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ボカロP


ボカロP


ボカロP(ボカロピー、ボーカロイド・プロデューサー)は、VOCALOID(ボーカロイド)、UTAU、CeVIO(チェビオ)などの音声合成ソフトで楽曲(ボカロ曲)を制作して動画投稿サイトへ投稿する音楽家を指す名称である。

概要

元来、音楽家がポップソングを発表する方法として「歌手に依頼する」または「自ら歌唱する」という2通りが存在したが、ヤマハの音声合成技術「VOCALOID」の登場により、デスクトップミュージック(DTM)において、VOCALOIDによるボーカルを使用することが新たな選択肢となった。

クリプトン・フューチャー・メディアが2007年に発売した音声ライブラリ『VOCALOID2 キャラクター・ボーカル・シリーズ01 初音ミク』は、その前後に誕生したニコニコ動画やYouTubeなどの動画投稿サイトで同人音楽の新たな文化としてムーブメントとなった。

ボーカロイドを使用し制作された楽曲(ボカロ曲)は若年層を中心に広がりを見せ、主要な音楽チャートやカラオケチャートで上位に登場するなど、日本独自の音楽文化として定着している。楽曲の多くはイラストやアニメーションを用いたミュージックビデオ形式で発表されることから、インターネット上で多数のアマチュアユーザーが参加する、二次創作やユーザー生成コンテンツ(UGC)としての広がりを持っていることが特徴として挙げられる。

ボカロPによる同人音楽CDの頒布やリアルの交流の場として、ケットコムが主催する即売会であるTHE VOC@LOiD M@STER(通称ボーマス)が2007年以降開催されている。

語源

ボーカロイドの略称であるボカロとプロデューサー(Producer)の頭文字を合わせて、ボカロPと呼ばれるようになった。"プロデューサー"という語は、2007年の初音ミク発売当時、ニコニコ動画で流行していたアイドルマスターシリーズの動画投稿者を、原作ゲーム内のプレイヤーネームを表す「○○P」と呼んでいたことが影響したものである。初音ミクはキャラクター性を押し出したバーチャルアイドルとしての性格を持っていたため、楽曲制作者をアイドルのプロデューサーになぞらえて、一部の動画投稿者を「○○P」、総称を「ボカロP」と呼ぶ慣習が生まれた。初めて「○○P」と呼ばれるようになったVOCALOID関連の動画投稿者はワンカップPとされている。

メジャーシーンへの広がり

  • 2008年8月にlivetuneがアルバム『Re:package』をビクターエンタテインメントからリリースし、初音ミクを使用した音楽CDがメジャーレーベルから発売された初めての事例となった。翌年の2009年にはsupercellがソニー・ミュージックからメジャーデビュー、同年にポニーキャニオン傘下のEXIT TUNESからコンピレーションアルバムの展開が開始され、一般の音楽業界への進出が顕著なものとなりはじめた。
  • 2010年代になると、小説家としても活動するボカロPが登場するようになった。じん(自然の敵P)は、自身の発表した楽曲をメディアミックス作品の『カゲロウプロジェクト』として展開している。他にも、mothy_悪ノPやてにをはなどが自身の楽曲を原作とした小説を発表している。
  • ボカロPの一部には、ハチ(米津玄師)やバルーン(須田景凪)のように、ボカロPとして活動した後、シンガーソングライターとして活動したり、wowakaやn-bunaのように、ロックバンドのメンバーとして活動する場合もある(中にはじんやナユタン星人、和田たけあきのように、ボカロ作曲と楽曲提供、更には歌唱も並行して行うボカロPもいる)。
  • 2018年に米津玄師、2020年、2021年にはAyaseがYOASOBIのメンバーとしてNHK紅白歌合戦に出場した。また2021年には歌い手としても活動するまふまふが出場した。

主なボカロP

ニコニコ動画で1000万再生を達成したボカロP

ニコニコ動画では、ボーカロイド楽曲のミュージック・ビデオの再生回数が1000万回を達成すると「VOCALOID神話入り」と呼ばれるタグが付けられる。『』内は1000万再生を達成した楽曲名。

  • ika『みくみくにしてあげる♪【してやんよ】』
  • ryo『メルト』『ワールドイズマイン』
  • 黒うさP『千本桜』
  • ハチ『マトリョシカ』『砂の惑星』『ドーナツホール』
  • DECO*27『モザイクロール』『ゴーストルール』
  • wowaka『ワールズエンド・ダンスホール』『ローリンガール』『アンノウン・マザーグース』『裏表ラバーズ』
  • iroha(sasaki)『炉心融解』
  • cosMo(@暴走P)『初音ミクの消失(LONG VERSION)』
  • Orangestar『アスノヨゾラ哨戒班』
  • kemu『六兆年と一夜物語』
  • れるりり『脳漿炸裂ガール』
  • 164『天ノ弱』
  • n-buna『ウミユリ海底譚』
  • doriko『ロミオとシンデレラ』
  • みきとP『ロキ』

シンガーソングライターとして活動しているボカロP

()内は、ボカロPとしての名義。

  • 米津玄師(ハチ)
  • イナメトオル(40mP)
  • 荒井洋明(シグナルP)
  • 一ノ瀬ユウ(蝶々P)
  • 須田景凪(バルーン)
  • キタニタツヤ(こんにちは谷田さん)
  • TOOBOE(john)
  • Lanndo(ぬゆり)
  • 神山羊(有機酸)
  • 岩見陸(ナナホシ管弦楽団)
  • 工藤大発見(ピノキオピー)
  • 栗山夕璃(蜂屋ななし)
  • ヤマモトガク(Peg)
  • 遼遼(ルワン)
  • seeeeecun(しーくん)

syudou、すりぃ、Guiano、カンザキイオリ、R Sound Designなど、名義を変えずにシンガーソングライター活動(自身の楽曲のセルフカバー等)をしているボカロPもいる。

バンドや音楽グループのメンバーとして活動しているボカロP

()内はボカロPが所属するグループ名。

  • ryo(supercell)
  • wowaka(ヒトリエ)
  • 亜沙(和楽器バンド)
  • レフティモンスターP(イトヲカシ)
  • halyosy(absorb)
  • n-buna(ヨルシカ)
  • ぷす(ツユ)
  • Ayase(YOASOBI)
  • とく(GARNiDELiA)
  • DECO*27(LOVE LASTS FOREVER)
  • ギガP(REOL)
  • 黒うさP(WhiteFlame)
  • kemu(PENGUIN RESEARCH)
  • ラムネ/村人P(サイダーガール)
  • 石風呂(ネクライトーキー)
  • ナノウ (CIVILIAN)
  • マイキP(ラトゥラトゥ)
  • ユリイ・カノン(月詠み)
  • koyori(空白ごっこ)
  • Misumi(DUSTCELL)
  • 針原翼(空白ごっこ)
  • れをる(REOL)
  • ツミキ(NOMELON NOLEMON)
  • 蜂屋ななし(Van de Shop)
  • Chinozo(niKu)

ボカロPがリリースした著名な作品

歌唱にボーカロイドを用いているシングル及びアルバムのみを記載(EXIT TUNESなどからリリースされるボーカロイド楽曲のコンピレーションアルバムは除く)。いずれのボカロPも自作品がニコニコ動画内で「伝説入り」(100万回以上再生)している。

  • supercell(ryo/supercell)
  • Re:package(kz/livetune)
  • 花束と水葬、OFFICIAL ORANGE(ハチ)
  • アンハッピーリフレイン(wowaka)
  • 相愛性理論、愛迷エレジー、ラブカレンダー、Conti New、GHOST、アンドロイドガール、アンデッドアリス、MANNEQUIN(DECO*27)
  • 41m、だんだん早くなる(40mP)
  • メカクシティデイズ、メカクシティレコーズ(じん)
  • PANDORA VOXX(kemu)
  • 厨病激発ボーイ(れるりり)
  • 世界征服、マイネームイズラヴソング、CYNICISM(Neru)
  • カーテンコールが止む前に、花と水飴、最終電車、月を歩いている(n-buna)
  • 未完成エイトビーツ、SEASIDE SOLILOQUIES(Orangestar)
  • ナユタン星からの物体X、ナユタン星からの物体Y、ナユタン星からの物体Z、ナユタン星からの物体N(ナユタン星人)
  • Corridor、Marble、apartment(バルーン)
  • troy(有機酸)
  • plotoplan、Outer Sample(ぬゆり)
  • BLUE ENDING NOVA、ネオドリームトラベラー、ふたりの(はるまきごはん)
  • ベノマ、ダーリンシンドローム(かいりきベア)
  • コインロッカーベイビー、フライドアイ(MARETU)
  • 人間劇場(ユリイ・カノン)
  • 白紙(カンザキイオリ)
  • NOMAN、SHIMNEY(煮ル果実)
  • 最悪、必死、キュートなカノジョ(syudou )
  • パンデミック(すりぃ)
  • ヘイトフル、スクラップファーム(柊キライ)
  • 幽霊東京、MIKUNOYOASOBI(Ayase)
  • ねむるまち(くじら)
  • The Deluge(Chinozo)
  • KING、Kanaria.code(Kanaria)

脚注

注釈

出典

関連項目

  • Studio One(ソフトウェア)
  • DTM
  • The VOCALOID Collection

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: ボカロP by Wikipedia (Historical)


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