ガメラは、大映(現:KADOKAWA)が1965年に公開した特撮映画『大怪獣ガメラ』に登場する架空の怪獣の名称である。
『大怪獣ガメラ』以降も続編、およびガメラの登場する映画作品が継続的に製作されており、これら全作品を総称してガメラシリーズと呼ぶ。本項ではシリーズ全般、およびキャラクターとしてのガメラを解説する。
後述の通り、同じく大映初の著名なキャラクターである「大魔神」も当初はガメラシリーズの敵として構想されていたり、「シネミス・ガメラ」や「ガメラバエナ(英語版)」の命名の由来になっているなど世界的に文化面に影響を与えてきた側面があり、特撮界全体にも多大な影響を与え、日本を代表する著名なシリーズも含め、多数の作品や事象の名称にガメラへのオマージュなどが存在し、数々の著名人も影響を受けている。
ガメラシリーズは「倒産以前の旧大映時代」「再建して徳間グループに入っていた大映が製作した時代(俗に言う「平成三部作」)」「角川グループに入った大映が商号変更した角川ヘラルド - 角川映画時代」の3つに区分することができる。
2度にわたって権利会社が変更になるなど、経済的な理由によって本シリーズを含む大映作品は大打撃を受けており、本シリーズも「妖怪シリーズ」も『ガメラ対深海怪獣ジグラ』が経済的理由でダイニチ映配を行って以降はすべて他社との共同配給や定額制動画配信サービスによる配信という手段を取っている。
旧大映時代のガメラシリーズは、東宝製作のゴジラシリーズの成功に触発された当時の各映画会社がこぞって製作していた怪獣映画作品群の流れを受けて誕生したが、後述の通り大映による1962年の『鯨神』と1965年の『大怪獣ガメラ』以降に他会社による怪獣映画が急増し、ガメラシリーズが「怪獣」や「特撮」というジャンルに与えた影響が大きいとされる。カメ特有のユーモラスなデザインや飛行能力、人間や地球などを守る正義の存在であるなど独特の個性を持ち、東宝怪獣と共に日本映画界の代表的怪獣キャラクターとして広く浸透している。
また、大映時代の配役には『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』以降は必ず外国人の少年(およびその家族)が登場し、主人公である日本人の少年とともに冒険するという特徴がある。
誕生秘話としては、「当時の大映社長の永田雅一が、アメリカ合衆国に向かう飛行機から見下ろした島または島の上に浮かぶ雲の形状が亀または亀の甲羅に似ていたことにインスピレーションを受け、『大映の怪獣は亀をモチーフにする』こととなった」という逸話がある。一方で、当初は『大海魔ダコラ』というタコの怪獣映画が企画され、その後に撮影こそされたが諸事情で製作中止となった『大群獣ネズラ』を経て、永田のアイディアを受けて斉藤米二郎と高橋二三によって考案された『火喰いガメ 東京を襲う』が『大怪獣ガメラ』の原案になったとされる。
方針として、ゴジラシリーズとの競争ではなく「共存」が念頭にあったとされ、下記の六社協定や予算面の事情があっただけでなく、ゴジラシリーズとの差別化がとくに意識されており、明確に方向性を変えることでガメラとゴジラの両シリーズが愛されるように目指したとされ、ゴジラシリーズがガメラシリーズから影響を受けるほどにアイコンとしてガメラが確立され、多くのファンを獲得したとされる。
六社協定の影響で、東宝以外の会社は東宝が確立した特撮の技術などを表立って使うことができない状況にあり、日活や松竹が『大巨獣ガッパ』や『宇宙大怪獣ギララ』に円谷英二のチームを起用したのに対して、大映だけはあえて円谷の力を借りずに看板怪獣を製作し、厳しい経営状況と六社協定の条件をクリアするためにゴジラシリーズとの差別化を念頭に置き、怪獣映画の「お約束」である「自衛隊や軍隊や兵器群」や「科学的な考察」の導入をあえて制限し、奇抜ながらも子供が共感を得やすく、子供が活躍し、ガメラと子供たちの絆がキーポイントとなるという方向性を確立させた。
第一作目である『大怪獣ガメラ』の製作の時点ですでに大映は経済的な危機に追い込まれており、本シリーズは宣伝費も含めた予算面で非常に苦しんだ。『大怪獣ガメラ』は当時の「ゴジラシリーズ」の作品と異なり白黒であり、制作陣の間でも「安っぽい」「失敗は目に見えている」とされていた。しかし、予想外の大ヒットによって大映は多少であるが経済的に持ち直し、ガメラシリーズだけでなく「大魔神」シリーズや「妖怪シリーズ」がドル箱として機能し始めた。そしてガメラシリーズの影響で大映は実質的に倒産が先送りになり、本シリーズが当時の大映を実際の倒産まで支えていたとされる。
なお、大映の経済状況から上記の通り敵怪獣のデザイン(操演に必要な人数を減らすなど)や能力などのアイディアが制限され、予算ゆえにSFXも多用できないために子供向けにもかかわらず残酷な近接戦闘を増やし、『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』以降は十分な宣伝費が確保できないため、そのような状況でも可能な限り注目度を高めるためにバイラス以降の敵怪獣の名前をすべて一般公募にした。また、大映が倒産する前の最後の作品であった『ガメラ対深海怪獣ジグラ』は配給が日活との共同で行われたが、このような傾向は現在に至るまで続いている。
徳間書店グループ下の新会社として再建された大映は、当時の徳間グループによるメディアミックス戦略の一環として『ゴジラ』に対抗しうる特撮映画を制作することを検討する。当初は「大魔神」または「妖怪シリーズ」の復活を検討していたが、人気や知名度や予算の都合上で難しく、その結果、前述した通りの人気を持っていたガメラに着目し、新作の制作を決定した。
1980年に公開された『宇宙怪獣ガメラ』は新規の特撮シーンが非常に少なく、怪獣の映像の大部分を過去作品のストック・フッテージの再利用であるが、これは大映の倒産による経済面の問題があったことと、『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』の成功の影響を受けたからだとされている。
平成三部作とは別に高橋二三は1994年の公開を目指した作品『地球大破滅(ハルマゲドン)- ガメラVS.不死鳥(フェニックス)』のプロットを作成しており、映像化には至らなかったが1995年に出版された小説『ガメラ対不死鳥』の原案となった。
こうして制作された新たな『ガメラ 大怪獣空中決戦』は、それまでの怪獣映画にはないリアリティを追求した脚本と大胆にCGを導入した映像が話題を呼び、当時の「ゴジラシリーズ」と比較しても限られた予算と阪神・淡路大震災の影響を受けた側面もあって大ヒットには至らなかったものの、各方面から高い評価を受けた。これにより、往年のファンだけでなく新たなファンの獲得にも成功し、引き続き製作された2作品と合わせて後に「平成三部作」と呼ばれ、高い人気を得るに至った。また、すでにヒットメーカーとして知られていた金子修介(本編)と伊藤和典(脚本)だけでなく、特撮や造形などを担当した樋口真嗣、品田冬樹や原口智生の知名度も大きく上がった。
なお、低年齢層も視聴するゴジラシリーズ他の一般的な日本製怪獣・特撮映画と比較すると、「(効果音付きで)人が食べられる」「一般市民が襲われて多量の出血をともなって死亡する」「ミイラ化した死体が描写される」など残酷なシーンが見受けられるが、これは監督の金子が本シリーズの対象年齢を「小学校高学年辺り」としていることによる。
しかし、三部作全体の興行成績は決して優れていたわけではなく、また『ガメラ3 邪神覚醒』にて人間の犠牲者を出し過ぎたことと、金子らによる続編の構想に難点が存在し、徳間書店による平成シリーズは打ち切りとなり、徳間書店の経営難と徳間康快の死去をもって大映の各プロパティは角川書店に売却され、2度目の著作権譲渡を迎えた。
平成三部作の終了後、ガメラシリーズはしばらく休眠期に入ったが、ゴジラシリーズが2004年をもってひとまずシリーズの完結を迎えたことで、テレビ特撮番組からのスピンオフではない純粋な「特撮(怪獣)映画」の新作が観られなくなることを危惧したファンから、再びガメラシリーズの復活を求める声が高まった。
大映自体も2002年に角川書店に営業権が譲渡され、その営業権をもとに新たに株式会社角川大映映画が設立された。角川大映は後に角川映画に商号を変更し、ガメラだけでなく「大魔神」や「妖怪シリーズ」の復活も考慮された。角川側は商号が変更された直後に『ゴジラvsガメラ』を東宝に対して提案したが断られ、両シリーズのクロスオーバーは実現しなかった。同社は平成三部作の路線からの脱却と原点回帰を目指し、「ガメラを子供たちに返す」というモットーの下で、徳間時代とは違った形でのガメラ復活を検討する。その結果、『ゴジラ FINAL WARS』を経て東宝がゴジラ映画の製作を休止したことを受けて、2006年には新作ガメラ映画『小さき勇者たち〜ガメラ〜』を製作・上映した。しかし、本作は本来の意図である子供や女性の観客からは好評を得たが、平成三部作の方向性を好む客層には支持されずに興行的に失敗となり、本作の続編だけでなく、後述の通り、同時期に進行していたアニメ作品などの製作が中止されるなど、シリーズは再度の打ち切りに直面して新たな休眠に入った。
2015年10月、ガメラ生誕50周年記念としてウェブサイトが公開され、YouTubeにて記念映像『GAMERA』が公開された。この映像は石井克人が監督し、男児の子役とその父親として宮藤官九郎が出演した。第28回東京国際映画祭日本映画クラシックス部門でも、「ガメラ」生誕50周年記念スペシャル映像が上映された。一方で小説『聖獣戦記 白い影』を執筆した井上伸一郎は実際の映画化を模索し続けていたとされている。
2022年11月に『GAMERA -Rebirth-』の製作が発表され、2023年9月7日にNetflixにて配信された。本作は未制作に終わった企画をのぞけばシリーズ初のアニメ作品であり、また令和初およびシリーズ最長の空白期間である17年の月日を経て作られた新規本編である。また、スマートフォン用のアプリゲーム『ゴジラバトルライン』との公式コラボレーションが実現し、ガメラとギャオスがプレイアブルキャラクターとして参戦している。上記の2002年の際とは逆に、今回は東宝側が角川側にコラボレーションを提案した。
ガメラは映画以外のメディアでもテレビゲーム化されたり、パチスロメーカー「ロデオ」によって『ガメラ』『オオガメラ』『ガメラハイグレードビジョン』『ガメラZS』と、合計4台のパチスロ台がリリースされている。
巨大な亀の姿をした怪獣。甲羅の表面は「鱗のような重なり合った形状」になっており、下顎の左右両端から大きな牙が1本ずつ、上に向かって生えている。血液は緑色である。
火炎を中心にプラズマエネルギー・電気などにも通じる能力が代表的な戦闘能力であり、これらのエネルギーを攻撃だけでなく飛行や自身の回復などにも応用する。エネルギー源としても熱エネルギーや電気などが中心的であり、動物や植物を捕食することはなく、人間だけでなく動物や無垢な子供の怪獣も助ける可能性があるとされる。また、通常兵器はおろか核爆発ですらガメラをパワーアップさせる可能性があるため、人間がガメラを攻略しようとしても一筋縄ではいかない。
本物の亀のように、頭や手足、さらには尾までも甲羅内へ引き込める。手足を引き込んだ位置から火炎を噴射し、その推進力を利用して大気圏内はもちろん宇宙空間でも飛行できる。手足を引き込んだ四か所から火炎を噴射しつつUFOのごとく回転して飛ぶ場合と、後脚の部分から後方に火炎を噴射し、前を向いたまま飛ぶ場合がある。平成作品では、膝や肘からのジェット噴出で飛行している。最高飛行速度は秒速20キロメートル(マッハ58以上)。また、昭和版、平成三部作、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』、『GAMERA -Rebirth-』の全てにおいてテレパシーを行う事が可能だとする可能性が指摘されている。
昭和作品では比較的ゆっくり回転したり人間を運ぶ際などには無回転でも飛行していたが、平成作品では、付近のヘリコプターなどの飛行物を不安定にさせる突風が生じるほどの超高速で回転する。また、作品が進むごとに戦闘的な身体に進化するという設定も加わった影響で、昭和作品のように足を引っ込めるだけにとどまらず、『2』では腕を平たく伸ばして飛行機の翼のような形態に変化させられる。『3』ではその腕を可動させたり、足の部分からはヒレのようなものや、長大な尻尾を可動させることでさらに機動性を高めた他、進化によって甲羅の縁が鋭くなっており、回転飛行しながら斬り付けるように体当たりする攻撃も見せている(詳細は#身体的特徴および、フォルムの進化を参照)。
小説作品である『妖怪大戦争ガーディアンズ外伝 平安百鬼譚』と『聖獣戦記 白い影』にはそれぞれ「玄武」が登場しており、どちらも超常的な能力を持つ「神」として描写されている。
高橋二三による新作の企画から誕生した小説『ガメラ対不死鳥』では、それまでの昭和ガメラとは別にナスカの地上絵の地下から出現した平成三部作の特徴を持つ新たなガメラが登場し、人類による環境破壊によって復活し不死ゆえに苦しみ自死を遂げようとするフェニックスに対処・再封印したが、人類による環境破壊から地球を守るためにオゾンホールを自身の体で塞ぐという自己犠牲を行った。ただし、昭和ガメラと新ガメラの関連性は明らかにされていない。
ガメラを含むガメラシリーズの怪獣は、ゴジラシリーズやウルトラシリーズなどの作品に登場する怪獣と比べると、(設定上の)体重が非常に軽い。
昭和シリーズで監督および特撮監督を務めた湯浅憲明は、ガメラとゴジラやウルトラ怪獣との差別化として、ガメラを二本足で立たせず極力四足歩行などで這わせたり(直立歩行もできる)、流血描写などで動物性を強調させたと述べている。平成三部作では終始直立二足歩行で移動している。また、直接的な火炎を吐く、飛行する、人間を守る、光や核爆発を好む、生物としての性格の個性を持つなども、人間・人為的な光・核爆発のすべてを憎み「破壊神」としての側面を持つゴジラとの差別化要素として用いられたとされる。
トッド・マッカーシーはバラエティにおけるレビューにて、「見た目こそ恐ろしいが、全ての怪獣の中で最も愛すべきキャラクターの一種である」と述べている。 Film School Rejectsのクリス・コッフェルも、「私は個人的に、ガメラの亀に因んだ姿と、子供との関係性から、シリーズとしてゴジラよりも優れていると思う」と評価している。渡辺謙も、モンスター・ヴァースに出演した際のインタビューながら「(ゴジラよりも)ガメラの方が思い入れが強かった」という旨の発言をしている。ギレルモ・デル・トロも『大怪獣ガメラ』をとくにお気に入りの怪獣映画の一つに挙げており、「型破りだが素晴らしい人格を持つキャラクターであり、本多猪四郎の怪獣とは違って、怪獣映画の定番だけでなく滑稽さと愛らしさも持っている。僕の時代の子供は皆が巨大なロボットや(ガメラのような)ペットのような怪獣が欲しいと思っていた」という評価をしている。
エスキモーの伝承に「悪魔の使い」として語られた、古代の怪獣。一説にはアトランティス大陸に生息していたとされる。北極の氷の中で眠っていたが、国籍不明の原爆搭載機の墜落による核爆発で閉じ込めていた氷が割れて覚醒し、最終的には日本に上陸して破壊の限りを尽くす。当初は凶暴な怪獣として描かれているが、子供に対しては友好的な面も見せている。一度はガメラ追放作戦「Z計画」で巨大ロケット内に閉じ込められて火星へ追放されるが、ロケットが飛行中に小惑星と衝突して崩壊した結果、地球へ再来する。
第2作以降は人間に対して具体的な敵意を示すことはなく、エネルギーの摂取時以外にはほとんど出現しなくなるが、侵略者や怪獣によって子供が危機に陥るような事態が起こると、どこからともなく現れて子供たちを救っていく。大人向けに製作した第2作を除く第3作以降は一貫して「悪の怪獣・侵略者を打ち倒す正義の怪獣」や「子供たちのヒーロー」として描かれる。
シリーズの関係者が細部に携わっている書籍では、本来は人間だけでなく野生動物や無垢な子供の怪獣も助けようとする性格であるが、第1作目でのガメラの狂暴性と第2作目での黒部ダムへの襲撃は、人類によって引き起こされた8,000年にわたる冬眠によってガメラが極度の空腹状態にあり自我を保てなくなっていたことが原因だとする説を掲載しており、人間そのものを攻撃対象としていたのではなく、核爆発によって現代の人間の技術力を察知し、人類を攻撃するとエネルギー源を得られることを学んだことが原因だと指摘されている。また、エスキモーがガメラを「悪魔の使い」として恐れていたり、寒さを嫌うはずのガメラが北極の氷に閉じ込められていたのは、エスキモーの祖先とアトランティス人の古代の記憶と(アトランティスの崩壊も相まってガメラの情報が失われたこともあり)ガメラへの誤解が伝承されたためともされている。実際に、『大怪獣ガメラ』にて俊夫少年は社会の反応と異なり一貫してガメラが「誤解されているだけで悪者ではない」と擁護する姿勢を見せている。また、同著では『ガメラ対大悪獣ギロン』にて鉄棒を披露したり『ガメラ対深海怪獣ジグラ』でジグラの背びれを使って「ガメラマーチ」を演奏したのも、知能の高さゆえの遊び心があるだけでなく、子供たちの不安や恐怖を取り除こうとしていた可能性を指摘している。
『宇宙怪獣ガメラ』では主人公の圭一が逃がしたイシガメが成長してガメラになったような描写があり、それまでのガメラとは別個体とする説もあり、高橋二三もこの説を「夢があって良い」と評している。同作で宇宙海賊船ザノン号に特攻してからの消息は不明であるが、後の漫画作品ではこの個体がザノン号との決戦後にアトランティス人の末裔によってプラズマエネルギーを用いた人工太陽を使って蘇生され、「平成三部作」のガメラと似た姿に生まれ変わり、このガメラはタイムマシーンによって過去の世界に送られ、地球の歴史が改変され、ガメラが人間を守護しながらも監視することによって人類は破滅を免れるという描写がされている。
第1作にミドリガメが登場するほか、第5作にて全身のレントゲン写真が「アオウミガメ」にそっくりと言われていることから、昭和ガメラの世界にはカメが存在していることが判明している。
口からの火炎噴射以外に、外観に似合わぬ運動能力と怪力を誇り、周囲の岩や建造物を武器として使用することもある。また、身体を串刺しにされるほどの重傷を負っても戦闘を続行する生命力を持つ。しかし、ジャイガーの幼体に寄生されて吸血された際には昏倒してしまい、人間が幼体を排除してから体内に電気を供給することで復活した。負傷後は水中で休息することにより、傷を癒す。
弱点は低温で、劇中でも「冷たい温度に弱い」と言われ、自衛隊の冷凍爆弾でも短時間活動を停止している。バルゴンの冷凍液には火炎噴射も通じず全身が凍結してしまったが、自然解凍と同時に火炎噴射を行って復活するなど、生命活動の停止には至らなかった。一方で、宇宙空間や深海などでも活動可能である。
甲羅は頑強で、たいていの攻撃は受け付けない。また、実際のカメと同じく攻撃されると甲羅に各部を引き込んで防御を図ることも多い。しかし、バイラスの頭には貫かれ、串刺しになってしまったほか、ギロンには何度も切りつけられ、流血してしまったこともある。ジグラのヒレでも表面に傷をつけられている。
エネルギー源は熱やそれに類するものであるため、体内に火力発電所のような組織を持ち、マグマ、高圧電気、石炭、石油、ウランを常食とする。炎そのものも吸い込むようにして食べており、初期の段階では発電所や火山活動が活発な地域に出没することが多く、噴火中の火山に飛び込むこともあったほどで、火器を用いた攻撃なども吸収できる。また、バルゴンの虹光線を狙うこともある。電気エネルギーも食料であり、ジャイガーやジグラの攻撃によって活動停止した際は人力による放電や落雷によって回復した。また、初期の作品で人類を攻撃した理由として、上記の通りアトランティス人によって引き起こされた8,000年間もの飢餓状態から回復するために熱エネルギーや電気などを市街地などへの破壊行動から得たり、自衛隊による軍事作戦を意図的に誘発させて兵器からの熱エネルギーも摂取していた可能性があるとされている。
着ぐるみは第1作のもの、第2 - 4作のもの、第5 - 7作のものと合計3種類ある(『宇宙怪獣ガメラ』は飛び人形のみ)。
スーツアクターは荒垣輝雄(第2 - 4作)、泉梅之助(第5・6作)。
便宜上、平成三部作の設定を継承する自主制作映画『ガメラ4 真実』のガメラについても記述する。
スーツアクターは真鍋尚晃、鈴木潤(『ガメラ 大怪獣空中決戦』。以降、『1』)、大橋明(『ガメラ2 レギオン襲来』。以降、『2』)、福沢博文(『ガメラ3 邪神覚醒』。以降、『3』)。
基本的には昭和ガメラ3作目以降の「悪の怪獣を打ち倒す正義の怪獣」や、「ジェット噴射をして空を飛行できる」などの設定に準じているが、昭和ガメラの「北極の海に封印されていた」という設定から、「古代文明の技術を利用して生み出された生体兵器であり、永らく岩礁のような状態となって眠りに就いていた」という設定に変更されている。主な技も火炎噴射からプラズマ火球に変更され、外見が昭和ガメラよりも、より生物らしいリアルな外見になっている、休息期間中に戦闘的な身体に進化して外見が大きく変化していくなど、大幅な設定変更や追加がなされ、従来のシリーズとはまったく異なった新たなガメラとして描かれている。得意技としてプラズマ火球を発射し、肘の骨が爪のように変化した「エルボークロー」が追加された。また、『ガメラ 大怪獣空中決戦』では
作品全体の設定や演出は、子供との関わりや嫌いな食べ物の設定など低年齢向けとなっていた昭和ガメラに対し、平成版では環境破壊、勾玉や石碑などの古代の歴史に関わる物品の登場など、劇場公開当時の現実世界における古代の歴史、実際に起こっている問題や出来事とリンクした大人向けのリアリティーを意識した設定や演出が目立つ形となったが、敵怪獣の攻撃などで倒れても、子供の祈りに共感して力を発揮したり復活する様子も描かれた。
体格に関しては昭和ガメラよりも大きく、設定年齢も大幅に増加している。歩き方に関しても昭和ガメラのはうような四足歩行ではなく、シリーズを通して直立二足歩行である。
人間に換算すると30.0という驚異的な視力を持つ。
基本的な特徴は昭和ガメラとさほどの違いはないが、三部作通して姿は異なる。これは、長期間休息する際に体質改善を行い、体をより戦闘的に進化させているためであり、作品がすすむにつれ、外見だけに留まらず、能力に変化が見られるようになっている。
首や手足はやや太く短めであるなど、全体的に柔和でずんぐりとした外見を持つ。頭がかなり大きく重いため、転倒すると無防備で危険な状態となってしまい、ジェット噴射を行わなければ起き上がれない。
目は大きめで、かなり柔らかな顔付きをしている。エルボークローは普段は肘の中に収納されており、任意で突出させることができる。両足のみを甲羅に引き込んで飛行する際は昭和ガメラ同様、腕を上もしくは前に出して飛行する。その際、尻尾は甲羅に収納される形となる。
全体的に『1』の面影を残してはいるが、以前に比べてシャープな印象の姿になっている。以前より頭が小さくなり軽量化されたため、転倒してもジェット噴射を行わずとも自力で起き上がれるようになっている。また、頭が小さくなったことで首が若干長くなり、目は少し小さく、頭の鶏冠は少し大きくなった。さらに以前は内側よりだった歯並びが外側に移動し、精悍な顔付きとなっている。手や足も大きく長くなり、体格も以前より少し大きくなっている。
両足のみ甲羅に収納して飛行する際、以前は全て収納していた尻尾を短く出すようになり、先端をとがらせた形にするようにもなっているうえ、両手をウミガメのヒレのような翼状に変形させられるようになっている。この際、腕は固定される形で動かせないが、平たい形に変化した分、空気抵抗が抑えられ、さらにジェット噴射の威力や馬力も以前より上昇したことで、速力や機動性などの飛行能力が格段に高まっている。
腕のエルボークローは以前よりも大きく発達すると同時に、以前のように収納されず、常にせり出した状態で固定されている。付け根辺りにはもう1本の短いクローも生えているが、腕を翼状に変形した際にはエルボークロー自体は目立たなくなる。
全体的にとげとげしく攻撃的な姿となり、より生物的かつ怪獣らしい姿へと変化している。過去2作品での進化以上に急激な進化を遂げており、過去2作品における面影はほとんど残っていない。
体格がさらに一回り大きくなり、頭は以前よりも小さくなり、転倒しても以前よりも素早く起き上がりやすいようになっている。首もさらに長くなり、頭の鶏冠もさらに大きく発達、逆に目はより小さくなったことに加え、眼球は白目だった部分が全て緑色に変化したことで、凶悪かつ険しい顔付きとなっている。手足は以前よりもさらに大きく発達し、指の形が段々に並んで若干長くなっており、足も以前と比べ太くがっしりとした形となっている。歯並びも以前よりも外側に移動している。表皮はさらに硬化しており、『1』では、ギャオスの超音波メスで右手の甲を負傷していたが、この形態ではより強力なギャオス・ハイパーの超音波メスの直撃を右手の甲で跳ね返している。甲羅の表面と側面がかなり鋭利な形に変化しており、回転飛行しながら体当たりする「シェル・カッター」の刃として利用できるようになっている。さらに「ヴァリアブル・シェル」で甲羅の表面を逆立てることにより、周囲の空気を吸引または放出し、離着陸する際の浮力調整を行えるようになっている(ただし離陸時はニュースのわずかな放送で逆立てる描写はない)。
エルボークローも、以前は肘辺りから後に向かって生えていたものが、この形態では腕の下に沿うように前に向かって生えており、ふくらはぎにも「カーフクロー」と呼ばれる突起が生えている。
以前のフォルム同様、飛行の際には両手を翼状に平たく変形させるが、こちらでは以前のように固定されることはなく、鳥の翼や海亀の鰭のように柔軟に動かすことができるようになることで、腕を後方に下げたりするなどしての機動調整が行えるようになっており、以前と比べ機動性が格段に高くなっている。腕に留まらず脚の部分にも小さな鰭のようなものが生え、とがった甲羅の端の最も長い部分も可変する、短い状態だった尻尾が長く突出し動かせるといった進化により、より細やかな空中機動を行えるようになっている。ジェット噴射の威力もさらに向上したことで速力もさらに高まっている。
『ガメラ4 真実』に登場するガメラのフォルムは、こちらの設定を踏襲している。
はるか太古に滅亡した超古代文明によって、ギャオスを倒すために、甲羅状の「器」に地球の生命エネルギー「マナ」を集めて創り出された、一種の「生体兵器」とされ、環境への適応や自身の戦闘能力の向上のために、短期間で進化する能力を持っている。
基本的に地球を守るために行動しており、守るべき対象は人間だけに限らず、すべての生態系、ひいては地球そのものとされており、生態系を破壊し地球環境に害をなす生物を倒すためならば、市街地や人命に被害が及ぶような激しい戦闘を行うこともいとわない(このことが『3』において綾奈に恨まれる要因になった)一方、逃げ遅れた子供や人々をギャオスの光線やレギオンの襲撃から助けたりすることもある。
『3』では、玄武の伝承とガメラが関連づけられた(古代中国の文化を参考にするアイディアは『1』から存在し、昭和ガメラと関連づけられたエスキモーの文化と古代中国文化のデザイン上の類似性を見いだした制作陣は、ガメラの甲羅に亀甲墓やアンキロサウルスを、ギャオスのデザインには西洋のドラゴンや春秋戦国時代の中国の龍のイメージを投影した)。
平成三部作の世界に玄武の伝承は存在するものの、亀の先祖に相当する生物が恐竜と同時期に絶滅した設定となっているため、ガメラは「怪獣」と呼ばれることはあっても、「巨大な亀」といった表現で呼ばれるシーンはなく、「亀」という単語も一切使われない。現生動物の亀という概念そのものがないため、劇中この設定に触れるシーンはないが、『3』の劇中では、登場人物の一人である斉藤雅昭のデスクの上に陸亀の置物が置いてあるという矛盾が生じている。また、序盤の会議シーンで一瞬映る資料には、海底で発見されたガメラの墓場について「亀の甲羅状」という言葉を用いて地形の説明が行われている。
コンビナートに墜落して大爆発に巻き込まれたり、レギオンプラント(草体)爆発時に炭化してしまったり、敵怪獣に瀕死状態に追い込まれたりしても復活しているが、これらはいずれも「人間の祈り」、特に子供の祈りが鍵になっている。
登場人物の一人、草薙浅黄とは精神的な交信が可能になっていた。一時は、ガメラが受けたダメージがそのまま浅黄に伝わったり、負傷した箇所と同じ箇所を負傷したり、ガメラが傷の回復のために眠りに就くのと同時に眠りに就き、ほぼ同時に目覚めたりするまでに強かったが作品が進むにつれ、その傾向は徐々に弱まって行き、『2』の中盤で途絶えたような描写がある。この精神交信には、岩礁状態で海を漂っていたガメラの甲羅から発見された勾玉が重要な鍵となっていたが、『2』でのガメラ復活時に、浅黄の持っていた勾玉は砕けている。『3』では、これと同時に他のすべての勾玉も砕けていることが判明した。浅黄は「ガメラは自ら人間との関わりを断ち切った」と考えたが、『3』の登場人物である倉田真也は「仙台でのガメラの復活は人間の祈りによって成されたものであり、ガメラはまだ人間との関わりを断ち切れずにいる。それこそがガメラ最大の弱みだ」と見解した。
永い眠りから目覚めたギャオス3体と、人の手によって偶発的に復活したガメラが日本各地で激戦を繰り広げていく。
当初、ガメラは長らく太平洋で奇妙な環礁のような状態で眠り続けていたが、ギャオスの誕生を察知するかのように漂流して日本に接近。一度プルトニウム運搬船とぶつかったが、特に問題は起きず、調査団のメンバーが甲羅に上陸し、中心部にあった金属板に米森良成らが触れたことで金属板が崩壊し、完全復活する。
3体のギャオスを追って福岡から日本列島を北上して行く。福岡湾で1体、木曽山中でさらに1体を倒し、残り1体を追うが自衛隊の攻撃を受けて墜落し、さらに超音波メスの攻撃を受けて負傷して退却、海底で傷の回復を図る。復活後、東京で地下から出現して巨大に成長した成体ギャオスと空中戦を展開し、さらに地上に降り立ち市街戦を展開。地上から再び空中へと戦いの舞台を変え、大気圏外、宇宙まで飛び出したが、そこでギャオスの足に食らいつきジェット噴射を抑えそのまま急降下する。苦しむギャオスが超音波メスで自らの脚を切断して脱出したため、コンビナートに墜落して大爆発に巻き込まれてしまう。しかし、浅黄の勾玉を通した「人間の祈り」を受けて周りの炎やコンビナートのエネルギーを吸収し、復活する。
最後は自身のハイ・プラズマとギャオスの超音波メスで撃ち合いを演じ、ギャオスの超音波メスは外れ、ハイ・プラズマはギャオスの頭部を吹き飛ばして勝利を収め、戦いの後は浅黄の傷を癒し、海に去った。
ギャオスとの戦いから1年後。宇宙怪獣レギオンの飛来を察知。レギオンの地球上での繁殖と、共生生物「草体」の種子発射によるレギオン拡散を阻止するために戦う。
札幌に出現した草体を撃破するものの、直後にソルジャーレギオンの奇襲を受け負傷する。変電所前に倒れ込み、ソルジャーレギオンが何体か移動した隙に回転飛行形態でソルジャーレギオンを振り落とし、傷を癒すために石狩湾に退却する。数日後、同じく草体の出現した仙台の戦いではマザーレギオンに巨大な脚で胴体を突かれ、強力な光線、マイクロ波シェルの前に苦戦し、さらに草体種子の発射は防ぎながらも大爆発に巻き込まれて炭化して仮死状態に陥るが、上記の「人間の祈り」により復活。直後に空へ飛び立ち、足利市から群馬、埼玉県境にかけて東京を目指して進行するマザーレギオンと自衛隊との交戦の最中に降り立つ。
プラズマ火球を連発し、エルボークローでエッグチャンバーを破壊し、ソルジャーレギオンを生み出すのを封じるなど奮戦するも、プラズマ火球を無効化するバリアを張り、体格差で圧倒してくるレギオンに再び追い込まれる。それでもレギオンの進行を阻止しようと戦うガメラを目の当たりにした自衛隊の援護を受け、次第に戦いを優勢に進めていき、隙を突いてレギオンの角をへし折るが、マイクロ波ビュートで反撃されて満身
レギオンとの戦いから3年後。先のレギオン戦において大量のマナを消費した影響で、地球各地に大量発生したギャオス・ハイパーを倒すために奔走。その過程で覚醒したギャオス変異体であるイリスと戦うこととなる。
とある週末の金曜の夜、東京上空でギャオス・ハイパー2匹と空中戦を展開、そのうちの1匹がガメラの攻撃を受けて渋谷に墜落したところに降下。深手を追った1匹をプラズマ火球で葬り、さらにもう1匹も撃破するものの、プラズマ火球の連射は人口密集地を壊滅させ、1万人以上の死者を出す結果となってしまう。この惨劇を機に、日本ではガメラを危険視する声が高まる(直接の描写はないが、劇中では海上自衛隊がガメラを攻撃したとのニュースが放送されている)。その後、イリス覚醒に伴い再び日本へ飛来し、イリスと空自との交戦の間に割って入るように紀伊半島上空で激しい空中戦を繰り広げ、終始戦いを優勢に進める。体当たりの途中、回転飛行形態に変形して側面のとがった甲羅を利用してさらなる追撃を行うが、イリスが放った超音波メスを食らい、距離を離されてしまう。そのまま追尾していたところにガメラ掃討を優先した自衛隊のペトリオット攻撃を食らい、大きくバランスを崩してイリスを取り逃してしまう。イリスを追ってプラズマ火球を発射しながら京都に降下して行くが、イリスの長い触手によって弾かれた火球により京都は火の海と化す。
京都に降下後は、ガメラを両親の仇と恨む少女、比良坂綾奈の憎しみを取り込んだイリスと激戦を繰り広げ、鋭利な手甲で胴体を貫かれるなど、苦戦しながらイリスともつれ合ってJR京都駅になだれ込む。瀕死の状態に陥りながらも、イリスが綾奈との融合を計った隙に綾奈の祈りによって復活し、イリスの腹部をえぐって綾奈を救出した。イリスは手甲でガメラの右腕を貫いて拘束し、ガメラからコピーした偽プラズマ火球を突き付けるも、ガメラは自らプラズマ火球で右腕を爆砕し、失った腕にイリスの放った偽プラズマ火球を受け止めて“炎の拳”(バニシング・フィスト)を造り出し、綾奈を救出した際にえぐったイリスの腹部に炎の拳をねじ込んで体内から爆発させ、その息の根を止め勝利を収める。綾奈を浅黄と長峰たちに返して蘇生を見届けた後、半壊した京都駅を後にすると、右腕を喪失した深手状態のまま、世界中から日本上空に迫りつつあるギャオスの大群との戦いを前に
全シリーズ中、最も人々に恐怖を与える存在であると同時に、最も悲劇的かつ、過酷な運命をたどっていく怪獣として描かれている。その後については、非公式ながら『ガメラ4 真実』や『ガメラ 大怪獣絶唱』で描かれることとなる。
なお、金子修介はガメラがギャオスハイパーの大群に勝利すると述べているが、伊藤和典はラストに登場したギャオスハイパーの大群はあくまでも「第一波」であると考えており、ガメラが勝利したかどうかについては(金子よりは)疑問を抱いている。
『ガメラ3 邪神覚醒』劇中の序盤で、比良坂綾奈の悪夢に出てきたガメラ。
G1のギャオス襲撃の際に両親を亡くしたことでガメラを逆恨みする綾奈の夢の中に登場し、より一層ガメラへの憎悪を増させる要因となった。
スーツはG2ガメラの改修版で、G3の姿に準じて、トサカが大きく、甲羅の側面がとげとげしくなっているほか、眼球は白目のみで皮膚がただれたようになっているなど、まがまがしい容姿となっている。
恐ろしい形相に見えるのは、ガメラの墜落に巻き込まれた両親を「ガメラに殺された」と受け止めた綾奈の憎悪によるものであり、イリスによる精神干渉の影響でもあることが示唆されている(綾奈の海馬体はイリスとの融合未遂後、異常に肥大化している)。
当初は粉塵越しの不鮮明な姿であったが、終盤でイリスに取り込まれた綾奈が見たのは現実のガメラとはまったく違う姿であり、ギャオスとの対比から綾奈に真実を気付かせた。
スーツアクターは同じくG2ガメラを演じ、本作品でイリスを演じた大橋明。
スーツアクターは佐々木俊宜。幼体の撮影には本物のケヅメリクガメが用いられた(一部CG)。
1973年と2006年の個体が登場。前者は「アヴァンガメラ」と呼ばれる。後者は本作品の主役であり、作品内で孵化し、卵を見つけた相沢透によって「トト」と名付けられた。最初は透の手に乗るほどの大きさであったが急速に成長した。なお、体重がこれまでよりも大幅に増加しているが身長や体長は小型化しており、鳴き声は変更されている。
平成に入って4作目のガメラは昭和ガメラ、平成三部作のガメラとは異なり、33年前(1973年に相当)、オリジナルギャオスの群れに町が襲われるシーンから入る。昭和ガメラのように「人を助けるため自ら怪獣に挑む」という設定になっている。また、平成三部作のように子供と共感して力を発揮するシーンも見られる。
ガメラとは生物としての名称であるが、本作品ではガメラに「トト」という“名前”がつけられている。ガメラが文明の産物ではなく、子供とガメラの成長物語であるということを強調している点も、以前とは異なる部分である。
ガメラ生誕50周年記念でKADOKAWAが制作したプロモーション作品のガメラ。オールCGで表現されている。
前作同様、全体的に茶色い体色をしている。歴代よりも前傾姿勢が強く、甲羅も図体に比べて大きく、甲羅から血液が流出したような跡があり、煙が上がっている。上顎よりも分厚い下顎を持ち、尖った鼻先と黄金色の小さな目を持つ。2023年に発売された書籍『平成ガメラ造型写真集』にて正式にモデルが公開されたが、実際の映像作品とは異なりより昭和・平成三部作に近い黒っぽい体色にリペイントされている。
東京に襲来したギャオスの群れに立ち向かい、全滅させるが、その10年後に現れた新たな敵に対し、再び現れて立ち向かう。
他の怪獣と同様に、超古代文明が戦争と人口の調節装置として生み出した。そのため、他の怪獣とはプラズマや電磁波や重力の生成や「シールド」の使用など共通する能力や身体機構を有しており、ギャオスとジグラ、ジャイガーとバルゴンが同系統であるのと同様に、ガメラもギロンなどと系統を共有している。
全体的に大柄な体躯をしている。昭和作品のガメラと同じ身長だが体重は10倍に増加しており、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』のガメラに近い体重設定である。
尖った鼻先や甲羅の形状などの細部は2015年の50周年記念映像のガメラに類似している。また、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』のガメラと同じく腹部が発光することが示唆されているが、こちらでは緑色になっている。体色は平成3部作以来となる黒を基調としたものになっている。目は平成3部作や『小さき勇者たち〜ガメラ〜』と同様に緑色であるが、これまでよりもより鮮明な色彩を持つ。全身に装甲状の鱗を持つ。
体内の「オリリウム」の反応炉で発生させたプラズマエネルギーを全身に循環させる。その際、プラズマが甲羅を中心に体内で円を描いて流れている。
戦闘時や飛行時などに胸元周辺などが青色や緑色に帯電する。
『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』以降の旧大映ガメラ映画の主題歌。ガメラの強さを歌い、頑張れと励ます内容である。当時大映専務の永田秀雅が作詞、音楽を担当していた広瀬健次郎が作曲した。演奏は大映児童合唱団、大映レコーディングオーケストラ。「大映児童合唱団」とはいうものの、実際にはその辺の子供を連れてきて歌わせたものだと監督・湯浅は語っている。歌詞は3番まであり、1番では「悪魔の虹」、2番では「殺人音波」、3番では「宇宙怪獣」が登場し、それぞれ対バルゴン、対ギャオス、対バイラスを思わせる。それぞれ、「火炎噴射攻撃」、「かみつき攻撃」、「回転ジェットによる体当たり攻撃」が技として挙げられている。
同じ作者、演奏者による「ぼくらのガメラ」も使われた。こちらはガメラの大きさ、各種の技、戦車のような強さ、「ぼくら子供達」の友達であることを歌っている。
20世紀末、中国において、6500万年前の地層から新種の亀の化石が発見され、怪獣ファンでもあるカナダの古生物学者リー・ヴァン・ヴェーレンによって1993年に「シネミス・ガメラ」との学名がつけられた。甲羅の後方左右についている翼状の突起物が飛行する亀を思わせたため(無論、実際には飛行するためではなく、水中を泳ぐために適応した結果の形状だと考えられている)、そこから飛行する亀=ガメラと連想したという。
また、白亜紀後期の北米から発見されている亀である「ガメラバエナ(英語版)」も、やはりガメラに因んで命名されるという経歴を経ている。
なお、とあるノドサウルス科の著名な個体の化石が「Gamera」と名付けられている(英語版)。
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