欧陽菲菲(オーヤン・フィーフィー、繁体字: 歐陽菲菲 (ピン音: Ōuyáng Fēifēi、注音: ㄡ丨ㄤˊㄈㄟㄈㄟ) 、日本名:式場欧陽 菲菲、1949年9月10日 - )は、台湾出身の歌手。日本デビュー時は渡辺プロダクション所属。
1971年に「雨の御堂筋」で第13回日本レコード大賞新人賞を受賞。1972年に「雨のエアポート」で日本有線大賞を受賞。1983年に「ラヴ・イズ・オーヴァー」で第25回日本レコード大賞ロング・セラー賞を受賞。
経歴
出自は江西省吉安市にルーツを持つ。1967年に台北市にあるレストラン・シアター「中央酒店」で歌手デビューした。その後来日し、1971年9月にザ・ベンチャーズ作曲の「雨の御堂筋」で日本デビュー。同曲がオリコンセールス79万枚、売上約136万枚となる。翌1972年末には『第23回NHK紅白歌合戦』へ初出場した。
1971年後半から1974年前半までは筒美京平が作曲、編曲を担当した。「恋の追跡(ラブチェイス)」は、ブラス・ロックのチェイスに影響を受けた楽曲である。1983年から1987年にかけては「ラヴ・イズ・オーヴァー」のロングセラーを獲得した。台湾と中華圏、そして日本で人気の高い歌手の1人である。
鄧麗君(テレサ・テン)との共演
同じく台湾出身の人気歌手、鄧麗君(テレサ・テン)とは日本で複数回共演している。1984年、フジテレビの音楽番組『ミュージックフェア』で共演。当時テレサテンは「つぐない」、欧陽菲菲は前々年に再リリースした「ラヴ・イズ・オーヴァー」がヒットしていたが、中立を保つ為にあえて他の歌手の曲を互いにカバーするという形をとった。3曲メドレーの中、1曲目「北国の春」を欧陽菲菲が歌い、2曲目「北酒場」を2人でデュエット、3曲目「恋人よ」をテレサテンが歌うという形態が取られた。
1991年12月31日の『第42回NHK紅白歌合戦』の出場歌手に両名とも選出され、初めて同時出場した。欧陽菲菲・テレサテンとも通算3回目の出場。テレサテンが1995年に死去したため、最初で最後の同時出場となった。
ディスコグラフィ
日本におけるシングル
- 1〜16:東芝音楽工業、17〜30:ポリドール、31:ビクター、32:徳間ジャパン。
デュエット・シングル
タイアップ曲
日本におけるアルバム
オリジナル・アルバム
- 雨の御堂筋 (1971)
- 恋の十字路 (1972)
- 火の鳥 (1973)
- RETURN (1979)
- Still Stay In Love(星影のバラード) (1981.6)
- MY LOVE AGAIN (1983)
- BOTH SIDES(忘れていいの) (1984)
- Twilight City (1985.7.21)
- REMEMBERANCE(追憶) (1986.6.1)
- Romantic Asia (1989.7.7)
- オーソドックス (1991.9.28)
ライブ・アルバム
- 欧陽菲菲 イン・ベラミ (1972.6.5)
- 1972年4月7・8日、京都市東山区のナイト・クラブ「ベラミ」にて収録。
- 欧陽菲菲 オン・ステージ 来日一周年記念リサイタル (1972)
- 1972年7月9日、大阪フェスティヴァル・ホールにて収録。
- 欧陽菲菲リサイタル-私は海鴎- (1974)
- 1974年5月、大阪フェスティヴァル・ホールにて収録。
- リサイタル'86〜愛と歌があれば〜 (1986.12.1)
台湾における代表曲
- 雨中徘徊(雨の御堂筋、1971)
- 雨中旅程(雨のエアポート)
- 愛我在今宵(恋の十字路)
- 就這樣甜蜜活到底(恋の追跡)
- 離情依依(夜汽車)
- 熱情的沙漠(情熱の砂漠 ザ・ピーナッツのカヴァー)
- 五月情意(また逢う日まで 尾崎紀世彦のカヴァー)
- 喝采(喝采 ちあきなおみのカヴァー)* 明日戀情(恋は燃えている)
- 火鳥(火の鳥)
- 風雨裡認識你(海鴎)
- 再見午夜(真夜中にサヨナラ)
- 我為你唱一首歌(勝手にしやがれ 沢田研二のカヴァー)
- 繁星(南十字星)
- 晨鐘(マリアの鐘)
- 嚮往
- 我們在愛的天地(ひまわり娘 伊藤咲子のカヴァー)
- 晩風吹如月鉤(愛のフィナーレ ザ・ピーナッツのカヴァー)
- 她的背影(甘い十字架 布施明のカヴァー)
- 可愛的玫瑰花(お手やわらかに 夏木マリのカヴァー)
- 珍重(絹の靴下 夏木マリのカヴァー)
- 願望(裸足の女王 夏木マリのカヴァー)
- 一句悄悄話(小さな恋 中島淳子のカヴァー)
- 再見吾愛(グッド・バイ・マイ・ラブ アン・ルイスのカヴァー)
- 愛的路上我和你(セクシー・バス・ストップ 浅野ゆう子のカヴァー)
- 風児傳情意(風のしのび逢い)
- 嘿嘿TAXI(ムーン・ライト・タクシー 浅野ゆう子のカヴァー)
- 噢!李先生(オー!ミステリー 浅野ゆう子のカヴァー)
- 夢舞(ハッスル・ジェット 浅野ゆう子のカヴァー)
- Disco Queen(うわさのディスコクィーン)
- 快樂在心扉(More Than I Can Say Leo Sayer/Bobby Veeのカヴァー。「星影のバラード」の邦題で自身も日本語版を歌唱)
- 逝去的愛 (Love is Over)
- 我的故郷(狂った果実 アリスのカヴァー)
- 最後的一首歌(さよならの向う側 山口百恵のカヴァー)
- 舞在旋律中(ダンシング・オールナイト もんた&ブラザーズのカヴァー)
- 迷人之夜(セクシー・ナイト 三原じゅん子のカヴァー)
- DISCO之夜(パープルタウン 八神純子のカヴァー)
- 熱情的島嶼(ジプシー 西城秀樹のカヴァー)
- 不要離開我(忘れていいの 谷村新司のカヴァー)
- 今夜我仍在想你 (Good night Darling Good-bye)
- 追憶(追憶 〜Never Fall In Love〜)
- 永遠的情人(抱かれ上手 和田アキ子のカヴァー)
- Don't Forget 〜Stop teasing me〜(ほっといて 〜Stop teasing me〜)
- 愛是唯一的言語 (We Love Heart)
- 擁抱 〜Don't Say Good-bye〜 (with TOKYO D.)
- 有情人總被無情傷
- 烈火
- 感恩的心(テレビドラマ『阿信(おしん)』エンディング)
- 呑下恐龍的蛋
- 出境入境
- 你想愛誰就愛誰
出演
NHK紅白歌合戦出場歴
バラエティ
- お笑いオンステージ(NHK総合、1973年12月16日放送)
- 連想ゲーム(NHK総合、1974年10月12日放送)
- オレたちひょうきん族(フジテレビ、1983年11月19日)- 「ひょうきんベストテン」 ゲスト
- 明石家多国籍軍 (毎日放送)
- 『歌謡スペシャル 秋一番!坂本九』(1985年 8月12日収録、NHK-FM放送) - 生前最後の出演となる坂本九と共演。
- 森田一義アワー 笑っていいとも!(フジテレビ、1992年10月12日) - テレフォンショッキングゲスト
- ネプリーグ27時間テレビ
CM
- 明治製菓 テキサスバー(1974年)
- ハウス食品 王風麺(1979-1980年)
家族
1978年4月に、元レーシングドライバーで実業家の式場壮吉と結婚した。父親の欧陽林生は元パイロットであり、名前の「菲菲」は、空を「飛」ぶというニュアンス(“フィーフィー”との読みが定着しているが、「菲」と「飛」は同音同調でfēiと発音する)が込められている。
妹の欧陽蓓蓓(ペペ)は渋谷区代官山で”美味飲茶酒樓”という中華料理店を営む。弟の欧陽龍は『め組のひと』(カバー題:愛在風中飛)をカバーしたことのある元歌手の台北市の議員でその娘(菲菲の姪)2人にチェロ奏者欧陽娜娜(NaNa)、タレント欧陽妮妮がいる。
脚注
注釈
出典
関連項目
- 1971年の音楽#デビュー - 日本で同じ年にデビューした歌手の一覧。
- TOKYO D. - 欧陽菲菲のバックダンサーを経て台湾でメジャーデビューした日本人ダンスボーカルグループ。
外部リンク
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