『3年B組金八先生』(さんねんビーぐみ きんぱちせんせい)は、1979年(昭和54年)から2011年(平成23年)までの32年間にわたって、TBS系で断続的に制作・放送されたテレビドラマシリーズ。
1979年からTBSで放送されていた学園ドラマ『桜中学シリーズ』のメインとなる作品。東京都の区立桜中学校(第3シリーズとスペシャル7・8のみ区立松ヶ崎中学校。いずれも架空)を舞台に、中学校の教員である坂本金八が、学級担任をしている3年B組内に起こる様々な問題を体当たりで解決していく。そんな彼の姿に心を打たれた生徒たちが考えを改め、人間として成長していく様子を描く。
製作本数はスペシャルを含め185本。金八が定年となるのを理由に、2011年3月27日放送のファイナルをもって物語の幕を閉じた。断続的ではあったが、放送期間32年という長期作品であり、『水戸黄門』や『渡る世間は鬼ばかり』とともに、TBSを代表するドラマ作品となった。
番組終了直後の2011年夏には、赤坂サカスの「夏サカス2011〜笑顔の扉〜」イベントで3年B組の教室が再現され『金八』の歴史が展示された。
2019年7月に行われた「理想の教師が出てくるドラマ人気ランキング」では、金八先生が2位を獲得した。
2020年10月から2021年3月までParaviで全シリーズの配信が行われた。
2023年4月から10月まで、全8シリーズに12のスペシャル回を合わせた全185話が、TVerとTBS FREEで無料配信された(毎日1話ずつ更新)。
ストーリーの主要部は1時間枠の連続ドラマとして放送され、第1シリーズから第8シリーズまでのレギュラー放送があった。このほか、連続ドラマの各シリーズ間に挿入される形で、単発のスペシャルドラマが12作品放送された。
各シリーズは週1回で放送され、期間は10月開始の翌年3月終了の原則2クール(半年)だが、第3シリーズのみ12月終了の1クール(3か月)となっている。シリーズ開始当初、民放のテレビドラマは2~4クールの放送が一般的であったが、テレビドラマの1クールが定着した1990年代以降は異色の存在となっていった。
ドラマで扱われるテーマには時勢も反映され、教育現場においての時代に応じた課題が扱われることも多かった。
しかし、学校教育の現場の実情とはかけはなれた筋書きとなっていることもしばしばである。たとえば、第6シリーズ終盤において、当時の校長は、金八を更迭としたことになっているが、金八の異動先は、足立区教育委員会事務局指導主事(または管理主事)であり、事実上の昇任である。また、第4シリーズ1話で松ヶ崎中学校から文部省に出向していた金八の復帰先を松ヶ崎中学校ではなく桜中学校にして欲しいと足立区教育委員会事務局で君塚元桜中学校長と掛け合って金八の桜中学校復帰が決定していたり、第7シリーズでの桜中学校の民間校長導入の件を教育長である和田の一存で決めて板橋の桜中学校長への就任を決めていたりしている点もあり、特別区や市町村の教育委員会の権限を超えている点が多々見られる。
生徒とその家族・親戚については他クラス生徒も含めて「3年B組金八先生の生徒一覧」を参照のこと。坂本家と親族関係でない限りは基本的に名字で記載する。兄弟姉妹や保護者は基本的に記載しないが、複数作に渡り出演している者に限り記載する。
劇中では地域住民との交流を活発に行っている様子が度々見られ、第5~7シリーズでは空き教室にデイサービスセンターが開設している。その一方で宮沢と浅井、加藤と松浦の番長コンビ、兼末、丸山が起こした騒動や事件が原因で、第7シリーズで学校選択制が導入されて以降は生徒数が減少傾向にあり、実際に丸山の覚醒剤事件の直後に入学した第8シリーズの学年からは、それまで第1シリーズ&第2シリーズでは各学年4クラス、第4~7シリーズでは各学年3クラスで、各クラスの生徒人数も第1~7シリーズまで30名前後いたが、各学年2クラス、各クラス25名前後にまで生徒人数が大幅に減少し、ファイナルで3年生となる第8シリーズの翌年度の入学者数は、46名(前年中の希望アンケートの時点では32名)であったが、ファイナルの年度には各学年2クラスだが、3年生は各クラス25名前後、1年生と2年生は各クラス30名前後にまで回復した。ファイナルでも父兄の間では「伝統的に問題児の多い学校」という認識が広まっており、さらに上記の騒動や事件は、全て金八の担任生徒が起こしたものだということが、ファイナルで金八が景浦を再度桜中学に受け入れる問題で父兄からは疑問視されていた。他にも金八が松ヶ崎中学に在籍中だった1993年の卒業式前に、当時の3年生が都内で集団万引き騒ぎを起こした為、各高校から桜中学に合格取り消し通知が殺到していたことを、第4シリーズ17話で国井が話している。
金八と乾は喫煙者だが、第6シリーズ以降は健康増進法が制定され、校内禁煙化の煽りで桜中学も全面禁煙となり、同シリーズ第22回にて千田が教育長室で喫煙したシーンを最後に、喫煙シーンがなくなった。また、金八は前述の通り第5シリーズ21話で職員室で喫煙しているシーンを最後に喫煙シーンは描かれておらず、乾も第5シリーズ以降は喫煙シーンは描かれていない。
第5 - 7シリーズに登場。第6シリーズでは託児スペースも設けられている。
第3シリーズとSP7・8における金八の勤務校であり、千田の前任校でもある。桜中学や荒谷二中等の近隣校よりも広い校庭と近代的な校舎、校庭と生活道路を挟んだ敷地にバスケットボール部とテニス部専用のコートも備えているが、学区内は共働きの家庭が多い為か、第3シリーズ第1話で行った生活実態調査のアンケートで、生徒の4人に1人が朝食を食べずに登校している等、生徒の生活リズムが酷く乱れていることが判明した際、金八は「桜中学よりも酷い」と評し、石田も「去年(金八が桜中学に在籍中だったSP6の年度)よりも悪くなっている」と評した。体操着のジャージはSP6まで男女共に水色の桜中学と違い、男子は黒色、女子は赤色のジャージを使用。
作中、楓中学と共に相当な不良校とされているが、8では前年に校舎が新築され、冷暖房完備となったことで保護者からの人気が高くなっている。Fでは遠藤達也が教頭として勤務している。第6シリーズ終了後、当初は金八も荒谷二中に異動予定だったが、療養予定の教師・熊谷が病院から復帰許可が出たため、教育委員会に異動した。音楽教師は鶴本成美の友人。生徒は生徒一覧のその他を参照。
脚本は小山内
第4シリーズは、前のシリーズから7年ぶり(スペシャル版からは約5年ぶり)に制作された、ポストバブル時代初の作品である。このシリーズでは、一見平和に見える学校生活に潜むいじめ・不登校の問題や、現在は廃止となっている偏差値と受験の問題を、金八が生徒たちと対話し、高く数多いハードルを乗り越えていく。金八は生徒をいじめる子、いじめられる子に割り振り、いじめのロールプレイを行い、いじめがいかに無意識に行われるのかを問いかける。また、第1シリーズで放送された「十五歳の母」について再考も兼ねて、「十五歳の母と父」(第10・11回の前後編エピソード)が放送され話題となった。このシリーズより各場面のBGMもオーケストラ調となった。
2004年9月4日に目黒雅叙園で同窓会が行われた。9月19日にその模様を放送した2時間特番。
脚本は清水
数多くの生徒を桜中学から送り出してきた金八も定年間近となった。教員生活最後の年、金八は問題行動で都内の中学をタライ回しにされていた景浦裕也を3年B組へと預かることを決心する。しかし変わらず粗暴な行動を繰り返す景浦は、3Bのクラスメイトたちからも拒絶される。そんな景浦に金八は必死で対話を試みるも狭心症に倒れ、景浦も電流実験で嫌がる宮崎を庇った勢いで香坂に暴力を振るってしまい鑑別所へと送られてしまう。教員生活の全てを懸けて3年B組と向き合う金八と、金八の知れぬところで景浦と金八を支援する3年B組卒業生らの姿が描かれる。
1950年8月8日生まれの金八が2011年3月に満60歳の定年を迎えることを機に特番として制作されたシリーズ最終作。32年に亘るシリーズのフィナーレとして4時間に亘る長尺で制作された。桜中学3年B組の卒業生152名が出演し、「金八先生の卒業式」が執り行われる。また、名取裕子や財津一郎といったシリーズ初期を支えた出演者が同役で久々に出演しフィナーレを彩った。
『金八あの出演者は今、大追跡SP』のタイトルで、2017年6月9日に放送。
下記3県ではいずれも、第4シリーズから系列局にて同時ネットで放送。
2003年と2005年の夏にそれぞれ上演。桜中学と金八・国井・乾先生、大森巡査の設定はテレビドラマ版と同様だが、その他の設定は全て舞台版オリジナルである。3幕構成で、第1・2幕(約180分)が舞台となり、第3幕(約60分)は「桜中学文化祭トーク&ライブ」と称して、海援隊のライブ等が行われた。いずれも原作は小山内、脚本は吉本哲雄・片山蒼、演出は金子良次。
小山内が主宰している「NPO法人 JHP・学校をつくる会」主催のチャリティーイベントで上演。舞台としては2回制作され、JHPの活動内容を生徒達に話して聞かせる形で紹介する作品(2001年11月15日上演)、第7シリーズ『からだという本』での教室シーンを再現する作品(2004年11月24日上演)があり、歴代の卒業生代表や放送中の現役生が「制服姿」で登場した。上演時間は30分程度であったが、ほぼ即興の舞台だったため、金八が出席簿に書かれた台本を読みながら物語を進行している。チャリティーイベントとしては、舞台のほかに出演者のチャリティーオークションや海援隊のライブも行われ、フィナーレでは卒業生有志30名による「金八ソーラン節」の披露と「桜中学校校歌」の斉唱があった。なお、桜中学校3年B組同窓会らを絡めたチャリティーイベントは、2000年頃から毎年開催されたが、小山内のドラマ降板を折に2004年で終了した。
作者名が無いものは小山内美江子
製作された185話全てがDVD化されている。発売元はTBSビデオ、販売元はビクターエンタテインメント。
2020年4月24日より動画配信サービスParaviにおいて、185話全てを順次配信。2021年2月まで毎月第一金曜日の20時にエピソードが追加された。
2023年4月から10月まで、全185話が、TVerとTBS FREEで毎日1話ずつ更新され、無料配信された。
本作は長期間にわたって制作・放送されたため、数多くのパロディ・オマージュが制作された。本稿では特記事項のある項目について説明する。
※未使用の参照話数を使うときは両サイドにある「<!-- -->」を除去してください。
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou