『名探偵コナン』(めいたんていコナン、英: Detective Conan)は、1994年刊行開始の青山剛昌原作による日本の推理漫画作品であり、本作を原作とした一連のメディアミックス作品の総称。
黒ずくめの組織によって幼児化させられた高校生探偵・工藤新一が江戸川コナンと名乗り、組織の行方を追いながら数々の事件を解決していく推理漫画。『週刊少年サンデー』(以下、『サンデー』)にて1994年5号より『名探偵コナン』の連載が開始された。2017年37-38合併号で1,000話目を迎え、『サンデー』史上最長の連載期間となっている。2024年5号で連載30周年を迎えた。話数カウントは「FILE.」。掲載時には、エピソードごとの区切りとして、扉絵のページに「シリーズ第何話(解決編の場合は「シリーズ解決編」)」か表記されている。
1996年からテレビアニメが放送開始され、1997年から毎年4月に劇場版映画が公開されている。
2001年、第46回(平成12年度)小学館漫画賞少年部門受賞。2015年7月時点で単行本の国内累計発行部数は1億4900万部を、2023年2月時点で単行本の全世界累計発行部数は2億7000万部をそれぞれ突破している。なお、2018年6月の時点で漫画は25の国と地域で翻訳・販売され、アニメは40ヵ国で放送されている。
推理作家の父と元女優の母を持ち、シャーロック・ホームズを敬愛する高校生探偵工藤新一は、大人顔負けの推理力と洞察力を併せ持ち、「日本警察の救世主」と言われるまでの活躍をみせていた。
ある日、新一は幼なじみの毛利蘭と私的に遊園地に行くが、そこで謎の組織の取引現場を目撃する。取引の模様を見るのに夢中になっていた新一は、組織のもう1人の仲間のジンによって背後から殴り倒され、口封じのために毒薬(APTX4869)を飲まされる。結果、組織も知らなかった薬の副作用によって神経組織を除いたすべての組織が幼児期の頃まで後退し、小学1年生の体となってしまう。
新一は、自分が生きていることを組織に知られたら再び命を狙われ、周囲の人間にも危害が及んでしまうと隣人の阿笠博士から助言を受ける。そのため、正体を隠して江戸川コナンと名乗り、蘭の父・毛利小五郎が探偵であることから謎の組織の情報が得られると考え、蘭の家に居候する。以後、コナンは周囲で次々に起きる事件を持ち前の推理力や、阿笠の開発した万能アイテムを活用して解決していく。同時に、元の身体を取り戻すために謎に包まれた黒ずくめの組織の陰謀を追っていく。
高校生探偵の工藤新一が黒ずくめの組織によって少年化させられ、正体を隠しながら江戸川コナンとして組織を追いながら日常で起こる事件を解決していくのが基本である。各エピソードごとに事件に関する物語が完結するものの、その中に混じって、黒ずくめの組織や登場人物の過去などといった重要な情報やヒントを各エピソードに散りばめて少しずつ明かしていき、これらを長期に渡って展開していく形式となっている。以下では長期に渡って展開される作品全体のストーリー進行にかかわる大まかな出来事をのべる。
毛利蘭とともに遊園地へ来ていた高校生の工藤新一が黒ずくめの組織の取引現場を目撃し、それに気づいた組織は、口封じのため組織が新開発したという毒が検出されない毒薬によって殺害しようとする。毒薬を飲ませた後立ち去るが、新一が目を覚ますと小学生の姿になっていた。警官に保護されるが逃亡し、隣人の阿笠博士に助けを求める。新一が生きていることを組織に知られたら再び命を狙われ、周囲の人間にも危害が及んでしまうため、正体を隠すことにする。そこへ蘭がやってきて名前を聞かれ、咄嗟に江戸川コナンと名乗り、蘭の父親である毛利小五郎が探偵をしている所で生活しながら、さまざまな事件に関わっていくことになる。
そんな小五郎が大ファンのアイドルである沖野ヨーコと出会う。そして、ヨーコとはまた何回か出会うこととなる。
ある日、10億円強奪事件が発生し、コナンが事件の首謀者であると推理した広田雅美を追うが、事件の黒幕が組織であること、広田の正体は組織の宮野明美であることが明かされる。明美は、10億円強奪の成功と、妹とともに組織を脱退することを交換条件として組織から差し出されていたが、最初から約束を守るつもりがなかった組織は、明美の妹の引き渡し要求を拒否した。明美が10億円の隠し場所を教えることを拒むと、組織によって銃撃される。その後、コナンが駆けつけると、明美は10億円の隠し場所と自らの正体を明かして死亡した。
コナンは新幹線に乗車していた。そこで、組織に遭遇した。そして、組織に盗聴器を仕掛けた結果、そのうちの一人のコードネームはジン、もう一人はウォッカだと判明した。
新一を尋ねるため、大阪から西の高校生探偵・服部平次が小五郎の探偵事務所を訪れる。平次は風邪を引いていたコナンに中国の酒「白乾児」を飲ませる。その後、小五郎が調査依頼を受けたことにより、依頼人の自宅へ向かうが、そこで殺人事件に遭遇する。コナンと平次が事件の捜査を進める中、コナンの体に異変が起き元の新一の体へ戻る。新一の姿で事件を解決するが、コナンの姿へと戻ってしまう。
コナンは、白乾児の作用によって元の体へ戻ったと推測し、元の体に戻るためもう一度白乾児を飲むものの元には戻れず、博士は白乾児に対する抗体ができたため、元に戻れなくなったと予測した。
コナンは平次と再会し、そこで遭遇した殺人事件を解決する過程で平次に正体を見破られてしまったため、真相を話し、コナンの協力者となる。
コナンのクラスに灰原哀がやってくる。そんな灰原がコナンにいきなり正体を明かす。幼児化する薬はAPTX4869であり、灰原自身も服用したこと、灰原はシェリーというコードネームを与えられた本名・宮野志保という組織の元構成員であった。灰原の姉であった明美が殺害されたことをきっかけに組織に反発し身柄を拘束されたため、自殺を図ろうと隠し持っていたAPTX4869を服用したところ偶然幼児化し、脱走して博士に保護されたのだった。一方でジンたちは、失踪したシェリーの行方を追い、殺害しようと試みる。APTX4869の解毒薬を作るには薬のデータが入ったフロッピーディスクが必要で、それを持っている明美の大学教授の自宅を訪れたが教授は死亡していた。コナンは殺人事件であると確信し、事件を解決するが、コナンの推理力を目の当たりにした灰原は、なぜ自分の姉を助けてくれなかったのかと泣き出す。コナンほどの推理力があれば明美の正体くらい見破れたのではないかとコナンを問い正した。フロッピーを手に入れたコナンたちは、博士のパソコンで開こうとするものの、組織が仕掛けていたコンピュータウイルスによりデータが消失してしまう。
小五郎の診断結果を聞くため、蘭・コナンと共に新出医院を訪れる。新出院長の息子の新出智明とその家族と共に、院長の誘いで夕食を共にすることになるが、院長は殺害されてしまう。コナンは事件の真相に辿り着くが、犯人が仕掛けたトリックにより、それを知らずにトリックを作動させ院長の命を奪う引き金を引いてしまった関係者に深い傷を負わせないために、犯人とコナンとの密約で偽証することになる。そのことを新出も知ることになる。
コナンと風邪気味の灰原は、ジンの愛車である黒いポルシェ356Aを見つける。コナンは車に盗聴器と発信機を仕掛け、追跡を行い、盗聴によって組織のメンバー・ピスコによる暗殺計画を知り、それを阻止するために計画が行われる杯戸シティホテルへ向かう。しかし、大勢の中に紛れた正体不明のピスコによって標的が殺害されてしまう。コナンはピスコの正体を容疑者の中から掴もうとするが、灰原が何者かによって拉致されてしまう。酒蔵に監禁された灰原はコナンの指示で白乾児を飲み元の体へ戻り、煙突から脱出したが、ジンとウォッカによって見つかってしまう。ジンによって銃撃を受けるものの、間一髪煙突の中へ再び戻り逃亡するが、元の幼児化した姿へ戻ってしまう。そこへ灰原の正体を見破ったピスコが現れ、灰原を殺害しようとするが、コナンが駆けつけ推理を披露した後2人は脱出する。その後ピスコの前にジンが現れる。ピスコは失態を指摘され、ボスの命令を受けたジンにより射殺される。その後、事件現場にいた外国人女優のクリス・ヴィンヤードが組織の仲間のコードネーム・ベルモットであることが判明する。
帝丹高校の学園祭が近づき、校医となった新出は生徒に演劇を教える一方、コナンは蘭に正体が新一ではないかと疑われている。そんな中、コナンは鍾乳洞の中で強盗団と遭遇し、コナンは強盗団に銃撃され重症を負う。コナンは蘭の血を輸血し一命を取り留めるが、蘭にはコナンの正体をほぼ確信されてしまう。それに気づいたコナンは蘭に真相を話すことを考えるが、灰原に釘を指され、ある作戦を立てる。帝丹高校の学園祭で、殺人事件が発生するが、コナンに変装した灰原、一時的に元の体に戻った新一が同時に現れ、事件は解決する。こうして蘭のコナンへの疑いを晴らすことに成功した。
ゲームセンターを訪れていた、コナン・蘭は、カタコトの日本語を話す外国人の帝丹高校新人女性英語教師のジョディ・サンテミリオンと出会う。そこで彼女達は殺人事件に遭遇する。事件解決後の夜、ジョディは何者かと電話をしている。自分が追っている標的が爪にかかったこと、その標的は「容姿を変えて学校に通っている人物」であること、標的名を「Rotten apple(腐ったリンゴ)」とすることを電話で相手に伝えていた。
新一宛の手紙を受けたコナン、平次たち一向は人魚伝説のある島を訪れる。そこでは年に一度の祭りが行われるが、次々と殺人事件が起こる。無事に事件は解決するが、コナンが歴代の祭りの参加者の名簿を調べていたとき、そこには、灰原の本名である志保、そして、「黒澤陣」・「魚塚三郎」の名が、さらに平次が見ていた名簿には元外務大臣や官房長官、日銀の総裁といった大物や、「大黒連太郎」の名が書かれていた。
バスに乗っていたコナンはジョディ、新出と遭遇するが、灰原は組織の気配を感じ怯え出す。そんな中、バスがジャックされる。コナンは一番後ろの座席に座っている乗客3人の中にバスジャック犯の仲間がいることを確信した。乗客の中の誰かに紛れたベルモットはコナンがどのように行動するのかを観察し、一方で灰原はその気配に怯え続ける。そしてコナンはバスジャック犯の仲間を突き止めた。犯人を確保する過程で、ジョディは犯人に「A secret makes a woman woman…」(女は秘密を着飾って美しくなるんのよ…)と告げた。バスを停車させ、バスジャック犯の爆弾から逃れるため乗客たちは避難するが、組織の脅威を感じ居場所がないと感じた灰原は1人中に留まっていた。するとコナンが爆発寸前に灰原を救出し、灰原に「自分の運命から逃げるな」と言葉をかけた。事件解決後、バスの一番後ろの座席に座っていた乗客のうちの1人であった赤井秀一と何者かとの不審なやり取りの中で誰かを追尾していたことが明かされる。
アニマルショーを見に来ていたコナンは、ジェイムズ・ブラックという外国人男性と出会う。その後ジェイムズは誘拐されてしまい、ジェイムズが残したメッセージを元に警察と協力し追跡する。誘拐犯の車が走行中、隣に赤井が運転する車が現れ、犯人に不気味な笑みを浮かべたため、その威圧感に犯人たちは怯える。その後コナンの作戦により犯人を確保し、ジェイムズの救出に成功する。事件解決後、ジェイムズと赤井は合流し、不審な会話をしていた。
蘭とコナンは帰宅中に、蘭たちの英語の授業中にジョディに聞かれた「XXX」の意味が分からず悩んでいた。途中でジョディと偶然会い、誘いでビルの中の喫茶店に誘われ、ストーカーの被害に遭っていないなどと質問される。そこで殺人事件が発生する。事件の捜査中に蘭はある刑事に「XXX」の意味を聞き出す。事件解決後、 「X」はキスマークであることが明かされる。その後、ベルモットがジンにメールを打っていた。XXXを入力しながら、 「Xの意味はキスマークである」と思い浮かべている。そしてダーツの矢を放ち、ダーツの的に貼られたバツ印の入った志保の写真に命中した。その下にはコナンと蘭の写真も貼られていた。
ある日、コナンは小五郎が関わった事件の調書が全て警視庁から盗まれていることを知り、博士の家を尋ねていた。しかし、その調書はその後警視庁に送り返されてきていたという。このことにコナンはこのことを不信感を抱く。また、杯戸シティホテルでのピスコの暗殺計画についてピスコの他に仲間がいたと推測し、その仲間は休業している外国人女優のクリス・ヴィンヤードではないかと睨んだ。これを聞いてた平次は、怪しい女の外国人がコナン達の周りにいないかと尋ね、博士がジョディのことを言うと、コナンと平次はジョディを調べるため彼女の自宅へ向かった。しかし、そこで殺人事件に遭遇する。事件の謎が解けると、平次はトリックの実演のため、ジョディに酔った被害者役を頼む。彼女はそれを承諾するが、代わりに自分が好きな「シェリー酒」を買ってくるよう頼む。事件解決後、平次はカタコトの日本語を話すジョディに対し、日本語が下手なフリをしているのではないかと指摘する。文法は間違えていないのにイントネーションだけはマチマチだったことに不審に思ったという。その後、コナンは、怪しい人物が他に2人いることを思い浮かべていた。
ある日、ソフト開発を引き受けたシステムエンジニアの板倉卓が行方不明になり、依頼者3人が小五郎の探偵事務所を訪れた。依頼者の会話の中から板倉が組織と関わっていることを知り、コナンは彼の居場所を突き止める。しかし、板倉は既に死亡しており、コナンは依頼者3人を容疑者として殺人事件として捜査を進める。また、板倉が残したフロッピーに入っている日記に組織のことが書かれていると推測したコナンは、そのフロッピーを手に入れようとする。
事件解決後、推理ショーを利用してフロッピーを手に入れたコナンは博士の家へ向かい、中身を確認する。日記の内容から板倉はあるソフトを開発するよう組織から強要されていたことを知る。コナンは板倉になりすまして、板倉の死亡をまだ知らないウォッカと、板倉が開発したソフトを渡すという嘘の取引の約束を電話で取り付ける。その後、トラブルや事件に巻き込まれるものの、コナンは午前4時の取引現場の駅構内へと辿り着く。コナンは物陰に隠れながらウォッカの様子を伺っていたが、そこへジンが現れ、取引が罠であることを悟る。そして、次第にコインロッカーの奥へと進み捜索を始め、コナンはロッカーの中へ隠れる。ジンは手当たり次第にロッカーを明けて中を確認していくが、コナンのロッカーを開けようとしたところで、手を止め、捜索を中断する。朝になって灰原がコナンを迎えにくる。帰る途中、赤井が板倉死亡のニュースを聞きながら灰原の姿を眺めていた。
ある日、風邪をひいた灰原を連れたコナンと博士は、病院のあるデパートへと来ていた。地下駐車場に着くと、4台のポルシェがあった。灰原は診察まで車の中で閉じこもるという。コナンと博士はデパート内で、蘭・ジョディと会い、さらに生放送のテレビカメラに姿に映ってしまう。組織に見つかるのを恐れたコナンと博士は車へ戻りデパートから離れようとするが、駐車場で他殺体が発見され、足止めをくらう。また、コナンと博士がテレビに映った様子を見ていた赤井は急いでその現場へ向かっていた。早く現場を離れるため急いで事件を解決しようとコナンは捜査を始める。無事に事件を解決するが、車を残したまま灰原と阿笠が姿を消していた。ジョディの車で灰原と博士を博士の家へ送迎し、灰原は新出の診察と、ジョディ・博士の看病を受けながら家で休んでいた。赤井はその様子を盗聴していた。その夜、ベルモットは不気味な笑みを浮かべながらライターで志保が写っている写真に火を点け、居場所を突き止めたかのような発言をした。
コンビニにやってきた蘭・ジョディは、そこでアルバイトをしている蘭の友人・七川絢が、店長から在庫と売り上げが合わないことから、商品を盗んでいるのではないかと疑われ怒鳴られているのを目撃する。七川は冤罪であるとそれを否定し、それを証明するため蘭は推理を始める。蘭は真相に辿り着く一方、ジョディは過去の記憶を回想していた。回想では、少女と、ぐったりしている少女の父親と、ベルモットが部屋におり、ベルモットは少女に「A secret makes a woman woman…」(女は秘密を着飾って美しくなるのよ…)と告げた。事件解決後、蘭と園子はジョディの家を訪れるが、そこで蘭は、コナンや蘭が映った何枚もの写真を発見し、ジョディを怪しむ。
コナンと小五郎の元に、船上で行われる「季節外れのハロウィンパーティー」の招待状が届く。差出人は「Vermouth」と書かれていた。その内容は殺人を仄めかすような内容のため、小五郎は参加することになる。一方でコナンに届いた招待状は、新一宛になっているにも関わらず、中身の手紙の出だしはコナン宛となっていた。Vermouthはバームースという酒であり、日本では一般的に「ベルモット」と呼ばれていることから、差出人はベルモットであると予測し、正体がバレていると察したコナンは灰原の反対を押し切り、パーティーに参加することを決意する。その後、小五郎はパーティーが行われる船へ乗船した。一方で風邪を引いていた灰原の元に電話が入り、新出の提案で、彼と一緒に病院へ行くことになる。そこへジョディが博士の家に現れ、灰原を車に乗せて連れ出す。その様子を見ていた新出はジョディの追跡を行う。季節外れのハロウィンパーティー会場では殺人事件が発生。乗船していた平次が推理を披露するが、犯人はベルモットと名乗る人物に脅迫されて事件を起こしたと言う。一方で、ジョディは車を停止させ、新出と対面する。そこで、院長が殺害された事件について話を始める。犯人が仕掛けたトリックにより、それを知らずにトリックを作動させ院長の命を奪う引き金を引いてしまった関係者の話をし、調書もその内容に合わせて偽造されていることをジョディが話すと、新出は知らない様子だった。するとジョディが「忘れまいと何度も口ずさんだ父の敵の言葉」として「A secret makes a woman woman… 」(女は秘密を着飾って美しくなるのよ…)と口ずさんだ。そして新出に対し、ベルモットと言い放った。すると、変装をとき、本来の姿ベルモットが姿をあらわにした。ベルモットはシェリーの捜索のため、米花町に潜伏し、新出医院に通院していた。頃合を見計らって新出智光を殺害して彼に成り済ます算段だったが、新出は家族と事故を起こし、車ごと海に沈む様子を目撃する。これを機にベルモットは新出に変装していた。そして、シェリーが灰原であると気づき抹殺しようと企んでいた。しかし、新出の事故はジョディが所属しているFBIによる偽造で、新出は安全な場所へ避難していた。ジョディの本名はジョディ・スターリングであり、FBIの捜査官であったのだ。そして、ベルモットがジョディの父親を殺害しており、ベルモットが「A secret makes a woman woman… 」と言い残した少女は、幼少期のジョディであった。そしてジョディは、なぜ年を取らないのかという疑問をベルモットに投げかけた。その後、ベルモットとの直接対決でジョディはピンチになるものの、灰原がピンチを救う。ジョディが連れ出した灰原は、コナンであり変装していたのだ。しかし、そこへ本物の灰原が現れ、来るなと説得し続けたコナンはベルモットによって時計型麻酔銃で眠らされてしまう。灰原はベルモットに殺害されそうになるが、ジョディの車のトランクに潜んでいた蘭に救われる。さらにそこへFBI捜査官であった赤井が現れ、事態を打開しようとするが、ベルモットはコナンを連れ去り逃亡する。逃亡後、ベルモットは組織のボスとメールでやり取りをするが、コナンはベルモットが打ったメールアドレスの録音が送信される仕掛けていると言い、ボスの元へ連れて行くよう要求する。ベルモットは催眠ガスを放ち2人とも意識を失う。ベルモットはコナンが目を覚ますよりも先に逃亡する。ベルモットはジンに連絡を取るが、そこで新一について聞かれると知らないと嘘をついた。それは、1年前のニューヨークでベルモットは新一と蘭に命を救われており、そのため新一と蘭に危害を加えることはできなかったということがあったからだ。
後日、灰原はジョディから承認保護プログラムを受け別人として安全に生活をすることを勧められる。しかし、ある子供の「逃げてばっかじゃ勝てない」という言葉を思い出し、それを拒否して今まで通り生活を続けることを決意した。
コナンは、以前のベルモットとの接触で聞いた組織のメールアドレスのプッシュ音が気になっていた。小五郎の依頼で絶対音感を持つ人物と出会い、ボスのメールアドレスが七つの子のプッシュ音となっていることが判明する。そこからメールアドレスを推測すると、「#969#6261」となることが判明する。コナンはボスに近づこうとするが、灰原に釘をさされる。また「ただでさえ信じがたい人物が浮かび上がってくる」とも発言した。
コナン・蘭・小五郎はヨーコに水無怜奈というアナウンサーを紹介される。水無はピンポンダッシュの犯人を捕まえてくれとの依頼を小五郎にする。水無の住んでいる所はアパートだった。コナンは、事件調査のため、水無のアパートに盗聴器と発信器をガムに包んで仕掛ける。そして、コナンの推理で、ピンポンダッシュの犯人を捕まえることが出来た。しかし、盗聴器と発信器を回収し忘れていた。さらに、水無が盗聴器と発信器が包んであるガムを踏んでしまったのだ。だが、そこから聴こえたのは組織のボスへのメールのプッシュ音の七つの子が。さらに、ジンとも電話をする。水無は組織のコードネーム・キールだった。さらにキールの靴の裏についてしまった盗聴器と発信器から組織は誰かを暗殺しようとしていることが分かった。そして、組織のジン・ウォッカ・ベルモット・キール・キャンティ・コルンが集まる。キャンティとコルンは凄腕のスナイパーだった。コナンは、灰原・博士・ジョディ・赤井・FBIであったジェイムズと協力をして暗殺を阻止することが出来た。
主人公江戸川コナンが、日常生活で発生する難事件を解決していきながら、幼児化した体から工藤新一本来の体に戻るために「黒の組織」という巨大な犯罪組織の謎を解き、立ち向かっていくのが本作の主軸である。
なお、数多くの事件が発生しているものの、ほとんどは組織とは無関係であり、巻数を重ねても組織の正体が少しずつしか見えてこない。組織に関連する長い伏線が張られていて、例を挙げると以下の通りである(年月は現実のもの)。
作中の時間は『サンデー』掲載時の季節を追うが、新一や蘭はずっと高校2年生のままである。青山は「『サザエさん』と同じ」とコメントしている。漫画のみならず、テレビアニメ版も放送時の季節に合わせることがあり、原作では夏に起きた事件が放送日に合わせて冬になる場合もある。第1巻File.1「平成のホームズ」での冒頭の事件を掲載している新聞の日付などのように、初期は原作・アニメ共に作中でもその時点の現実のものにほぼ近い年月日が記載されていたが、ストーリーが進むにつれて月日の明示しかされなくなる。登場人物の日付の言及は初期から月日のみで、その時が何年であるかの発言は現在まで1度もされていない。なお、季節こそループはするものの、季節の行事を題材にしたエピソード(例としてはバレンタインデーやホワイトデー、学校における文化祭など)は基本的に1度しか使わないように構成されている。例えばバレンタインを題材にした事件は第33巻に収録されている が、その後は連載における季節ループの後に先述のストーリーの流れを組んだホワイトデーの事件が第69巻で収録されている。そして、第1話以降の作中における具体的な期間の経過も全くないわけではなく、以下のように原作・テレビアニメ・劇場版・テレビスペシャルにおいてストーリーが進展する過程で描かれている。
原作では、第1話における作品内の新聞の年月が、『サンデー』掲載時に合わせて「平成6年1月」と示され、単行本第1巻にもそのまま表記されるが、翌年の『サンデー』掲載分からその新聞の「平成6年」の部分は表記されなくなる。第58巻収録の「赤井の過去」で、「10億円強奪事件」 と、その事件の際に黒ずくめの組織のジンに実行された宮野明美殺害から、その時点で数か月しか経過していないことが語られる。第1話のプロローグに位置づけられる第83巻の「水色の想い出」で、蘭が「あれからまだ1年も経っていない」とつぶやいて水族館事件の回想が始まり、その時が水族館事件からは1年未満であると示された。
テレビアニメでは、第400話「疑惑を持った蘭」で新一=コナンが幼児化してから半年が経過したと語られている。2013年の12月には、蘭役の山崎和佳奈がインタビューで、「新一が幼児化してからまだ約半年ほどという意識を持って臨んでいる」と応えている。
劇場版では、第10作『探偵たちの鎮魂歌』のパンフレットに、テレビアニメ第400話の設定を改めて実感させるように、声優陣は第1話からまだ半年しか経っていないことを考えながらアフレコを行っていると記載されている。第13作『漆黒の追跡者』の本編で、高木刑事が(映画公開から約9年前に放送された)テレビアニメの「命がけの復活シリーズ」の事件を「この前も〜」と語る。
2016年末に放送された原作者・青山剛昌の全面監修によるテレビスペシャル『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』では、水族館事件から約2週間後に蘭が空手の都大会で優勝し、その同じ日に第1話冒頭で新一が解決した事件が起き、同じく第1話内でのさらにその2日後に新一と蘭がトロピカルランドに行き、そこで新一はAPTX4869を飲まされ幼児化したと描かれ、蘭が再度水族館を訪れた時点で新一=コナンが幼児化してから1年未満であることが示された。また、ラストで組織在籍中のシェリーこと宮野志保が、行方不明になった新一の消息を確認すべく組織の者たちを率いて工藤邸を捜索しているシーンが描かれ、これは既に原作とテレビアニメでも、灰原哀(宮野志保)が「二度の調査があってその間が一ヶ月」とだけ証言していたが、本作で灰原が語った二度目の該当時期が新一の幼児化から「二ヶ月後」と表示され、宮野志保が幼児化して灰原哀として登場した時は、第1話から二ヶ月以上経過していたことも判明した。
作中に登場する道具類も現実の時代に合わせて変化していく。新一としての連絡手段は、初期には公衆電話や阿笠が発明したイヤリング型携帯電話などを使用していたが、時代が進むにつれて小学生でも携帯電話を所持するようになったことで、携帯電話の使用がメインになった。連載当初は手帳型であった警察手帳も、現実世界で2002年10月1日から警察手帳が新しくなってバッジ型に変わったことに合わせ、バッジ型手帳に変更されている。法律・技術・世相なども発表時点での現実のものに準拠しており、第1話以前の時系列を描いたエピソードでもこれらが踏襲されている。
推理漫画でありながら、登場人物間の関係についての話も大きな位置を与えられている。物語が進み、黒の組織の内部が明らかになるにつれて両者が混合しつつある。
登場人物の関係ではほとんどが、コナンを取り巻く人々の恋愛が問題になる。また、作者自身もこの作品を「殺人ラブコメ漫画」と称している。恋愛関係になるキャラクターは多くが昔からの知り合いという設定であり、過去の出来事に基づいた挿話がしばしば行われる。
作中には、青山剛昌の他作品のキャラクターが出演することがある。『まじっく快斗』の怪盗キッドはレギュラーといえる存在になっている。同作品からは中森銀三が準レギュラー、白馬探と黒羽盗一が稀に登場するゲストキャラクターとして、寺井黄之助と中森青子は名前は出ないながらもカメオ出演しており、アニメ版ではそれに加え、小泉紅子・桃井恵子といった人物も登場している。
『YAIBA』に関しては、YAIBA#名探偵コナンを参照。その他、『4番サード』のキャラクターが、「53,000分の1の悪魔」-「試合終了…!?」に登場した。作者の初期作品『プレイ イット アゲイン』、『夏のサンタクロース』は劇中劇として登場している。これ以外に『サンデー』や『コロコロコミック』の企画によるOVAでの共演もある。「紫紅の爪(パープル・ネイル)」では小五郎が同じ『サンデー』原作の『絶対可憐チルドレン』に登場する人物について言及している場面がある。
青山剛昌の作品以外でも、1996年2月5日放送のアニメ第5話「新幹線大爆破事件」 には、新幹線の乗務員がコナンの言葉を受け流そうとしてアンパンマンの名を挙げるセリフが存在するほか、2002年7月1日放送の第284話「中華街雨のデジャビュ(前編)」 には、同日22時放送開始のテレビドラマ『私立探偵濱マイク』の主人公・濱マイクが、同作主演の永瀬正敏の声で登場した。また、サンデー×マガジン創刊50周年企画の一環で『金田一少年の事件簿』との共同漫画誌とゲーム『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』でのコラボレーション企画や、東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』とのコラボレーション短編小説『探偵たちの饗宴』でコナンと毒舌執事の影山が共演したりするなど、他作者の作品との共演も積極的になってきている。
上記はゲーム作品や他作品間で顔見せ程度等の共演であったが、テレビアニメの特番『ルパン三世VS名探偵コナン』、同じく『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』、劇場版『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』の3作品では、お遊びやパロディではなく本編・映像作品として、『ルパン三世』・『鍵泥棒のメソッド』の世界観とストーリー上の設定も共有した公式の共演・展開がなされた。
その他にも、大沢在昌の小説『新宿鮫シリーズ』の鮫島警部やテレビ朝日のテレビドラマ『相棒』の杉下右京との共演もさせてみたいと青山は考えており、大沢からは
なお、コラボレーションではないが、「仲の悪いガールズバンド」事件 にはかきふらいの漫画『けいおん!』を意識した要素が盛り込まれたため、アニメ化された際にはファンの間で「まさかのコラボ!?」と話題になった。また、このエピソードは毛利蘭・鈴木園子・世良真純の3人が女子高生バンド結成の相談をするストーリーだが、これと同時期に蘭役の山崎和佳奈・園子役の松井菜桜子・真純役の日髙のり子が実際にアイドルユニット・「backdrops(バックドロップス)」を結成している(原作者の青山と山崎・松井・日髙との間で連絡したわけではなく、「まったくの偶然」とのことである)。
以下の道具は協力者である阿笠博士が開発した発明品。
作品の主な舞台は東京都内の架空の町や施設で、多くの名称は推理小説に由来している。
『名探偵コナン 特別編』(めいたんていコナン とくべつへん)は原作とは一線を画したオリジナルストーリー。
かつては小学館の学年別学習雑誌『小学三年生』(1997年4月号-1998年3月号)(『小学四年生』(1996年3月号-2012年3月号)『小学五年生』(1996年4月号-2010年3月号)『小学六年生』(1996年5月号-2004年2・3合併号)にて連載されていたが、3誌ともに全て休刊となったため、2021年現在は『月刊コロコロイチバン!』で連載されている。単行本はてんとう虫コミックスにて発刊。また、小五・小六の後継誌『GAKUMANplus(2011年に休刊)』でも学習漫画「名探偵コナン 推理ファイル」が連載されていた。
アニメ化されたのは第86話「誘拐現場特定事件」・第113話「白い砂浜殺人事件」の2話のみである。ただし、一部事件のトリックは本堂瑛祐の設定、劇場版第7作『迷宮の十字路』に用いられている。原作者・青山剛昌は原案となり、作画は以下の3組にて行われている。
『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』(めいたんていコナン はんにんのはんざわさん)は、原作での犯人をパロディ化した「犯沢さん」が主人公のコメディ漫画。
『日本史探偵コナン』(にほんしたんていコナン)はオールカラーの歴史漫画(学習漫画)シリーズ。
『名探偵コナン ゼロの日常』(めいたんていコナン ゼロのティータイム)は安室透が主人公の漫画。
『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』(めいたんていコナン けいさつがっこうへん ワイルドポリスストーリー)は、降谷零、松田陣平、伊達航、諸伏景光、萩原研二の警察学校時代を描いた漫画。
『名探偵コナン』(青山剛昌)は小学館・少年サンデーコミックスから発売されている。既刊105巻(2024年4月現在)。裏表紙では、鍵穴の中にキャラクターが描かれている。カバー折り返しでは、「青山剛昌の名探偵図鑑」と題した、作者である青山剛昌によって選定された「名探偵」の紹介文が掲載されている。ここでは名探偵の名前、職業、青山のお薦め作品、原作者の順に記載する。
1996年1月8日から読売テレビ・日本テレビ系列で放送されているテレビアニメ作品。制作は読売テレビとトムス・エンタテインメント。日本テレビ系列における、全国同時ネット放送の30分レギュラーアニメ番組としては最長寿作品である。
1997年4月19日から、2020年をのぞき毎年4月に公開されている劇場版アニメ作品。配給は東宝。これまでに27作品が公開されている。
週刊少年サンデーの『名探偵コナン応募者全員サービス』と、映画とリンクしたストーリーを収録した「MAGIC FILE」・「BONUS FILE」の2シリーズ、計17作のOVAが製作・発売されている。
2006年から読売テレビ・日本テレビ系列で放送されていたテレビドラマ作品。
放送されるエピソードは、全ての回で工藤新一が主人公となっている。
挿画は#漫画ノベライズを除いて、小説オリジナルストーリーのノベライズとドラマ版のノベライズは青山のアシスタントでもある谷・阿部・山㟁のイラストが、#アニメノベライズはアニメのイラストが用いられている。また、アニメ版ノベライズはそれぞれのアニメエピソードに付け加えられた描写があり、ドラマ版ノベライズはアニメ版以上にその部分が多く、特に2011年〜2012年のドラマ版ノベライズは事件・人物名などはドラマと同じだが、物語は小説オリジナルの展開でドラマに出なかった原作やアニメの細部設定も描かれている。
「紅の修学旅行」「ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間」はTVSPとして放映されたが、原作漫画が存在するため、次節に記載する。
SCRAP主催のリアル脱出ゲームとコラボしたイベント「リアル脱出ゲーム×名探偵コナン」が2013年から全国各地で開催されている。
「リアル脱出ゲーム×名探偵コナン」のUSJ版イベント「名探偵コナン・ザ・エスケープ」として2017年から毎年で開催されている。なお、2018年以降はその年に公開された劇場版名探偵コナンに関連した内容となっている。
2021年から毎年春季にサンシャインシティで、名探偵コナン×Sunshine Cityとして、イベントが開催されている。なお、イベント名の「天空都市」はサンシャインシティとルビが振られている。
原作連載20周年を記念して2014年に3か所、2015年に4か所で開催された。また、テレビアニメ放映20周年を記念して2016年に、新たに4か所で開催された。
『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』の公開を受けて、京都・東映太秦映画村にて2013年11月30日から2014年2月14日まで開催された。東映傘下である映画村で東宝配給の本作が特集されるという、異例の企画であった。ライバル同士と言われた2社のタッグは東映側からの提案から始まり、東宝側が快諾した。
体験はイントロダクションから真相解明エリアまで事件を解明するコラボ。2018年に3か所、2019年に6か所、2020年に2か所で開催。
作者の青山剛昌の出身地、鳥取県東伯郡北栄町ではコナンを町のシンボルとして登用しており、町内各所にコナンのブロンズ像があるほか、青山剛昌ふるさと館も設置されている。また、北栄町役場で発行される住民票にはコナンのイラストや透かしが入っており、好評を博している(詳細は住基ネット巡りを参照)。
2010年に「コナン」が縁となって北栄町と滋賀県湖南市の交流が始まり、2011年7月2日に両市町は友好提携都市となった。
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