『楽しいムーミン一家』(たのしいムーミンいっか)は、1990年4月12日から1991年10月3日まで、テレビ東京系列で毎週木曜19:00 - 19:30(JST)に全78話が放送されたテレビアニメ。
本項目では、1991年10月10日から1992年3月26日まで同系列・同時間帯にて全26話が放送された第2期『楽しいムーミン一家 冒険日記』についても併せて取り扱う。第1期と第2期は途切れずに連続しており、第1期からの通算では、1990年4月12日から1992年3月26日までの全104話となり、このうち第2期は第79話から第104話までとなる。
原作はトーベ・ヤンソンの同名の小説(1948年刊行、ムーミン・シリーズ第3作目)。トーベ自身も末弟で漫画の共同制作者であるラルス・ヤンソン(愛称ラッセ)と共に、本作品のアニメ制作に関わっており、これに伴って原作の設定や世界観が作品にも反映されるようになった他、キャラクターデザインも原作にほぼ準ずる形で作成された。一方で「スノークのお嬢さん」が「フローレン」になるなど、原作から変更された箇所も存在する。
『ムーミン』のアニメは本作品以外にも、トーベ・ヤンソン許諾のもと1969年、1972年の2回「カルピスまんが劇場」として放送されたシリーズ2作(ムーミン (アニメ)も参照)の他、2015年に日本で公開されたフィンランド・フランス共同制作アニメ映画『劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス』などが存在し、特に後者は高山みなみを筆頭に本作品の出演陣が再びキャスティングされているが、いずれも本作品とは製作体制を異とするものである。
当時のテレビアニメは完成したフィルムを直接送出する方式が一般的であったのに対し、本作品は最新のデジタルテープ(D2マスター)にテレシネして初回放送ではクリアビジョンで放送されていた(但し、第53話からはフィルムでの送出へと切り替えられている)。また第1回の本放送では、現在DVDに収録されているEDは放送されずにスペシャル用のEDが使用された(未ソフト化)。
本作品の放送期間中の1991年1月17日に湾岸戦争が勃発した際、他局がこれに関連した報道特番を行う中にあって、テレビ東京のみ通常番組として本作品を放送し、その結果として同日放送分(第41話)は18.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率を得た。これについて、テレビ東京では「湾岸に関心が強いビジネスマンたちは、夜7時台には家にいないと判断したほか、その時間帯に大きな動きがなかったため放送した。他局のアニメがなくなった結果、うちの番組に流れた」と分析している。本作品の放送終了後も長きにわたり、「テレビ東京は重大事件が発生した際も、報道特別番組を編成せずに通常放送を行う」例として本件が引き合いに出されることがあり、テレビ東京も自局制作の特別番組などで、本件を紹介することが度々ある。
当時のテレビ東京にとって本作品はかなりの看板番組だったようで、海外共同制作契約分が終了した1991年10月以降もタイトルに「冒険日記」と付け加える形で引き続き第2期の制作が続けられた。第1期とのストーリーや世界観の繋がりは薄く、コミカルな作風が志向されている。第2期ではナレーションも廃止された他、スノークもオープニングのみの登場で物語には出なくなった。なお、第2期では副題に「冒険日記」が入るが、次回予告でのナレーションは第1期と同じく「楽しいムーミン一家」のままで「冒険日記」は追加されない。
第35話から登場した魔女のアリサとクラリッサは、原作には登場しないアニメオリジナルキャラクターである。
本作品は、第1期ではスノークの空飛ぶ船の製造が物語と平行して78話(最終回)までの長期スパンに渡って断続的に描かれている。また、第2期ではムーミンパパ手作りのタイムマシンによって引き起こされる騒動がストーリーの中心になることが多い。
1990年のトーベ来日時には吉祥寺末広通り沿いにあった制作現場を訪れている。
放送時間は個別に出典が提示されているものを除き、1991年12月中旬 - 1992年1月上旬時点のものとする。放送系列は本放送当時のものを使用。
第2期放送期間中の1992年8月8日に、本作品の劇場版が公開された。詳細は『楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星』を参照。
VHSはCICビクタービデオ・日本ビクター映像事業部より放送中に順次発売。
2000年12月16日〜2004年2月21日にかけてテレビ東京メディアネット・日本ビクター映像事業部が発売元となり、シェルケース形態で全27巻が発売。
2007年にトールケース単巻がビクターエンタテインメントのHiHi Recordsより10月24日に全19巻、『冒険日記』は11月21日に全6巻(20-25巻)発売。
2011年にDVD-BOX、BD-BOXがビクターエンタテインメントより発売された
製作会社の倒産に伴い原版フィルムを紛失しており、再放送用のマスターを流用。BDではアップコンバート処理の上で収録。
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