『ブレイブ・ストーリー』(BRAVE STORY)は、宮部みゆきによる日本のファンタジー冒険小説。角川書店より2003年3月に上下巻が同時発売された。その後も愛蔵版・文庫版が刊行されており、2021年6月には新装版刊行と初の電子書籍配信が予定されている。「ダヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2003」総合ランキングでは4位を獲得している。2021年5月時点で累計部数は280万部を突破している。
『週刊コミックバンチ』(新潮社)にて小野洋一郎によるコミカライズ『ブレイブ・ストーリー〜新説〜』が2003年36・37合併号から2008年15号まで連載された。『小学五年生』(小学館)にて姫川明によるコミカライズ『ブレイブストーリー』が2005年4月号から8月号まで連載された。『ゴーゴーバンチ』(新潮社)にて小野洋一郎によるコミカライズ『ブレイブ・ストーリー新説〜十戒の旅人〜』がvol.01からvol.14まで連載された。
2006年7月8日に原作小説を原案とした長編アニメ映画『ブレイブ ストーリー』が公開された。
三谷亘(ミタニ ワタル)は小学5年生。成績はそこそこで、テレビゲームが好きな普通の少年だった。大きな団地に住み、ともに新設校に通う親友のカッちゃんがいる。街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。ある日、亘は幽霊が出ると噂される"幽霊ビル"で、要御扉(かなめのみとびら)に出会う。そこを潜り抜けると、亘たちが住んでいる現世(うつしよ)とは違う不思議な世界・幻界(ヴィジョン)が広がっていた。
数日後、夜中に目が覚めた亘は、気分転換に散歩に出かけたが、たまたま幽霊ビルで隣のクラスの優秀な転校生・芦川美鶴(アシカワ ミツル)が上級生・石岡に痛めつけられている現場に居合わせてしまう。助けようとした亘もまた暴力を振るわれるが、亘によって解放された美鶴は魔術を使って漆黒のバルバローネを呼び出した。そして、上級生に反撃する。最後には、バルバローネは上級生たちを飲み込み、魂を奪ってしまった。夢としか思えないその光景が亘の心を掴む。そして美鶴は姿を消した。
そんな中、亘の父が突然「昔愛した女性と復縁する」、と離婚を宣言して家を出て行ってしまう。その愛していた女性、田中理香子のお腹にはもう子供がいた。ショックで亘もろとも親子でガス自殺をしようとする母。ガス漏れにも気付かず眠っていた亘を起こしてくれたのは、行方不明になっていた美鶴の声だった。
「運命を変えたかったら、幻界へ行け」というミツルの呼びかけに応じ、家族を取り戻す為、母と自分の運命を変える為に幽霊ビルの階段の上に現れた要御扉を通って、亘は再び幻界へ……。
初出は学芸通信社の配信により、大分合同新聞(1999年11月11日 - 2001年2月13日)、名古屋タイムズ、京都新聞、中国新聞、信濃毎日新聞、徳島新聞、高知新聞、北日本新聞にて連載された。
地図が収録される等している。
宮部みゆきの小説を原作にフジテレビ、GONZO、ワーナー・ブラザースが共同で製作した長編劇場用アニメ。プロジェクトリーダーをフジテレビが務め、制作をGONZO、配給および宣伝をワーナー・ブラザースがそれぞれ担当した。フジテレビとしては初のアニメ映画であり、ワーナー・ブラザース ジャパンにとっては初のアニメ映画の配給であった。また、GONZOにとっても映画制作としては2本目の作品だった。
製作費は10億円、興行収入は20億円だった。
監督は千明孝一、製作総指揮はフジテレビの映画事業局の局長(当時)の亀山千広が務めた。脚本を大河内一楼、アニメーションディレクターを千羽由利子、音楽をイギリスの音楽グループであるジュノ・リアクターが担当した。
日本での配給を担当したワーナーブラザーズは、海外配給の優先交渉権を保有していた。ワーナー・ブラザースの力を得て、フジテレビは当初より日本国内だけでなくヨーロッパや北米市場での海外展開を視野に入れて製作を行っていた。
当作品は、ジブリ作品を中心にアニメ制作で実績のある日本テレビに対し、フジテレビが新たにアニメ映画に乗り出したもの。キャストも主要キャラクターを専業声優ではなく、ジブリ作品のように松たか子、常盤貴子、ウエンツ瑛士などの実写の俳優やコメディアンなどで固めている。
当初の企画はフジテレビのプロデューサーの意向で子供向け作品として進められていた。宮部の原作小説は人間の持つ毒の部分も逃げずに描いているため、子供向けアニメーションにするには少しオブラートに包む必要があるという判断により、最初のシナリオ決定稿は少年漫画寄りの冒険ファンタジーの雰囲気を持つものとなっていた。しかし、絵コンテ作業に入ってしばらくすると状況が一転。あまりにも原作からかけ離れてしまったことが問題となって原作に沿った内容に戻すことになり、それまでデザインしていた設定の大部分はすべてやり直しになった。
2006年7月8日より、全国の松竹・東急系劇場にて公開された。
海外でも公開され、フランスではカンヌ映画祭において2006年5月22日にフジテレビによるプロモーションを兼ねた試写会が行われた後、2008年2月6日から国内で劇場公開された。劇場配給はもともとは大手アニメDVD流通会社であるKAZEが行ったが、劇場配給の経験は多くないため、公開は小規模なものにとどまった。ワーナーブラザーズはまた、ドイツでの映画上映・配給権も獲得した。
2007年5月5日にフジテレビの「土曜プレミアム」枠で地上波テレビ放送された。2010年7月には有料放送のディズニーXDでも放送された。
発売元はワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント。セルDVD先着予約特典として、オリジナル・ステッカーを同梱。
小野洋一郎の作画による『ブレイブ・ストーリー〜新説〜』および続編『ブレイブ・ストーリー新説〜十戒の旅人〜』がバンチコミックスより出版されている。
姫川明によるアニメ映画版を基にしたコミカライズ作品。小学館の「小学五年生」2005年4月号から8月号まで連載され、2006年7月に「てんとう虫コミックススペシャル」より単行本が発売された。
ニンテンドーDS用ソフト
バンダイナムコゲームスより、2006年7月6日発売。
PlayStation 2用ソフト
SCEIより、2006年7月6日発売。3本の中ではもっとも映画の内容に近い。
PlayStation Portable用ソフト
SCEIより、2006年7月6日発売。岡本吉起、里見直、あきまんらが手がけ、3作の中で最も売れた。ファミ通ゴールド殿堂。
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou