『欲望のバージニア』(よくぼうのバージニア、原題: Lawless)は、ジョン・ヒルコート監督による2012年のアメリカ合衆国のクライム・ドラマ映画である。脚本はニック・ケイヴであり、マット・ボンデュラントの小説『欲望のバージニア』(2008年)を原作としている。出演はシャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ミア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ガイ・ピアースらである。 アメリカ禁酒法時代にバージニア州フランクリン郡で密造酒を売るボンデュラント兄弟が描かれる。第65回カンヌ国際映画祭でプレミア上映された後、2012年8月29日にアメリカ合衆国で劇場公開された。
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作家のマット・ボンデュラントは、禁酒法時代に密造をしていた祖父と大叔父たちの話を基にした歴史小説『欲望のバージニア』を執筆した。2008年にプロデューサーのルーシー・フィッシャーとダグラス・ウィックとオプション契約を交わし、映画監督のジョン・ヒルコートに本が送られた。
最初にキャスティングされたのはシャイア・ラブーフであり、ボンデュラント兄弟の末っ子のジャック役であった。ハワード役にはジェームズ・フランコ、フォレスト役にライアン・ゴズリング、さらにエイミー・アダムスとスカーレット・ヨハンソンがプロジェクトに参加していた。当初は『The Wettest County in The World』という題であったが後に『The Promised Land』に変更された。撮影開始は2010年2月を予定していたが、直前の1月、資金難によりプロジェクトが頓挫しかかっていることが報じられた。その後前述の俳優陣の中でプロジェクトにはラブーフのみが残留した。ラブーフは映画『ブロンソン』(2008年)を観賞した後、トム・ハーディに脚本を送った。撮影監督のブノワ・ドゥロームはヒルコート監督にジェシカ・チャステインを推薦した。ハーディとチャステインの参加は2010年12月に報じられ、プロジェクトはベナローヤ・ピクチャーズのマイケル・ベナローヤとアンプルナ・ピクチャーズのミーガン・エリソンから資金提供を受けることとなった。2011年1月、ジェイソン・クラーク、デイン・デハーンがキャストに加わった。さらに2月、ガイ・ピアース、ゲイリー・オールドマン、ミア・ワシコウスカが加わった。
撮影は2011年初頭にジョージア州アトランタ近郊、ニューナン、グラントビル、ハラルソン、ラグランジュ、 キャロル郡のマッキントッシュ・パークとゲイ近郊のレッド・オーク・クリーク・カバード・ブリッジで行われた。3ヶ月間の撮影中、出演者はピーチツリー・シティのアパートに住んだ。ヒルコートとドゥロームはデジタル撮影に関してロジャー・ディーキンスやハリス・サヴィデスに相談した。彼らはアリ・アレクサ・デジタル・カメラ・システムを使うことを決め、ドゥロームは撮影中常に2台のカメラを動かしていた。
映画音楽はケイヴとウォーレン・エリスが作曲した。
サウンドトラック盤は2012年8月28日に発売された。
2011年3月、モメンタム・ピクチャーズとその親会社のアライアンス・フィルムズはイギリスとカナダでの配給権を獲得した。同年5月、ワインスタイン・カンパニーが米国での配給権を獲得し、拡大公開を計画した。2012年3月、タイトルは『Lawless』に変更された。
2012年5月19日に第65回カンヌ国際映画祭にコンペティション部門で上映され、10分近くに及ぶスタンディングオベーションを受けた。2012年8月29日水曜、アメリカ合衆国で劇場公開された。配給のワインスタイン・カンパニーはレイバー・デーの週末にかけての口コミ効果を狙った。
Rotten Tomatoesでは196件のレビューで支持率は67%となった。Metacriticでは38媒体のレビューで加重平均値は58/100となった。
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