『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』は、2015年3月14日より公開された全国松竹系映画館にて公開された円谷プロダクション製作の特撮映画。テレビ番組『ウルトラマンギンガS』の劇場版で『ウルトラマンギンガ』シリーズの劇場作品としては3作目となる。前作の『劇場スペシャル』2作品とは異なり、60分超の長編である。
『新ウルトラマン列伝』内で放送されたスピンオフドラマ『ウルトラファイトビクトリー』についても、本項で記述する。
テレビシリーズの後日談として、最終話の約1年後を舞台にウルトラマンギンガとウルトラマンビクトリー、マナとサクヤをメンバーに加えた新生UPGの活躍を描く。
入場者プレゼントはデータカードダス『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』で使えるカード「ウルトラマンギンガビクトリー」。
劇場版の新ヒーローとしてギンガとビクトリーが合体したウルトラマンギンガビクトリーが登場するほか、『ウルトラマンティガ』から『ウルトラマンメビウス』までの主役ウルトラマンとウルトラマンゼロが登場する。『ウルトラマンコスモス』で主人公の春野ムサシを演じた杉浦太陽も同役でゲスト出演し、ゼロ役の宮野真守のほか、『ウルトラマンダイナ』のつるの剛士と『ウルトラマンガイア』の吉岡毅志も各ウルトラマンの声を担当しているが、ウルトラマンティガとウルトラマンメビウスはオリジナルのキャストではなく代役が声を担当している。
ティガからギンガとビクトリーまでの10大ウルトラマンが一堂に会するのは本作品が初めてであり、各タイプチェンジも活用されるなど個々の見せ場が用意されている。戦闘BGMは各ウルトラマンの登場作品でのBGMがアレンジした上で使用されている。企画段階ではマナ役の最上もがが所属するでんぱ組.incをゲストに迎える案、テレビへの登場から10周年となる『ウルトラマンマックス』をメインとする案、監督の坂本浩一が愛好するウルトラマンレオとアストラがヒカルとショウに修行をつけるという案なども存在したが、最終的に観客が求めているであろう新世代ウルトラマンが総登場する作品となった。ゼロ・ダイナ・コスモスが揃っていることから坂本はウルトラマンサーガも登場させることを希望したが、実現には至らなかった。
監督はテレビシリーズメイン監督の坂本が務め、テレビシリーズ終盤にあたる第15話・最終話と並行して制作された。坂本がウルトラシリーズの映画作品を監督するのは『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』以来であり、坂本の得意とするアクションシーンが多く、ウルトラマンや怪獣のみならず本編キャストほぼ全員のアクションも盛り込まれている。また、俳優陣のアクションシーンは吹き替えスタント無しで行われているのも特徴である。ミニチュアセットもテレビシリーズより大規模なものが用意された。脚本はテレビシリーズのシリーズ構成を務めた小林雄次と中野貴雄が共同執筆した。
ゲストキャラクターのアレーナ役には、『特命戦隊ゴーバスターズ』で宇佐見ヨーコ / イエローバスターを演じ、坂本の監督作『白魔女学園』や『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦! さらば永遠の友よ』にも出演した小宮有紗が、芝居とアクションを両方こなせる役者として坂本の指名で起用された。アレーナと行動を共にする新怪獣エタルガー役の声優には、同じく『ゴーバスターズ』でヨーコのバディであるウサダ・レタス役を演じた鈴木達央が小宮の希望で起用された。制作統括の岡崎聖は鈴木へ「小宮の相棒役」としてオファーをかけ、それを受けて鈴木も快諾したという。
作品は第1弾上映館として3月14日に新宿ピカデリー、品川プリンスシネマほか48スクリーンで公開され、同日および翌15日の初日2日間で映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第10位を獲得した。また、第2弾(28館)・第3弾(1館)・第4弾(1館)と追加上映されるスクリーンも設けられ、最終的に全国78スクリーンでの公開となった。
ビクトルギエルとの決戦から1年後、1年の海外研修を終えて日本に帰ってきたヒカルを待っていたのはサクヤと、友也によって再生したマナを迎え入れた新生UPGであった。
だが平和な時は長く続かず、雫が丘の上空に突如謎の時空城が出現し、そこから「全ウルトラ戦士を封印する」と豪語する超時空魔神エタルガーと女戦士・アレーナが現れる。ギンガとビクトリー、そしてUPGはエタルガーとアレーナに戦いを挑むが、両者の圧倒的な力の前に苦戦する。
その最中、別宇宙よりやってきた青年・春野ムサシとウルトラマンゼロが現れる。エタルガーを倒すため、ゼロはヒカルとショウにある特訓を課す。UPGも、封印されたウルトラ戦士たちを解放するべくムサシと共に時空城へ突入する。
『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』『ウルトラファイトビクトリー』『ウルトラマンX』第14話に登場。ウルトラマンギンガとウルトラマンビクトリーがフュージョン合体した超強化形態。
ヒカルが左腕に装着したウルトラフュージョンブレスを、ショウがビクトリーランサーでタッチしてリードすることにより、合体変身が完了する。合体変身の際の掛け声は「ウルトラタッチ!」。ギンガの姿にビクトリーの意匠が加わった外見をしており、メインカラーも赤・青・黒・金と派手なものになっている。
フュージョンブレスの力でティガからゼロまでの能力を駆使し、高い戦闘能力を発揮する。ギンガストリウムと同様、ティガからゼロまでの技を使う際は、隣に対応するウルトラ戦士の姿が浮かび上がり、ギンガビクトリーと重なるという演出がされる。
ビクトリーのウルトランスも使用することが可能。設定上は下記以外のウルトラマンの必殺技も使用可能で、玩具「DXウルトラフュージョンブレス」に発動音声が収録されている。
『ギンガS』テレビシリーズ最終話でスパークドールズの呪いが完全に解けたことを踏まえ、本作品で登場するウルトラマンたちは全てウルトライブによる登場ではなく、各々の世界からやってきたと設定されている。
2015年7月24日にDVDとBlu-ray が発売された。Blu-rayのみメモリアルBOXも同時発売。
2015年3月31日から6月23日まで『ギンガS』と劇場版のスピンオフ作品『ウルトラファイトビクトリー』が、全13話に渡って放送された。放送形態は『ウルトラゼロファイト』(2012年 - 2013年)『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア 1stシーズン』(2013年 - 2014年)と同様に1話あたり約3分の短編だが、3DCG作品の『大怪獣ラッシュ』や特撮シーンのみの構成であった『ゼロファイト』に対し、本作品では同じ短編ながら新たな試みとして本編パートも盛り込まれている。監督は劇場版に引き続き、坂本浩一が務める。
キャッチコピーは「奏でろ、
本作品は劇場版の後日談、および『ウルトラマンX』の第12話 - 第14話は本作品の後日談となっており、同作の世界をヒカル・ショウ・アリサが訪れるほか、本作品で登場したジュダ・スペクターの兄や姉であるモルド・スペクターやギナ・スペクターが登場する。
撮影は、ミニチュアセットと合成主体のグリーンバックの併用にて行われている。
ウルトラ10勇士と共にエタルガーを倒してUPGへ入隊したショウは、久々の休暇でサクヤと共に地底世界へ帰省する。レピとの再会を果たすも、そこに突如出現した謎の蟻地獄空間へ吸い込まれていくサクヤを救出せんと蟻地獄に飛び込んだショウを待ち受けていたのは、超獣アリブンタ。その背後には、宇宙を揺るがす巨大な野望がうごめいていた。
ビクトリーの新たな戦いが幕を開ける。
『ウルトラファイトビクトリー』より登場する強化形態。
ナイトティンバーの奏でる音色によって澄んだ心と強大な力の両方を極限まで高めることにより、ショウの中に眠るビクトリウムエネルギーを全解放して潜在能力を覚醒させた聖なる姿。通常のビクトリーとは打って変わり、青系の2色と銀色の体色・赤と青で構成されたVクリスタルが特徴で、ナイトティンバー ソードモードを使った剣術で戦う。また、シェパードンセイバーの使用も可能で、この時はナイトティンバーを逆手に持つ。
2015年12月8日 - 12月16日の期間限定で、Amazon.co.jpにてディスク・オンデマンド商品として全13話を一本化したDVDが受注生産された。
『新ウルトラマン列伝』では、本作品(『ウルトラファイトビクトリー』を含む)との連動企画が行われた。
第136話 - 第137話には『ファイトビクトリー』が「希望の聖剣」と「勝利の旋律」の2話に再構成されて放送された。Xioのラボで大地・マモル・ルイ・グルマン博士ら4人が行うナビゲーションでは、この話の後日談となる『ウルトラマンX』(第12話 - 第14話)の内容も触れながら会話している。
第139話 - 第141話には「第一章 封じられた光」・「第二章 究極の戦士」・「最終章 絆が生む力」の3話に再構成されて放送された。大地が剣の特訓の合間にショウから聞いたこの回をマモルとルイに教えるという形でナビゲーションを行ったほか、第一章の本編終了後には大地たちの会話シーンからエクスデバイザーの通信越しにゼロも加わっている。
円谷プロダクションは2016年1月に「歴史の勇者(ヒーロー)×ウルトラマン」をコンセプトとする新企画として、江戸時代初期を舞台とした講談のヒーロー「真田十勇士」と本作品に登場したウルトラ10勇士がコラボした『ウルトラ十勇士』を発表した。詳細な展開は順次発表の予定。
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