青森駅(あおもりえき)は、青森県青森市柳川(やなかわ)一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・青い森鉄道の駅である。
青森県の県庁所在地・青森市の中心駅(ターミナル駅)である。かつては東京から伸びる鉄道幹線である東北本線および奥羽本線の終着駅であり青函連絡船との乗換駅だった。1988年(昭和63年)の青函トンネル開通に伴う青函連絡船廃止と旅客輸送の海峡線経由化、2010年(平成22年)の東北新幹線開通に伴う東北本線の第三セクター化、さらには2016年(平成28年)の北海道新幹線開業に伴う海峡線経由の旅客輸送の新幹線への移行を経て、「北海道との連絡口としての役割から、三内丸山遺跡や世界遺産白神山地への玄関口とその機能は変貌を遂げる駅」として、東北の駅百選に選定されるに至っている。なお、東北本線八戸駅 - 青森駅間の第三セクター化に伴い、在来線における所属線は東北本線から奥羽本線に変更されている。
2023年6月現在、乗り入れている路線はJR東日本の奥羽本線と津軽線、青い森鉄道の青い森鉄道線の合計3路線であり、いずれの路線も当駅が起終点となっている(津軽線のみ起点、奥羽本線、青い森鉄道は終点)。
JR青森駅の事務管コードは▲211066、青い森鉄道青森駅の事務管コードは5461246である。
当駅は古くは青函連絡船の本州側玄関口であり、北海道と本州をつなぐ、全国的な交通網の要であった。その情景は歌謡曲「津軽海峡・冬景色」の歌詞にもなった。
1988年(昭和63年)に青函トンネルが開通すると、青函連絡船はその役目を新たに開業した津軽海峡線に譲って廃止され、津軽海峡線の快速「海峡」の始発・終着駅の役割を果たしていた。
その後、2002年(平成14年)の東北新幹線盛岡 - 八戸間開業時に快速「海峡」が廃止され、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」の停車駅(一部始発および終着あり)となったことから、昼間の当駅始発・終着列車は減り、さらに2010年12月4日の東北新幹線新青森開業後は、東北本線八戸 - 当駅間は青い森鉄道に経営移管され、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」の起終点は八戸駅から新青森駅に変更され、多客期の臨時特急「白鳥」の午前の1往復のみ当駅始発となった。
そして、2016年(平成28年)の北海道新幹線開業に伴い、青函トンネル経由の旅客列車はすべて新幹線へ移行することになったため、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」をはじめとした津軽海峡線の旅客列車はすべて運行を終了した。これにより、当駅から直接北海道方面へ向かう旅客列車は無くなり、北海道への玄関口としての役割は新青森駅に譲り渡された。
かつては1番線側に青函連絡船の岸壁があり、連絡船の車両甲板につながる可動橋があった。また、当駅から安方を経て埠頭方面への臨港線(青森県公用臨港線)もあり、貨車の入れ替え作業がホームから頻繁に見られた。連絡船への貨車積み込みのため、構内の線路は岸壁に向かって北側に伸びた構造になっている。
青森営業統括センター管理下の直営駅(営業副長・輸送副長配置)。津軽線の各駅、大湊線の各駅(野辺地駅を除く)、奥羽本線新青森駅を管理下に置く。改札口と券売機管理業務はJR東日本東北総合サービスが受託し、業務長を配置している。
島式ホーム3面6線を有する地上駅(橋上駅)。1・2番線に青い森鉄道線、2 - 6番線に奥羽本線、3・6番線に津軽線の列車が発着している。各線は構内北側へ向けて1線に合流しており、客車列車の入換・機回し線として使用されている。東北本線八戸 - 青森間経営分離に際して構内改良工事が行われており、1・2番線の有効長短縮や電車化によって不要となった機回し線の撤去などが実施された。経営分離以前は、一部列車を除き1・2番線に東北本線、3 - 5番線に奥羽本線、6番線に津軽線の列車が発着していた。線路番線(名称)としては駅構内西から番号が振られており、右表のようになっている。
現在の駅舎は2021年3月27日から使用されているもので、4代目駅舎の西隣(駅正面から見て奥側)の機回し線の跡地に建てられている。2階には改札口(Suica対応自動改札機設置)、みどりの窓口、自動券売機、指定席券売機、待合室が設けられている。NewDaysは駅たびコンシェルジュや待合室と併設している。24時間行き来ができる東口と西口を繋ぐ(幅約6 m、全長約170 m)自由通路は、南側には採光を意識した大きな窓が、北側はリンゴの木箱をイメージしたデザインが特徴の壁があり、写真などを展示するスペースもある。また、改札階とホーム階との間や出入口にはそれぞれエレベーターとエスカレーターを完備しており、バリアフリー化が図られている。東口側からは、4代目駅舎の解体工事完了までの間はミニ広場「エビナ」(4代目駅舎と駅ビル「ラビナ」の間にあるミニ広場の通称名)を通って現駅舎に入るようになっていたが、2024年(令和6年)には4代目駅舎の跡地に、ホテルや商業施設「&ラビナ」からなる複合施設「JR青森駅東口ビル」が完成し、この東口ビルの3階が駅舎の改札外コンコースと直結していて新たな東口となっている。
当駅構内南端部には青い森鉄道線の「740」キロポストと奥羽本線の「485」キロポストがある。
橋上駅舎化前は、各ホーム間を連絡する跨線橋はホームの南北に2か所あり、北側のものはかつて運航されていた青函連絡船との乗り換え通路を兼ねていたため連絡船の廃止後は長らく使用されなくなっていたが、現在は改修されて旧第1岸壁に設置された八甲田丸・青い海公園と駅西側の青森マリーナを結ぶ自由通路「青い海公園連絡橋」として使用されている。南側のものは駅舎と各ホームとの連絡橋として1959年の4代目駅舎竣工後から2021年3月26日の4代目駅舎及び西口の窓口営業終了までの間使用されていたが、旅客用のエレベーターが存在しておらず、車椅子で利用する際は駅係員に申し出るか、階段・エスカレーター横に設置していたインターホンで呼び出し、階段昇降機(エスカル)を使う必要があった。
青森駅舎(本屋)があり、2階にはJR青森駅の駅長室・内勤事務室とJR東日本盛岡支社青森支店があった。
JR東日本東北総合サービスに業務委託されていた。みどりの窓口、自動券売機が設置されていた。青い森鉄道の乗車券はJR自動券売機、窓口での発売となっていた。窓口で購入したものに関しては、マルスでの発行となるため、自動改札機の利用はできなかった。
西口改札から跨線橋に上がる手段は階段のみであり、エスカレーターは設置されていなかった。
主な駅弁は下記の通り。
1935年度(昭和10年度)および2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
東北新幹線の新青森駅延伸開業後、青森駅の乗車人員は延伸開業前(2009年)の7,905人から2016年(平成28年)の7,156人まで一時減少した。
しかしその後、乗車人員は再び増加傾向となり、コロナ禍の影響が無かった2018年(令和元年)には7,825人(JR東日本5,397人/青い森鉄道2,428人)にまで持ち直し、新幹線開業前の水準にまで回復している。
新町通りでは、毎年ゴールデンウィークに「AOMORI春フェスティバル」が開催される。
2022年9月現在(一部除く)。
2010年の東北新幹線の新青森駅延伸で、既存の中心街が衰退することを防ぐため、青森市などによる青森駅前再開発が進められた。再開発の一環として「アウガ」、「ミッドライフタワー」、「青森駅前公園」が整備された。
駅前のバスターミナルは、バスプールの集約化、バス・タクシー・自家用車の車の流れを区分する工事、「青森市観光交流情報センター」の開業、駅舎前シェルターの取り付け工事、駅前駐車場の整備、文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」の開業とそれに伴うJRバスのバスプールの移設といった大規模な改良が行われた。
駅構内も、みどりの窓口やびゅうプラザの改修、旧待合室跡地への青い森鉄道の窓口の整備、駅舎外にあったNEWDAYSやドトールコーヒーショップを駅舎内に移転させるなどの大規模な改修工事が行われた。
東北新幹線新青森開業時より、当駅 - 新青森駅間においては、特急列車の普通車自由席および普通・快速列車の全車指定席列車であっても、空席に乗車する場合に限って特急料金・座席指定料金が不要となる特例が設けられている。2021年11月現在では特急「つがる」3往復と、臨時快速「リゾートしらかみ」「五能線クルージングトレイン」などで適用される。
青森市市長を務めていた佐々木誠造は青森駅の改築に伴い青森市役所の窓口機能を青森駅に移転する計画を模索しており、調査費も2009年度の青森市の予算に組み込まれていたが、2009年の市長選挙で鹿内博が勝利し市長に就任したため白紙撤回となった。
2011年には駅舎の老朽化に伴い、東正面口に公共公益施設を含む複合施設を整備、東西自由通路の整備をする計画を青森市が提案し、JR側も協力姿勢を示していた。
その後、2016年になって県・市・JRが「青森駅周辺整備事業」の基本協定を締結。2018年6月には県・市・商工会議所・JRが「青森駅周辺のまちづくりに関する連携協定」を、同年7月には県・市・JRが「青森駅自由通路整備等に関する工事の施行協定」をそれぞれ締結し、同年11月に着工した。総事業費は95億8千万円で、橋上駅舎と東西自由通路に関しては2021年3月27日に供用開始している。
4代目駅舎は2021年4月から解体工事が始まり、同年9月より西口駅前広場の整備に着手、翌年度に整備が完了した。また前述の通り、4代目駅舎の解体後の跡地には商業施設やホテル、行政施設が入る10階建ての複合施設が建設された。これらの施設は「JR青森駅東口ビル」として、2024年4月26日に商業施設「&ラビナ」と行政施設「青森市民美術展示館」「あおもり縄文ステーション じょもじょも」、同年7月11日にホテル「ReLabo」が開業し、全面オープンする予定である。なお、先行して「JR青森駅東口ビル」内の自由通路は2024年3月30日に供用開始する予定である。
同時に、4代目駅舎に取りつけられていた「あおもり駅」の文字看板は駅舎の解体の際に撤去された後、状態が比較的よかった「駅」の文字をJR東日本青森営業統括センターにて修復し、2022年10月のイベントで展示するなど活用している。
前述の通り、橋上駅舎と東西自由通路の供用が開始されることから、JR東日本盛岡支社によって、4代目駅舎の思い出を作ることを目的とするイベントが実施されていた。
まず、第1弾として、2020年12月1日 - 2021年1月10日に、4代目駅舎の外観や構内などと家族・友人を映した写真の募集が行われ、東口待合室内にて、2021年2月1日 - 3月末に写真が展示されていた。次に、第2弾として、2021年1月9日 - 3月末に、現駅舎や歴史を掛け紙にデザインした新作駅弁「んろぉ めぇ~どごだげ弁当」が発売されている。そして、第3弾として、現駅舎や青森市の文化や歴史に関連するクイズ(2021年2月20日 - 3月31日実施予定)のほか、青森県立青森北高等学校美術部員や青森市の造形教室「CoBaCo(コバコ)」の生徒らによる旧駅舎の壁や柱に彩色を施す「エキナカアート」(アート制作:2021年2月20日 - 3月5日実施、アート展示:2021年3月6日 - 3月26日実施)が行われていた。
駅構内扱いで、奥羽本線と青森信号場から伸びる貨物支線が合流する地点に通称「滝内信号所(たきうちしんごうじょ)」がある。かつては滝内信号場(たきうちしんごうじょう)だったが、駅構内扱いとなり「信号所」と呼ばれるようになった。所在地は青森県青森市千刈。なお、奥羽本線・津軽線を運転する列車の運転士および車掌の運転時刻表には「滝内1」という名称で当信号所の通過時刻が記載されている。
北側から順に津軽線、青森車両センターへの小運転線、奥羽本線の3線が並ぶ。信号所東側(千刈踏切)で貨物支線と奥羽本線が分岐しており、奥羽本線と青い森鉄道線を通過する貨物列車は青森駅には乗り入れない。青森駅を経由する津軽線と小運転線の間にも津軽海峡線開業と前後して渡り線が設けられており、津軽海峡線方面からの貨物列車は青森駅を経由せず、直接青森信号場に進入することが可能になった。
青森駅発の奥羽・津軽線は、それぞれ奥羽貨物支線進入列車が滝内信号所を通過するまで発車できない。そのため青森駅で列車交換をしない場合でも貨物列車の影響で発車が遅れることがある。また奥羽線は、津軽線(津軽海峡線)からの貨物列車が奥羽線の線路を跨いで奥羽貨物支線へと進入するため、津軽海峡線貨物列車が当信号所を通過するまで発車できないことがある。
なお当信号所構内にあたる千刈踏切近くに津軽線1キロポストと奥羽貨物支線0キロポストがある。
当駅と構内扱いの滝内信号所、青森信号場を頂点とするデルタ線が形成されている。客車時代の特急「はつかり」は、展望車こそ連結されていなかったが、三等車の座席は進行方向に固定されていたため、青森到着後はデルタ線を使った「三角回し」で編成の向きを変えていた。
上記のデルタ線のなかで、南側の底辺にあたるのが奥羽本線の貨物支線である。貨物列車はこの線路を通過するため、通常は当駅に貨物列車が入線することはない。貨物列車の機関車交換は、手前の青森信号場で行う。本州と北海道を結ぶ寝台特急「北斗星」・「カシオペア」・「トワイライトエクスプレス」は、青森駅で機関車交換を実施するために運転停車していた。ただし、2006年(平成18年)3月18日から2012年(平成24年)3月16日までの間は青森駅構内で夜間に線路改良工事を行っていたため、「北斗星」・「トワイライトエクスプレス」の機関車交換は青森信号場で行い、当駅を経由していなかった。
なお、青い森鉄道線は青森信号場から当駅構内近くまで単線高架化されている。
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