『IN THE LIFE』(イン・ザ・ライフ)は、日本の音楽ユニット・B'zが1991年11月27日にBMGビクターからリリースした、5作目のオリジナル・アルバムである。このアルバムは、後にBMGルームス(現:VERMILLION RECORDS)の設立に伴い、発売権がBMGルームスに移行している。
概要
アルバムタイトルの「LIFE」は、「人生」ではなく「生活」を意味している。
打ち込みは多用しているが生音と併用しており、前作『RISKY』までのダンス・ビート色はなく、現在の作風に通じるアナログ色が強い。松本は「『MARS』でハードなものが堪能できたので、その反動で日本で言うところのJ-POPみたいなものがやりたかった」「最初からアルバムの構成・バランスも考えこんだ上で制作した」と語っている。
先行シングル『ALONE』同様、ジャケットの「B'z」のロゴマークが新しい物になっている。このロゴはアルバムでは4thミニ・アルバム『FRIENDS』まで使用された。
初回盤のみ48ページのブックレット(写真集)、ブックレットとCDケースを入れる紙製の箱が付属している。ディスクを入れる部分にはB'zと刺繍された傷防止剤が入っている。ちなみにジャケットに写っている2人が着ている服はそれぞれの私服。また、B'zのオリジナル・アルバムとしては初めて裏ジャケットに「B'z」ロゴやアルバムロゴが表記されていない。
歌詞カードには、パノラマ画像が載っている。
前作『RISKY』以降に発売されたシングル「LADY NAVIGATION」は未収録となった。
男性アーティスト史上初の初動でミリオンを突破した作品である。オリジナル・アルバムでは『LOOSE』に次いで2番目の売上を記録している他、オリジナル・アルバムでは自己最高位の年間チャート2位にランクインした。
2018年に結成30周年記念として『DINOSAUR』までのオリジナル・アルバムと共にアナログレコード化された。
収録曲
楽曲解説
- Wonderful Opportunity
- シャッフルビートの楽曲で、サビでは頻繁に韻を踏んでいる。
- 楽曲について松本は「詩がスゴイ面白いからね。助けられてる。あの詩によってオープニングかな?という感じもしたし」と語り、ディレクターは仮歌の時点からアルバムの1曲目と主張していた。
- 稲葉は歌詞について、「辛いことがあった人が慰められるように意識して書いた」と語っている。
- コーラスに大黒摩季が参加している。
- ライブでは「恋心(KOI-GOKORO)」のように振り付けを踊りながら歌われる。
- ベスト・アルバム『B'z The Best "Treasure"』のファン投票では20位となり、20位の曲名を当てるクイズでこの曲を当てた人にはB'z人形がプレゼントされた。『B'z The Best "ULTRA Treasure"』ではファン投票4位にランクインされ収録された。
- TONIGHT (Is The Night)
- 稲葉によると「この歌を歌ってる時、山下達郎さんになりたいなと思ってました」とのこと。
- 歌詞について稲葉は「クリスマスをイメージして作詞した」「(楽曲作成当時)このような楽しいクリスマスを過ごせてなかったので、クリスマスへの憧れを託した」と語っている。
- 歌詞にサラ・ヴォーンが出てくる。
- ライブでは『B'z LIVE-GYM Pleasure '97 "FIREBALL"』以降暫く演奏されていなかったが、2008年に行われた『B'z LIVE-GYM 2008 "ACTION"』で約11年ぶりに演奏され、その後も2020年に行われた無観客配信ライブ『B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-』のDay1、 2021年に行われた『B'z presents LIVE FRIENDS』で演奏された。
- 『快楽の部屋』
- 歌詞について稲葉は「過去のライブのパンフレットのインタビューでライブのことを『快楽の部屋』と表現したことがあり、その言葉をもとに作詞した」「LIVE-GYMの閉ざされた空間での僕の肉体的な絶頂感と、男女間の絶頂感を重ねて書いた」「ハワイのホテルのベランダで作詞したので、開放的な感じになっていると思う」と語っている。
- ライブでは『B'z LIVE-GYM Pleasure '93 "JAP THE RIPPER"』以降長らく演奏されていなかったが、2020年に行われた無観客配信ライブ『B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-』のDay1で約27年ぶりに演奏された。
- 憂いのGYPSY
- 稲葉は「アメリカのロックバンドを意識した」と述べている。実際、エアロスミスの楽曲「What It Takes」に酷似していると指摘されている。
- Crazy Rendezvous
- 本作で最初にレコーディングされたが、その後アレンジを変更して改めて録り直されている。
- 当時の松本の愛車であるシボレー・コルベットの排気音から始まる。
- 歌詞に「マーヴィン・ゲイ」「エアロ」など実在のミュージシャンの名前が使用されている。
- 歌詞について稲葉は、「女の子が聴いたら怒るかも。だって男が強引だし。」とコメントしている。
- 2009年に行われた『B'z SHOWCASE 2009 -B'z In Your Town-』で約17年ぶりに演奏され、2番の歌詞を「ちょっと落ち着いてきたね ○○(その町の名前)だよここは」と変更した。
- もう一度キスしたかった
- ファンの間で非常に人気が高く、ベスト・アルバム『B'z The Best "Treasure"』、『The Ballads 〜Love & B'z〜』、『B'z The Best "ULTRA Treasure"』にも収録された。
- WILD LIFE
- 本アルバム制作過程の終盤に制作された曲。
- 松本はこの曲について「稲葉の作詞が行き詰まり、声の調子も悪くなって、稲葉が一番苦労した曲」と語っている。
- レコーディングはライブメンバーによる一発録りとなっており、松本も稲葉もそれに手ごたえを感じたという。稲葉はそれに触発され作詞を行った。
- 歌詞のなかに「ブロンコ・ビリー」が登場しており、「人生は一度しかない」というフレーズも同映画に登場するセリフ。
- それでも君には戻れない
- 歌詞は、仕事で忙しくて構ってあげられなかった彼女に突然ふられた、主人公の男の堕落した生活ぶりをドキュメント調に表現している。稲葉は「まずタイトルから思いつき、そこからインスピレーションを広げて作詞を行った」「『戻る』ことのほうが簡単だと思う。だから自分自身に言い聞かせる歌。こういう状況にいる(いた)人達に思い出に酔ってもらいたい」と語っている。
- 『B'z LIVE-GYM 2008 "ACTION"』で、リリースから約17年越しに初演奏された。これにより、本作の収録曲は全て演奏された事になる。
- あいかわらずなボクら
- アコースティック・ギター、タンバリン、ボーカルのみで構成される曲で、演奏時間は1分41秒と本作の中では著しく短い。
- 松本やサポートメンバーの明石昌夫、田中一光、広本葉子の3人がコーラスとして参加している。最後のくしゃみや「いこうよ!いこうよ!」という声は松本のもの。
- ライブでは『B'z LIVE-GYM '93 "RUN"』以降長らく演奏されていなかったが、2007年に行われた『B'z SHOWCASE 2007 -19-』、『B'z SHOWCASE 2007 -B'z In Your Town-』で約14年ぶりに演奏され、その後も『B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』、無観客配信ライブ『B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-』のDay1で演奏された。
- ALONE
- 9thシングル。本作の先行シングル。
- 「Crazy Rendezvous」に次いで2曲目に制作が開始されたが、制作には時間を費やしたとのこと。
- 表記されていないがアルバムバージョンであり、英語のコーラスがイントロに追加されている。イントロ以外はシングルの音源と全く同じ。また、シングルの歌詞カードには記載されていなかったコーラスの歌詞が記載されている。
- ベスト・アルバムでは『B'z The Best "Pleasure"』と『B'z The Best "ULTRA Pleasure"』にはシングルバージョンが、『The Ballads 〜Love & B'z〜』にはアルバムバージョンが収録されている。アルバムツアーではこのアルバムバージョンで演奏され、ラストのコーラス(原曲では2回)が3回に増えており、その後のツアーでもラストのコーラスが3回に増えている。
- なお、収録順の仮決めの段階でラストナンバーになることが決まっていた。
- もう一度キスしたかった (LIVE ver.)
- 台湾盤、香港盤にのみ収録されているボーナス・トラック。音源は過去の映像作品のもの。
- ALONE (LIVE ver.)
- 台湾盤、香港盤にのみ収録されているボーナス・トラック。音源は過去の映像作品のもの。
参加ミュージシャン
- 松本孝弘:ギター、全曲作曲・編曲、コーラス(#9.10)
- 稲葉浩志:ボーカル、全曲作詞、コーラス(#10)
- 明石昌夫:ベース(#7)、マニピュレーター、コーラス(#9)、全曲編曲
- 青山純:ドラム(#1-5.8)
- 田中一光:ドラム(#6.7.10)、タンバリン(#9)、コーラス(#9)
- 小野塚晃:キーボード(#3.6.10)
- 古村敏比古:サクソフォーン(#1-3)
- 大黒摩季:コーラス(#1.2)
- 広本葉子:コーラス(#9)
ライブ映像作品
シングル曲と「もう一度キスしたかった」については各作品の項目を参照
Wonderful Opportunity
- Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!" in 渚園〜
- B'z LIVE-GYM 2008 -ACTION-
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-
TONIGHT (Is The Night)
- B'z LIVE-GYM 2008 -ACTION-
- B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day1〜5
- B'z presents LIVE FRIENDS
『快楽の部屋』
- LIVE RIPPER
- B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day1〜5
あいかわらずなボクら
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST-
- B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day1〜5
脚注
注釈
出典
参考文献
- 『Treasure : B'z Chronicle 1988〜1998 10th anniversary special issue』ROOMS RECORDS、1998年9月20日。
関連項目
外部リンク
- B'z DISCOGRAPHY 『IN THE LIFE』 ※楽曲の試聴が可能
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