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日産・パラメディック


日産・パラメディック


日産・パラメディック (PARAMEDIC)は、1993年(平成5年)から日産自動車が製造している高規格準拠救急車である。日本ではトヨタ・ハイメディックに次ぐ2番目に高シェアの高規格救急車である。

初代(1993年 - 1997年)

1993年
アトラス20をベースとして発売。
電動格納式防振架台が特徴的な機能として知られた。この装備は後のパラメディックIIと2代目パラメディックにも引き継がれている。
初代トヨタ・ハイメディックと同様、第一線から退いて廃車又は海外に譲渡されるなどしており、配備から約30年が経過した2024年現在、日本国内や海外で目にする機会はほぼない状態となっている。
1995年
ベースのアトラス20がいすゞ・エルフのOEM版に変更された。
この年からいすゞもエルフをベースにした高規格救急車スーパーメディックを発売したが、ベース車両が同じだけで全く別の高規格救急車であり、パラメディック(初代)とは関係はない。
1997年末
生産終了。

パラメディックII(1994年 - 1997年)

1994年
パラメディックでは取り回しが悪いとの声があがることを想定し、E24型キャラバンをベースにしたパラメディックIIを登場させた。
4ナンバーサイズの全幅と短い全長を持ったコンパクトな車体とギリギリのスペースを有効に活用して作られた。
なおこのサイズはすべての高規格救急車において一番小さく、この記録を抜いた車種はまだ存在していない。
大都市を中心に配備されていた。現在は廃車が進み、日本国内で目にする機会は激減している。
なお、いすゞへ「初代スーパーメディックII(いすゞ・ファーゴ〈2代目〉ベース扱い)」としてOEM供給がされたが、導入は極少数で現在では国内で目にする機会はほぼない状況になっている。
製造終了後は同じベースの2B救急車と患者搬送車のみ販売・製造は継続されたが、2001年にE25型キャラバンのフルモデルチェンジを契機に、オーテックジャパンが2B型救急車の開発・製造・発売を終了した。
1997年末
生産終了。

2代目(FLGE50/FLWGE50/FPGE50/FPWGE50型 1998年-2017年)

1998年5月15日
初代パラメディックとパラメディックIIを統合する形で登場。初代エルグランドのフロントセクションとBピラーより後ろはE24型キャラバンのリアを流用して製作された。
その為、この代は初代エルグランドと同じE50型(車両型式では初代エルグランドとは異なる)の系列。
キャラバンのボディを流用するだけでなく、フロントドアより後ろをエルグランド比で125mm、キャラバン比で210mm拡幅した専用ボディとなっている。
このボディは「エルグランド ジャンボタクシー」や前席以外のシートが全て取り払われてキャンピングカーのベース車として販売されていた、「エルグランド特装車」のベースにもなったが、パラメディック以外は全て生産終了となった。
搭載するエンジンはV型6気筒2カムOHC3274cc VG33E型のみ。
駆動方式は、これまでの2WDだけでなく初代には設定されていなかった4WD(オールモード4X4)の両方が設定された。
エクステリアのデザインは競合他社がワンモーションフォルムを2代目・ハイメディックに用いたのに対し、パラメディックは角型のデザインを用いた。
いすゞ自動車に「2代目いすゞ・スーパーメディックII(いすゞ・フィリーベース扱い)」としてOEM供給がされたが、2代目も導入は極少数で現在では国内で目にする機会はほぼない状況になっている。
2000年秋頃
小改良を実施。フロントタイヤの位置にオーバーフェンダーが装着された。
2001年8月6日
マイナーチェンジによりエンジンをVG33Eから3498ccのVQ35DEに変更、カーナビゲーションは従来のCDナビゲーションからDVDナビゲーションに変更された。
また、専用オルタネータ容量を140Ahから150Ahに向上し、電動巻上げ装置付防振ベッドをオプション設定し、仕様の向上を高めた。
2002年頃
いすゞ自動車の国内における乗用車市場撤退や事業の見直しにより、スーパーメディックIIの供給を終了。
2002年5月21日
エルグランドが2代目モデルチェンジしたが、本車両は継続販売となった。
2003年9月17日
マイナーチェンジにより良ー低排出ガス車に認定される。同時にフロントグリル・リアゲート用のLED方式の点滅警光灯をオプション設定に追加。
ルーフに貼り付けられる「NISSAN PARAMEDIC」の標準ロゴの文字色を初代から採用している青色から日産自動車のコーポレートカラーである赤色に変更し、ハイメディックとの差を採った(ただし、オプションで青色にも変更可能だった)。
2004年9月
メーカーオプションのカーナビゲーションをE50エルグランドから装備されていたポップアップ型モニター搭載のDVDナビゲーションから据え置き型モニター搭載のHDDナビゲーションに変更される。
2005年4月
オートワークス京都が同社の湘南事業所で製造を開始する。
2006年1月
マイナーチェンジを実施。新灯火器規制などに対応するため、フォグランプ(ビルトインタイプ)とサイドウィンカーランプが追加。
同時にフロントヘッドランプ、フロントグリルのデザインをベースとなったE50型エルグランド後期型の顔つきに変更した。
2007年9月
一部改良。平成17年排出ガス規制適合。
2008年7月4日
一部改良。平成17年基準排出ガス50%低減レベル、八都県市低公害車指定制度平成17年優低公害車、京阪神七府県市低排出ガス車指定制度の17LEVに適合。
2016年2月18日
1998年からの長期生産による古い基本設計が影響して同時期に全面改良したハイメディックに比べて、ブレーキ、エンジン、ミッション関連などの走行系不具合によるリコールが度々生じる弊害が出ていたが、2015年12月に北海道でイグニッションキーを回してもエンジンが始動せず、出動ができない重大なトラブルが発生。
後日、日産による調査の結果、運転席側ステップ内に配索されているハーネスの防水処理が不適切なため、靴底等に付着した雪や雨により室内に入った水がステップ部に流れてハーネスの保護カバー内に溜まり、浸水したハーネスのジョイント部が腐食、断線し、ATギアの位置を認識できなくなりエンジンがかからなくなっていた事が判明。
このことにより日産自動車はエンジンが始動できなくなるおそれがあるとしてパラメディックなど計2車種・ 1931台のリコールを公表した。
2017年末
日本の自動車市場において、軽自動車のスズキ・ジムニーと並び、1998年の登場から20年間フルモデルチェンジされていない異例の長寿モデルだったが、2017年末で受注・生産を終了し、3代目へバトンタッチされた。

3代目(CS8E26型 2018年 - )

2017年10月
10月25日から開催された『東京モーターショー2017』にて一般公開。
3代目はNV350キャラバンのスーパーロング・ワイドボディがベースとなり、パワートレインは直列4気筒・QR25DEレギュラー仕様ガソリンエンジンと四輪駆動、5速AT(5M-ATx)の組み合わせとなる。このため、ベースとなったNV350キャラバンと同じE26型の系列となった(前期型)。
V6・3.5LのVQ35DEハイオク仕様ガソリンエンジンを搭載していた2代目と比較すると大幅なパワーダウンとなるが、燃費を向上させて運用コストと排出ガスの削減を達成している。動力性能の低下部分はベース車両に対して最終減速比をローギアード化しカバーしている。
2代目に比べて全長と全幅が短くなったことで、最小回転半径が6.4mから6.0mとなった。一方で全高は2代目よりも高くなったほか、通路幅を400mm以上確保。
患者室にはプラズマクラスター搭載リアクーラー・リアヒーターや防水シートが標準装備され、付添人が最大3人(乗車定員8名まで)同乗可能になった。
ヘッドランプ・リアコンビランプはLED化し、常時点灯型のシグネイチャーを採用した。警光灯もオールLED式を引き続き採用し2代目の時から増設要望が多かった車両後部中央に4灯ビルトインタイプLED警光灯をメーカーオプションで増設可能にして周囲の車両からの被視認性を向上させている。
2代目では左側(助手席側)のみだったスライドドアは右側(運転席側)にも設けられて両側となり、各種収納庫が設けられた。
参考出品車として、消費電力の高い機器を安定して利用する事ができ、停車中のエンジン回転数を抑制して低燃費、低騒音を実現する電気自動車のリーフの技術を応用した1.6kWhのリチウムイオン補助バッテリー搭載タイプが展示されていたが、2022年現在、市販化はまだされていない。
2020年4月
日本の救急車初となる電動ストレッチャーシステムをオプションとして追加。
2022年4月
ベースのキャラバンが2021年10月にマイナーチェンジしたことに伴い、パラメディックも同様にマイナーチェンジ(中期型)。
ミッションを5速ATから7速ATに多段化し、動力性能、燃費性能、高速走行時の静粛性を向上させたほか、メーターが5インチTFTディスプレイを備えた新型のファインビジョンメーターになった。
また、ステアリングが下端部をフラットにした新形状のD型ステアリングに変更された。
外観もフロントグリル・バンパーのデザインを刷新し、フロント・リアとステアリングの日産エンブレムを2020年7月に改定された新CIに変更。
歩行者の検知が可能な「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」と道路周辺の明るさに合わせてハイビームとロービームを自動で切り替えるハイビームアシストが標準装備となり、安全性が向上した。
更にトヨタ・ハイメディックの対抗機能として電子シェードや、パトライト社製のパトリンクと類似の機能(ウィンカーなどに連動して赤色警光灯の点滅が変化する機能)を可変ビーコンの名称でオプション追加した。オプションでは大阪サイレン製サイレンアンプとの組み合わせで動作するようになっている。


車名の由来

「Paramedic」(パラメディック)とは、救急救命士などの(医師を除く)医療従事者のことである(日本では和製英語の「コ・メディカル」が浸透している)。また「Paramedic」は、アメリカ合衆国などでは高度な救命・緊急医療処置が可能である救急隊員(日本でいう救急救命士だが、日本の救急救命士と比べても圧倒的に行える処置が多い)を指し、さらに日本の救急救命士の英語訳に使われる。詳細はパラメディックを参照。

Collection James Bond 007

艤装・製造・販売

  • 製造・艤装 - オートワークス京都湘南事業所(神奈川県平塚市、2005年4月より。それ以前はオーテックジャパン)
  • 販売 - 日産自動車ディーラー(レッドステージ・ブルーステージ・日産・レッド&ブルーステージ)

脚注

注釈

出典

関連項目

  • 日産・キャラバン
  • 日産・NV350キャラバン
  • 日産・エルグランド
  • トヨタ・ハイメディック
  • トヨタ・ハイエース
  • 札幌ボデー・トライハート

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 日産・パラメディック by Wikipedia (Historical)


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