平地区(たいらちく)は、現在の福島県いわき市の中北部にある地区。夏井川流域に位置する旧城下町である。1966年10月の大規模合併前には、平市(たいらし)という市であった。旧磐前郡(1896年より石城郡)。
戦国時代(16世紀初頭)ごろから岩城氏の本拠地として「平」という地名が見られるようになる。江戸時代には「岩」の字が変更されて磐城平(いわきたいら)と呼ばれていたが、戊辰戦争で奥羽越列藩同盟が明治政府に敗けた結果、漢字一字の「平」に改名された。
福島県浜通りの南部に位置する旧城下町である。平安時代末期から戦国時代までは岩城氏の本拠地として、江戸時代には内藤氏や安藤氏などが治める磐城平藩の城下町として盛えた。廃藩置県当初の1872年1月9日から1876年8月20日までは、現在の浜通りを範囲とする磐前県の県庁所在地であった。
現在でもいわき市の中心地区であり、また浜通り地方の最大の商業地区を形成している。
浜通りから茨城県・宮城県・中通りの三方を結ぶ交通拠点であるが、明治維新以降は常磐線など茨城県からの交通網が早く整備されたため、南の茨城県北東部(日立市、水戸市など)との繋がりが最も深い。
太平洋に面していることもあり、気候は年間通して温暖で、冬でも雪は少ない。
「平」の由来には諸説がある。
一つは、岩城則道が本拠地を構えた時に、妻の徳姫(とくひめ。藤原清衡の娘)がかつて居住していた平泉に因んで、中心部を「平」と称して、郊外を「白水」と称したという説である。
もう一つは、阿武隈高地と太平洋に挟まれた地域の中でも、平坦な地形が比較的広かった点に由来する説である。
令制国の陸奥国を頭に付ける際には、「陸奥磐城平」「奥州磐城平」というように、徳川時代の名称であった磐城平(いわきたいら)で呼称されることが多い。「いわ」の字が「岩」から「磐」に変更された時期は、鳥居忠政が入府した時である。
いわき市の機関
警察・消防
国の機関
福島県の機関
行政区(町大字水準)
浜通り最大の商業地区となっており、市街地向き大型店鋪や映画館も集中している。商圏は磯原から富岡までに及ぶ。また、城下町から発達したためか、行政都市や商業都市という色が濃い。
2000年代以後は郊外化に悩まされており、平市街地の落ち込みが激しい。2001年には、平字中町にあった百貨店の大黒屋が経営破綻するなど、険しい環境にある。2007年にはいわき駅ビル「ヤン・ヤン」が閉鎖され、ペデストリアンデッキとバスロータリーとなり、代わって2007年10月25日にいわき駅前再開発ビル「ラトブ」が開設され、風景や人の流れが一変している。
最寄りの高速道路
国道
※ 白水阿弥陀堂は、いわき駅より内郷駅の方が近い。
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