苫小牧東部地域(とまこまいとうぶちいき)は、北海道苫小牧市・勇払郡厚真町・安平町の勇払平野にある大規模開発地域。国家プロジェクト「苫小牧東部開発計画」に端を発している。
苫小牧東部の開発は「第3期北海道総合開発計画」において重要な施策として位置付けられ、「苫小牧東部大規模工業基地開発基本計画」に基づいて日本の工業生産の新たな発展基盤を創出するとともに、北海道の長期的発展に資する先導的開発事業として始まった。重厚長大の工業地域を目指したが産業構造の変化などに伴い計画の見直しを余儀なくされ、「苫小牧東部開発新計画」)及びその段階計画である「苫小牧東部開発新計画の進め方について【第2期】」に基づき、「自然と共生するアメニティに満ちあふれた複合都市形成」を目指している。
およそ1万ヘクタールの広大な敷地があり、新千歳空港、苫小牧港、高規格幹線道路、鉄道など陸・海・空の交通条件、弁天沼などの自然環境に恵まれている。また、勇払油ガス田から天然ガスパイプラインが供給されている。
「苫小牧東部開発」は、第三セクター方式により1972年(昭和47年)に設立した。株主構成は国(北海道東北開発公庫)25 %、地方自治体(北海道+1市3町)25.25 %、民間金融機関29行29.25 %、民間企業などが20.5 %であった。事業内容は開発に必要な土地の取得、用地の造成、分譲・賃貸、諸施設の建設・管理運営等を行った。計画当初は企業立地が進んだが、その後契約企業数が著しく減少し、1997年(平成9年)時点では当初計画の10,700ヘクタールのうち契約済みの敷地は約820ヘクタールのみであったが、1995年の計画見直しにより、分譲面積は当初予定より縮小されて5,500ヘクタールになった。抜本的な対策がとられないまま、苫小牧東部開発は膨大な開発・造成費用の返済を抱えることになり、借入金は1,800億円に達した。
苫小牧東部開発より事業継承する形で1999年(平成11年)に設立した。株主構成は国(日本政策投資銀行)49.6 %、地方自治体(北海道+1市2町)32.2 %、金融機関と民間企業合わせて 18.2 %である。事業内容は土地の取得、造成、分譲、賃貸および管理、埠頭等開発を促進するために必要な施設の建設および管理運営、公共緑地、公共施設等の維持管理業務の受託を行っている。
「開発のあゆみ」参照
「苫小牧東部開発新計画」策定後、国際化、情報化などに対応した総合的な経済発展基盤を創出する方針へ転換した。国・北海道・地方自治体による優遇措置や各種支援制度を設けている。域内を横断する日高自動車道と並行している国道235号を境に北側を「臨空地域」(2地区)、南側を「臨海地域」(4地区)としている。
新千歳空港に最も近接している地区であり、北海道道129号静川美沢線でアクセスしている。海岸から6km〜12kmの距離に位置しており「苫小牧市テクノセンター」(道央産業振興財団)が立地している。
国指定の史跡「静川遺跡」がある。
臨空柏原地区の南に位置し、日高自動車道・国道235号、北海道道259号上厚真苫小牧線に近接している。土木研究所寒地土木研究所の「苫小牧寒地試験道路・苫小牧施工試験フィールド」がある。
石油備蓄基地が立地しており、世界最大級の地上タンク方式による施設となっている。「内閣衛星情報センター北受信管理局」が設置されている。周文ふ頭には「苫小牧東港周文フェリーターミナル」があり、秋田港・新潟港・敦賀港への日本海航路が就航している。
コンテナターミナルには3基のガントリークレーンがある。
「弁天沼」周辺は野鳥の生息地となっており、環境保全に配慮している。
港湾
空港
鉄道
高速道路
一般国道
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