ふなっしーは、千葉県船橋市在住の「梨の妖精」という設定のマスコットキャラクター。着ぐるみと中の人が一体となり、地域おこし活動のほかにタレント・歌手・声優としても活躍している。
2011年11月、船橋市名産の梨をモチーフにして、いち船橋市民が「個人的に」始めたご当地キャラクターで、当初は船橋市役所などに売り込んでも受け入れてもらえなかったが、自主的に参加した地域イベントなどでの活動や、インターネット上の活動で徐々に浸透し、2013年2月の『アサヒ十六茶』の広告出演を機に人気を一気に拡大したとされている。市や県からは公認されていないものの、その人気と高い知名度ゆえ、船橋市のみならず千葉県や日本政府の公式なイベントや企画に起用される機会が多い。
概して「ゆるキャラ」と称されるマスコットキャラクターの着ぐるみは、PRしたいものを象徴して身につけた形状で、愛くるしい動きをすることが多い。また、着ぐるみは自ら話さず、アテンドと呼ばれるアシスタントが代弁することにより、着ぐるみの中の人が入れ替わることや複数体が同時に異なる場所でイベントに出演することを、可能にしている。
当初、他のキャラクター同様、着ぐるみの中の人がキャラクターの声で話すことはなかったが、アテンドなしで個人参加したイベントで、中の人がキャラクターを演じながら話すスタイルが始まった。中の人は裏声のような甲高い声で話し、その口調は饒舌で笑いを誘い、語尾や文末に「なっしー」を多用しながら、「ヒャッハー」などと奇声をあげたり、観客に「梨汁ブシャー」との言葉をかけたりする。また、「ゆるキャラらしくない俊敏な動きが人気」と地元の千葉日報が評したように、様々な種類の跳躍(2段ジャンプ、回転跳び)や連続した激しい動き(ヘッドバンギング)など、特定の人物以外は中の人が務められない動作が特徴的である。このため、中の人は入れ替わることが不可能で、複数体が同時に異なる場所でイベントに出演するのも難しい。すなわち、着ぐるみと中の人が一体のタレントであるとの見方もある。
顔を両手で左右から押し潰す、「マンボウ」という持ちネタがある。
着ぐるみは激しい動きなどで損傷することが多いため、新しいものに更新しており、現在は主に3号機および5号機で活動することが圧倒的に多い。古い身体はロケなどで使い分けたり、イベントで展示されたりしている。2023年8月、大阪で開催された「梨ミ2023タコヤキより熱き夏祭りin大阪」にて6号機が初披露された。
梨妖精界の出身。 両親は普通の梨の木で、全部で274人いる兄弟のうち本人(本「梨」?)は4男であり、56番目の弟にふなごろーがいる。2000年に1度だけ現れる奇跡の梨の妖精という設定のもと、誕生日は138年7月4日(梨の日。2022年4月時点で1883歳)で本名はフナディウス4世とされているが、船田梨男を本名としたこともあった。なお、ふにゃっしーは飼い猫であるらしい。
背中のファスナーらしきものはイリュージョンといい、実際の口であり、漫画の設定では梨妖精界に繋がっている。頬にある左右2つずつの赤い斑点は鼻の穴である。ハードロック・ヘヴィメタルを好んでおり、初めて買ったCDはディープ・パープルの『マシン・ヘッド』、好きな歌手はオジー・オズボーン、車の中でよく聴く音楽はエアロスミス、ライバルにはロブ・ハルフォードの名を挙げている。その中でもパフォーマンスなどに最も影響を公言しているオジーとは、2014年12月7日放送の『行列のできる法律相談所』で対面、翌2015年にはオジー主催の音楽フェス『OZZFEST JAPAN2015』にゲスト出演している。2020年頃より刀剣の収集を始めており、2022年3月時点では約50振保有していると話している。 好物は桃、ラーメン、寿司、肉、洋梨、ダンゴムシ、セミ。ただし、本人曰く「虚言癖があり、言っていることの27.4%が嘘」とのことなので、いずれも真相は不明である。
人気が高まるにつれて中の人が誰なのかについての臆測がささやかれ、一部週刊誌には具体的人物を指摘するものもある。もっぱら奇声だけだった初期の頃は、甲高い声やその発し方が、同じ千葉県在住のさかなクンに似ているとの指摘もあったが、身長が明らかに異なり、商標出願人が「中の人」ではないかと推察されている。
テレビ番組で神奈川県横須賀市についての知識をたびたび披露していたため、中の人は横須賀出身ではないかという噂があったが、2019年5月29日放送の『今夜くらべてみました』において「“神ナシ県ナシ須賀市”ってところに」いたと発言した。
中国語が堪能であり、台湾でのイベントに出演した際には、その最中のやり取りをすべて中国語でこなしたことがある。また、英語の映画の吹き替えを行った際に「オリジナルの台詞を聞いて、(吹き替え台本の)配役が間違っていると指摘できる」程度の英語の聞き取り能力がある。
2020年3月6日放送の『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』では、最終問題の「現在の国際連合の安保理常任理事国5カ国全て答えなさい」を含む全11問に連続正解し、賞金300万円を獲得した。
なお、「ふなっしー」は合同会社274LAND(千葉県船橋市馬込町)の登録商標(第5704292号ほか)である。
2011年11月、ある船橋市在住の小売店経営者(素性非公表)によって平面イラストとして誕生し、Twitter上で活動を開始した。
きっかけは、東日本大震災で店の売り上げが落ち込み、店の宣伝につながるサイトを作るべく通ったWEBデザインの学校で「船橋を盛り上げよう」という制作課題を出され、船橋市の情報サイトを作成したこと。このサイトに「船橋」と特産の「梨」をかけたキャラクター「ふなっしー」を登場させた。原画はフリーハンドのマウス画で、パワーポイントを使ってわずか30分で作られた。
実体として出る気はなかったものの、フォロワーの要望が増えたため、表に出ることに決めた。2012年、着ぐるみを送料込み3万8千円で中国に発注し、3月に完成して立体化した後、4月からYouTube上での活動も開始した。
着ぐるみがあり、かつ、「ご当地キャラ」とみなせる活動実績があれば個人でも加入できる一般社団法人「ゆるキャラさみっと協会」(2012年6月1日「日本ご当地キャラクター協会」に改称、滋賀県彦根市)に入会した。すると、赤ちゃん本舗の創業80周年記念イベントを請け負った広告代理店の博報堂から同協会を経由して千葉県で開催される6月のイベントに出演依頼があり、初のイベント出演をした。このときアテンドなしで出演したため、イベントの司会者から自己紹介を要求された際、中の人が自ら「ふなっしーなっしー」と答え、これが第一声とされる。
一方、自治体などの公的な団体による推薦が参加条件となる「ゆるキャラさみっと」(日本ご当地キャラクター協会が協力)に参加するため、7月に船橋市役所や船橋商工会議所を訪れたが、たらい回しにされたうえに推薦を得られなかった。また同月、ふなばし市民まつりへの出演を願い出たが認められなかった。市の許可が得られないまま、7月下旬のふなばし市民まつりや8月の東京都での船橋市の梨のPRイベントに自主的に参加する一方、ご当地キャラ仲間の誘いなどによってさまざまな地域イベントに出演が始まった。
11月下旬、「第3回ゆるキャラさみっとin羽生」が開催された。イベント参加資格が無くて困っていたところ、ご当地キャラ仲間のニャジロウ(秋田県代表)が、秋田県の物販ブースを手伝うアルバイトとして誘ってくれたことにより、自治体などによる推薦が得られていない「非公認」ながらもイベント参加が叶った。2日間のイベント期間中、秋田県や東北地方のブース前で、アテンド無しで客の呼び込みや客とのふれ合いをする必要に迫られ、中の人が自ら話すスタイルを定着させていった。
アサヒ飲料の「十六茶」の広告を請け負った博報堂から、日本ご当地キャラクター協会を経由して声がかかり、新垣結衣や多数のご当地キャラと共に出演した広告が2013年2月初旬からテレビで放送開始された。2月4日に開催されたこの広告の発表会に、新垣や他のご当地キャラと共に出演した。このとき新垣は、最も印象的だったご当地キャラだったと述べた。2月11日に日本テレビ『スッキリ!!』に出演すると、テリー伊藤とのやり取りや加藤浩次との相撲対決などがネットユーザーの間で話題となり、認知度や人気が急激に上昇した。
3月5日、船橋市議会で市公認問題が議題に上がったが、自身がもう公認を望んでいないことから、市が公認しない方針が示された(船橋市非公認が決定)。その一方で、6月15日にはららぽーとTOKYO-BAYの公認キャラに就任した。6月23日の船橋市長選で新市長(松戸徹)が選出されると、市に迷惑をかけたことを謝罪し、市からは10月30日に感謝状が贈られ、前年8月の東京での梨のイベントから続く市との間の溝が埋まり和解に至った。
市からは公認されていないものの、2013年10月19日から20日に開催された「ご当地キャラ博in彦根2013」および11月23日から24日に開催された「第4回ゆるキャラさみっとin羽生」では船橋市観光協会の推薦により正式参加を果たし、以降のイベントでも必要に応じて同協会から推薦を受けている。また、2014年5月21日には船橋市が、ふるさと納税において5,000円以上の寄付をした人物に対し「ふなっしーと目利き番頭 船えもんのイラスト入りクリアファイル」をプレゼントすることを発表、非公認キャラながらも市の公式グッズに登場するという異例の展開となっている。実際このクリアファイルの効果もあってか、同年6月よりプレゼントを開始すると、わずか1か月で約439万円の寄付が集まり、過去の年間寄付額をあっさり更新した。松戸市長によると公認にすると逆に活動に制限が出るので、敢えて公認にしていないだけで、ふなっしーは非公認だけど船橋市がしっかり認めた存在とのこと。これらの経緯から非公認でありながら事実上の準公認状態となっている。
その後の活動はご当地キャラのイベントに留まらず、声優、音楽活動、テレビのバラエティ番組出演など多岐に渡っている。なお2017年現在は「体力的に厳しくなった」「(テレビ関係者からの)ぞんざいな扱いに疑問を感じていた」という理由からテレビ番組への出演は極力控えており、「イベント出演の方がギャラの割が良い」として各地のイベント出演を中心に活動している。2020年12月に『伯山カレンの反省だ!!』に出演した際、テレビ出演を控えるようになった原因として、メキシコのロケで熱中症になった翌日に別の場所で湖に沈められるなど、スタッフからの過激な要求に耐えきれなくなったことを明かしている。
『ヒャッハーだよ♪ふなっしー』は、まえだくんによる日本の漫画作品。『別冊コロコロコミック』2014年2月号で連載開始したが、ネットで話題となり、その後『月刊コロコロコミック』(いずれも小学館)に移籍し、2016年3月号にて連載終了。『ちゃおDX』は2014年9月号、11月号は読み切り作品だったが、人気が出たため『ちゃお』に移籍し、連載に昇格し、2017年1月号まで連載され、その連載分は『ヒャッハーだよ♪ふなっしー しおりちゃんとの日々』のタイトルで単行本が刊行された。連載終了から5年後、ふなっしー地上降臨10周年記念で重版が決定。
過去には『コロコロアニキ』、『ちゃおホラー』、『てれびくん』、『CanCam』、『コロコロイチバン』にも掲載された。単行本が小学館より「てんとう虫コミックススペシャル」として刊行されている他、「ちゃおムック カラーワイドコミックス」「ちゃおコミックス」としても刊行されている。
ふなっしー以外全員オリジナルキャラクターである。(ふなごろーは立体化、274兄弟はホビー化された。)
以下は、自身のバリエーション。274chで配信される動画ではふなごろーや本人とともに別個体として登場する。
以下は、オマージュして作成されたキャラクター。
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