先印欧語(せんいんおうご、Pre-Indo-European languages)とは、ユーラシアにあった非インド・ヨーロッパ語族言語のうち、インド・ヨーロッパ語族の到来によって孤立した言語。現在では死語となったものも少なくない。
遺伝学的研究でも、その多くの民族が非印欧系言語を話したと考えられている。
現存する言語
- 南アジア:ドラヴィダ語族、ニハリ語、クスンダ語、ブルシャスキー語
- コーカサス:カルトヴェリ語族、北東コーカサス語族、北西コーカサス語族
- 西ヨーロッパ:バスク語
死語となった言語
研究などにより、過去に存在したと考えられる先印欧語の例は、
- 南アジア
- ドラヴィダ語族やオーストロアジア語族ムンダ語派が広く分布していたと考えられる。ヴェッダ語ももともと固有の言語であった可能性が高い。ハラッパー語やブルシャスキー語も分布していた。
- アナトリア
- ハッティ語、フルリ・ウラルトゥ語族
- ヨーロッパ
- ギリシア:レムニア語(レムノス島)、ミノア語(クレタ島)
- イタリア半島:ラエティア語、エトルリア語、北ピケネ語、シカニ語(古代イタリア地域諸言語)
- イベリア半島:イベリア語、アクイタニア語、タルテッソス語
- ブリテン諸島:ピクト語(島嶼ケルト語族の説もある)
言語・文字の痕跡を残さなかった民族
言語・文字・記号などの痕跡を残さなかったため、言語研究の対象にならない民族も見られる。
- ヌラーゲ文化(サルデーニャ島):遺伝学的研究により当時のヨーロッパで農耕を行った非インド・ヨーロッパ語族の系統とも考えられている。
脚注
関連項目
- en:Paleo-European languages
- インド・ヨーロッパ祖語
- バスコン語基層説
- ゲルマン語基層言語説
- 古代イタリア地域諸言語
. Source: