国鉄タキ6300形貨車(こくてつタキ6300がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
本形式と同一の専用種別であるタキ9100形、タキ9150形についても本項目で解説する。
タキ6300形は、硅酸ソーダ液専用の35t 積タンク車として1961年(昭和36年)5月4日に1両(タキ6300)、1962年(昭和37年)9月3日に1両(タキ6301)がそれぞれ日本車輌製造にて製作された。
本形式の他に硅酸ソーダ液を専用種別とする形式にはタキ9100形(後記)、タキ9150形(後記)の2形式が存在した。
所有者は東曹産業でありその常備駅は、羽越本線の中条駅であった。
タンク体材質は一般構造用圧延鋼材(SS41)であり高さのあるドームが特徴である。
車体色は黒色、寸法関係は全長は13,000mm、全幅は2,300mm、全高は3,650mm、台車中心間距離は8,900mm、実容積は24.3 - 25.0m3、自重は16.0 - 17.0t、換算両数は積車5.0、空車1.8であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には車籍がJR貨物に継承されたが、1988年(昭和63年)8月24日に2両一緒に廃車となり同時に形式消滅となった。
タキ9100形は1961年(昭和36年)11月13日に1両(コタキ9100)が造機車輌にて製作された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
所有者は日本化学工業でありその常備駅は、福島県の郡山駅であった。
荷役方式は、タンク上部の液入管からの上入れ、吐出管による下出し方式である。
車体色は銀色(ステンレス鋼地色)であったがその後黒色に塗装された。寸法関係は全長は9,800mm、全幅は2,350mm、全高は3,880mm、台車中心間距離は5,700mm、実容積は21.0m3、自重は14.7t、換算両数は積車4.5、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであったがその後TR41Dに改造された。
1986年(昭和61年)4月30日に廃車となり同時に形式消滅となった。
タキ9150形は1963年(昭和38年)2月4日に1両(コタキ9150)が造機車輌にて製作された。同日タキ2800形より1両(タキ2909)の専用種別が硅酸ソーダ液に変更されタキ9150形(コタキ9151)に編入された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
所有者はコタキ9150が日本化学工業、コタキ9151が東曹産業でありそれぞれの常備駅は、福島県の郡山駅、新潟県の中条駅であった。
コタキ9150とコタキ9151の外観は大きく異なる。コタキ9151は厚さ50mmの牛毛フェルト断熱材を巻き薄鋼板製のキセ(外板)が装備された。また荷役の為の液出管と空気加圧管はS字管も装備していた。
車体色は黒色、寸法関係は全長は9,700mm、台車中心間距離は5,700mm、実容積は21.5m3、自重は15.0t、換算両数は積車5.0、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであったがその後TR41Dに改造された。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には車籍がJR貨物に継承されたが、1988年(昭和63年)8月24日に最後まで在籍したコタキ9151が廃車となり同時に形式消滅となった。
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