『THE CIRCLE』(ザ・サークル)は、日本の音楽ユニット・B'zが、2005年4月6日にリリースした、14作目のオリジナル・アルバムである。
概要
長期に渡るソロ活動を終えて発表されたオリジナル・アルバム。
アルバム・タイトルの『CIRCLE』は「輪廻」という意味合いをもたせている。これは、松本と稲葉が長いソロ活動の後に再集結し、作業を進める中で「バンドは破滅を繰り返しながらも再生していく」と輪廻を感じたことに由来している。
ジャケット写真は石垣島で撮影された。当初「夏の爽やかな一枚」を撮ることを予定していたが、台風が直撃したことにより、曇りの中での撮影となった。なお、このジャケット写真は、Appleの製品である初代iPod nanoの公式ホームページやカタログなどの液晶画面に使われていた。
10thアルバム『Brotherhood』以来となる、バンドメンバーを固定したジャム・セッションのスタイルをとっている。これは、最初からテーマとして上げたのではなく、自然とそのようにスタートしたものだという。
シングル曲は本作の先行シングル「愛のバクダン」のみで、前年のシングル「BANZAI」と「ARIGATO」は未収録となった。その一方で、3rdアルバム『BREAK THROUGH』以来約15年ぶりに2nd beatが収録されている。
本作のプロモーションの一環として、2000年12月以来約4年ぶりにニッポン放送『オールナイトニッポン』(2005年3月19日放送)のパーソナリティーを務めた。
同年に行われたアルバムツアー『B'z LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"』は、360度円形センターステージで行われた。
2018年に結成30周年記念として『DINOSAUR』までのオリジナル・アルバムと共にアナログレコード化された。
チャート記録・受賞歴
週間売上34.5万枚を記録し、オリコンアルバムチャートにおいて初登場首位を獲得。これにより19作連続での首位を獲得し、900作目の1位獲得作品ともなった。また、本作で史上初のアルバム総売上4000万枚を突破した。
第20回日本ゴールドディスク大賞でロック&ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
収録曲
楽曲解説
- THE CIRCLE
- 演奏時間が2分に満たない1コーラスのみの楽曲で、アルバムのイントロダクションとなる曲である。
- エスニック調のアレンジがなされている。これは松本がプーケットに旅行に行った際にガムラン風の音楽を聴いたことが影響している。
- パーカッションやSEは、打ち込みではなく全てドラムスのシェーン・ガラースによって演奏された生音。
- PVが制作されており、内容は稲葉が崖の上で歌い、松本が古びた灯台の窓辺でアコースティック・ギターを弾くというもの。
- アルバムツアーではバンドメンバーの入場SEとして長めに編集されたインストゥルメンタルが使用されたが、演奏披露はされていない。
- X
- 前曲「THE CIRCLE」のトラックの最後にこの曲のイントロが重ねられている が、元々「THE CIRCLE」と続けて配置するつもりはなく、レコーディングも別々だった。しかし並べてみたところしっくりと来たのでこの並びになったという。
- アルバムツアーではドーム公演のみ演奏された。
- パルス
- 発売後、NHKドラマ『生き残れ』テーマソングに起用された。
- サビのPVも制作された。
- アルバムツアーのホール・アリーナ公演では、1曲目として演奏された。また、この曲が同ツアーで演奏された際の映像が42ndシングル『SPLASH!』の初回限定盤(ブルー)の特典DVDに収録されている。
- 愛のバクダン
- 38thシングル。本作の制作過程では最後に制作された。
- Fly The Flag
- ライブでは未演奏。
- アクアブルー
- 本作では数少ない長調の楽曲。
- いくつかのデモテープを組み合わせて出来た曲で、「愛のバクダン」が出来るまではシングル曲候補だった。
- 稲葉によると、アクアブルーとは携帯電話の着信ランプのことで、複雑な男女の恋愛関係を女性視点で表した歌詞となっている。
- 睡蓮
- Sanctuary
- アルバムツアーではホール・アリーナ公演のみ演奏された。
- Fever
- 38thシングル『愛のバクダン』2nd beat。
- アルバムにシングルの2nd beatが収録されたのは、「LOVE & CHAIN」以来約15年ぶりとなった。
- 白い火花
- B'zの楽曲では数少ないベースソロが存在する。
- ライブでは未演奏。
- イカロス
- 三連系の曲。A・Bメロはゆったりしたビートで、サビからテンポが速くなる。
- タイトルのイカロスについて稲葉は、「アテネオリンピックの時に本屋さんでギリシャ神話を買ってきて、まぁオリンピックとどんどん関係なくなってったけどいいなぁと思った。」と語っている。
- アルバムツアーではこの曲調に合わせて円形ステージの外周が速度を変えて回転する演出が行われた。
- BLACK AND WHITE
- 「Brighter Day」ができるまではラストナンバーになる予定だった。
- こちらもPVが制作されており、稲葉と松本がコンテナの前で演奏し、画面左右にそれぞれが鏡のように対称に映る映像となっている。
- アルバムツアーでは増田隆宣のキーボードソロから演奏され、最後のサビにメロディーが追加されている。
- Brighter Day
- 「DEVIL」以来の全英詞の曲で、B'zとしては初の全英詞バラード。
- 「愛のバクダン」より後に制作された曲で、アルバム制作が一段落した後に制作された楽曲の一つだった。
- 2007年に海外のiTunes Storeで配信されたミニ・アルバム『B'z』にリミックスバージョンが収録されている。
- アルバムツアーでは未演奏となったが、2006年9月1日に行われた『B'z NETWORK LIVE in Japan』にて初披露された。また、2012年に行われた『PEPSI NEX presents B'z PREMIUM LIVE OSAKA/TOKYO』、『B'z LIVE-GYM 2012 -Into Free-』でも演奏され、主に国外向けのライブで演奏されている。
タイアップ
シングル曲については各作品の項目を参照
参加ミュージシャン
- 松本孝弘:ギター、全曲作曲・編曲
- 稲葉浩志:ボーカル、全曲作詞・編曲
- 徳永暁人:ベース、全曲編曲
- シェーン・ガラース:ドラム (#1-11.13)、パーカッション
- ブライアン・ティッシー:ドラム (#12)
ライブ映像作品
シングル曲については各作品の項目を参照
X
- B'z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK-
パルス
- SPLASH!(特典DVD)
- B'z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK-
アクアブルー
- B'z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK-
睡蓮
- B'z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK-
イカロス
- B'z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK-
BLACK AND WHITE
- B'z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK-
Brighter Day
- B'z LIVE in なんば
- B'z LIVE in なんば 2006 & B'z SHOWCASE 2007 -19- at Zepp Tokyo
- EPIC DAY(特典DVD)
脚注
注釈
出典
関連項目
- iPod nano
- B'z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK-
外部リンク
- B'z DISCOGRAPHY 『THE CIRCLE』 ※楽曲の試聴が可能
- 特設ページ(B'z Official Website) - http://www.bz-vermillion.com/bmcv-8014/index.html
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