『熱い胸さわぎ』(あついむなさわぎ)は、サザンオールスターズの1作目のオリジナル・アルバム。1978年8月25日にレコードで発売。発売元はInvitation。
1984年6月21日、1998年4月22日、2008年12月3日にCDで再発売されている。1989年6月25日にはCDとカセットテープで再発売された。また、2014年12月17日からはダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始されている。
背景・制作
デビューシングル「勝手にシンドバッド」からちょうど2か月後に発売された自身初のオリジナル・アルバム。本作はレゲエ風の曲調やアメリカ西海岸の人気バンド、リトル・フィートへのオマージュを取り入れ、ポップに変換した作品である。
編曲・レコーディングでは、同バンドのメンバーに加え、新田一郎率いるホーンセクション、Horn Spectrumが数曲参加している。
リリース
サザンの初期の楽曲はバーニングが権利を持っており、本作もプロデュースはバーニングプロダクションによるものである。
1998年の再発盤の初回限定盤はオリジナルLP復刻ジャケット(紙ジャケット)仕様で、雑誌「バァフアウト!」編集発行人の山崎二郎によるライナーノーツが封入されている。
再発売
- 1984年6月21日(CD)VDR-28
- 1989年6月25日(CD)VDR-7001・(CT)VCF-5001
- 1998年4月22日(CD)VICL-60211 音量改善
- 2008年12月3日(CD)VICL-63301 リマスタリング
批評
桑田佳祐はこのアルバムについて2015年発売のオリジナル・アルバム『葡萄』の初回生産限定盤特典「葡萄白書」のインタビューで、「あの人力と若さを総動員させた勢いは二度と再現できない奇跡のようなものです」「最近になって、あのデビューアルバムにこそ、きっと多くの人が大好きだと言ってくれるサザンが集約されているんじゃないかと思えてきました」と述べている。また、本作とソロアルバム『MUSICMAN』についてはほとんど後悔がない旨も述べている。
また、桑田は「あれ(熱い胸さわぎ)がデビュー作でほんと良かった(笑)」と語っている。
収録曲
全作詞・作曲:桑田佳祐。初回限定盤(再発盤)・通常盤共通収録。既発曲の解説は各収録作品を参照のこと。
- 勝手にシンドバッド
- デビューシングル。
- 別れ話は最後に
- ボサノヴァ・タッチのAOR的な曲調の楽曲。
- ビクター側がシングル曲の候補として挙げていた楽曲である。
- 当って砕けろ
- シングル「勝手にシンドバッド」のカップリング曲。
- 恋はお熱く
- 8分の6拍子・3連符のロッカバラード。桑田はサザンのアルバムを作る際には必ずこういった曲調の楽曲を入れることを計画するという。
- イントロの波の音は葉山町の一色海岸で収録したもの。
- 茅ヶ崎に背を向けて
- 桑田と原由子のデュエット曲。2枚目シングル「気分しだいで責めないで」のカップリング曲としてシングルカットされている。
- 瞳の中にレインボウ
- ブルージーな楽曲。
- 女呼んでブギ
- メジャーデビューのきっかけとなった、ヤマハ主催の音楽コンテスト「East West '77」へ出場した際に演奏された曲。
- 桑田が「女呼んでもんで抱いていい気持ち」のフレーズを初めて叫んだところ、メンバーが笑い転げて練習が中断したエピソードがある。
- アマチュア時代からのレパートリーだが、当時は歌詞がアドリブのため明確に定まっていなかったという。正式に発売されたこの現行のバージョンにも明確に歌詞が定まっていない部分が存在しており、一部では「永遠に未完成だから素晴らしい」とも評されている。この未完成を逆手にとって、2023年の茅ヶ崎ライブで演奏された際には該当の部分を地元への感謝を述べる歌詞に改作されている。
- レゲエに首ったけ
- タイトル通りレゲエをテーマにした楽曲になっている。
- いとしのフィート
- リトル・フィートへの敬愛が込められたアレンジになっている。
- 歌詞はラーメン、樽酒、除夜の鐘、お正月という言葉にもあるように日本の大晦日から元旦への情景と独り寂しく酒を飲む主人公の心情が描かれている。
- 今宵あなたに
- 歌詞の内容から「原由子讃歌」とも言われている楽曲。
参加ミュージシャン
- 桑田佳祐 - ボーカル、ギター(#1~10)
- 大森隆志 - リードギター、コーラス(#1~10)
- 原由子 - キーボード、コーラス(#1~10)
- 関口和之 - ベース、コーラス(#1~10)
- 松田弘 - ドラムス、コーラス(#1~10)
- 野沢秀行 - パーカッション、コーラス(#1~10)
ライブ映像作品
脚注
注釈
出典
外部リンク
- 熱い胸さわぎ - SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE
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