ROH(Ring of Honor)は、アメリカ合衆国のプロレス団体。
2002年1月、ロバート・ファインスティーンとゲープ・サポルスキーが設立。2月23日、旗揚げ戦を開催。WWE、TNAに次ぐ第3のプロレス団体として注目を集める。アメリカの北東部と東部を中心に興行を開催しており、熱心なファンが多いことで知られている。特徴としては高度なレスリング技術が挙げられる。ギミック、マイクパフォーマンス、ストーリーラインに重きを置く前述の2団体と差別化を図っている。この点で日本のプロレス団体と似ており、スポット参戦ながら日本人選手が多数参戦したことがある。
2002年には、エディ・ゲレロが2回登場しており、2005年11月13日の彼の死を受けて、11月19日に開催した興行を「A Night of Tribute」と銘打ち、試合開始前にテンカウントゴングを行った。
2006年4月には、WWEが「レッスルマニア」を開催する同時期にシカゴで興行を開催。3日間で約3500人を動員し大成功に終わった。以降、「レッスルマニア」と同時期に同じ都市で裏興行を行うことが恒例となっている。8月には、イギリス遠征を行い、過去最高の観客動員記録を樹立。2007年には、日本遠征、2008年には、カナダ遠征を果たした。2007年5月より、全米でPPV放送を開始。
フィラデルフィアでレスリングスクールを開催して若手選手の育成にも力を注いでいる。
姉妹団体としてイリノイ州を拠点に活動しているSWAがあり、ROHのレギュラー選手が多数参戦している。SWAでは王座の管理も行っており、これらがROHの女子王座として認定されている。かつてはフロリダ州を拠点に活動しているFIPも姉妹団体であった。DRAGONGATE USAと業務提携を結んでいる。
2007年5月、ROHが7月からPPV放送を開始することを受けて、今まで友好的な関係にあったTNAが関係断絶を発表し、TNA所属選手がROHに上がることも禁止された。しかし、2008年4月以降、TNA所属選手のクリス・セイビン、アレックス・シェリー、サモア・ジョーがROHの興行に参戦している。
2008年10月、設立当初からブッカーを務めてきたゲイブ・サポルスキーの離脱を発表。アダム・ピアースの新体制のもとギミック重視の選手、知名度のある元WWE所属選手を起用して興行時間の短縮など新たなカラーを打ち出している。
2009年3月より、全米でTV放送を開始。毎週土曜日8時からHDNetチャンネルで「Ring of Honor Wrestling」のタイトルで放送中。9月からは、WWEやTNAでブッカーを務めていたジム・コルネットがエグゼクティブプロデューサーとして参画している。
2011年5月、SBGが買収。「Ring of Honor Wrestling」も同局での放送に変更。
2014年2月23日、日本の新日本プロレスとの業務提携を発表。
2016年8月11日、メキシコのCMLLとの業務提携を発表。9月9日、ROH女子部「Women of Honor(WOH)」が日本のSEAdLINNNGと業務提携を結んだことを発表。
2017年2月17日、WOHが日本のスターダムと業務提携を結んだことを発表。
近年では新日本と深い友好関係にあり、互いの所属選手をPPV等の大型興行に参戦させる関係となっている。特にROHからの参戦は頻繁で、G1 CLIMAXやBEST OF THE SUPER Jr.等の長期シリーズに参加するROH所属選手も多い。
2021年10月27日(現地時間。日本時間は10月28日。)、所属する全選手との再契約をせず、2022年1~3月の活動を休止すると発表。
2022年3月2日、AEWの社長であるトニー・カーンがROHの買収を発表。トニーがオーナーとなり、AEWの傘下団体として4月から再始動する予定。
試合内容重視の方針と相まって、ROHへの日本人選手の参戦者は多い。2019年現在は新日本プロレス、並びにスターダムとの業務提携を結んでいる。過去にはプロレスリング・ノアからの参戦者が多く、DRAGON GATEも選手派遣を実施していた。前述の2団体以外にも、選手個人として、または個人事務所を通して参戦したことがあるものも多数いる。
主な日本人の参戦経験者は、武藤敬司、小橋建太、獣神サンダー・ライガー、田中将斗、大谷晋二郎、ミラノコレクションA.T.、丸藤正道、KENTA、CIMA、飯伏幸太、坂井澄江、松本浩代、中川ともか、栗原あゆみなどがいる。2007年2月には、森嶋猛がホミサイドを破り、ROHヘビー級王座を獲得。3月には、土井成樹と鷹木信悟がROH世界タッグ王座を獲得している。
2003年12月27日には、「全日本プロレス vs ROH」と銘打たれた興行が行われ、全日本の主力選手が参戦している。
2006年9月12日に発足したグローバル・レスリング連盟には設立当時から加盟している。
2007年7月16日にディファ有明、7月17日に大阪府立体育会館第2競技場で、ROH初の日本で興行を開催。なお、この興行は、友好関係にあるノアとDRAGON GATEが全面バックアップを行った。
2008年9月13日と14日には、東京・ディファ有明で2度目の日本で興行を開催。1日目は、DRAGON GATE、2日目はノアの協力のもとに行われた(なお、2009年4月、DRAGON GATEは、この大会におけるROHからのギャランティが未払いとなっていることを理由に現在は絶縁状態にあることを発表。その後、ROHを離脱したゲイブ・サポルスキーを迎えてDRAGON GATE USAを設立)。
日本でのテレビ放送は、2007年にFIGHTING TV サムライで過去の試合を放送するレギュラー番組枠が出来たほか(現在は終了)、日本テレビと提携しているノアの選手が登場する時はノアの中継番組内で試合の様子をダイジェストで放送することがある。
2009年6月13日のニューヨーク大会では、同日急逝した三沢光晴に対して選手全員で追悼の10カウントゴングを捧げた。
2012年5月と2013年5月にはトロントで「Boder Wars」と大会名で新日本プロレスと合同で開催。
2013年8月5日のトロント大会には新日本プロレスのKUSHIDAが参戦。
2014年2月23日、ROHと新日本が5月10日にトロントで「Global Wars」、17日にニューヨークで「War Of The Worlds」共同大会を開催すると発表。以降、マット・ターバン、マイケル・ベネット、マリア・ケネリスが新日本に参戦。
2015年5月12日から16日にかけてもトロントなど北米地区で新日本と共同で開催。オカダ・カズチカ、棚橋弘至、中邑真輔、内藤哲也、獣神サンダー・ライガー、外道が参戦。
2016年5月にもトロントなど北米地区で新日本と共同で開催。
2019年4月6日にはマジソン・スクエア・ガーデンで新日本プロレスとの合同興行「G1 SUPERCARD」を開催。
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