『白金の夜明け』(はっきんのよあけ)は 2016年2月17日に発売された、ももいろクローバーZの4thアルバム(3rdアルバムと同時発売)。
音楽業界では珍しい、オリジナルフルアルバムの2作同時リリースという試みが行われ〝生と死とファンタジー〟をテーマに計20曲もの新曲が含まれる。本作はその2枚目にあたる。
両アルバムはオリコンランキングで1位と2位を独占。自身2度目の達成であり、女性アーティストとしては初の快挙となった。日本レコード協会・ゴールドディスク認定(累計出荷10万枚以上25万枚未満)。
アルバムの世界観を再現するため、グループ初の全国ドームツアー『MOMOIRO CLOVER Z DOME TREK 2016 “AMARANTHUS/白金の夜明け”』を行った。
両アルバムの世界観
- 起きて見る夢がテーマで、人の一生を扱う。生演奏の比重が高く、リアルな人生を表現。
- 寝て見る夢がテーマで、ファンタジーを扱う。打ち込みの比重が高く、妄想世界を表現。
本アルバムの概要
『白金の夜明け』は、時間軸を超えたパラレルワールドやファンタジーを描いたアルバム。メンバーの玉井詩織は「現実ではあり得ないような世界観だけど、どこか現実と通じるものもある」としている。
タイトルの「白金=プラチナ」は、決してさびないものの象徴であり、5人で末永く続くグループへの幕開けとしての意味合いがある。
収録曲の作家陣は、ORANGE RANGEのNAOTO、ヒップホップ集団KING OF DIGGIN' PRODUCTIONを率いるMURO、米国ロックバンドのKISSなど幅広く、アルバム最後のトラックは、シンガーソングライターとしてのキャリアもある、KinKi Kidsの堂本剛による作詞作曲で、ジャニーズ事務所所属タレント以外への提供は、これが初めて。
アルバム発売前には、ももいろクローバーZと縁のある著名人達が、本作の収録曲を試聴している様子を視聴することが出来る「試聴×視聴ビデオ」が公開された。
収録曲
- 個のA、始まりのZ -prologue-
- 作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:NARASAKI
- 3rdアルバム『AMARANTHUS』からのつながりをイメージして作られ、「HAPPY Re:BIRTHDAY」のメロディが引用されている。
- 桃源郷(とうげんきょう)
- 作詞:森由里子 / 作曲・編曲:NARASAKI
歌詞・動画 - 歌ネット
- 白金の夜明け(はっきんのよあけ)
- 作詞:前田たかひろ / 作曲・編曲:横山克
歌詞・動画 - 歌ネット
- 2023年には、「白金の夜明け -ZZ ver.-(ダブルゼータ バージョン)」を、2018年以降のメンバー4人体制バージョンとして制作。配信限定アルバム『ZZ’s III』に収録された。
- マホロバケーション
- 作詞:六ツ見純代 / 作曲・編曲:invisible manners
歌詞・動画 - 歌ネット
- 本アルバムのリード曲
- タイトルは造語で「マホロバ(素晴らしい場所)での休暇」という意味。作詞の六ツ見純代は、「きっとファンの方にとって、ももクロちゃんのライブはそういう場所であろうという発想から」だとしている。
- 間奏の英語は“Ladies & Gentlemen! The most exciting space show you've ever witnessed. Become a brand new exciting recreation artist group of heaven. Appearing live! Momoiro Clover Z!”
- 2021年には、「マホロバケーション -ZZ ver.-(ダブルゼータ バージョン)」を、2018年以降のメンバー4人体制バージョンとして制作。配信限定アルバム「ZZ’s II」に収録された。
- 夢の浮世に咲いてみな
- 作詞:岩里祐穂 & ポール・スタンレー / 作曲:ポール・スタンレー & グレッグ・コリンズ / 編曲:KISS & グレッグ・コリンズ
歌詞・動画 - 歌ネット
- ROCK THE BOAT(ロック ザ ボート)
- 作詞:岩里祐穂 / 作曲・編曲:ニコール・モリエ & グレッグ・カースティン
歌詞・動画 - 歌ネット
- ブリトニー・スピアーズが"Dangerous"というタイトルで歌う予定であった楽曲を、デモ段階で制作を保留してもらい譲り受けた経緯がある。
- 作曲のグレッグ・カースティンはグラミー賞受賞作家であり、2015年に手がけたアデルの"Hello"は世界的ヒット曲になった。
- タイトルは「波乱を起こす」という意味。
- 希望の向こうへ(きぼうのむこうへ)
- 作詞:桑原永江 / 作曲・編曲:佐藤晃
歌詞・動画 - 歌ネット
- 高城れにをフィーチャーした楽曲で、ソロコンサートで発した「私からみんなを手放したりはしない」というメッセージが歌詞に反映されている。
- カントリーローズ -時の旅人-(カントリーローズ ときのたびびと)
- 作詞・作曲・編曲:NAOTO
歌詞・動画 - 歌ネット
- イマジネーション
- 作詞・作曲・編曲:清竜人
歌詞・動画 - 歌ネット
- もう1枚の『AMARANTHUS』でも清竜人の提供曲が9曲目となっており、両アルバムを繋ぐ役割となっている。
- MOON PRIDE
- 作詞・作曲・編曲:Revo
歌詞・動画 - 歌ネット
- 『Z』の誓い
- 作詞:森雪之丞 / 作曲:NARASAKI / 編曲:NARASAKI・ゆよゆっぺ
歌詞・動画 - 歌ネット
- 愛を継ぐもの(あいをつぐもの)
- 作詞・作曲:前山田健一 / 編曲:Tom-H@ck
歌詞・動画 - 歌ネット
- 楽曲中に出てくる年号は、B.C.2million→アウストラロピテクス、B.C.69 to 30→クレオパトラ、A.D.1793→マリー・アントワネット、A.D.1997→マザー・テレサを意味している。
- もっ黒ニナル果て(もっくろになるはて)
- 作詞:MURO・BOO / 作曲・編曲:MURO・SUI
歌詞・動画 - 歌ネット
- 「もっ黒」とは「ももクロとモノノフの一体感が最高潮になった状態」を指す。元ネタは、作曲を手掛けたMUROのシングル『THE VINYL ATHLETES』のサブタイトル「真ッ黒ニナル果テ」である(レコードを扱う手のひらが汚れて真っ黒になることを表現していた)。
- 桃色空(ピンクゾラ)
- 作詞・作曲:堂本剛 / 編曲:堂本剛・十川ともじ
歌詞・動画 - 歌ネット
- 音楽番組などで度々共演している縁から、堂本剛が声をかけたことがきっかけとなり、事務所の垣根を越えた楽曲提供が実現した。野外ライブなどで、空がピンク色になる時間帯に5人が歌っている姿を思い浮かべて書き下ろした曲。2枚のアルバムを締めくくる曲ということで、両作品のテーマである「命」と「夢」を描いている。ギター演奏でも参加、レコーディングの際にはメンバーへのディレクションも行っている。
- それまでの持ち歌になかったソウル・バラードであるとメンバーは述べている。
- 10周年BESTアルバム『MOMOIRO CLOVER Z BEST ALBUM「桃も十、番茶も出花」』<初回限定 -モノノフパック->のファン投票企画で2位に選ばれている。
Blu-ray(初回限定盤のみ)
- マホロバケーション(ミュージックビデオ)
- 白金の夜明け(ドキュメンタリー ミュージックビデオ)
- Documentary of "白金の夜明け"
参加ミュージシャン
[ ]は演奏時間
出典
外部リンク
- ももいろクローバーZインタビュー - ナタリー
- アルバム作家陣インタビュー - ナタリー
- アルバムプロデューサー・インタビュー - Billboard JAPAN
- 『白金の夜明け』レビュー解説 - Billboard JAPAN
- アルバム特設サイト
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