日高本線(ひだかほんせん)は、北海道苫小牧市の苫小牧駅から勇払郡むかわ町の鵡川駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線(地方交通線)である。
以前は胆振総合振興局管内東部と日高振興局管内南西の太平洋沿岸を結ぶ、様似郡様似町の様似駅までの146.5 kmの路線であったが、全線の約8割 (116 km) にあたる鵡川駅以南は、2015年1月に発生した高波で線路が被災して運休となり、以降復旧することなく2021年4月1日に鉄道事業が廃止され、正式にバス転換された。これにより日高本線は胆振管内止まりで日高管内を通らなくなり、路線名のみに「日高」の名前が残ることになった。
海沿いに線路が敷設されたため、部分廃止の要因となった2015年の高波被害以外にも護岸侵食や土砂崩れなどが頻発した路線である(後述)。
2021年4月1日の部分廃止以降の路線距離は30.5 kmとなり、2023年時点で「本線」を名乗るJR線としては留萌本線に次いで2番目に短い路線である。
輸送密度は以下の通り。ただし、2015年(平成27年)1月の盛土流出に伴う運休のため、2014年(平成26年)度は2014年(平成26年)4月から12月までの実績を用いて、2015年(平成27年)度は運休区間のバス代行輸送の人員を含めて算出している。
収支(営業収益、営業費用、営業損益)と営業係数は以下の通り。いずれも管理費を含めた金額である。▲は赤字を意味する。
王子製紙の関連会社であった苫小牧軽便鉄道(1913年(大正2年)10月1日開業)と日高拓殖鉄道(1924年(大正13年)9月6日開業)という2つの軽便鉄道(軌間:762 mm)を、改正鉄道敷設法別表第133号に規定する予定線の一部として1927年(昭和2年)8月1日に国有化して改軌(軌間:1,067 mm)した路線で、これを1933年(昭和8年)から1937年(昭和12年)にかけて様似駅まで延長した。計画では、襟裳岬を回って広尾を経て帯広まで結ぶこととされ、帯広側では広尾線が広尾駅まで開業していたが、広尾線は1987年(昭和62年)2月2日に廃止されている。未成区間の様似駅 - 広尾駅間はジェイ・アール北海道バスの日勝線で連絡していた。
2015年(平成27年)1月7日から8日にかけて、猛烈に発達した低気圧が北海道を直撃した。これに伴う高波による土砂流出の影響で、鵡川駅 - 様似駅間が不通となった。2016年(平成28年)9月16日現在、列車が運行されているのは苫小牧駅 - 鵡川駅間(下り8本・上り9本)のみで、鵡川駅 - 静内駅間(下り8本・上り7本)および静内駅 - 様似駅間(6往復)は代行バスが運行されている。代行バスは静内駅において系統分割されており、2016年(平成28年)8月17日以降、同駅で乗り継ぎが可能なのは下り3本・上り2本のみである。
被災区間については護岸工事を要するため復旧の見込みが立たず、JR北海道は工法検討を鉄道総合技術研究所に委託し、そのコンサルティング報告に基づき、根固工の施工や消波ブロックの設置などのほか、護岸改築などの抜本的な対策が不可欠だと判断。同年4月28日に概算工事費と必要工期について2案を発表した。
しかし、2015年(平成27年)9月12日の台風17号による影響で、豊郷駅 - 清畠駅間および厚賀駅 - 大狩部駅間でさらなる路盤流出が発生したため、2016年(平成28年)1月14日に修正後の概算工事費の算定結果を発表した。
2016年(平成28年)8月9日、新冠町役場で開かれた第4回沿線自治体協議会で、JR北海道は鵡川駅 - 様似駅間の復旧後の維持に向け、「単年度赤字分11億1千万円と、年間の防災・老朽対策費の5億3千万円、合わせて年間16億4千万円をJR北海道と管内7町で負担することが必要だ」との考えを示した。これを受けて、北海道知事の高橋はるみはJR北海道に対して、「維持費の詳細な内訳や積算根拠を明らかにすべきだ」との認識を示した。
9月8日に開かれた第5回沿線自治体協議会では、JR北海道が年間3億円を負担し、残りの年間13億4千万円を沿線自治体が負担するように求めた。JR北海道は列車本数を減らすなどしても、維持費は年間1億3千万円しか減らせないと説明しており、上下分離方式を導入した場合も地元負担は同額であるとされる。これを受けて、10月25日までに沿線の7町は「JR北海道が示した地元負担の要求は受け入れられない」として大筋で合意した。
2016年(平成28年)8月17日に台風7号、4日後の21日に台風11号、2日後の23日に台風9号が立て続けに北海道に上陸し、日高本線に更なる被害が発生した。
この一連の台風被害による影響でさらに復旧費が増加し、同年11月に合計で約86億円になり、さらに運行を再開した場合の沿線自治体の負担が年間13億4,000万円に上るとの試算を発表した。11月7日、沿線7町は「JRから示された(上下分離方式を含む)地元負担額は極めて大きな金額であり、継続的に負担できない」として拒否することを正式に表明し、同時にJR北海道に対して「今後の日高線のあり方について鉄道事業者として責任ある回答をいただきたい」と求めた。
これを受けて、JR北海道は11月9日の定例会見にて、「(日高本線の『将来像』については)直接、関係自治体の皆さんに答えを返したい」と返答した。
豊郷駅 - 清畠駅間の被災現場の海岸沿いには、波による浸食を防ぐため、金網で石を包んだ高さ1メートルほどの「石かご」が約100メートルにわたり2列並べられていたが、うち1列が台風10号の影響で流失し、応急処置として80個設置されていた消波ブロックも約50個流失したため、同年11月に設置し直された。大狩部駅付近では台風による高波でコンクリート護岸が倒れ、高さ3メートルにわたり土砂がえぐられた。厚賀駅 - 大狩部駅間の被災現場は5か所ほど存在し、国道235号から最も近い現場から西には工事車両さえ入ることができず、残る4か所は手つかずの状態となっている。
2016年の台風被害によって復旧費が増大したことによって、沿線7町の意見は分かれることとなった。むかわ町・新冠町、浦河町は全線復旧および維持を求める立場を崩さず、日高町は「被災していない線路はすぐにでも運行を再開すべきだ」と早期の部分再開を求めたのに対し、平取町は「(廃線方針には反対だが)現実的な状況を踏まえて協議していかなければならないだろう」、様似町は「限りなく全線再開は難しい状況だ」とし、えりも町では「議論の長期化はすでに限界に来ている。バス転換もやむを得ないのではないか」、「たとえ復旧しても被災すれば不通を繰り返すだけ。鉄道存続にこだわるより、住民の足をどう守るかの議論が大切ではないか」とのバス転換もやむを得ないという意見が出された。そのため、将来にわたる地域交通の在り方への考え方には各町でずれが生じた。
また、新ひだか町では鵡川駅 - 様似駅間の廃止は避けられないとの考えから、「同区間のバス転換による新たな交通体系の再構築」や「国道整備や高規格道路の早期延伸」に向けた住民有志の市民団体「日高の公共交通を考える有志の会」が発足している。
苫小牧側の日高町など一部の自治体では、一連の災害でも大きな被害が発生しなかった鵡川駅 - 日高門別駅間の部分的な運行再開を望んでいたが、日高門別駅への折り返し設備工事等にも約1億円を要するとの試算が出されている。
2016年(平成28年)11月22日、日高町長は「全線復旧を求める考えに変わりはない」と前置きしながらも、「日高門別まで再開できれば隣接する平取町も不便が解消される」「13億4千万円は巨額だが、大きな被害がなかった鵡川駅 - 日高門別駅間の部分負担なら話は違ってくる」として、JR北海道に対して「仮に日高町内まで運行再開できるのであれば、(折り返し運行に必要な設備の新設費用や赤字補填、施設維持費などの)費用はどのくらいかかるか試算してほしい」と伝え、沿線自治体の中では初めて、一定の地元負担に前向きな考えを示した。また、岩倉博文苫小牧市長は同日開かれた東胆振の1市4町(苫小牧、むかわ、厚真、安平、白老)の首長懇談会において、「(鵡川駅 - 日高門別駅間の復旧について)日高町から1市4町の首長懇談に参加したい意向が正式に示されれば、連携を視野に検討する」という考えを示した。
10月21日、沿線の7町が代替バスへの転換を前提に、鵡川駅 - 様似駅間の一部廃線を容認することで合意したことが『北海道新聞』で報じられたが、10月25日の『苫小牧民報』では7町の首長が「そのような事実はない」と否定した。
11月18日、JR北海道は厳しい経営状況を理由に10路線13区間を「自社単独で維持することが困難な路線」として発表した。日高本線は全線が『自社単独では老朽土木構造物の更新を含め「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できない線区』とされ、経費節減や運賃値上げ・利用促進策・上下分離方式への転換などを軸に沿線自治体と協議する予定であるとした。
12月15日、JR北海道は少なくとも日高門別駅 - 様似駅間の鉄道による復旧を断念し、廃止およびバス転換とする方針を固め、同年12月21日にその旨を沿線8町(むかわ町、浦河町、日高町、平取町、新冠町、新ひだか町、様似町、えりも町)に伝達した。JR北海道の島田修社長は廃止およびバス転換する方針を廃止時期には言及しなかったが、JR北海道の方針が「一方的だ」などとして、同日の説明会には公務や体調不良を理由に新ひだか、浦河、様似、えりもの4町長が欠席し、担当課長らが代理で出席した。なお、前述する鵡川駅 - 日高門別駅間については「別途試算を出し、地元負担などで運行再開が可能かどうかを引き続き検討する」ともコメントしている。この復旧断念のプレスリリースを受けて、北海道知事の高橋はるみは「この度のJRの方針は、極めて残念」とのコメントを発表した。
2017年(平成29年)2月18日、沿線の7町が協議会において、新ひだか町からデュアル・モード・ビークル (DMV) 方式の導入を提案されたことを受けて、DMVなど代替交通機関のあり方を調査、研究する新しい組織を近く設置することを決めた。2018年(平成30年)7月31日、沿線7町の協議会で検討されていたDMV、およびその後検討されたバス・ラピッド・トランジット (BRT) 方式の導入が断念された。
11月17日、沿線の7町が臨時会議において、日高門別駅 - 様似駅間の復旧を断念することを決めたが、同年12月25日には浦河町が全区間を復旧したい意向を示した。
2019年(平成31年)1月28日、新ひだか町で開かれた沿線7町の会議において、北海道庁の幹部より、JR北海道が鵡川駅 - 様似駅間を廃止・バス転換した場合、海岸保全などを目的に、被災した鉄道護岸の復旧に着手する意向であるという説明を行った。
2月27日、新ひだか町で開かれた沿線7町の会議において、JR北海道と各町が個別協議に入ることを決めた。
4月9日、JR北海道が公表した『JR北海道グループ中期経営計画2023』において、鵡川駅 - 様似駅間をバス転換させる際は以下の考え方であることを発表した。
令和元年9月19日、平取町が鵡川駅 - 様似駅間の廃止・バス転換を容認する意向を示し、5日後の9月24日、新ひだか町で開かれた沿線7町の臨時会議において、平取町、新冠町、新ひだか町、様似町、えりも町の5町が「鵡川駅 - 様似駅間の廃止・バス転換」、日高町が「鵡川駅 - 日高門別駅間の復旧および日高門別駅 - 様似駅間のバス転換」、浦河町が「鵡川駅 - 様似駅間の復旧」を主張した。
11月12日、新ひだか町で開かれた沿線7町の臨時会議において、浦河町以外の6町の賛成による多数決により、「鵡川駅 - 様似駅間の廃止・バス転換」へ向け各町がJR北海道との個別協議に入ることを決めた。また、同区間をバス転換する案の内容を、11月21日に北海道新聞が報道した。
2020年(令和2年)6月4日、JR北海道が沿線7町に対し、代替バスの運行や地域振興のために総額25億円の支援金(18年間分の転換バス運行費20億円、駅舎や鉄道施設跡地を活用する地域振興費5億円)を拠出する案を提示したことを、同年6月5日に北海道新聞が報道した。
7月16日、町公民館で開かれた沿線7町の臨時会議にて、鵡川駅 - 様似駅間の廃止の最終合意に至らなくても、翌3月のJRバスのダイヤ改正に合わせて、転換バスの試験運行をすることをJR北海道へ要望することを決めた。
2020年(令和2年)8月12日、新ひだか町で開かれた沿線7町の臨時会議にて、2021年3月末に鵡川駅 - 様似駅間を廃止し、4月から代行バスを運行することで、2020年9月中にJR北海道と沿線7町が最終合意することを決めた。
9月17日の『北海道新聞』で、JR北海道と沿線7町が同年9月28日に臨時会議を開き、鵡川駅 - 様似駅間の廃止に関して最終合意を行う方針を固めた旨が報じられたが、9月28日に開かれた臨時会議では、鵡川駅 - 様似駅間廃止の最終合意は、廃止した区間の護岸工事について道やJRの負担の割合が決まっていないとして見送られた。
10月6日、新ひだか町で開かれた沿線7町の臨時会議にて、JR北海道と沿線7町が鵡川駅 - 様似駅間を2021年4月1日に廃止し、同日に代替バスを運行開始することで最終合意を行った。10月23日にはJR北海道と沿線7町が、鵡川駅 - 様似駅間の廃止・バス転換などに関する覚書を締結した。同日には北海道知事鈴木直道は「地域の声に耳を傾け、情報提供や助言、調整をしっかりやりたい」と述べ、鵡川駅 - 様似駅間の廃止にあたって支援を行いたい考えを示している。
なお、鵡川駅 - 様似駅の廃止は、JR北海道の路線としては、初めて災害で不通となったまま最終合意が行われた事例となった。また、鵡川駅 - 様似駅間の廃止は、2016年にJR北海道が『自社単独で維持することが困難な路線』を公表して以降、石勝線新夕張駅 - 夕張駅間(2019年4月1日廃止)、札沼線北海道医療大学駅 - 新十津川駅間(2020年5月7日廃止)に続いて3例目となる。
鵡川駅 - 様似駅間の廃止合意後の10月27日には、JR北海道が国土交通大臣宛てに、同区間の鉄道事業廃止届を提出した。この届出提出時点では、鵡川駅 - 様似駅間の廃止予定日は2021年(令和3年)11月1日とされており、国土交通省北海道運輸局の聴取により繰り上げが認められれば、同年4月1日に廃止予定日を繰り上げるとしていた。
その後、12月8日には意見聴取が開かれ、JR北海道は国土交通省に対し、鵡川駅 - 様似駅間の廃止日を2021年4月1日に繰り上げるよう要請。同月28日には、国土交通省北海道運輸局が、国土交通大臣よりJR北海道や地方自治体に対して、「意見聴取の結果、廃止の日を令和3年4月1日に繰り上げたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認める」として、鵡川駅 - 様似駅間の鉄道事業廃止日の繰り上げを認める通知を行ったことを発表した。これを受けて、JR北海道は翌2021年1月5日に、鵡川駅 - 様似駅間の鉄道事業廃止日を繰り上げる届出を提出、同区間は同年4月1日に廃止される見通しとなった。
2021年(令和3年)2月18日には、日高町村会と日高地域広域公共交通確保対策協議会、JR北海道が、日高振興局での記者会見の席上で、鵡川駅 - 様似駅間の廃止に伴うバス転換の概要を以下のように発表した。ただし、以下は2021年(令和3年)2月18日時点では認可申請中であり、変更の可能性があるとしている。
2021年(令和3年)2月21日付『北海道新聞』では、代替バスの系統が以下のようになると報道されている。
鵡川駅 - 様似駅の廃止に向けて、2021年(令和3年)2月より、鵡川駅 - 様似駅間を含めた日高本線全29駅の記念入場券(アクリル製駅名標を模したもの)と収納用の台紙がセットで発売されている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行による移動自粛要請等があったことから、2021年2月26日より予定されている苫小牧駅および静内駅での発売に先行して、郵送での発売が同年2月2日 - 2月21日まで実施された。
これ以外に、JR北海道による記念行事は行われない。
鵡川駅以南の廃線後への備えとして、苫小牧市など1市4町で構成する「JR北海道の維持困難線区に関する東胆振首長懇談会」が2021年1月25日に開いたオンライン会議で、苫小牧駅 - 鵡川駅間の存続を求めることを確認した。高波による被害を受けた新冠町内の海岸の護岸については、北海道が主体となり対策が行われる。2021年(令和3年)度は計画立案に向けた現地調査業務が実施される。
廃線前にJR北海道が運行していた代行バスに代わる路線バスや高速バスは、1日の便数(平日)は134から97に減ったものの、バス停は、JR北海道と沿線7町、道南バスが協議して国道235号沿いの学校や病院の近くなどに10か所新設して158か所に増えた。様似と苫小牧を結ぶ高速バスの片道所要時間は3時間19分で、鉄道時代(3時間3分)とあまり変わらない。
日高町では、町内5駅の活用案を町民から募集し、日高門別駅を地域の観光拠点として活用することとなった。ホームや線路約600mも保存する見通しで、駅舎と合わせてJR北海道に無償貸付けを申請している。
新冠町では、オープンから22年が経過した道の駅サラブレッドロード新冠のリニューアルにおいて廃線跡地を活用するなど、鉄道用地の利活用を行う方針である。
浦河町では、廃線跡地の活用に向けて町民からアイデアを募集し、駅舎の道の駅化、トロッコ列車運行など約20件が寄せられた。民間では沿線住民有志が2020年(令和2年)12月、「日高線廃止後の鉄路の活用を考える会」を発足させ、イベントや観光への活用を検討している。
廃線をテーマに2019年12月から撮影が始まったドキュメンタリー映画『日高線と生きる』(監督:稲塚秀孝)が制作され、2021年10月23日から苫小牧市や札幌市で上映された。
全線を日高線運輸営業所が管轄している。
現行ダイヤでは全列車が苫小牧駅 - 鵡川駅間の線内運行で、下り8本・上り9本が設定されている。途中駅での列車交換はなく、全線所要時間は29 - 30分である。
高波災害前は苫小牧駅 - 様似駅間の直通列車(下り5本、上り6本)と苫小牧駅 - 鵡川駅・静内駅間、静内駅 - 様似駅間の区間運転列車があり、3時間以上運行のない時間帯があった。また、土曜・休日や学校休校日には、「ホリデー日高」が静内発苫小牧行きで運行されていた。
車両は苫小牧運転所のキハ40形気動車(1700番台)が使用されている。かつてはキハ40形気動車(350番台)のほか、当線限定運用のキハ130形やキハ160形が導入されていたこともあった。また、キハ40形気動車(350番台)については、2021年3月13日のダイヤ改正をもって営業運転を終了した。
この路線では年末年始も休日ダイヤを採用せず、臨時列車扱いで鵡川発苫小牧行きの夕方の列車を追加運行していた。
1998年(平成10年)7月から2013年(平成25年)5月まで、千歳線直通で札幌駅 - 様似駅間を運転していた臨時列車。当初は夏休みに北海道を訪れる観光客や、日高本線沿線から札幌方面へ出かける利用者の便宜を図るため、千歳駅 - 様似駅間で上り1本、下り2本が運転された。後年に運転区間が札幌駅 - 様似駅間に延長され、日本屈指の桜並木がある静内町への観光列車として運転された。
運行は毎年5月の観光シーズンの数日のみ、1日1往復の運行で、キハ183系特急形気動車「ニセコエクスプレス」(5000番台)が使用されていた。かつては、当線で通常使用されているキハ40形気動車(350番台)や学園都市線用のキハ141系気動車がヘッドマークを変えるだけで使用されたこともあった。なお、運転開始から一貫して臨時快速列車の扱いだったが、2011年(平成23年)度からは臨時普通列車扱いとなった。全席自由席での運転。
当線内は定期普通列車の置き換えであるため、各駅に停車する。線路配線の都合で苫小牧駅で列車の進行方向が変わる。千歳線内の停車駅は同線を走行する昼行特急と同じだが、ダイヤの編成の都合で運転停車を行い後続列車に追い抜かれる場合もあり、同線内での所要時間は快速「エアポート」よりも遅くなる。
2014年(平成26年)以降は運転されていない。
1999年(平成11年)7月24日から2001年(平成13年)6月17日までの間、鵡川駅 - 静内駅間を運転していた臨時列車。日高線運輸営業所が日高観光の呼び水として計画し、1999年(平成11年)は7 - 8月の毎週土曜日に運転された。当時老朽化などにより一部の車両が運用を離脱していた、キハ130形気動車1両によって運転された。車体は馬のイラストが書かれた専用塗装となり、車内にはドリンクホルダー付きのテーブル、木馬と記念撮影できるスペースなどが設けられた。2001年(平成13年)6月17日、車両の老朽化などにより運行終了となった。
苫小牧駅 - 鵡川駅間は定期列車に併結されて運用されていた。観光ガイドによる車内放送があり、沿線の牧場・鉄橋などの見どころでは速度を落として運転した。
2001年(平成13年)12月27日から2015年の土砂流出による不通までの間、土曜・休日に、静内駅発苫小牧駅行きが1本運行されていた普通列車。学校の休校日に設定されることもあった。
廃止区間内にあったものを除く。括弧内は苫小牧駅からの営業キロ。
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