『野望』(やぼう)は、テレビ朝日系列で1977年10月6日から1978年3月23日まで毎週木曜日22:00-22:54に放映されたテレビドラマ。全24話。
佐藤まさあき原作の同タイトルの劇画のドラマ化。氏家修(本名・猪斐雅彦)と船山奈美。同じ人物に対して全く違う思いと目的を持った、二人の愛などを絡めながら描いたサスペンスメロドラマ。
2024年3月13日に発売されたDVDとして初めてソフト化された。
主演の天知茂は、1960年代後期に入ってから本作が雑誌に連載開始された時から読んでいて「いつかテレビでやりたいと思っていた」ということで、5年前(1972年頃)に自分の主演で企画を出したが、この時は本作の企画は通らず『非情のライセンス』に決まった。非情のライセンス(第2シリーズ)が1977年3月で終了し、同年秋が近づいて再び非情のライセンスの新シリーズの企画が動き出そうとしていたのを聞いた天知は「今度こそ」として本作のドラマ化を強く要望、今度は晴れて企画が通りドラマ化が実現した。天知は原作者の佐藤とも約束していたドラマ化だったと話している。しかし本作の原作が10年ほど前のために時代背景がかなり違っている面もあり、脚本家らと打ち合わせた上で原作から大幅な設定変更が成された。また、最終回のストーリー内容は連日会議を重ねて二転三転したという。
天知茂と三田佳子は、同じ東映出身の俳優同士ながら、共演はこれが初めてだった。天知はそれまで刑事役など追う立場の役が多く、本作では一転して追われる立場の役になったが、「やっぱり刑事役とか追う役がいいですよ」と話している。
197X年、シンガポールに滞在する氏家修と船山奈美は、お互い見知らぬ存在の二人だったが、その二人に日本から同じ内容の電文と電話が届いた。二人はその知らせを受けて、同じ飛行機で日本への帰国の途に就き、羽田空港に降り立った。二人のそれぞれの目的は別々だったが、行き着く人物は矢島コンツェルンの暗部を知る野川という同一人物だった。電文の内容は、野川が検察庁の取り調べを受けたというものだった。氏家は10年前、矢島コンツェルンによって両親と妻を死に追いやられ、自分も殺人犯の汚名を着せられて国外逃亡したのだった。氏家の目的はその復讐であった。しかし氏家は指名手配中の身であることもあって、警視庁警部の蛇沼らに追われることとなる。一方、奈美は不遇だった頃に野川に助けられて、その後野川の後ろ盾もあって宝石店や画廊を経営するまでになっていた。そして二人は、コンツェルンの主である矢島慶三の還暦祝賀会で顔を合わせた。
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