有声歯茎たたき音または
「たたき音(tap)」と「はじき音(flap)」という用語はしばしば区別しないで使用される。音声学の名著『A Course in Phonetics』を執筆したイギリスの音声学者であるPeter Ladefogedは、たたき音とはじき音について、以下のような区別を提案した。
はじき音は、最も典型的には、舌尖を歯槽堤の後ろに後退させ、それが通過中に歯槽堤に当たるように前方に移動させることによって作られる。歯茎たたき音とはじき音との間の区別はIPAでたたき音 [ɾ] とはじき音 [ɽ] を使って書くことができる。「そり舌」記号が、舌先が歯槽堤の後ろに丸まっているところから始まる後者のために使われている。この区別は、一部のアメリカ英語話者の発話では、potty /pɑti/⇒[pɑɾi](たたき音の [ɾ]) と party /pɑrti/⇒[pɑɽi](はじき音 [ɽ] )という単語の違いを際立たせる際に顕著である。
この区別を行う言語学者は、舌頂たたき音(スペイン語のpero)を [ɾ] と転写し、はじき音(アメリカ英語のladder)を [ᴅ] と転写する。後者は、IPAによって承認されていない。そうでなければ、歯茎音および歯音は通常「たたき音」と呼ばれ、その他の調音が「はじき音」と呼ばれる。同じ調音部位のたたき音とはじき音が対立する言語はない。
この音は英語を母語としない人によってしばしば分析され、多くの外国語における「R音」と解釈されている。分節音が存在するが音素性がない言語では、この分節音は歯茎閉鎖音([t]、[d]、またはその両方)またはR音(歯茎ふるえ音や歯茎接近音など)のいずれかの異音であることが多い。
この歯茎たたき音がその言語における唯一のR音であるとすると、厳密に言えばふるえ音を表わすものの /r/ と転写されるかもしれない。
英語では、とある条件下において、無声歯茎閉鎖音/t/の発音が、有声歯茎たたき音およびはじき音[ɾ](日本語のラ行の音)に変化することがある。この現象は、調音の際の舌の動かし方によって「フラッピング(英: flapping)」又は「タッピング(英: tapping)」といわれ、両者を合わせて一般的には「弾音化」と呼ばれている。
有声歯茎たたき音またははじき音の特徴:
一部の言語から報告されている有声歯茎たたき摩擦音(voiced alveolar tapped fricative)は、実際は非常に短い有声歯茎非歯擦摩擦音である。
歯茎鼻たたき音またははじき音の特徴:
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