秋田駅(あきたえき)は、秋田県秋田市中通七丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
当駅は、1902年(明治35年)10月21日に、官設鉄道奥羽北線(現・奥羽本線)五城目駅(現・八郎潟駅) - 当駅間延伸時に仮駅扱いで開設され、駅周辺が秋田市に編入後には本駅舎が完成した。以後、その駅舎を補修しつつ使用していたが、1961年(昭和36年)9月1日に、民衆駅として改築され、秋田ステーションデパートが併設された。
1995年(平成7年)2月には、秋田新幹線開通をより効果的にするため、秋田県知事・秋田市長・JR東日本・秋田ステーションデパート間で「秋田駅関連整備事業に関する基本協定」が締結され、11月には、秋田市が事業主体の橋上駅舎と秋田駅東西連絡自由通路「ぽぽろーど」およびJR東日本と秋田ステーションデパートが事業主体の駅ビル「トピコ」が整備着手に入った。
橋上駅舎は事業費30億円(JRは8.5億円を負担)を投じ、「光と風の駅」をメインコンセプトとして、さらに緩やかにうねる大屋根などをデザイン要素として織り込み、1997年(平成9年)3月16日にオープンした。この駅舎は、2002年(平成14年)に国土交通省東北運輸局によって「日本海のうねりや秋田の山並みをモチーフにした波形の屋根が印象的な駅舎」として、東北の駅百選に選定されている。2017年(平成29年)には秋田新幹線の開業20周年などを踏まえ、JR東日本が整備を進めて来た秋田駅中央改札前の秋田杉によるファサードや、新待合ラウンジなどが新たにお目見えした。
トピコは、事業費20億円を投じ、ぽぽろーどと同時にオープンした。全3フロアで土産物店を中心に物販・飲食・サービスの店舗を展開し、中央に3層の吹き抜けを新設し、上下階の一体感を創出した上で多目的に利用可能なスペースも新設された。その後、トピコは2019年(令和元年)3月に3階、2020年(令和2年)3月には1階がリニューアルオープンしている。
ぽぽろーどは、橋上駅舎完成後の1999年(平成11年)8月に事業費39億円(国11億・県15億・市13億)を投じて着工され、翌年7月29日に使用開始した。デザインポリシーとして橋上駅舎と自由通路を一体化した空間として捉え、また延長186メートルの長い通路を単一なデザインによる均一な空間では泣く、連続性を意識させるデザインを持ちながら、場の持つ空間の質の違いを持たせ、分節化を図るとの構想を具現化した。なお、ぽぽろーどは2000年(平成12年)に西口広場をまたぐ76メートル、2003年には東口の再開発ビル秋田拠点センターアルヴェにつながる59メートルが延伸されている。
2013年(平成25年)10月9日夜間より、太陽光発電を活用し、西口中央に設置されている駅名看板ライトアップが行われ、2015年3月27日には西口北側・南側の駅名看板にもライトアップが追加されている。
旧社屋が老朽化したため、西口に新築したJR秋田支社ビルが落成し、2017年(平成29年)4月24日から新社屋で業務開始した。これに先立って、4月1日には建て替えた秋田駅西口駐車場が開業した。
2024年(令和6年)7月にかけて木製枕木をコンクリート製などに変更する設備強化工事が行われる。
乗入れている路線は所属線である奥羽本線と、当駅を終点とする羽越本線の2路線である。田沢湖線・奥羽本線経由で乗入れる秋田新幹線の終着駅となっている。この他、奥羽本線追分駅を路線起点とする男鹿線列車も乗入れている。
橋上駅舎を備える地上駅である。秋田駅東西連絡自由通路「ぽぽろーど」にある。自由通路北側は、西から駅ビル、ビューアルッテ、駅たびコンシェルジュ秋田、みどりの窓口、在来線改札口、新幹線改札口の順に並んでいる。新幹線改札口には自動改札機(新幹線eチケットサービス利用可)が設置されている。以前はみどりの窓口内に「秋田お客様相談室」が設置されていたが、2011年(平成23年)9月30日限りで廃止された。中央改札口横にはNewDays秋田中央口店がある。在来線は、中央改札口のみSuica対応自動改札機が導入され、それ以外の改札口には簡易Suica改札機が設置されている。自動券売機は各改札口に、みどりの窓口・指定席券売機・のりこし精算機は中央口のみ設置されている。なお、乗車券類に払い戻しは中央改札口精算所での取り扱いとなっている。
自由通路南側は、西から駅ビル駐車場・スターバックスコーヒー秋田駅店・駅そばしらかみ庵・待合室・NewDays秋田ぽぽろーど店・秋田市観光案内所がある。2017年(平成29年)3月の改装工事で、NewDays秋田ぽぽろーど店にはみずほ銀行のMMKタイプの店舗外ATMが設置された。
直営駅で秋田統括センター所在駅。ただし、新幹線改札口(中央口)・新幹線乗換口・新幹線ホームの案内放送・メトロポリタン口改札・遺失物の取り扱い業務はJR東日本東北総合サービスへ委託されている。駅たびコンシェルジュ秋田はJR東日本びゅうツーリズム&セールス運営である。管理駅として、奥羽本線大張野駅・和田駅・四ツ小屋駅・泉外旭川駅および羽越本線の下浜駅 - 羽後牛島駅間の各駅を管理している。秋田統括センターとして、土崎駅・羽後本荘駅を傘下に置く。
改札内には各ホームを接続する跨線橋が2本存在する。中央改札口から直結する南跨線橋は、第1ホームから第3ホームまで(1 - 6番線まで)の在来線と第4ホーム南側の新幹線(11・12番線)に降りることができる。北跨線橋は、第1ホームから第4ホーム北側まで全在来線(1 - 8番線まで)に降りることができる。北跨線橋と南跨線橋は4・5番線の間に連絡通路があり、直接行き来することが可能。北跨線橋西端には、駅ビル2階に直結する改札口(メトロポリタン口)が設置されている。南跨線橋の西端にもトピコ口が設置されていたが、2022年(令和4年)4月10日に廃止された。
現駅舎完成直後は南跨線橋と北跨線橋を連絡する連絡通路が存在せず、中央改札口から第4ホーム北側在来線7・8番線へ行くには、一度第2ホームへ降り北跨線橋を上って再度第4ホームへ降りる必要があった。2005年(平成17年)頃に秋田中央道路の建設工事および南改札口の閉鎖に伴い、中央口・2番線から1番線への乗継ができなくなったため補完する必要があったことと、7・8番線へ旅客をスムーズに移動させる目的で、南北跨線橋をつなぐ連絡通路が第2ホーム真上に建設された。工事終了後に撤去する予定だったが、利便性が良かったため今に至っている 。
南北跨線橋は国鉄時代から使用されていたものを継承している。橋上駅舎への改築前は、駅ビル1階の中央改札口が1・2番線ホームに直結しており、南跨線橋・北跨線橋を通じて各ホームへ連絡していた。また、南跨線橋・北跨線橋にはそれぞれ駅ビル2階に通じる改札口が設置されていた(名称は南改札口、北改札口)。橋上駅舎化後は、北側の跨線橋はそのまま存続し、南側の跨線橋は自由通路上に移転した中央改札口改札内通路となっている。
北跨線橋の更に北側へ隣接して、秋田駅東西連絡歩道橋「Weロード」が設置されている。1997年(平成9年)に橋上駅舎が完成してからは通行者が減っていたが、2008年(平成20年)に自転車通行が可能となった。
自由通路2階に専用コインロッカー室があり、それ以外では西口自由通路下(交番向かい)、駅ビル「トピコ」内の階段(Weロード入口階段)踊り場に設置されている。
一部コインロッカーはSuica対応。
ホームは4面10線で、以下のとおりである。
1・2番線は単式・切欠きホーム1面2線で、1番線は2番線青森方を切欠いた位置にある。2番線からはすべての「リゾートしらかみ」が発車している。3 - 8番線は島式ホーム3面6線である。3 - 5番線の中でも3番線は大口団体列車などが発着し、優等列車の割合が多い。2・3番線間と、6・7番線間に通過線がある。7・8番線は福島方半分を秋田新幹線ホームとしたため、行き止まり(頭端式)であり、発着する列車は少ない。
なお、案内標では各ホームを右表のように色で区分して案内している。
秋田新幹線は本駅が終点であり、頭端式ホーム1面2線を有する。在来第4ホーム(7・8番線)と同一平面にあり、乗換改札口(自動改札機)が設置されていたが、2023年(令和5年)3月17日に廃止された。
本駅より1駅北に貨物専用秋田貨物駅があるため、本駅への直接の発送・到着は無い。ただし、秋田総合車両センター南秋田センターへ搬入・搬出する臨時専用貨物列車による甲種輸送の到着がまれにある。
また、全列車が運転停車する。
主な駅弁は下記の通り。
JR東日本によると、2022年度(令和4年度)の1日平均乗車人員は8,881人である。
秋田新幹線はあくまで在来線扱いのため、以下の1日平均乗車人員は奥羽本線等のいわゆる「一般的な在来線」と「秋田新幹線」の合算で公表されている。在来線と新幹線の乗車人員が分けて公表される、新青森駅や仙台駅などのフル規格新幹線駅の公表方法とは異なる。
1935年度(昭和10年度)・2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
西口は秋田市旧市街であり、古くからの商業地・官庁街である。東口は1988年(昭和63年)の秋田駅東西連絡歩道橋「Weロード」開通をきっかけに宅地化・商業地化が進行したものであり、それ以前は一部に新興住宅街が形成された農業地帯であった。
2010年(平成22年)12月1日には、東口にあったこまち第二駐車場跡地に、ジェイアールアトリスと東祥の共同開発により、「ホリデイスポーツクラブ秋田」が開業した。
西口南側には、JR東日本秋田支社の社屋が立地する。1959年(昭和34年)建築の社屋老朽化に伴い、2017年(平成29年)4月24日より南側隣接地に新築した新社屋で業務を本格化し、旧社屋の跡地は秋田放送(ABS)がJRから土地を借受けて本社を新築移転した。ABS新社屋は2018年(平成30年)冬着工、2019年(平成31年)1月竣工、2020年(令和2年)3月16日未明より新社屋でラジオ放送を開始し、同23日未明にはテレビ放送を開始した。
2017年(平成29年)2月末限りで秋田フォーラスは営業を終了し、同年10月に「秋田OPA(オーパ)」として全面改装のうえ、再オープンしている。
秋田銀行が主導し、高齢者が住みやすい地域づくりと持続可能な地域づくりを目的に2014年(平成26年)8月に設立した秋田プラチナタウン研究会に参画する、JR東日本秋田支社と医療法人城東整形外科(秋田市)が、2016年(平成28年)10月28日に、秋田駅東口の秋田拠点センターアルヴェの南側で駐車場として運用している土地を城東整形外科が借り受け、診察と治療およびリハビリを担う「城東スポーツ整形クリニック」を開院する方針を発表し、同クリニックは2018年5月7日に開院した。
また、2017年(平成29年)3月16日には、同クリニック予定地北隣にJR東日本秋田支社が同社用地を活用した体育館である「JR秋田ゲートアリーナ(仮称)」を開設する方針を明らかとした。同アリーナは、秋田支社のバスケットボール部であるペッカーズとB.LEAGUEに所属するプロバスケットボールチームである秋田ノーザンハピネッツの拠点施設として整備し、保育所も併設するとしている。2018年(平成30年)6月6日に着工した。2019年(令和元年)5月23日に、JR東日本秋田支社は、同体育館の名称を「秋田ノーザンゲートスクエア」とすることを発表し、同年12月17日にオープンした。その後2020年(令和2年)7月3日より、事前予約をすることで、地域活用向けに体育館や多目的室開放がなされている。
秋田支社からは2017年12月15日にアリーナ予定地北側に、秋田県内初となる食事付学生マンション・合宿所建設も発表された。2019年(令和元年)5月23日には、JR東日本秋田支社が、同マンションの名称を「ディークレスト秋田駅前」、同合宿所の名称を「秋田ノーザンゲート トレーニングキャンプ」とすることを発表した。ディークレスト秋田駅前は2020年4月1日より運営開始し、秋田ノーザンゲート トレーニングキャンプについては同年春の入居開始を予定している。また、これらの再開発に伴い、秋田駅東口の「こまち駐車場」は、2018年6月30日に営業を終了した。
2019年(平成31年)3月14日に、JR東日本秋田支社は、秋田駅駅ビルに併設されているホテルメトロポリタン秋田の別館増築工事を推進していることを発表した。2020年(令和2年)2月20日に、同ホテルの別館増築工事に着手することを発表した後、同年3月10日より着工した。2020年11月26日にはホテルメトロポリタン秋田の別館増築の名称を「ホテルメトロポリタン 秋田 ノースウイング」とし、2021年5月31日に開業することを発表した。
西口駅前広場は「秋田駅前広場」として、平成6年度手づくり郷土賞を(ふるさとの文化を育む街角の広場)受賞している。また、秋田市が同広場にて、2019年(令和元年)9月下旬より芝生広場の建設工事に着手している。着手と同時に、秋田駅と秋田放送(ABS)の社屋前の交差点を一直線で結ぶ歩道の新設、一般車用のロータリーの改修が実施されている。これらは2020年(令和2年)3月末完成が予定されていたが、融雪設備工事の入札の不調が続いたことを理由に、同年7月末へと延期され、最終的に同年8月1日から一般供用を開始した。おもに、JR東日本や秋田市のイベント等に使用される予定となっている。なお、駅前広場の工事着手に伴い、西口平面駐車場は2019年(令和元年)9月3日に営業を終了した。
(出典:秋田駅西口・東口バスのりば案内)
西口バスターミナルは広場内に4つの島で形成されており、それぞれの島へは地上の横断歩道で連絡する。壁や屋根は秋田杉を用いた木造であり、2014年(平成26年)にグッドデザイン賞を受賞している。
1 - 5番のりばは駅前ロータリー上にある。旧ツアーバス系の高速バスはロータリーから離れた場所から発着する。
※新幹線と特急列車の隣の停車駅は列車記事を参照。
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