NGT48(エヌジーティーフォーティーエイト)は、新潟市を拠点とする日本の女性アイドルグループ。秋元康のプロデュースにより2015年に活動を開始した。AKB48グループを構成するグループのひとつである。運営会社および所属事務所は株式会社Flora。所属レーベルはEMI Records(ユニバーサル ミュージック ジャパン)。
2015年にAKB48を含めて日本国内外にあるAKB48の姉妹グループ(AKB48グループ)の7組目(日本国内では5組目)として結成され、同年8月21日に新潟市歴史博物館(みなとぴあ)でお披露目された。2016年1月10日に新潟市中央区万代にある『ラブラ2』の4階に、専用劇場『NGT48劇場』がオープンした。
2017年4月12日に、ソニー・ミュージックレーベルズのアリオラジャパンレーベルよりシングル「青春時計」でメジャー・デビューし、Billboard JAPANの「Hot 100」および「Top Singles Sales」の各チャート、オリコン週間チャートなどで第1位を獲得した。
グループ名のアルファベット部分のNGTは、劇場所在地である新潟県および新潟市の新潟(NIIGATA)に由来する。
NGT48結成まで姉妹グループが採用してきたグループ名から1文字ずつ取ったチーム制を導入して、2016年1月に「チームNIII」が結成され、2018年4月に「チームG」が結成された。その後、2019年4月11日にチーム制の廃止と同年4月21日にチームNIII、チームGの千秋楽公演を行うことが発表された。メンバーは2024年4月14日時点で、1期生3名、ドラフト3期生2名、2期生4名、3期生8名、研究生13名の計30名である。
世間では札幌や沖縄に新グループが誕生するのではないかという噂があり、総合プロデューサーである秋元康ですら最初にスタッフから新潟の新グループ発足について聞いたときは驚いたという。関係者によれば、新潟にAKB48グループの誘致を働きかけたのは、NGT48劇場が入居する『ラブラ2』を運営する三井不動産と地元のバス事業者である新潟交通だという。物販だけでは地域活性化に限界があり、「体験型」活性化策が必要だとして若者や30 - 40代の客層が見込め、新潟への経済効果が期待できるNGT48劇場の誘致が進められたという。背景には秋元康の「日本海側にもAKB48グループを」という思惑もあった。
NGT48はAKB48結成から10年目、日本国内ではHKT48以来4年ぶりとなる新しいAKB48グループの発足とあり、最初からAKB48グループのノウハウが取り入れられた。これまでのAKB48グループはオーディションで選出された1期生のみで活動を開始してきたが、最初からグループでの経験が豊富な北原里英と柏木由紀を所属させることで、メンバー視点でのゼロからのグループづくりに力が入れられた。
NGT48は「地域密着・地元貢献」をテーマに掲げており、新潟県のイベントに積極的に参加したり、地元企業とのタイアップや、地元メディアでの露出などを活発に行っている。例として新潟市の移住促進動画や県産米のPR活動、地元企業とコラボしたメンバー考案商品の発売が挙げられ、こういった活動を通して地域活性化に積極的に参画している。結成から1年たたずに県や新潟市、地元大手企業などが相次ぎNGT48を広告に起用しており、上武大学教授の田中秀臣は「グループが拠点とする他の都市と比べても、新潟ほどAKBグループに力を注いでいる地域はない。異例だ」と指摘し、このような背景には「人口減が進む中で、地元の活性化につながるという期待感の表れだ」と分析した。これまでの姉妹グループと異なり、(大都市圏ではない)地方都市を拠点としているNGT48は「地方創生」の点に重きが置かれ、同じく地方都市を拠点とする姉妹グループ・STU48にも同様の効果が期待されているという。
NGT48は結成からデビューまでの期間が1年8か月で、AKB48グループの中で最も長い時間を要した。そこには従来のAKB48グループとは異なる課題があった。最大の障壁となったのは「人口」で、NGT48の活動拠点である新潟市の人口は約80万人で、AKB48グループが人口100万人未満の都市に設立されたのは初めてであった。そのため、どれだけの基礎票を獲得できるのかが未知数であったという。新潟は芸能活動を行うための環境も整備されておらず、地域的に芸能学校もないため、劇場支配人・今村悦朗は劇場開設の準備をするかたわらで、特に新潟県外出身メンバーを受け入れてくれる学校を探すところから始めたという。このような課題の中で打ち出されたのが「地元密着」という方針だった。現地企業や行政などと、他の姉妹グループ以上に地域との濃い関係性を築き、新潟全体を応援団にしようと考え、今村は「AKB48グループとは何か、自分たちが協力することで何ができるかを関係各所へゼロから説明して歩いた」といい、結果的には50の企業や団体がNGT48への協力に声を上げた。さらには、スタッフも地元出身者で固めたという。
秋元康は、姉妹グループの増加によりグループの1期生に人気が集まるという傾向が表立ったため、NGT48には新しいタイプの応募者が多く現れ、全国から応募者が集まると予想していて、実際に新潟県外からの応募が7割を超え、結果的にメンバーとなった新潟県出身者は半数以下の12名で、地元出身者の比率は低かった。なお、新潟県出身のメンバーは“自分が住む町の出身メンバーに共感を抱かせる”という目的で、出身市町村名まで公表している。第1期生オーディションの選考においては東北や北陸など意識的に東日本の出身者を中心に構成しており、今村によれば「『東日本』のグループとして幅広い地域から共感を得ることを期待している」。
しかしながら後述の事件の影響により2019年以降は地元企業や自治体からの支援が複数打ち切られ、NHK新潟や新潟日報では事件の検証報道、問題点の指摘が行われている。
グループのロゴマークは、県鳥の朱鷺(とき)をイメージしており、 白の背景に 赤の「NGT48」の文字と右と下に赤いエッジを配したものが使用されている。初代劇場支配人の今村悦朗によると、当初イメージカラーは白であった。その後、新潟を訪れた際に見た新幹線E4系に描かれていた朱鷺の印象からこのカラーに決定した。白は新潟の米や雪景色、赤は情熱をイメージしている。
NGT48キャプテン
チームNIIIキャプテン
チームNIII副キャプテン
チームGキャプテン
チームG副キャプテン
これまで3度のメンバーオーディションと合同開催のAKB48グループ ドラフト会議を2回実施し、AKB48との兼任・移籍を除くメンバーはこれらのオーディションを経て加入している。
各メンバーの当該チームでの活動期間については#メンバー構成推移を、キャプテン・副キャプテンの在任期間は#歴代キャプテンを参照。
NGT48初のチーム再編であり、チームGの発足が発表された。チームNIIIドラフト研究生は据え置きとなった。
中二病Forever(ちゅうにびょうフォーエバー)は、加入時に中学2年生(2001年度生)であったメンバーで構成される「公式?ユニット」である。
中井りか と ロス・インディオスは、中井りかとコーラスグループ「ロス・インディオス」のコラボレーションである。2ndシングルカップリング曲「抱いてやっちゃ桜木町」を歌唱した。
2ki(ニキ)は、『AKB48グループ 第2回ユニットじゃんけん大会』に出場した2期生によるユニットであり、準優勝により楽曲の制作が決定した。
CloudyCloudy(クラウディクラウディ)は、中井りかのプロデュースにより結成され、2021年5月31日にお披露目された公式ユニットである。愛称は「くらくら」。 中井りか、小熊倫実、小越春花、對馬優菜子の4人で発足した。對馬が2022年9月27日、小熊が同年12月31日の卒業に伴い、12月19日にSHOWROOMにおいて追加メンバーとして奈良未遥、川越紗彩、北村優羽、柴野夕葵の4人の加入が発表された。2023年7月30日に水津菜月が新たに加入することが発表された。
三次最終審査には二次審査通過者に加え、過去のAKB48グループオーディション最終審査落選者や元バイトAKBメンバーなど、最終審査参加資格保有者も参加した。
当初NGT48はドラフト会議に参加する予定はなかったが、第1期生オーディション期間中に参加が緊急決定した。2015年5月10日、第2回ドラフト会議開催。最終候補者47名中被指名者24名、うちNGT48から2名が指名された。2015年5月24日加入発表。
2018年1月21日、ドラフト会議開催。最終候補者68名中被指名者55名、うちNGT48から5名が指名された。
備考欄において、★は初のセンターポジション、■はグループ在籍時最後のシングル表題曲のセンターポジションを示す。
シングル表題曲のセンターポジションは下表のとおり。
以下における「最高位」の記述はオリコン週間チャート最高位。
AKB48
NGT48名義でない作品の収録曲。
AKB48
NGT48劇場(エヌジーティー フォーティーエイトげきじょう、英語: NGT48 THEATER)は、新潟市中央区万代・ラブラ2 4階にあるNGT48の活動拠点となっている劇場。2016年1月10日にオープンした。
収容人数は295名。AKB48劇場と同様に劇場内前方に大きな柱が2本あり、前方の座席以外はステージ全体を見通すことができないが、柱後方(客席側)に液晶モニタが設置されており、ステージを撮影しているカメラ映像がリアルタイムに表示されている。ステージ後方には中央から左右に分割するスライド式とびらが設置されており、全面がLEDパネルになっている。パネルは公演中の演出映像などに使用される。
劇場ロビーはイメージカラーの白と赤を基調とし、「女学園」をイメージしたデザインになっている。校門のような出入口、黒板、教科書や上履きの絵が描かれた下駄箱をイメージしたロッカーが設置されるなど、学校らしい雰囲気が広がっている。メンバーのこれまでの活動やオフショットが壁面に掲示されているほか、エントランス横に、公演への来場者が⾚いボールを⼊れ約25,000個がたまると「NGT48劇場」の文字が浮き上がる仕組みが設けられている。また、NGT48のグッズ販売ブースも設置しており、随時営業されている。
当劇場は、乃村工藝社が清水建設との共同プランニングによってデザインおよび環境演出装置、設計、施工を手がけた。デザイナーは山田健太郎。「日本空間デザイン賞2016」および「第35回ディスプレイ産業賞2016」で、ともに入選している。
2016年1月10日より、NGT48劇場において公演を実施している。
2017年
2018年
2020年
2021年
2022年
2023年
2024年
2015年
2016年
2017年
2018年
2018年
山口真帆 暴行被害事件(やまぐちまほ ぼうこうひがいじけん)は、2018年(平成30年)12月8日、NGT48の元メンバー山口真帆が新潟県の自宅で男性ファン2名に暴行を受けた事件である。
2018年12月8日、NGT48の元メンバーの山口が自宅玄関先で男2人に顔をつかまれるなどの暴行を受けていたことを、2019年1月8日、山口が動画配信サービス「SHOWROOM」で被害を告白した。グループの中に悪い事をしている人物がおり、メンバーの個人情報が流出していると、運営に訴えるも1カ月経っても対処してもらえないなどと訴えていた。それにより1月9日、山口が自宅玄関先で男2人から暴行を受けていたことをNHKが報道した。1月10日にNGT48劇場で行われた公演に山口も出演し、「この度はお騒がせして誠に申し訳ありません」などと謝罪をした。
山口は、Twitterの投稿でグループのあるメンバーが自宅の場所を教え、また、自宅に押しかけるようにそそのかしたことを明かしていたが、この点に関して運営側はコメントを出していない。また、オートロックのマンションに犯人が侵入できた理由も明らかになっておらず、山口は「メンバーが住んでいた向かいの部屋から男が出てきた」とも主張していた。犯人は暴行の容疑については否認しており、後日不起訴になり釈放されている。
1月14日、AKSが会見し、「警察の捜査状況を鑑みていた」として対応が遅れたことを謝罪。第三者委員会を設置して調査することを表明した。3月22日、AKSは調査結果を受けて新潟市で記者会見を開いた。会見では、山口の訴え、とりわけ事件に関するメンバーの関与を否定、報告書では犯人グループと一部メンバーに私的交流があったことを事実認定しており、これが「証拠」に当たるのではという質問には、しどろもどろで「不問ということです」と答えるのみ、解決策は「とにかく、メンバーとのコミュニケーションをしっかり取る」という、具体性を欠くものだった。また、実際記載されていないのに、「挨拶も私的領域の接触、つながりであると報告書の中ではっきり指摘されている」と答えていたため、山口に「『繋(つな)がっているメンバーを全員解雇する』と私に約束しました」「報告書に記載もないのに繋(つな)がりには挨拶(あいさつ)も含まれるというのは勝手な解釈です。 他のファンには公表できないような、特定のファンとの私的交流を繋がりと言うのはメンバーのみならずファンの皆さんも認識していると思います」など反論された。告発時に主張していたメンバーの事件関与が否定されたことに対しては山口は反論を行っていない。
当時の早川支配人は事件の現場となったマンションについて、寮ではなく個人契約であること、犯人が出てきた向かいの部屋に住んでいたメンバーは昨年7月に不動産屋立ち会いの元で退去し、メンバーの退去後にその部屋はウィークリーマンションの会社が借り上げていると警察から聞かされたと述べている。事件時にNGTの支配人であった今村悦郎は犯人との関係を疑われたNGTのメンバーも署で聴取され、警察から「NGTのメンバーがファンと組んで事件を起こした証拠は出なかった」と報告されたと述べている。
2019日5月19日報道、日刊スポーツNGT取材班の取材によると、 今村支配人が運営側から「(証拠がないと)メンバーを処分はできない」と伝えられたという情報もある一方で、今村支配人が事件詳細を運営側に正確に伝えていなかったといい、また、少なくとも数名は交際までは至らずともファンと個人的に連絡をとるなどしており、厳重注意、研究生降格、解雇など山口が納得するような何かしらの対応をとるべきだったとし、運営が「不問」を選んだのは今回の騒動で最大の悪手だったのではないかと評している。
2019年4月21日の公演において、101日ぶりに出演した山口は、アンコールの後「(事務所社長に)会社を攻撃する加害者」と言われていたことを明かし、「今の私にNGT48のためにできることは、卒業しかありません」と卒業を発表した。5月18日には、NGT48劇場で山口真帆の卒業公演が行われNGT48を卒業した。卒業後、山口は研音に所属した。
山口卒業後、AKS提起による民事裁判(詳細は後述)では、被告(犯人)は陳述書の中で山口に問い詰められた際に自分達とつながっているメンバー8人の名前を口にしたことについて「事件に関与したメンバーの名前を挙げたものではない」と述べており、最終的に被告側が山口の承諾を得ずに自宅を訪問し、少なくともドアを引っ張り合うという形で暴行したことと、メンバーが事件に関与した事実はないことを認めたが、確たる客観的証拠も出てきてない中で、AKSは被告らを証人尋問することもなく、判決に至らないままメンバーへの負担を理由に2020年4月8日に和解している。
被告らはメンバーが疑いをかけられる原因になった向かいの部屋を昨年の7月から自分達が借りていたことを認めているほか、平成28年11月か12月に山口から住所を教わってプレゼントを郵送し、事件現場になったマンションの602号室を借りてからはダイレクトメッセージで連絡を取り、共用廊下やロビーなどで待ち合わせをしてプレゼントを手渡したと主張し、証拠として山口本人の携帯番号を提示している。ほかにも山口からメンバー間の確執について聞かされていたなど具体的な証言を述べて山口とのつながりを主張し、もともと山口と親しい関係にあり、事件当日はダイレクトメッセージに返信してくれなくなったことについて直接問いただしに行っただけで、「暴行はなかった」として争う構えをみせていた。
AKS側は山口の証人申請も検討していたが、「本人の立場やプライバシーの問題、負担」などを考慮した結果断念しており 、和解交渉も裁判外でAKSと犯人側だけで行われ、AKS側代理人弁護士によると、素案は原告(AKS側)によって書かれるが、山口側に対し意見を求めるなどの連絡を取ることもしないと述べた 。
和解条項では男性2人が他のメンバーの事件への関与を否定したほか、逮捕当時否認し不起訴になっていた山口に対する暴行の事実を認めているが、和解の内容は裁判所が「真実」として認定したものではなく、認定したのはAKSと犯人が合意したという事実だと産経新聞は報じている。被告側が裁判の中で主張していた山口と自身たちの私的交流についても、裁判が和解に終わったことで、事実関係があいまいなままになっている。
山口がメンバーとの確執について漏らしていたとされることや、山口が事件直後に警察に通報せずにメンバーを呼び、公園で実行犯グループらと話をしていたこと、その会話の中で実行犯が否定しているにも関わらず執拗にメンバー2人のつながりを問いただし、事件が明るみに出たときに「メンバーが事件に関与している」と主張したことなどから、一部のマスコミの間からは山口の対応や犯人達との関係性に対して疑問の声も挙がっている。
2019年4月26日、AKSは山口に対する暴行容疑で逮捕された男性ファン2人を相手取り、「事件によりNGT48の芸能活動が休止した」として、3000万円(被害額およそ1億円のうち)の損害賠償を求めて新潟地方裁判所に提訴。7月10日には第1回口頭弁論が新潟地裁で開かれた。被告側は弁護士を含め欠席したが、請求の棄却を求めており、争う構えを示した。
2020年4月8日、事件当時の山口の承諾を得ずに自宅を訪問し、少なくともドアを引っ張り合うという形で暴行したということ、暴行事件直後に山口らから問い詰められた際、他のメンバーから山口の部屋番号を聞いたり、そそのかされて部屋に行ったなどと事実に反する発言をし、そうした録音テープが流出して誤解を招く結果になったこと、NGT48の他のメンバーは本件に一切関与していなかったということ、本件事件に関して帰宅時間を推測できるような発言をしたメンバーに対し、自宅に行くということを告げずにバスに乗っているか聞いただけで、当該メンバーは事件について何も知らなかったということを男性2人が認めたうえで、NGT48運営側と男性2人の間で和解が成立した。
裁判では、確たる客観的な証拠も出てきていない中で、NGT48運営は男性2らを証人尋問することもなく、公開の判決に至らないままメンバーへの負担を理由に和解している。男性による山口への暴行に関しては裁判所からの事実認定を得られず、男性2人が主張していた山口と自身たちの私的交流についても事実関係があいまいなままで、AKS・NGT48運営側が裁判の意義として挙げていた「真実の追究」は不十分なまま終わった。
2020年7月21日、「今後の活動に関する発表会」において、この時点でのNGT48運営会社・Flora代表であり、事件時にもAKSのスタッフであった岡田剛は、事件時の運営の未熟さを反省。山口を始めとする卒業メンバーに対して「対応が悪かった」と謝罪した。
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