沢尻 エリカ(さわじり エリカ、1986年4月8日 - )は、日本の女優、歌手。本名、澤尻 エリカ(読み同じ)。元スターダストプロモーション所属。エイベックス・マネジメント(旧エイベックス・ヴァンガード)所属。
東京都出身。日出高等学校(現・目黒日本大学中学校・高等学校)中退。後述の薬物事件の影響で2019年11月から事実上の芸能活動停止状態にあったが、2024年2月に女優業に復帰。
1997年、小学6年生の時に芸能界デビュー。初仕事は、『りぼん』の懸賞ページのモデルだった。その後『ニコラ』のモデルであるニコモとして活動。2002年、『フジテレビビジュアルクイーンオブ・ザ・イヤー2002』に選出。
2003年に『ホットマン』(TBS)でドラマ初出演、2004年に『問題のない私たち』で、映画初出演。
2005年、『パッチギ!』で演じた「リ・キョンジャ」役が高く評価され、数多くの映画賞・新人賞を受賞した。同年、フジテレビ放映のドラマ『1リットルの涙』でドラマ初主演。最終回で視聴率20%を超える大ヒットとなった。同作での演技が高く評価され、2006年エランドール賞・新人賞や、第43回 ゴールデン・アロー賞・新人賞を受賞した。
2006年、『タイヨウのうた』(TBS)で山田孝之とともにダブル主演を務めた。8月30日に同作で演じた“Kaoru Amane”名義のシングル『タイヨウのうた』で歌手デビューし、オリコンチャートで2週にわたって1位を獲得し、その後も史上初の5週連続TOP3入りを記録し、累計48万枚以上の大ヒットとなった。
2007年9月29日、主演映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶で不機嫌そうな振舞いをみせ、世間・マスコミによりバッシングを浴びせられる(詳細は#「別に」騒動を参照)。
2009年1月7日、クリエイターの高城剛と結婚。同月19日、明治神宮で挙式を、同月25日、ハワイ島で結婚披露パーティーを行った。同年9月30日付けで前事務所のスターダストプロモーションとの専属契約が解消され、芸能活動を2010年春まで休止。2010年4月27日、離婚の意思を表明。2013年12月26日、離婚成立。
2010年3月、スペインに個人事務所「エル・エクストラテレストレ」(スペイン語で「宇宙人」を意味する)を設立し、芸能活動を復帰すると報じられた。CMには多数出演していたものの、約2年ぶりに本格的に芸能活動を再開。また、同国の首都であるマドリッドを拠点として活動予定であることも加えて報じられた。
2011年4月1日、エイベックス・マネジメント株式会社と業務提携契約を締結。
2012年2月1日からBeeTVで配信されたドラマ『L et M わたしがあなたを愛する理由、そのほかの物語』で女優復帰。同年7月14日、5年ぶりの主演映画『ヘルタースケルター』が公開。5年ぶりの主演映画となり、同作の演技で、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。
2014年4月クールの『ファースト・クラス』(フジテレビ)の主演を演じる。深夜枠放送にも関わらず視聴率10%を超えるヒットとなる。同年10月、続編「ファーストクラス」が放送終了からわずか3ヶ月というフジテレビでは史上初最短でのシリーズ2作目の放送開始となる。
2015年4月クールの月9ドラマ『ようこそ、わが家へ』で月9初出演。
2016年1月、『大奥』(フジテレビ)で時代劇初主演。8月、ヒロイン役を務めた「24時間テレビ」のスペシャルドラマ『盲目のヨシノリ先生〜光を失って心が見えた〜』(日本テレビ)の平均視聴率が20.5%を記録した。
2019年3月8日にNHKの2020年大河ドラマ『麒麟がくる』の帰蝶役として出演することが公表されたが、同年の11月16日、麻薬取締法違反の容疑で逮捕された。NHKは沢尻の逮捕を受けて、出演者の変更を決定。11月22日、正式に降板となった(詳細は#薬物事件を参照)。
2023年の8月には、松浦勝人のYoutubeに出演したことで話題になった。
2024年2月上演の初主演舞台『欲望という名の電車』で約4年ぶりに芸能活動を再開予定であることが発表された。
2007年9月29日、東京・有楽町の日劇2(TOHOシネマズ日劇)で主演映画『クローズド・ノート』の初日舞台あいさつに出席した沢尻は、壇上で終始腕組みしたまま不機嫌な態度を隠さず、司会の富永美樹が「印象に残ったシーンは?」と質問すると「特にないです」と言い放ち、クッキーを焼いて現場に届けたエピソードを聞かれると「別に」と答えた。
同年10月2日、公式サイトに謝罪文を投稿し、4日に『スーパーモーニング』のインタビューで、「あの日の行動ですべてをぶち壊してしまった」と涙ながらに謝罪した。
その後、『サンデー・ジャポン』や『アッコにおまかせ!』などのワイドショーで、「別に」と答えたシーンが何度も取り上げられ、世間やマスメディア、インターネットで大バッシングを受けた。
沢尻は、2019年9月22日に出演した『ボクらの時代』で、「20歳とかそれぐらいの時が本当に忙しくて。あの当時の私、偽っていたわけよ。『こうしなきゃいけない』『沢尻エリカ像はこうだ』みたいなのが自分の中ですごくあって、それって偽りなわけよ。それで結果、自分が潰れてしまった」「本当にすごいバッシングだった」と騒動について振り返った。
2019年11月16日、警視庁(組織犯罪対策第五課)に、合成麻薬MDMAを含む粉末(カプセル入り)を所持した麻薬取締法違反の容疑で逮捕(緊急逮捕)された。沢尻本人は容疑を認めていると報じられた。12月6日、麻薬取締法違反の罪で起訴された。同日、保証金500万円を納付し、保釈された。2020年1月31日に東京地方裁判所で初公判が開かれ、沢尻は起訴内容について認めた。検察側は懲役1年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審。同年2月6日に判決公判が行われ、懲役1年6月・執行猶予3年の有罪判決が言い渡された。2月21日、期限までに検察、弁護側双方が控訴せず、判決が確定した。
この事件で沢尻は芸能活動休止を余儀なくされ、初公判において、女優業復帰は考えていない事も公表し、このため事実上の芸能活動停止状態となった。なお、NHKの2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』(帰蝶 役)への出演が公表されていたが、NHKは沢尻が2019年11月16日に逮捕されたことを受けて、出演者の変更について決定し、11月21日に発表。翌11月22日、正式に降板となり代役は川口春奈が務めることとなった。他のメディアの報道によれば、沢尻は第1回(2020年1月5日放送)から出演する予定で、10話分の登場シーンが撮影済みだった。
芸能界は事実上の活動停止状態であったが、以後もエイベックスマネジメントとは契約継続中である。
さばさばとした性格で、本人も自らを男らしい性格と語っている。
元々は天然パーマで、『ニコラ』モデル時代の初期の写真はクルクルヘアーだった。当時掲載されたプロフィール紹介において、自分の好きな所と嫌いな所は何かという質問に「嫌いなとこも好きなとこも天然パーマなところ」と答えている。
自分のいいところはごきげんなところで、ダメなところは、飽きっぽいところと熱しやすく冷めやすいところ。好きな言葉は「ありがとう」で、嫌いな言葉は「がんばれ」。
アイドル時代の夢は女優かヘアメイクアーティストになることだった。今でも写真、CM、舞台挨拶などでのメイクはほとんど自分でする。
その振舞いから「エリカ様」「女王様」と一部メディアが呼称している。ネットや雑誌などで噂になった「沢尻会」の存在は完全否定している。噂のもう一方の当事者である長澤まさみを自身のラジオ番組のゲストに招いて歓談する様子が放送されている。
喫煙者(ヘビースモーカー)であり、2009年に高城剛と結婚して以降、禁煙していたが2010年に失敗し再喫煙している。
女優としてのポリシーは、まず脚本を読んで、その役をイメージできるかが重要で、イメージできればやるし、できなければやらない。役に入っているときは集中するので、そのあと休暇をとって「役落し」をしないと次の作品に入れない。
2012年5月、一連の騒動からの本格的女優復帰主演作となった映画『ヘルタースケルター』では、『りりこ』役に深く入り込み、監督である蜷川実花をして「現場での彼女はりりこそのものでした」と言わしめた。ただ、精神を病み、心身ともに破滅へと向かっていく役柄に集中したためか、体調を崩し、PR活動の休止が発表された。
ドイツの人気グループshanadooのメンバー福愛美とは小学・中学の同級生で一緒に芸能界へ入った当時の親友であった。また元女優の岩佐真悠子やあびる優、片瀬那奈、高校の同級生である香椎由宇、マリエ、紗栄子、内山理名、加賀美セイラ、カメラマンの蜷川実花、俳優の松田翔太、綾野剛、元俳優でDJの小橋賢児などと仲が良いほか笑福亭鶴瓶とも交友があるなど幅広い人脈を持つ。
先述通り父は日本人で、母はアルジェリア系フランス人(アルジェリア生まれフランス育ちのベルベル人)のハーフで、3人兄妹の末っ子である。
父親はエドノコバン他、16頭の競走馬を所有していた馬主だったが、9歳の時に失踪、中学3年の時に家に帰ってきたがその年癌で死去。
母親は以前、地中海レストランを経営。店には沢尻のポスターが貼ってあり、沢尻も時々店を手伝っていた。このレストランは営業を終了している。
長兄は元俳優。次兄は高校1年の時に交通事故で死去。
家族ととても仲が良く、沢尻は「“大切”という言葉では表現しきれないほど強い力で結ばれている」と語っている。ドラマや映画の撮影後は家族旅行に出ることが多く、『タイヨウのうた』撮影後は家族で沖縄旅行へ行った。
今まで生きてきた人生の中で、忘れることができない一冊の本として、木内鶴彦著の「生き方は星空が教えてくれる」をあげている。2007年ごろ、ジーン・スタイン、ジョージ・プリンプトン『イーディ―’60年代のヒロイン』青山南、中俣真知子、堤雅久、古屋美登里翻訳(筑摩書房、1989年2月)を読んでいた。
父親の影響もあり、小さいころから馬に親しみ、乗馬が得意である。ダンスを習っていたことがある。また音楽は「生きていくために欠かせない一部である」としていた。
主演・ヒロイン作は役名を太字で表記。
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