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アメイジング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン


アメイジング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン


アメイジング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン英: The Amazing Adventures of Spider-Man)は、アイランズ・オブ・アドベンチャー(ユニバーサル・オーランド・リゾート)にある、マーベル・コミックのスーパーヒーロー『スパイダーマン』をテーマにしたライド・アトラクションである。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 4K3D」という名前で運営された。敵のキャラクターデザインは原作である漫画版のものが採用されている。完成度が高く、これまでに様々な賞を受賞している。

存在するパーク

  • アイランズ・オブ・アドベンチャー(ユニバーサル・オーランド・リゾート)

過去に存在したパーク

  • ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

概要

アイランズ・オブ・アドベンチャー(ユニバーサル・オーランド・リゾート)

1999年3月27日にテクニカル・リハーサルを行った後、5月28日にユニバーサル・スタジオ・フロリダに隣接する第2のパーク、アイランズ・オブ・アドベンチャーと同時に、「マーベル・スーパー・ヒーロー・アイランド」内に、「The Amazing Adventures of Spider-Man」としてオープンした。

最新の取材用車両「スクープ」の乗車中に写真撮影が行われ、降車後に購入する事が出来る。終盤に登場するスパイダーマンがカメラを持ってゲストとゲストが乗車した「スクープ」を撮影するシーンがあるが、実際はエレクトロのスパークワイヤーで「スクープ」が攻撃を受けるシーンの後に移動する途中で撮影されている。

2011年5月19日、映画『アメイジング・スパイダーマン』の公開に合わせ、アトラクションのリニューアルが発表された。2012年3月8日、新たなプロジェクターを採用し、より高解像度な映像に一新された。そして、全てのアニメーションシーンが製作し直され、鮮やかな色合いで、細かなディテールとリアリズムが追加された。合わせて、より精密なライドモーションとBGMもアレンジされた。また、『スパイダーマン』の原作者であるスタン・リーを随所に登場させた。

2018年11月12日、スタン・リーが亡くなった後、アトラクション内の待ち列には、スパイダーマンをイメージした花やスタン・リーの写真などが飾られていた。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

2004年1月23日、ニューヨーク・エリアに「アメイジング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド」(英: The Amazing Adventures of Spider-Man - The Ride)としてオープンした。

2013年、ユニバーサル・オーランド・リゾートと同様の仕様にリニューアルが開始され、同年7月5日に「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 4K3D」(英: The Amazing Adventures of Spider-Man - The Ride 4K3D)としてオープンした。パークのコラボプロジェクト「UNIVERSAL STUDIOS JAPAN×SMAP: WORLD ENTERTAINMENTPROJECT」の一環として、リニューアルオープンの7月5日から9月30日までの期間限定で、スパイダーマンの声を当時SMAPの香取慎吾が務めた。ユニバーサル・スタジオのティエリー・クーは、香取のアフレコに立ち会っており、「慎吾の声は本当に素晴らしい。スパイダーマンのキャラクターが持つ、強さと勇気、葛藤、そして哀愁をも表現している。彼こそまさに、スパイダーマンだ。世界最高のスーパーヒーローだ」と絶賛した。

2016年5月までは野村證券がスポンサーについており、同年6月1日から2017年4月20日までは日本航空がスポンサーとなり、JALパック商品利用者及びJALマイレージバンク上級会員「JMBダイヤモンド」「JGCプレミア」向けラウンジ『JALラウンジ』もアトラクション内に設置されていた。2018年1月からは、日本コカ・コーラ及びコカ・コーラボトラーズジャパンがスポンサーとなっている。

2023年5月16日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは当アトラクションの営業を2024年1月22日で終了することを正式に発表した。

2023年7月4日から「スパイダーマン・ザ・ライド」ファイナル・キャンペーンを開催。限定グッズや特別なユニバーサル・エクスプレス・パスの販売、限定ステッカーの配布等。期間は当アトラクションがクローズした2024年1月22日まで行われた。

ストーリー

待ち列

ゲストは、ニューヨークの新聞会社・デイリー・ビューグルの見学をする。待ち列の各所では、同社の評判が宣伝され、最新の取材用車両「スクープ」の紹介ビデオが上映されている。無人のオフィスでは、ニュース番組の中継が放送されており、ドクター・オクトパス率いるシニスター・シンジケートは、ドクター・オクトパス自身によって発明された、どんなものでも浮かせられる奇妙な緑色の浮遊光線を放つ反重力砲でマンハッタンとニューヨークの街を包囲していた。彼らは自由の女神を盗み、降伏しない場合は、破壊すると脅していた。ゲストが社内を巡ると分かる通り、同社の記者全員が、選択の余地がないと編集長・J・ジョナ・ジェイムソンを残して、逃げていた。そこで編集長J・ジョナ・ジェイムソンは、「スクープ」にゲストを乗せ、現場へと向かわせる。

アトラクション

「スクープ」に乗車後、マンハッタンの裏路地へ向かうと、スパイダーマンに遭遇する。彼は、ドクター・オクトパス率いるシニスター・シンジケートの悪事を警告するが、「スクープ」は、そのままシニスター・シンジケートが隠れる倉庫へと向かう。「スクープ」を発見したエレクトロはスパークワイヤーで攻撃を仕掛け、ドクター・オクトパスとスクリームも襲い掛かってくる。スパイダーマンの待つ下水道へと逃げるが、ハイドロマンがパイプを破壊し襲い掛かり、ドクター・オクトパスは自身の金属アームから火を吹かす。ブルックリン橋で、ホブゴブリンは、ジャックランタンを模したカボチャ型の手榴弾であるパンプキン・ボムで攻撃を仕掛け、「スクープ」はニューヨーク市の通りへと向う。通りでは、ドクター・オクトパスが反重力砲を使い、「スクープ」を120m(400ft)の高さの空中まで持ち上げてしまう。スパイダーマンは「スクープ」を地上に戻そうと助けに入ろうとするが、シニスター・シンジケートに襲われてしまう。ドクター・オクトパスは反重力砲を解除し、「スクープ」が墜落するが、間一髪のところでスパイダーマンに救われ、シニスター・シンジケートを捕らえることにも成功する。自由の女神はリバティ島に戻った。

キャラクター

スパイダーマン(Spider-Man) / ピーター・ベンジャミン・パーカー(Peter Benjamin Parker
声 - クリス・エジェリー(英)、猪野学(日)
ミッドタウンに住む青年。高校生の時、放射能を浴びたクモに刺されてしまい、壁に貼り付くなどクモ由来の超能力を得る。クモ糸を発射する機械「ウェブ・シューター」とクモをイメージした赤と青のコスチュームを作り、人々の為に自分の力を使っている。デイリー・ビューグルでカメラマンとして働いている。
ドクター・オクトパス(Doctor Octopus) / オットー・ギュンター・オクタヴィアス
声 - ロジャー・バンパス(英)、池田勝(日)
物理学の天才的な頭脳の持ち主。4本のアダマンチウム合金製触手型金属アームのついたコルセットを開発し、危険物を取り扱う実験をしていたが、その最中爆発事故を起こしてコルセットを一生外せない体になってしまった。それにより、制御盤を使わなくても金属アームを手足のように自在に動かせるようになったが、自らが異形の存在になったことを悲観し、その力を使って悪事を行う犯罪者へと成り下がった。自らを「オクトパス博士」と名乗っている。
ホブゴブリン(Hobgoblin) / ネッド・リーズ
声 - パット・フラリー(英)、チョー(日)
奇怪なマスクに身を包み、グライダーで自在に空を飛ぶ犯罪者。武器は、ジャック・オー・ランタンを模したカボチャ型の爆弾で手榴弾のパンプキン・ボムなどを使用している。マシンガン付きの無人機である蝙蝠型の飛行メカで機関砲やミサイルなどの武装も搭載しているグライダーに乗っている。薬品で肉体も強化している。
エレクトロ(Electro) / マックスウェル・ディロン
声 - ジム・ワイズ(英)、中尾隆聖(日)
電気工事会社で働いており、落雷による事故により、自らの身体が強力なエネルギー電気を帯電・操作できるようになった。電光火花のような星型マスクと派手なコスチュームに身を包み、金品を盗むために悪事を働くようになる。
ハイドロマン(Hydro-Man
声 - ビル・ファッガーバッケ(英)、島香裕(日)
本名は、モリー・ベンチ。貨物船の乗組員だったが、スパイダーマンとサブマリナーの戦いに偶然巻き込まれ、海中火山のガスを利用した水中発電機をテストが行われていた海中に投げ出されてしまう。その未知の放射線と海中のバクテリアが体にミューテーションを引き起こし、まるで生きている水のように変身する能力を手に入れた。こうなった原因はスパイダーマンにあるとして、復讐のために犯罪に手を染める。
スクリーム(Scream) / ドナ・ディエゴ
声 - キャンディ・ミロ(英・日)
ライフ財団がヴェノムから細胞を摘出して生み出した5体のシンビオートの1つ。
J・ジョナ・ジェイムソン(Scream
声 - クリス・エジャリー(英)、立川三貴(日)
ニューヨークの新聞会社・デイリー・ビューグルの編集長。スパイダーマンに対しては否定的な考えを持っている。シニスター・シンジケートを恐れ、逃げてしまった記者たちの代わりにゲストを最新の取材用車両「スクープ」に乗せ、現場へと向かわせる。

キャスト

製作

第2のパーク構想

1980年代後半、ウォルト・ディズニー・カンパニーとユニバーサル・スタジオの対立が始まった。ユニバーサル・スタジオ・フロリダを1990年に開業予定だったユニバーサル・スタジオに先駆け、当時のウォルト・ディズニー・カンパニー最高経営責任者であるマイケル・アイズナーは対抗し、ディズニー・MGM・スタジオ(現: ディズニー・ハリウッド・スタジオ)を1989年にオープンすることになる。ディズニー・MGM・スタジオがオープンしたことにより規模が拡大したウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、家族連れで複数日掛けて遊べる場所としてスパイダーマンを踏み台にして成り上がった。一方のユニバーサル・スタジオは、フロリダ内で1つのパークしかなかったため、1日でパークを回りきってしまい、ストーリーも子供が楽しめる内容ではなかった。しかし、ミュージック・コーポレーション・オブ・アメリカ(現: ユニバーサル・スタジオ)には、「プロジェクトX」という計画があった。

1990年代初頭から2番目のパークのコンセプトを構想していたのだ。ウォルト・ディズニー・ワールド同様にユニバーサル・スタジオを複数日掛けて遊べる場所にすることも考えられていた。彼らは、エンターテインメント業界の傑出した人物であるゲイリー・ゴダードに目を向けた。ゴダードは、ユニバーサル・スタジオと緊密に協力し、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで「キングコング・エンカウンター」を開発したランドマーク・エンターテインメント・グループの責任者だった。「プロジェクトX」が進行中だった当時もゴダードは、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドの「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」の開発も指揮しているところだった。ゴダードとその仲間は、家族市場でのディズニーの支配に匹敵するものを利用し、説得力のあるライドの開発を任されていた。

以前ディズニーがディズニー・MGM・スタジオのためにユニバーサル・スタジオ・ハリウッドのスタジオ・ツアーと類似したアトラクションをオープンさせたため、ユニバーサル・スタジオはディズニーの得意分野であるカートゥーンに着目し、対抗することを決めた。他社の様々なカートゥーンを誘致したいと考え、当時人気のあったDCをパークのセンターに置き、『ドクター・スース』、『ポパイ』、『騎馬警官ダドリー・ドゥーライト』、『ルーニー・テューンズ』も加え、それぞれテーマランドを作り、「カートゥーン・ワールド」として開発を開始した。ゴダードは、特にDCコミックスに気合をいれ、「DCスーパーヒーロー・ランド」の設計に取り掛かっていた。

「DCスーパーヒーロー・ランド」の半分はスーパーマンの都市であるメトロポリス、もう半分はダークサイドであるバットマンが住む都市・ゴッサム・シティを設計した。「DCスーパーヒーロー・ランド」には2つのメジャー・アトラクションを配置する計画だった。1つは、バットマンとペンギンが戦うコースターである。ゲストは、バットマンとペンギンのコースターのいずれかに乗るかを選択し、それぞれ違うトラックを走り、レースを行う。最後にショービルディングを超えたところで戦いを繰り広げる。もう1つはスーパーマンのアトラクションで、ディズニーランドの「スター・ツアーズ」と同形式のアトラクションである。開発は進められていったが、問題が発生する。誘致するカートゥーンを欲張ったため、非常に多くの外部プロパティを取得することで、「カートゥーン・ワールド」を過度に拡張したが、DCコミックスと『ルーニー・テューンズ』の権利を所有しているタイム・ワーナー(現: ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)との使用料をめぐる問題で突如として終わったのだ。

タイム・ワーナーは、自社のコミックやキャラクターが果たす役割を考えると、「カートゥーン・ワールド」から得られるロイヤリティの10%が妥当だとしていた。

しかし、ユニバーサル・スタジオのオーナーであるミュージック・コーポレーション・オブ・アメリカは、6%から断固として引き上げない姿勢だった。最終的にタイム・ワーナーは8%で交渉に出るが、ミュージック・コーポレーション・オブ・アメリカは考えを変えなかった。ユニバーサル・スタジオのデザインチームは、ミュージック・コーポレーション・オブ・アメリカの幹部に8%の数値に同意するように求めたが、交渉は突如として終わった。ミュージック・コーポレーション・オブ・アメリカの最高執行責任者であるシドニー・シェインバーグは、このプロセスに頭を抱えた。DCコミックスと『ルーニー・テューンズ』が5分の2を占めていた「カートゥーン・ワールド」への希望は突如としてなくなった。タイム・ワーナーとのパートナーシップの喪失により、ユニバーサル・スタジオは第2のパークの再設計に戻ることを余儀なくされた。

マーベルの誘致

まずは自身のライブラリーにインスピレーションを見出した。当時、ゴダードグループは、スティーヴン・スピルバーグの映画作品『ジュラシック・パーク』をテーマにした「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」の仕上げをユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで行っていた。映画とライドに対する絶大な期待を考えると『ジュラシック・パーク』をフロリダの第2のパークに設置することにより、ウォルト・ディズニー・カンパニーに勝るパークになることができるのではないかと考えた。しかし、まだコンテンツが不十分だと考え、再び他社から誘致しようと考えた。そこでDCコミックスに取って代わる、ユニバーサル・スタジオと喜んで取引を行うコミック会社を発見する。それがマーベル・コミックだった。1990年代、マーベル・コミックにとって経営困難な時期であり、自社のキャラクターの権利を映画会社に売っていた。そして同時期に、マーベル・コミックはユニバーサル・スタジオにマーベルの世界に基づいたテーマパークのアトラクションを永続的に構築する独占的な権利を『アベンジャーズ』、『X-MEN』、『スパイダーマン』、『ファンタスティック・フォー』(ユニバーサル・スタジオ・ジャパンには、『スパイダーマン』のみ)にのみ与えることに同意した。この契約には、ウォルト・ディズニー・カンパニー、タイム・ワーナー、シックス・フラッグス、レゴランド、ソニー、パラマウント・ピクチャーズ・コーポレーション、シーワールドが所有・運営・販売する、テーマのあるエンターテイメントエリアと一緒に、マーベルをテーマにしたエリアを販売してはならないと明記されている。さらに、マーベルをテーマにしたエリアをマーベルをテーマにしたエリアが存在するユニバーサル・スタジオのテーマパークから97km圏内に設置することを禁止している。タイム・ワーナーからマーベル・コミックにパートナーシップが変わった後、ゴダードとユニバーサルは、マーベル・コミックの代表的キャラクター・スパイダーマンのアトラクションを第2のパークに開発しようとした。

ウォルト・ディズニー・カンパニーとの関係

2009年のウォルト・ディズニー・カンパニーのマーベル・コミック(マーベル・エンターテインメント)買収の際にユニバーサル・スタジオと個別契約を交わし、『スパイダーマン』の一部の使用料をウォルト・ディズニー・カンパニーに支払うことで、これまで通り使用することができるようになった。

契約内容はミシシッピ川以東では、ユニバーサル・スタジオが『アベンジャーズ』、『X-MEN』、『スパイダーマン』、『ファンタスティック・フォー』(ユニバーサル・スタジオ・ジャパンには、スパイダーマンのみ)の使用権を有しているため、東京ディズニーリゾートとウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの2つのパークは契約上「マーベル」という名前や(日本の場合、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンがスパイダーマンの権利をもっているため、東京ディズニーリゾートではスパイダーマンのアトラクションのみ使用できないが、逆にユニバーサル・スタジオ・ジャパンがスパイダーマン以外のマーベル・キャラクターをアトラクションなどに使用することも許されていない)、マーベル・シネマティック・ユニバースのスパイダーマンも使用できない。今後開園予定のユニバーサル・パークでもマーベルは使用出来ない。そのため、世界のディズニーパークでは「アベンジャーズ・キャンパス」と言ったエリアが誕生するほか、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのエプコットには「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コスミック・リワインド」や「ウェブスリンガーズ:スパイダーマン・アドベンチャー」がオープンする。なお、ウォルト・ディズニー・カンパニーとのライセンス契約で運営しているオリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)では、2020年9月28日に東京ディズニーランドのアトラクションである「ベイマックスのハッピーライド」がオープンするまで、マーベル作品をモチーフとした施設が存在していなかった。なお、東京ディズニーリゾート・ハロウィンでは、スパイダーマンを除くマーベルキャラクターの仮装が出来るようになった他、ディズニーアンバサダーホテルにおいては、マーベルをテーマにした客室が出来る。

ちなみにこれは、パーク内の契約のみ有効であり、ディズニーストアにはスパイダーマンを含むマーベル関連のグッズが販売していたり、パーク外展開は全てディズニーに権利が渡っている。この契約は現在も有効であるため、ユニバーサル・オーランド・リゾート「マーベル・スーパー・ヒーロー・アイランド」の存在はあるが、ウォルト・ディズニー・カンパニーの方針によってはユニバーサル・スタジオからマーベル展開権を無効にすることもできる。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、マーベル・エンターテインメント(ウォルト・ディズニー・カンパニー)との契約により、パーク内のスパイダーマンの使用期間を2024年1月22日までに設定した。これにより、パーク内のスパイダーマンの使用契約をオリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)へ移管した。

新たなライドシステム

1996年、スパイダーマンをテーマにしたアトラクションの開発がスタートした。スコット・トローブリッジがプロデューサーを務め、ティエリー・クープが監督と制作デザイナーを務めた。彼らは、1990年代当時から30年以上前に開発されたライドシステムに着目し、新たな形で利用できないかと模索した。30年以上前に開発されたライドシステムとは、ディズニーの「アドベンチャー・スルー・インナー・スペース」で開発され、現在では「ホーンテッドマンション」で利用されている「オムニムーバー」である。「オムニムーバー」に着目した利点は2つある。1つは、コンスタントなローリング式ライドのため、1度に大量のゲストの案内が可能となり、混雑しにくい。もう1つは、ベルトコンベヤー上に設置した回転式ライドは、ゲストに着目してほしいスポットに向ければ、ゲストの注意を惹くことが可能となる。

追加して、ゴダードは、ワイルドなものを取り入れたいと望み、後にそれは3D映像となった。ライドの方向に3D映像を設置し、適切な瞬間に映像のアクションを発生させればよいと思いつく。それまでは、テーマパークでの3D映像を用いたアトラクションは、ディズニーの「スター・ツアーズ」や「キャプテンEO」、ユニバーサル・スタジオの「ターミネーター2:3D」が挙げられるが、全て固定の場所から鑑賞するもので、3D映像を越えてゲストを移動させるというものは存在せず、成功すれば、世界初の斬新な3Dライドの発明といえた。最中、ディズニーランド・リゾートでは、1995年3月にオープンした「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:禁断の瞳の魔宮」により、エンターテイメント業界が揺れ動いた。特殊効果が多く盛り込まれたダークライドは、あらゆる面で画期的なものであった。特に、ゲストが乗車する「エンハンス・モーション・ビークル」は、最も技術の進んだものとなった。

ビークルは、レール上を走るが、走行時には車体上部が座席ごと大きく上下左右に動く仕組みとなっている。これらを目の当たりにしたゴダードたちは、計画を変更し、「オムニムーバー」ではなく、「エンハンス・モーション・ビークル」のようなライドシステムを開発することを決めた。そして、開発されたのが、現在使用されているライドシステム「スクープ」である。このライドシステムを開発する過程では、「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:禁断の瞳の魔宮」の要素と自社の既存のアトラクション「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」のライドシステムを参考に開発に取り組んだ。

ライドが走行するセットには、開発の初期段階から出ていた3D映像を設置することが決定した。この部分は、「ターミネーター2:3D」を参考した。しかし、ただの3Dシアターではなく、ライドが駆け抜ける空間を演出しなければならないため、繋ぎとして実物のセットを用意し、3D映像を馴染ませた空間を作ることとなった。そこでアトラクションのシーンごとの内訳をストーリーボードに盛り込み、アトラクションのシーン全体に投影される立体視フィルムをアニメーション化した。そして、13台の高さ9mのプロジェクションスクリーンをショービルディング全体に点在し、実物のセットと統合させた。3D映像のメイキングにおいても、普通の3Dシアターの映像よりも工夫が必要となった。ゲストの視点からは、3D映像に近づく、離れる、通り過ぎるモーションがあるため、アニメーターはそれらのゲストの視点の変化を考慮する必要があった。最終的に彼らは、これまでになかったプロセスを開発した。ゲストの移動する視点に対して、一致するようにアニメーションを効果的に歪ませて製作した。ユニバーサル・スタジオは、この方法の特許を取得した。

このライドシステムは、2011年11月7日にユニバーサル・スタジオ・シンガポールにオープンした映画作品『トランスフォーマー』をテーマにした「トランスフォーマー・ザ・ライド3D」などで使用された。その後、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド、ユニバーサル・スタジオ・フロリダにも同アトラクションが設置されている。

評価

世界で最も優れたアミューズメント・ライドの1つとして多くの特集が組まれており、フィラデルフィア・インクワイアラー紙のハワード・シャピロは、「このアトラクションは、どこでもテーマパークのオールタイム・アトラクションの1つになるに違いない」と述べ、クライマックスを「最も驚くべき効果」と表現している。The Ledgerのビル・ディーンは、「アイランズ・オブ・アドベンチャー内の最も印象的なアトラクション」と表現している。About.comのアーサー・レバインは、「信じられないほど洗練されたアトラクション」として5つ星を与えた。また、アトラクションのリニューアルについて「アトラクションをさらに没入感と畏敬の念を抱かせる」と述べた。

また、テーマパーク業界における数々の賞を受賞しており、1999年から2010年まで12年連続でアミューズメント・トゥデイのゴールデン・チケット・アワードでベスト・ダーク・ライドを受賞した。その後、アイランズ・オブ・アドベンチャーのアトラクションである「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」が2011年に第1位を獲得したのに続き、この部門では第2位にランクインした。 2000年には、卓越したテーマとデザインに対してテーマエンターテイメント協会(The Themed Entertainment Association: TEA)からティア・アワードを受賞した。また、一般投票によるテーマパーク・インサイダー賞やスクリームスケープ・アルティメット賞も多数受賞している。

関連項目

  • ウェブスリンガーズ:スパイダーマン・アドベンチャー - ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーに2021年6月4日オープンし、ウォルト・ディズニー・スタジオ・パークに2022年7月20日にオープンした「スパイダーマン」をテーマにしたアトラクション

脚注

外部リンク

  • The Amazing Adventures of Spider-Man - アイランズ・オブ・アドベンチャー(ユニバーサル・オーランド・リゾート)(英語)

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: アメイジング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン by Wikipedia (Historical)


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