荒木 香衣(あらき かえ、 1963年11月6日 - )は、日本の女性声優。大阪府生まれ、北海道育ち。旧芸名:荒木 香恵。
大阪府に生まれる。小学校2年生で北海道に引っ越し、3年生で1か月だけ香川県、次に大阪の門真市、4年生で北海道の苫小牧市に引っ越す。父親の仕事の都合で北海道苫小牧南高等学校卒業までに7回転校を繰り返している。祖母がイギリス人。。
幼少の頃からテレビの影響で演劇の世界に憧れていた。主演女優になって脚光を浴びたいという気持ちではなく、ただ本当に芝居がしたかったという。高校3年生の秋に演劇の道に進む決意をする。北海道の高校を卒業後、舞台役者になるために上京。東京俳優生活協同組合(俳協)養成所に入所し、俳優科に半年間在籍した。進級試験で上のクラスに上がれなかったため、劇団に入団する。そこで荒木の舞台を観た声優事務所のマネージャーにスカウトされたことがきっかけで、声の仕事を始める。テレビアニメの初仕事は『めぞん一刻』の園児役。セリフは「つまんない」の一言のみだったが、前日から緊張で「つまんない、つまんない」とセリフが頭の中を回っていたという。その後、賢プロダクションに所属。声の仕事よりもNHKのリポーターやステージの司会など、顔出しの仕事を中心に行う。次にアーツビジョンに移籍し、アニメの仕事が中心となった。
1995年、『ふしぎ遊戯』の夕城美朱役で、テレビアニメでは初めての主役に抜擢される。
フリーを経て、2003年8月頃から2010年5月まで81プロデュースに所属していた。現在はフリーで活動。フリーになった後、荒木香衣に改名。
近年は新人声優への講師が仕事の中心となっている。
初対面の人に素の自分を見せるのがあまり得意ではないという。人見知りな自分を何とかしたいと思ったことも、演劇の道に入った理由の1つだとしている。荒木は何かを決めるまでは長いが、1度決心すれば、とことん進む猪突猛進だと自己分析している。大阪で2日後に公演する舞台に急遽出演を誘われて、その日のうちに大阪に出発したこともある。自他ともに似ていると認めるキャラクターは美朱で、共演者の坂本千夏からは「ほんとにあなたは、ばか正直で、どこまでもまっすぐ走って転んじゃう。美朱そっくり」とコメントされたと述べている。趣味は、神社仏閣参り、ゲーム、物作りなど。好きな色は水色。好きな俳優は、マリリン・モンロー、ヴィヴィアン・リー、ジョニーデップ、ゲイリー・オールドマン。好きな映画は、ある日どこかで、ギルバート・グレイプ。好きな作家は、太宰治、星新一、氷室冴子、吉本ばなな、竹宮恵子。
1993年に『美少女戦士セーラームーン』シリーズで、急病で入院した三石琴乃に代わり7話にわたって主人公の月野うさぎ(セーラームーン)役を代演。(オーディションにて代役として抜擢)代役が決まってからアフレコまで数日しかなかったため、急遽現場に入ることになる。最終話付近の大事な場面、うさぎはすでに完成されたキャラクターで、荒木は役作りのために精神的にかなり追いつめられたという。演じることに必死で、自分ができることはすべて出しつくしたが、うさぎには似せられず、「荒木の味」というまでには持っていけなかったと振り返っている。しかし、第1シリーズ最終回のうさぎのセリフである「普通の生活に戻りたい」は本当に頭を真っ白にして心から言えたと述べている。後にシリーズ続編で荒木の初メインキャラちびうさ(セーラーちびムーン)役を担当した。ちびうさ役は、オーディションなしで決定している。最初にマネージャーからこういう役だと原作を見せてもらい、「この役を私が演らせてもらえるのか」と嬉しかったことを覚えているという。
シリーズ第2作『セーラームーンR』は代演中に放送開始となったため、アイキャッチにおけるうさぎの声も荒木が担当。三石が復帰した後も新録はされず、R最終回まで荒木が吹き込んだものが流れることとなった。セーラームーンに参加して、1番変化したことは「(声優業で)食べられるようになりました」と答えている。三石の代役として参加した当時の荒木について、愛野美奈子(セーラーヴィーナス)役の深見梨加は「凄い緊張感の中、ホントに素晴らしかった」「第一声を聴いた時、すごく似せてて感動したんだよ」とTwitterで述べている。2020年12月5日に放送された『全美少女戦士セーラームーンアニメ大投票』では、三石が「あの当時、あの現場でお芝居してくれた香衣ちゃんには敵わないという印象もあります」と、第1作最終話付近の大事な場面で代役を演じてくれたことを絶賛している。
太字はメインキャラクター。
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