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メジャーリーグベースボールの永久欠番


メジャーリーグベースボールの永久欠番


メジャーリーグベースボールの永久欠番(メジャーリーグベースボールのえいきゅうけつばん、Major League Baseball retired numbers)はメジャーリーグベースボール(MLB)の競技者・関係者などに対して適用される永久欠番について述べる。MLBのチームにとって、多くの背番号は受け継がれ使い回されるものであるが、多大な功績を残した人物の使用した背番号を、その人物の栄誉と栄光の歴史を末永く称えるために、チーム内で欠番として本人しか利用できないようにしたものが永久欠番である。

概要

背番号の始まりは、1916年のクリーブランド・インディアンスが、選手をより識別しやすくし、スコアカードの販売を増やすために制服に番号を付けたのが始まりとされる。初めて背番号を採用したのは、1929年のニューヨーク・ヤンキースだった。当初の背番号が付ける本人が決めるものではなく打順ごとに番号を割り振っただけだった。そのため、ベーブ・ルースは3番、ルー・ゲーリッグは4番をつけていた。

永久欠番の歴史は1939年7月、ニューヨーク・ヤンキースがルー・ゲーリッグが使用していた背番号4を欠番としたことに始まる。この年ゲーリッグは不治の病とされていた筋萎縮性側索硬化症(ALS、いわゆる「ルー・ゲーリッグ病」)で6月に引退を余儀なくされたが、長年の功績に敬意を表して、彼が病気から復帰するまでチームとして彼の背番号を他の誰にも使わせないという意味で欠番措置にした。そのことに対してゲーリッグは引退後もチームに居続けることができることに歓喜した。

当初はあくまでもニューヨーク・ヤンキースによるゲーリッグ個人に対してのみ設けられた特例措置であったが、ナショナル・リーグでニューヨーク・ジャイアンツのカール・ハッベルの「11」が永久欠番に指定されたことで徐々にほかのチームも取り入れるようになった。野球は他のスポーツとは違い、監督やコーチもユニフォームを着用するため、監督やコーチも永久欠番の対象になっており、それ以来150人以上の背番号が永久欠番となっている。一部の人物は複数の球団で欠番になったり、複数の人物がチーム内の同じ番号で顕彰されているケースもある。また、タイ・カッブやクリスティ・マシューソンのような背番号がなかった時代の選手や、背番号を持たないオーナーなどの球団関係者やチームに長年貢献したスポーツキャスター、更にはチームを応援するファンも永久欠番の対象となり、その場合対象に背番号を贈呈して欠番に指定する、チームのイニシャルなど数字以外の「欠番」を指定する、数字を指定せず対象の名前を以て「欠番扱い」とする、といった手段がとられる。

1901年以降では初の黒人選手で、その後の黒人選手のMLBでのプレーの道を切り開いたジャッキー・ロビンソンの「42」は1972年にロサンゼルス・ドジャースで永久欠番となっていたが、MLBは1997年4月15日にロビンソンのデビュー50周年の記念して「42番」を全球団で永久欠番に制定した。ただし、制定される以前から「42」を使っていた選手は、特例として継続して使用することが認められた。日本のプロ野球では日本語の語呂合わせで「死に」につながる忌み数としての影響もあり、どの球団であっても必ずといっていいほど背番号の「42」が外国人選手が持つ事実上の専用持ち番なのはこのためであり、同番号を持つ外国人選手も非常に多くなっている。

上記の「42」を除いて永久欠番の制定基準に規定はなく、各球団に委ねられている。

その他、ブルージェイズはチーム創設以来、永久欠番制度を設けずに、「レベル・オブ・エクセレンス」という形で背番号を欠番とせずに、個人として顕彰していたが、2011年ロベルト・アロマーの12を永久欠番とした事で、他球団と足並みを揃えた(ただしレベル・オブ・エクセレンスとしての顕彰は引き続き行なっている)。その後もワシントン・ナショナルズが最後の永久欠番指定選手がいないチームとなっていたが、2022年にライアン・ジマーマンをナショナルズ初の永久欠番指定としたことにより、MLB全チームにおいてMLB指定の「42」を除いた番号で一つ以上の永久欠番を指定している。

永久欠番

全球団共通

アメリカン・リーグ

ナショナル・リーグ

複数球団にまたがる同一人物の永久欠番

現在までに12名が存在する。

3球団で永久欠番
  • ノーラン・ライアン(エンゼルスの30、アストロズ・レンジャーズの34
  • フランク・ロビンソン(レッズ・オリオールズ・ガーディアンズの20
2球団で永久欠番
  • ハンク・アーロン(ブレーブス・ブルワーズの44
  • ケーシー・ステンゲル(ヤンキース・メッツの37
  • カールトン・フィスク(レッドソックスの27、ホワイトソックスの72
  • ロッド・カルー(ツインズ・エンゼルスの29
  • ローリー・フィンガース(アスレチックス・ブルワーズの34
  • レジー・ジャクソン(ヤンキースの44、アスレチックスの9
  • グレッグ・マダックス(カブス・ブレーブスの31
  • スパーキー・アンダーソン(レッズの10、タイガースの11
  • ウェイド・ボッグス(レイズの12、レッドソックスの26
  • ラルフ・カイナー(パイレーツの4、メッツの「マイクロフォン」)※メッツに在籍経験はないものの、アナウンサーとして半世紀にわたってチームの実況を担当した功績を称えてマイクロフォンという形で永久欠番指定されている。
  • ロイ・ハラデイ(ブルージェイズの32、フィリーズの34
  • ギル・ホッジス(ドジャース・メッツの14
  • ウィリー・メイズ(ジャイアンツ・メッツの24

複数の競技者を称えた永久欠番

現在までに6つのケースがある。

  • ヤンキースの8(ビル・ディッキーとヨギ・ベラ)、
  • ヤンキースの42(ジャッキー・ロビンソンとマリアノ・リベラ)
  • カージナルスの42(ジャッキー・ロビンソンとブルース・スーター)
  • カブスの31(ファーガソン・ジェンキンスとグレッグ・マダックス)
  • ナショナルズの10(アンドレ・ドーソンとラスティ・スタウブ)
  • アスレチックスの34(ローリー・フィンガーズとデーブ・スチュワート)


失効した永久欠番

一度永久欠番として制定されたが失効した番号がある。ワシントン・ナショナルズは前身のモントリオール・エクスポズで永久欠番に制定されていた3つの番号を2005年の本拠地のワシントンへの移転に伴い、引き続き「エクスポズの永久欠番」して顕彰する一方、ナショナルズでは改めて当該番号の使用を再開し、将来的に別途「ナショナルズの永久欠番」が制定される可能性も示唆され、2022年にライアン・ジマーマンがナショナルズとしては初の永久欠番となった。

名誉番号(準永久欠番)

永久欠番にはなっていないものの敬意を表して永久欠番に準ずる形で、通常、名誉番号(honored(honoured) number)と呼ばれ、非公式ながら欠番としている番号。

未だ現役の選手を含めて将来的に永久欠番となる可能性を有するものを含めて、欠番状態が継続している番号を記載する

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 大リーグ永久欠番物語『大リーグ永久欠番物語』ベースボールマガジン社、2013年。 

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: メジャーリーグベースボールの永久欠番 by Wikipedia (Historical)