『ブロウイン・ユア・マインド』(原題:Blowin' Your Mind!)は、北アイルランド出身のシンガーソングライター、ヴァン・モリソンが1967年に発表した、ソロ名義では初のスタジオ・アルバム。
モリソンはゼム脱退後、一時的に音楽活動を停止するが、ゼム時代にも共同作業をしていたプロデューサー、バート・バーンズがニューヨークで設立した「バング・レコード」とシングル4枚分の契約を交わし、それを機に活動の拠点をアメリカに移した。そして、1967年3月28日から29日の2日間、4トラックのマルチトラック・レコーダーを使用してレコーディングが行われた。1994年に本作のリマスターを行ったボブ・アーウィンによれば、全編ともスタジオ・ライヴ形式で録音されたという。なお、クレジットには明記されていないが、28日のセッションではシシー・ヒューストン、ディー・ディー・ワーウィック、マーナ・スミスが一部の曲にバック・コーラスで参加し、29日のセッションにはエリック・ゲイル(ギター)が参加したとされている。「グッドバイ・ベイビー」は、バーンズが以前ソロモン・バークに提供した曲のカヴァーである。
本作に先がけてリリースされたシングル「ブラウン・アイド・ガール」は、全米10位の大ヒット作となった。そしてモリソンはアメリカ・ツアーを開始するが、バーンズはモリソンの許可なしに本アルバムを発売し、モリソンとの軋轢を生むこととなった。なお、モリソンは本作のサイケデリック・ロック風のジャケット・デザインも嫌っており、ジャケットを初めて見た時「吐きそうになった」という。
シングル「ブラウン・アイド・ガール」の成功に反して、本作はセールス的に大きな成功を収められず、アメリカのBillboard 200では182位に終わった。
William Rulhmannはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「不朽のポップ・ヒット"Brown Eyed Girl"の収録作品として記憶されているが、『ブロウイン・ユア・マインド』は、実質的には彼の傑作『アストラル・ウィークス』へ向けての予行演習である」と評している。2017年には、『ローリング・ストーン』誌によって「1967年の必聴アルバム50」(選者はデヴィッド・フリックとロバート・クリストガウ)の一つに選ばれた。
特記なき楽曲はヴァン・モリソン作。
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou