ランディ・アロサレーナ・ゴンサレス(Randy Arozarena González, 1995年2月28日 - )は、キューバ共和国ラ・アバーナ州ハバナ出身のメキシコのプロ野球選手(外野手)。右投右打。MLBのタンパベイ・レイズ所属。
2013-14年と2014-15年シーズンにかけてセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル(SNB)のベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオに所属。
14年に父が亡くなり、家族を支えるためにも翌15年に母と相談の上で亡命を決意。夜のカリブ海をカヤックのようなボートで8時間かけてメキシコへ渡り、亡命した。
2016年4月17日にリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボルのティフアナ・ブルズでプロデビュー。ブルズでは4月中の5試合のみに出場し、5月3日にFAとなった。
2016年8月1日にメジャーリーグ・ベースボールのセントルイス・カージナルスと契約金125万ドルでマイナー契約を結んだ。シーズンオフにウィンターリーグであるリーガ・メヒカーナ・デル・パシフィコ(LMP)のマジョス・デ・ナボホアに所属。以降、2018年までの毎年オフにマジョスに所属している。
2017年4月6日に傘下A+級パームビーチ・カージナルスでマイナーデビュー。6月14日に行われたフロリダ・ステートリーグ(FSL)オールスターゲームに招集された。6月30日にAA級スプリングフィールド・カージナルスに昇格。このシーズンは2チーム合計で、490打席で打率.266、11本塁打、OPS.783を記録した。
2018年のスプリングトレーニングでは招待選手として参加した。シーズンはAAA級メンフィス・レッドバーズで迎えた。5月4日にAA級スプリングフィールド・カージナルスに降格、5月18日にAAA級メンフィスに再昇格。7月に行われたオールスター・フューチャーズゲームでは世界選抜として選出。7月17日にA+級パームビーチに降格、8月1日にAAA級メンフィスに再昇格。レギュラーシーズン成績は2チーム合計で、413打席で打率.274、12本塁打、OPS.792を記録。AAA級メンフィスが地区優勝したため、パシフィックコーストリーグ(PCL)プレーオフに出場。チームはリーグ優勝を果たし、トミー・エドマンとともにPCLプレーオフMVPに選出される。その後、チームはAAA級年間優勝決定戦でも勝利した。
2019年のスプリングトレーニング中に右手を骨折したため、故障者リスト入りし、4月の開幕を迎えた。5月11日にAA級スプリングフィールドで実戦復帰、6月12日にAAA級メンフィスに昇格。8月12日にホセ・マルティネスが10日間故障者リスト入りした入れ替わりでメジャー昇格。8月14日に行われたカンザスシティ・ロイヤルズで「9番・中堅手」で先発出場しメジャーデビュー。この試合ではメジャー初安打となる適時内野安打を記録した。9月25日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦でメジャー初本塁打を記録。メジャーでの出場は19試合に留まったが、打率.300、出塁率.391を記録した。またポストシーズンにも25人枠入りし、ワシントン・ナショナルズとのディビジョンシリーズで代打として5試合に出場したが安打はなかった。
2020年1月9日にマシュー・リベラトーレとドラフト下位指名権とのトレードで、ホセ・マルティネスとドラフト上位指名権と共にタンパベイ・レイズへ移籍した。シーズンではCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンになった。自身も開幕前の検査で陽性反応が出て特別故障者リスト入りになり、陰性になるまで約1か月かかった。8月30日にシーズン初出場。最終的に23試合の出場で打率.281・7本塁打・11打点をマークした。ポストシーズンはスタメンで起用され、トロント・ブルージェイズとのワイルドカードシリーズ第2戦では3安打を記録。ニューヨーク・ヤンキースとのディビジョンシリーズでは打率.421、第1戦から3試合連続本塁打を放つ活躍でシリーズ突破に貢献した。リーグチャンピオンシップシリーズでも最終第7戦の先制本塁打を含む4本塁打を放ち、ポストシーズンの本塁打数の新人新記録を更新し、新人野手では史上初となるシリーズMVPに選ばれた。ロサンゼルス・ドジャースとのワールドシリーズでも3本塁打を放ってポストシーズンの新記録を樹立したが、チームは2勝4敗で敗れた。
2021年は141試合の出場で打率.274、20本塁打、69打点、20盗塁を記録した。オフの11月15日に球団史上4人目、キューバ出身選手として6人目となる新人王を受賞した。
2022年は153試合の出場で打率.263、20本塁打、89打点、32盗塁を記録した。
2023年はキューバ政府の方針転換により亡命選手にもワールド・ベースボール・クラシックへの参加資格が与えられたが、キューバ代表ではなく、帰化したメキシコ代表に選出され、参加。準決勝の日本戦(ローンデポ・パーク)では岡本和真が記録した本塁打性の打球を好捕するなどし、日本代表を苦しめた。最終的にメキシコは敗れ準決勝で敗退となったが、自身は大会ベストナイン(外野手)に選出された。MLB開幕後の13試合で打率.314、3本塁打、16打点、OPS.928を記録し、レイズの開幕13連勝に貢献した。6月29日に外野手部門のファン投票で初となるオールスターゲームに選出された。
2018年にメキシコで生まれた娘がいる。弟のライコは、北米プロサッカー2部リーグ・USLCのタンパベイ・ローディーズのゴールキーパーである。
2020年11月23日に、元交際相手との間にできた2歳の娘を連れて帰ろうと元交際相手の父親と揉み合いになったところ、誘拐罪と暴行罪でユカタン州にて逮捕された。元交際相手が被害届を出さなかったため、2日後には釈放された。
2022年にメキシコの市民権を得て、2023 ワールド・ベースボール・クラシックのメキシコ代表になった。
自身が本塁打や適時打を打った時などに見せる“腕組みドヤ顔ポーズ”のパフォーマンスは、2023年ワールド・ベースボール・クラシックではメキシコ代表の象徴となり、メジャーリーグや日本でも大いに話題となった。
自身の半生を描いた映画が公開予定だったが、2023年に製作が中止になったことを本人が明らかにした。
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