トム・ブラウンは、日本のお笑いコンビ。ケイダッシュステージ所属。M-1グランプリ2018ファイナリスト。略称はトムブラ。2人とも北海道出身。
高校時代に柔道部の先輩後輩として出会う。みちおが高校を卒業直前に布川がお笑いに誘ったが、当時のみちおはプロのスノーボーダーを目指していたため誘いを断って専門学校に進学。布川は別のコンビを組み、札幌でオーディションを受けて合格。2004年11月に札幌よしもと所属となる。当初はコンビだったがすぐに解散し、ピン芸人『ぬのかわひろき』として北海道のローカル番組のテレビ・ラジオのMCなどで活動。
その一方でみちおも地元のローカル番組に出演する布川の姿を見てお笑いに興味を持ち始め、教文13丁目笑学校を卒業。2007年頃からピン芸人として活動するようになる。
布川は札幌吉本でも異端の芸風だったためライブではほとんど最下位だったが、東京吉本の幹部が来た際に唯一ヨシモトファンダンゴTVへの出演枠に選ばれ、「札幌より東京の方が向いているのでは」と思うようになる。ちょうどその頃、みちおがプロスノーボーダーへの道を諦めたと聞きお笑いオーディションで再会したのをきっかけに改めて声をかけ、コンビ結成に至る。
公式の結成日は2009年1月12日であるが、これより前の2008年から「バクブロ」など札幌のインディーズライブに出演しており、2008年のM-1グランプリにも出場歴がある。その時は第一声が「死にたい」で、色々な地獄を巡るというブラックなネタであった。2009年2月に上京し、結成当初はフリーとして活動。マセキ芸能社のオーディションに通りかけるも結局落選する。オードリーのブレイク直後だったケイダッシュステージが若手の増強を図っていたタイミングだったため、オーディションを受けて2010年7月から所属。2人とも先輩の浜谷健司(ハマカーン)が率いる「浜谷塾」のメンバー。
コンビ名は、2人が子供の頃に『週刊少年ジャンプ』で連載されていたコミック『やまだたいちの奇蹟』の登場人物に由来。
単独ライブ(前述の『やまだたいちの奇蹟』と同時期に連載されていた『大相撲刑事』の作者名をもじった「がちょん〇郎」というタイトルで、〇に数字が入る)は、第6回・第7回を除いていずれも地元・札幌でも行っている。単独ライブツアーでは長崎、岐阜、山形など大都市圏を少し外した都市を会場に選ぶ。
2018年、M-1グランプリにて633点を獲得、決勝6位の入賞により全国区にて地位が確立。審査員の立川志らく・松本人志(ダウンタウン)らから評価を得る。翌2019年は予選15位で準決勝敗退。敗者復活戦では出番順抽選会の結果、大トリとなる16番目にネタを披露、会場を沸かせるも視聴者投票の結果7位で敗退となり、2年連続の決勝進出を逃した。
ファンの総称はトムブラウニーで、2021年3月25日にInstagramでの生配信で投稿された斎藤工からのコメントによって決定した。
主に漫才。アクションを大きく見せ、みちおが好きなホラー的ネタや一発ギャグを繰り出すことが多い。ネタ作りはみちおが持って来た設定を基に2人で話し合いながら完成させている。当初はツッコミとボケのポジションが逆だったが、その時のみちおのツッコミフレーズは「やかましいわ」と「なんじゃ、そりゃ」の2つしかなかった。ネタの転機となったのは、同じ事務所の先輩であるハマカーンの紹介で『アッコにおまかせ!』(TBSテレビ)へ出演してネタを披露した際、和田アキ子から「面白い、面白くないじゃなくて、分からん」と評され、「これはダメだ」と思い立ちそれまでの持ちネタを設定から全て考え直したという。
なお、結成して間も無い頃はコントを中心に演じており、当時は布川のみがネタ作りを請け負っていた。
かつては「デートの練習」、「クイズ」、みちおの怪力を活かして、果物をその場で潰して果汁をボウルに入れる「ミキサー」などのコントを演じ、一休さん数人と別の誰かが合体する設定(または有名人同士数人が合体する)の「一休さん」というネタもやっていた。その後、この「一休さん」と同様に有名人やアニメキャラを合体させるという設定の「合体漫才」を多く演じている。合体は何度も失敗に終わって布川も最初は戸惑うが、徐々にみちおに乗せられて一緒にその気になってしまうという流れで、その中には布川が素っ頓狂な声を出して狼狽えたり「ダメ〜!」と発しながらみちおの頭を掴むようにツッコむというフリがある。ツッコミを担う布川がツッコミの役割を果たさない「ツッコミ不在」の漫才(松本人志が評するには「ツッコミボケ」)とも評されている。そのため、2018年のM-1グランプリでのキャッチフレーズは「無秩序」であった。ネタの冒頭で、みちおが怖いことやありえない習性(代表的なものとしては「夢屋まさるは殺します」など)を言って布川が「キャー!」と叫びつつみちおの頭を叩くというツカミがある。「ちょっと何言ってるんですかねー!」「どうなってるんですかねー!」などとお客さんに呼びかけるようなツッコミは塙宣之(ナイツ)が絶賛している。「合体漫才」の場合、基本的に合体は無事に完成し終了するもテレビ出演時は時間の関係から完成しないままシメることがあり、その場合は布川が「ダメ〜!」と絶叫して終わる。
合体ネタは、アメリカ映画の『ザ・フライ』からも影響を受けたという。
この合体ネタを初めてライブにかけた時には、いつもとは空気が違うほどにウケてこれはイケると十分な手応えを感じたという。しかし、同年のM-1グランプリ2016では2回戦進出で終わり、ショックで解散も考えたほどだったが、M-1グランプリ2017にて準々決勝進出に終わった後もこれから1年間このネタで突き詰めてみることにしたという。みちおはこのネタを「勢いでやってるだけですけど」と話していたことがある。
ネタはいつも、ネタ自体はできているが本人たち曰くまだ不完全で本番1時間くらい前まで、細かい部分についての調整と話し合いが続いてから完成するという。
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