『ザ・ローリング・ストーンズ No.2』(The Rolling Stones No.2)は、1965年に発売されたローリング・ストーンズのイギリスでは2作目となるオリジナル・アルバム。
録音はグループ初のアメリカツアーの合間を縫って、大西洋をまたいで散発的に行われた。まず1964年6月10日から11日にかけて、イリノイ州シカゴのチェス・スタジオにて最初の録音が行われ、その後ロンドンで9月2日から4日、28日から30日にかけてリージェント・サウンド・スタジオにて、さらに11月2日にカリフォルニア州ロサンゼルスのRCAスタジオで、同月8日に再びチェス・スタジオで行った録音でようやく完成となった。
アメリカではイギリスに先んじて2作目のオリジナルアルバム『12×5』が発売されており、本作のジャケットは『12×5』で使用された写真がそのまま流用された。内容は『12×5』にも収録された「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」、「なぎさのボードウォーク」、「スージーQ」以外は新作となっている。本作も前作『ザ・ローリング・ストーンズ』同様、グループのオリジナル曲は3曲に留まり、大部分がカバーを占めている。
本作の裏ジャケットのライナー・ノーツは、前作同様マネージャーでプロデュースも務めたアンドリュー・ルーグ・オールダムが書いたが、その中の「もし君がパンさえ買えないようなら、盲人の頭を叩いて財布を盗んででも買え(if you don’t have bread. See that blind man knock him on the head,)」という一文が大きな批判を浴び、上院議会で取り上げられるほどまでに問題が発展した。セカンドプレス以降、この一文は削除されている。
問題に苛まれながらも、本作はイギリスのチャートで計10週にわたり1位となり、37週連続でチャートに残留した。グループにとっては記念すべき作品となったが反響はまちまちで、ビートルズのジョン・レノンは本作について「アルバムは素晴しいが、5分もかかる曲は気にくわない」と評している。
アブコ・レコードはアメリカ盤の発売を優先したため、1986年および2002年の旧譜リマスターの際『ザ・ローリング・ストーンズ (アルバム)』と『ザ・ローリング・ストーンズ No.2』を無視した。そのため本作は、2016年発売の15枚組ボックス・セット『MONO BOX』のうちの1枚として組み入れられるまでは、長い間廃盤状態であった。ただし、2011年に両作共ハイレゾリューション・デジタル配信で再発された。
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