第17回参議院議員通常選挙(だい17かいさんぎいんぎいんつうじょうせんきょ)は、1995年(平成7年)7月23日に日本で行われた国会(参議院)議員の選挙である。
概説
自民党は与党だったものの、同党以外の首相の下における大型国政選挙は1955年の保守合同以来初めてであった。投票率は50パーセントを割り込むという前代未聞の低さだった。自民党は大敗した6年前の改選だったため議席を増やしたものの、依然として参院過半数の回復には届かなかった。他方、新進党が自民党に迫る議席を獲得、選挙区・比例とも得票率で第1党となり、躍進と見なされた。もっとも、福岡政行が「新進党の勝利というよりは創価学会の勝利といえる」とテレビで発言するほどで、創価学会の組織票の強さを見せ付けたともいえる。また日本社会党は過去最低の16議席に沈み、前年1994年の衆議院に続いて、参議院でも55年体制が始まって以降初めて相対第2党から転落した。
2022年現在、九州出身の首相の下で行われた唯一の参院選である。
選挙データ
内閣
- 村山内閣(第81代)
- 内閣総理大臣:村山富市(日本社会党委員長)
- 与党:自由民主党、日本社会党、新党さきがけ(自社さ連立政権)
公示日
投票日
改選数
1994年の公職選挙法改正により選挙区の8増8減が決定し、今選挙で4増4減が実施された。
- 増員区:宮城県(1)、埼玉県(1)、神奈川県(1)、岐阜県(1)
- 減員区:北海道(2)、兵庫県(1)、福岡県(1)
選挙制度
- 選挙区
- 小選挙区制:24()
- 中選挙区制:52()
- 4人区(2人改選):18
- 6人区(3人改選):04(埼玉県・神奈川県・愛知県・大阪府)
- 8人区(4人改選):01(東京都)
- 投票方法
-
- 秘密投票、単記投票、2票制(選挙区・比例区)
- 選挙権
-
- 満20歳以上の日本国民
- 被選挙権
-
- 満30歳以上の日本国民
- 有権者数
-
- 96,759,025(男性:46,956,997 女性:49,802,028)
選挙活動
党派別立候補者数
- 公明(1)、沖縄革新共闘会議(1)は、現職が引退も公認候補を擁立しなかった。
- 日本社会党の公示前(41)のうち、吉田達男、岩本久人は無所属で立候補した。
党派の動き
与党
- 自由民主党(河野洋平総裁)
- 日本社会党(村山富市委員長)
- 新党さきがけ(武村正義代表)
野党
- 新進党(海部俊樹党首)
- 日本共産党(宮本顕治議長・不破哲三委員長)
- 民主改革連合(笹野貞子代表)
- 第二院クラブ(コロムビア・トップ代表)
- スポーツ平和党(アントニオ猪木代表・上田哲共同代表)
諸派
- 平和・市民(田英夫代表) 國弘正雄 阿部知子
- 憲法みどり農の連帯(翫正敏・星野安三郎共同代表)尾形憲
- 青年自由党(中村功党首)
- みどりといのちの市民・農民連合(小田々豊事務局長)
- さわやか新党(小林繁代表) 高田延彦 山下典子 山中毅 渡辺長武
- 国民党(志良以榮代表)
- 平成維新の会(大前研一代表) 三浦雄一郎
- 全日本ドライバーズクラブ(岡田三男代表)
- 新自由党(高橋妙子総裁)
- 世界浄霊会(小林三也代表)
- 新しい時代をつくる党(今野福子代表)
- 雑民党(東郷健会長)
- 日本世直し党(重松九州男代表)
- 「開星論」のUFO党(森脇十九男代表)
- 教育党(城戸嘉世子党首)
- 日本福祉党(東三元代表)
その他
- 候補者擁立を断念、または他党の候補の応援などに回った政治団体は以下の通り。
キャッチコピー
- 自由民主党 :答えの出せる政党
- 新進党 :充実日本宣言
- 日本社会党 :新たな結集、明日への力。
- 日本共産党 :人間を尊重する政治を
- 新党さきがけ:美しい環境、簡素な生活
主な争点
- 自由民主党・日本社会党・新党さきがけによる村山富市政権の是非。
- 阪神・淡路大震災・地下鉄サリン事件における政府の対応への評価。
選挙結果
党派別獲得議席
- 選挙区投票率:44.52%(前回比: 6.20%)
- 【男性:44.67%(前回比: 5.90%) 女性:44.37%(前回比: 6.49%)】
- 比例区投票率:44.50%(前回比: 6.20%)
- 【男性:44.66%(前回比: 5.90%) 女性:44.36%(前回比: 6.48%)】
政党
- 諸派:1議席(1議席)
- 平和・市民 :田英夫(東京)
議員
選挙区当選者
自由民主党 新進党 日本社会党 日本共産党 民主改革連合 新党さきがけ 諸派 無所属
補欠当選者
比例区当選者
新進党 自由民主党 日本社会党 日本共産党 新党さきがけ 第二院クラブ
繰上当選
初当選
- 計76名
※:衆議院議員経験者
- 自由民主党
- 23名
- 新進党
- 30名
- 日本社会党
- 4名
- 斎藤勁(神奈川)
- 前川忠夫(比例)
- 朝日俊弘(比例)
- 伊藤基隆(比例)
- 日本共産党
- 6名
- 新党さきがけ
- 2名
- 民主改革連合
- 1名
- 第二院クラブ
- 1名
- 無所属
- 9名
返り咲き・復帰
- 計2名
- 自由民主党
- 2名
引退・不出馬
- 計35名
- 自由民主党
- 6名
- 新進党
- 9名
- 日本社会党
- 14名
- 日本共産党
- 1名
- 公明
- 1名
- 沖縄革新共闘会議
- 1名
- 無所属
- 3名
- 野末陳平(東京)
- 安恒良一(比例)
- 三石久江(比例)
落選
- 計41名
- 自由民主党
- 6名
- 日本社会党
- 13名
- 日本共産党
- 2名
- 民主改革連合
- 7名
- 第二院クラブ
- 1名
- 平和・市民
- 2名
- スポーツ平和党
- 1名
- 憲法みどり農の連帯
- 1名
- 無所属
- 8名
脚注
注釈
当選者注釈
出典
参考文献
- 佐藤令 (2005年12月). “戦後の補欠選挙” (PDF). 国立国会図書館. 2016年5月26日閲覧。
関連項目
- 第13回統一地方選挙 - 第17回参院選と同じ年の4月に行われた統一地方選挙。
外部リンク
- 参議院選挙の社会党敗北と村山総理続投 - NHK放送史
- 参議院議員通常選挙の定数,立候補者数,選挙当日有権者数,投票者数及び投票率(昭和22年~平成16年) - 総務省統計局アーカイブ
- 参議院議員通常選挙の男女別立候補者数,当選者数及び当選率(昭和22年~平成16年) - 総務省統計局アーカイブ
- 参議院議員通常選挙の党派別当選者数及び得票数(昭和22年~平成16年) - 総務省統計局アーカイブ
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