、2人区の宮城、京都、兵庫で敗れたほか、3人区の埼玉、4人区の大阪、5人区の東京でも議席を失った。選挙区と比例区を合わせた17議席(選挙区10議席、比例区7議席)は1998年の結党以来最少。

日本維新の会、みんなの党

  • 参議院選挙初挑戦の日本維新の会は8議席(選挙区2議席、比例区6議席)を獲得した。みんなの党も同じく8議席(選挙区4議席、比例区4議席)を獲得している。比例区の得票数で見ると、維新は約635万票(11.94%)、みんなの党は475万票(8.93%)を獲得。2010年参院選でみんなは10議席、比例区では794万票(13.59%)を獲得しており議席数、得票数共に前回参院選の数値には達しなかった。しかし選挙区での獲得議席は前回の3議席から4議席へと増やしており初めて二人区で候補者が当選している。一方、選挙区では選挙協力の解消に伴って双方が候補を擁立し共倒れとなる選挙区が相次ぎ、両党とも議席数こそ伸ばしたものの伸び悩む結果となった。両党とも民主党から鞍替えした現職候補が選挙区で1人ずつ落選。

日本共産党、社会民主党

  • 6月の東京都議会議員選挙で躍進した日本共産党は改選前の3議席から5増の8議席(選挙区3議席、比例区5議席)を獲得した。比例区の得票は第22回参議院議員通常選挙の約356万票(6.10%)から約515万票(9.68%)へと大幅に増やしている。また都市部の3選挙区(東京・大阪・京都)で議席を獲得した。選挙区での議席獲得は2001年参院選以来12年ぶりのこと。共産党が国政選挙で議席を増やしたのは15年ぶりである。非改選の3を含めて11議席となったため、共産党は院内交渉団体の地位を回復し、国会法56条1項に基づく議員立法に必要な議案提出権を得た。
  • 社民党は改選前から1減となる1議席(比例区1議席)を獲得した。比例区での得票は125万票(2.36%)。「直近の国政での比例得票率2%以上」は維持したため、2019年の第25回参議院議員通常選挙までの政党要件は維持できたが、第22回参議院議員通常選挙の得票は約224万票(3.84%)であり、大幅に票数を減らした。選挙結果をうけて党首の福島瑞穂は辞任した。
  • 両党とも護憲派であることなどからメディアでは「護憲派の明暗がくっきり分かれた」と報じられた。しかし、共産党の参議院選挙での獲得議席、得票率は1970年代以降2000年頃までは度々あった。共産党が最多獲得議席、得票率を得たのは第18回参議院議員通常選挙である。

生活の党、みどりの風

  • 初挑戦の生活の党は選挙区で議席を得られず、比例区でも約94万票(1.77%)を獲得したものの議席獲得はならなかった。その結果、参議院の議席は8議席から2議席へと大幅に減らした。
  • 同じく初挑戦のみどりの風は比例区で約43万票(0.81%)。議席獲得はならなかった。選挙区でも現有議席を維持できず、4あった参議院の議席を失った。残った議席は衆議院の2議席のみとなり、政党要件を喪失した。自身も落選した代表の谷岡郁子は代表辞任と政界引退を表明した。

諸派

沖縄社会大衆党・新党大地
  • 糸数慶子(沖縄社会大衆党)は生活、共産、社民、みどりの風の推薦を受け、沖縄県選挙区で3選。
  • 新党大地は比例区で52万3,146票(0.98%)を獲得するも当選者を出せなかった。選挙区では2候補(北海道・大阪府)を擁立したが、いずれも議席を獲得する事が出来なかった。
その他
  • 初めての国政選挙に臨んだ緑の党グリーンズジャパンは比例区で45万7862票(0.86%)を獲得した。議席獲得には結びつかなかったが比例代表の三宅洋平が17万6970票と本選挙の最多得票落選者となるなど一定の影響力を見せた。
  • 幸福実現党は47全ての選挙区に候補者を擁立するも全敗した。供託金も全没収の結果である。比例区で19万1,643票(0.36%)を獲得するも前回2010年参院選の22万9,026票(0.39%)を下回った。
  • 減税日本、維新政党・新風、財政再建党、埼玉の未来を創る会、世界経済共同体党、スマイル党、みたまやま政策研究会、打出党、二十一世紀日本維新会は、選挙区のみに候補者を擁立したが、いずれも議席獲得はならなかった。

無所属

  • 当選した無所属候補は東京都選挙区の山本太郎と岩手県選挙区の平野達男。山本は初当選、平野は3回目の当選。その後平野は会派、新党改革に入会(新党改革・無所属の会と改称)、山本は生活の党に入党(生活の党と山本太郎となかまたちと改称)。

投票率

  • 選挙区 52.61%(前回57.92%)
  • 比例区 52.61%(前回57.92%)
※総務省集計

党派別議席獲得数

  • 勢力は7月29日時点。新党改革は今選挙で候補者を擁立していない。
  • 得票数に関する出典
    • 総務省|第23回参議院議員通常選挙結果調 小数点以下は按分票

議員

この選挙で選挙区当選

 自民党   民主党   維新の会   公明党   みんなの党   共産党   諸派   無所属 

補欠選挙

当該任期中に3名欠員が生じたが、任期満了前年(2018年=平成30年)の9月16日が経過しているため、公職選挙法の規定により、補欠選挙は行われなかった。全任期通じて補欠選挙はなかった。

比例代表選出議員

 自民党   民主党   公明党   維新の会   みんなの党   共産党   社民党 

繰り上げ当選

当該任期中に2名欠員が生じたが、名簿届け出政党が取り下げていたため行われなかった。全任期通じて繰上はなかった。

この選挙で初当選

計69名
  • 衆議院議員経験者には「※」の表示。
  • 現役衆議院議員には「□」の表示。

自由民主党

37名

民主党

5名

公明党

7名

日本維新の会

5名

みんなの党

6名

日本共産党

3名
  • 吉良佳子(東京都)
  • 倉林明子(京都府)
  • 辰巳孝太郎(大阪府)

無所属

1名
  • 山本太郎(東京都)

この選挙で返り咲き

計4名

日本維新の会

2名
  • アントニオ猪木(比例区)
  • 室井邦彦(比例区)
    • 2か月ぶりの国政復帰。前々回の選挙で当選しこの選挙で改選だったが、日本維新の会公認として出馬するため2013年5月に議員辞職していた。

日本共産党

2名
  • 小池晃(比例区)
  • 仁比聡平(比例区)

この選挙で落選

計35名

民主党

21名

日本維新の会

1名
  • 水戸将史(神奈川県)

みんなの党

1名
  • 米長晴信(山梨県)

生活の党

6名

みどりの風

4名

無所属

2名
  • 大河原雅子(東京都)
  • 植松恵美子(香川県)

この選挙で引退・不出馬

計28名

自民党

6名

民主党

10名

公明党

6名

社会民主党

1名
  • 山内徳信(比例区)

新党改革

1名
  • 舛添要一(比例区)

新党大地

1名
  • 横峯良郎(比例区)

無所属

3名
  • 森田高(富山県)
  • 川崎稔(佐賀県)
  • 自見庄三郎(比例区)

議員項目における脚注

  • 自民党関連
  • 国民民主党関連
  • 維新の会関連
  • 自由党関連
  • みんなの党関連
  • 希望の党関連
  • 立憲民主党関連
  • 民進党関連
  • 無所属関連
  • 死去
  • 辞職

同日選挙

  • 北海道:新得町長選挙
  • 岩手県:住田町長選挙
  • 山形県:庄内町長選挙
  • 福島県:富岡町長選挙
  • 茨城県:利根町長選挙、利根町議会議員補欠選挙
  • 埼玉県:飯能市長選挙、杉戸町長選挙、三郷市議会議員一般選挙、杉戸町議会議員補欠選挙
  • 千葉県:旭市長選挙
  • 長野県:宮田村長選挙、高森町議会議員一般選挙
  • 愛知県:清須市長選挙、豊山町長選挙
  • 三重県:松阪市議会議員一般選挙
  • 京都府:京都市議会議員中京区選挙区補欠選挙
  • 奈良県:奈良市長選挙、奈良市議会議員一般選挙、山添村長選挙
  • 和歌山県:太地町議会議員選挙
  • 兵庫県:2013年兵庫県知事選挙、兵庫県議会議員神戸市垂水区選挙区補欠選挙、淡路市議会議員一般選挙、上郡町長選挙、上郡町議会議員一般選挙 - 上郡町では、参院選・知事選・町長選・町議選の4選挙が同時に行われるカルテット選挙となった。
  • 島根県:美郷町議会議員一般選挙、飯南町議会議員一般選挙
  • 徳島県:三好市長選挙
  • 長崎県:長崎県議会議員長崎市選挙区補欠選挙、壱岐市議会議員一般選挙
  • 熊本県:五木村議会議員一般選挙
  • 鹿児島県:曽於市長選挙
  • 沖縄県:那覇市議会議員一般選挙

選挙特別番組

テレビ番組

地上波放送
  • NHK総合『参院選2013開票速報』放送時間 19:55 - 翌4:30(司会:武田真一)、ちなみにBS1では開票速報は放送されない。
  • NNN『ZERO×選挙2013』放送時間 19:58 - 翌2:00(司会:村尾信尚、山岸舞彩)
    • 日テレNEWS24(CS)・日本テレビ『参院選全部見せます!開票速報24』放送時間 19:57 - 翌4:00(日テレNEWS24(CS))・翌2:00 - 3:59(日本テレビ)(司会:坂木萌子、藤田大介、吉田理恵)
  • ANN『選挙STATION2013』放送時間 19:57 - 翌0:05(司会:古舘伊知郎、小川彩佳)
  • JNN『夏の決戦!参院選2013 ニッポンどこへ行く!? 〜あなたが選んだ未来〜』
    • TBS制作版:放送時間 19:50 - 翌0:45(司会:関口宏、膳場貴子、岸井成格)
      • 『夏の決戦!参院選2013 ニッポンどこへ行く!? 〜あなたが選んだ未来〜・ニッポンのよあけ』:放送時間 翌1:00 - 2:30(司会:中西哲生・江藤愛)
    • TBSニュースバード(CS)制作版:放送時間 19:55 - 翌6:00(TBSニュースバード(CS))・翌2:30 - 5:15(TBS)
  • TXN『池上彰の参院選ライブ』放送時間 19:50 - 23:54(司会:池上彰、相内優香)
  • FNN『FNN参院選 真夏の決断 2013』放送時間 19:58 - 翌2:30(司会:安藤優子、三宅正治、加藤綾子)
BS/CS
  • BSジャパン『日経プラス10 参院選スペシャル 復活への提言』放送時間 22:00 - 23:25
  • BS11『参院選特番 激論 これからのニッポン』放送時間 20:00 - 22:00、『参院選特番 この国の政治の表裏』放送時間 23:30 - 翌1:00

ラジオ番組

  • TBSラジオ『参院選スペシャル2013〜そして、この国はどこへ行くのか〜』放送時間 20:00 - 翌1:00(司会:麻木久仁子、荻上チキ
  • 文化放送『文化放送・参議院選挙開票スペシャル〜決戦!121議席〜』放送時間 19:50 - 翌0:30(司会:野村邦丸、三浦奈保子)
  • ニッポン放送『ザ・ボイス 参議院選挙もそこまで言うか!』放送時間 19:50 - 翌0:00
  • TOKYO FM『参議院選挙特別番組 列島タイムライン PARTI・開票スペシャル』放送時間 22:00 - 翌0:00(JFN系列全国ネット/司会:上杉隆、古賀涼子)
    • TOKYO FM『参議院選挙特別番組 列島タイムライン PARTII・目を離すな!新政権 2020年からの手紙』放送時間:翌0:00 - 2:00(JFN系列全国ネット/司会:伊藤洋一、今井広海)
  • これ以外にもJRN系で選挙開票特番を放送(一部系列局は独自で開票速報の放送局あり。ただし、未ネットの系列局もあり)

選挙無効請求事件訴訟

一票の格差が最大4.77倍で執行された第23回参議院議員通常選挙直後、投票価値が極めて低かった岡山県選挙区の選挙人らが、「公職選挙法14条別表第3の参議院選挙区選出議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるからこれに基づき施行された本件選挙の上記選挙区における選挙も無効である」と主張し選挙無効訴訟を提起した。

2014年11月26日、最高裁判所大法廷多数意見は「公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の下で,選挙区間における投票価値の不均衡は平成24年法律第94号による改正後も違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった」と判断したものの「国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず,上記規定が憲法に違反するに至っていたということはできない」と判断した。

しかし、同最高裁判所判決の反対意見の中で、山本庸幸判事は「国民主権と代表民主制の本来の姿からすれば,投票価値の平等は,他に優先する唯一かつ絶対的な基準として,あらゆる国政選挙において真っ先に守られなければならない」と述べ、国会の裁量を広く認めた従来の最高裁判決を明確に否定した上で、「2倍程度の一票の価値の較差でも許容され,これをもって法の下の平等が保たれていると解する考え方があるが,私は賛成しかねる」と述べ、最高裁判決などの多数意見が論じていた一票の格差二倍許容論を明確に否定した。さらに同判事は「人口の急激な移動や技術的理由などの区割りの都合によっては1〜2割程度の一票の価値の較差が生ずるのはやむを得ないと考えるが,それでもその場合に許容されるのは,せいぜい2割程度の較差にとどまるべきであり,これ以上の一票の価値の較差が生ずるような選挙制度は法の下の平等の規定に反し,違憲かつ無効である」「一票の価値が0.8を下回る選挙区から選出された議員は,全てその身分を失うものと解すべきである。なぜなら,一票の価値が許容限度の0.8より低い選挙区から選出された議員がその身分を維持しつつ他の選挙区の議員と同様に国会の本会議や委員会において議事に加わることは,そもそも許されないと解されるからである」と延べ、投票価値0.8を下回る議員(50人余)は当選無効とする新たな数値基準を示し、当該議員の立法権能不存在を憲法解釈として明言した。この山本判事は2014年最高裁判所裁判官国民審査において審査対象判事の中で最も高い信任率を得た。

また反対意見を述べた大橋正春、鬼丸かおる、木内道祥の三判事は、選挙制度が見直されなかったのは国会の裁量権の限界を超えるとし、大橋、木内両判事は違憲だとした。また大橋、鬼丸判事は是正される可能性があり無効とはいえないとした。木内判事は、一部の選挙区のみを無効とはせず、全選挙区の違法を宣言するのにとどめるのが相当と述べた。

脚注

関連項目

  • 参議院議員一覧
  • 一票の格差
  • 参議院選白票水増し事件

外部リンク

  • 総務省|平成25年7月21日執行 参議院議員通常選挙 速報結果
  • 「ねじれ」の解消 - NHK放送史

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 第23回参議院議員通常選挙 by Wikipedia (Historical)