RAW(ロウ)は、アメリカのプロレス団体WWEが毎週放送するテレビ番組の1つである。SmackDownと共にWWEの看板レギュラー番組である。
毎週月曜日に放送されており、1993年1月11日から始まり現在アメリカで最も長く続いているウィークリー番組である。
「RAW」とは「(食材などが未調理の)生の状態」を意味し、SmackDown!が現地会場で収録した映像ソースに編集を加える、録画放送形式を取っているのに対し、RAWは基本的にレギュラー番組の中で唯一、生放送の形式を取っているのが特徴であった(SmackDownも2016年7月以降、SmackDown LIVEとして生放送を基本としている)。番組のイメージカラーは赤。また試合内容よりストーリーを重視している。
1993年1月11日、WWFの看板番組としてニューヨークのマンハッタン・センターのグランドボールルームからの生放送でスタートする。アメリカでの放送時間が月曜日の夜であったことから、番組名は「Monday Night RAW」であった。1995年には当時WWFが競っていたライバル団体、WCWのエリック・ビショフが中心となって、裏番組マンデー・ナイトロ(Monday Nitro)をスタートさせ、両番組は激しい視聴率合戦を繰り広げ、Monday Night Warなどと呼ばれた。
1997年からWWFはファミリー路線から一転、アティテュード(Attitude)路線に番組内容を大幅転換する(これに伴い、番組名を「RAW IS WAR」へと変更)。路線転換直後は苦戦を強いられていたが、次第に形勢を巻き返すようになり、1998年には、これまで視聴率で負け続けていたRAW IS WARが初めてWCWのマンデー・ナイトロの視聴率を上回った。
1999年からはSmackDown!がスタートし、WWFの2枚看板となる。この時点では、SmackDown!とRAWは同じストーリーが展開されていた。2001年3月には経営的に圧倒的に有利になったWWFがWCWを買収し、ここに長年の視聴率戦争が終息を迎えることとなる。なお、WCWの終焉に際してはMonday NitroにWWF副会長のシェイン・マクマホンが登場、番組中にWWFがWCWを買収したとの事情説明を行い、全世界に衝撃を与えた。ここに "企業" としてのWCWは滅亡したものの、それまでWCWに属していたレスラー達の多く(ブッカー・T、ダイヤモンド・ダラス・ペイジなど)はWWFに雇われ、同年6月以降に展開されるWCW/ECW連合軍(アライアンス)によるWWF侵略ストーリーを介してWWFファンの前にも姿を表し、同年11月のサバイバー・シリーズ(Survivor Series)までの間、WWF所属レスラーと抗争を繰り広げる。同年9月にアメリカ同時多発テロ事件に配慮し番組名を「RAW IS WAR」から「RAW」へと変更する。
2002年3月26日にRAWとSmackDown!の間に番組分割が実施される。共通のストーリーが展開されていた両番組が、以後は基本的にそれぞれで異なるストーリーが展開されるようになる。この時、同時に行われたドラフトにWWFに所属する大半のスーパースターが対象とされ、一部の例外を除き、各々はRAWとSmackDown!のいずれかの専属スターとなり、番組毎に異なる特色を持つ2リーグ制がスタートした。これに伴って各番組毎に、番組統括役としてGM(ゼネラルマネージャー)が設定された。初代GMはRAW側:リック・フレアー SmackDown!側:ビンス・マクマホン
4月1日番組分割・ドラフト後の最初のRAW。ロゴの変更に加え、番組セットが変わり、巨大スクリーンが従来の長方形から平行四辺形になった。(SmackDown!は変わらずそのまま。)同年5月にWWFがWWEと改名し、「WWE RAW」として進行していく。
2009年現在ではHD放送が始まり、番組セットも2002年当時から大幅に変えられている。
2011年9月12日より、番組名を「RAW SuperShow」に変更。
2012年7月23日の放送で1000回を迎えた。これに伴い番組名を「RAW」に戻したほか、同時にそれまで2時間だった放送時間を3時間に拡大した。(現在はECWの終了後2010年2月23日から放送されていたNXTが2012年8月よりFCWと合体してNXTレスリングとして始動し、数名をRAW、SmackDown!に輩出している。また、RAW、SmackDown!番組間の区別は無くなり、中堅のスターさえもが垣根を越えて様々な番組に出演する光景がよく見られるようになっている。)
2016年7月より再びSmackDown(分割後は「SmackDown LIVE」)とブランド分割され、ヒース・スレイターら無所属の数名を除いてそれぞれのスターがもう片方のブランドに登場することはなくなった。ただし、SmackDown LIVEと同日に放送されている「WWE 205 Live」のスターはRAWへも出演している。
2020年3月12日から新型コロナウイルスの世界的大流行によりオーランドのWWEパフォーマンスセンターで無観客で収録・放送され、8月21日からはアムウェイ・センターに、12月14日からはトロピカーナ・フィールドにそれぞれ拠点を移し、無観客で放送していたが、21年7月から有観客興行は再開している。
USAネットワークで放送されている『ロウ』は2023年まで放映権契約を更新している。
2024年1月23日、Netflixが2025年1月よりアメリカ等での独占配信権を獲得したことを発表。このため以降の番組はネット配信の形態に移行し、電波による放送は2024年末で終了することになった。
SmackDown LIVE同様、RAWにも番組の最高責任者としてマッチメーク権などをもつという役のゼネラルマネージャー(GM)が置かれていたが、2018年12月で廃止となった。かつてWWEを苦しめたWCWの経営者であるエリック・ビショフが長期にわたり就任していたのがRAWの特徴である。
以下は歴代のGM一覧である(カッコ内は就任期間)。
以下の人物は、エリック・ビショフと共同でGMを務めたことがある人物である
なお、オースチンは退任後「番組保安官」も務めている(2003年12月29日 - 2004年3月29日)
以下の人物は、一日限りのGMに就任したことがある人物である。
特にメイヴェンからクリス・ジェリコまでは、エリック・ビショフの長期休暇期間中の代役として、Survivor Series 2004の勝利者チームにGM代役権が与えられることになり、トリプルH、バティスタ、エッジ、ジーン・スニツキーのチームとその権利をかけて争って勝利したことへの報酬としての就任である。
トランプは本来は長くオーナーを務める予定であったが、買収の余波によるWWE株価の下落(放送局がアングルを伏せて報道番組を放送したことにより、株主が予想以上に反応してしまったからと言われている)の影響により、その日のうちにビンスに買い戻される形で終了した。以降はトランプが提案したホスト制度が採用されたためGMを付けず毎週ホストを迎えることになっていたが、ジョン・ロヴィッツ(2010年5月24日)の回にブレット・ハートがGMに正式就任したのを機に、以降のゲストホストの権限は大幅に縮小され、文字通りゲストとして登場している。
日本国内ではABEMAで毎週火曜夜に日本語実況・字幕付で放送。
2022年1月までは単独番組が毎週火曜日にJ SPORTS 4で放送され、これとは別に日本語字幕版やダイジェスト『ボトムライン』も放送されていた。2017年と18年はDAZNでも放送。解説は斎藤文彦、実況は週替わりで髙橋大輔、土居壮、市川勝也、新谷賢太郎が担当していた。
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