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アルプス交響曲


アルプス交響曲


アルプス交響曲』(Eine Alpensinfonie)作品64は、リヒャルト・シュトラウスが作曲し、1915年に完成した単一楽章の交響曲である。

  • 演奏時間:約50分
  • 作曲時期:1914年11月1日 - 1915年
  • 初演:1915年10月28日、ベルリン、フィルハーモニー楽堂でリヒャルト・シュトラウス指揮、シュターツカペレ・ドレスデンの演奏による。
  • 出版:F.E.C.ロイカルト

作曲の経緯

シュトラウスが14歳(15歳との説あり)の時に、ドイツ・アルプスのツークシュピッツェに向けて登山をしたときの体験が、この曲の元となっている。その後、1900年に交響詩『芸術家の悲劇』(未完)を経て、1902年には『アンチクリスト、アルプス交響曲』という名称でスケッチがされた。この題名にはフリードリヒ・ニーチェの『アンチクリスト』からの影響が見て取れるといわれている。この時には4楽章形式の交響曲の構想も書かれている。

1911年からガルミッシュ=パルテンキルヒェンの山荘で『アルプス交響曲』としてのスケッチを開始し、1914年から本格的な作曲に取り掛かった。

構成

各部分は切れ目なく演奏される(練習番号はロイカルト社のスコアによる)。

夜 Nacht
B mollの下降音階が順番に重なっていく不協和音(夜の動機)により開始される。金管楽器による山の動機が静かに登場する。何重にも分かれた弦楽器により音が厚くなっていく。
日の出 Sonnenaufgang (練習番号7)
A dur の太陽の動機がffで出てくる。調性を変えながらメロディーは引き継がれたあと、ゲネラルパウゼとなる。
登り道 Der Anstieg (練習番号11~12)
低音弦楽器による山登りの動機から始まる。流れるような旋律になった後、岩壁の動機が現れ、舞台裏でホルンを中心とした金管楽器のファンファーレが奏される。
森への立ち入り Eintritt in den Wald (練習番号21)
弦楽器の 16分音符の中、トロンボーンとホルンによる旋律が奏され、それに山の動機が絡んでくる。
小川に沿っての歩み Wanderung neben dem Bache (練習番号37~38(ピッコロのパート譜に記載あり))
小川のせせらぎの音が聞こえるが、登りであるので山の動機も重ねられる。
滝 Am Wasserfall (練習番号40~41)
岩壁の動機に、弦楽器と木管楽器・ハープ・チェレスタによる滝の流れが重ねられる。
幻影 Erscheinung (練習番号42)
水の中にオーボエの旋律による幻影が見えてくる。最後にホルンの旋律が出てくる。
花咲く草原 Auf blumigen Wiesen (練習番号47)
山登りの動機が静かに聞こえてきたあと、曲は快活になる。
山の牧場 Auf der Alm (練習番号50~51)
カウベルによる牛の擬音が鳴る中、牛の鳴き声とアルプホルンを模したホルンの音が聞こえてくる。その後、ホルンの旋律とともに登山者は道に迷う。
林で道に迷う Durch Dickicht und Gestrüpp auf Irrwegen (練習番号59)
山登りの動機と岩壁の動機が出てくる。そして山の動機が現れ、次へとつながる。
氷河 Auf dem Gletscher (練習番号67~68)
明るくなり、山登りの動機が現れる。
危険な瞬間 Gefahrvolle Augenblicke (練習番号71~72)
遠くから雷鳴(ティンパニのロール)が聞こえてくる。
頂上にて Auf dem Gipfel (練習番号76~77)
和音が響いた後、トロンボーンが頂上の動機を鳴らし、オーボエが訥々と旋律を奏でる。そして幻影で出てきたホルンの旋律が再び現れる。山の動機と太陽の動機が一体となる。
見えるもの Vision (練習番号87~88)
頂上の動機が和音の下から現れたあと、太陽の動機が管を追加してまた登場する。
霧が立ちのぼる Nebel steigen auf (練習番号97)
ファゴットとヘッケルフォーンが不安げな旋律を奏でる。
しだいに日がかげる Die Sonne verdüstert sich allmählich (練習番号98)
太陽の動機が短調で登場し、太陽が翳ってきていることを表している。
哀歌 Elegie (練習番号100)
弦楽器により、登山者は悲しげな歌を口ずさむ。
嵐の前の静けさ Stille vor dem Sturm (練習番号103~104)
遠くから雷(バスドラムとサスペンデッドシンバル)が聞こえてきて、だんだん暗くなってくる。ぽつぽつと降り出した雨(ヴァイオリン・フルート・オーボエ)は、次第に激しくなってくる。そして、風が吹き出してくる(ウィンドマシーン)。
雷雨と嵐、下山 Gewitter und Sturm, Abstieg (練習番号109~110)
オルガンの和音とウィンドマシーンによる風の吹く中、登山者は下山する。これは山登りの動機を転回し、逆の順序で用いることで表されている。強烈な稲妻が光り、最後にはシュトラウス特注のサンダーマシーンにより落雷が起こる。その後はだんだん静かになってくる。
日没 Sonnenuntergang (練習番号129)
太陽の動機が転回され、日没を表している。登山者は哀歌を口ずさむ。
終末 Ausklang (練習番号134)
オルガンにより太陽の動機が奏され、山登りの動機も回想的に使われ、あたりは暗くなってくる。
夜 Nacht (練習番号144~145)
冒頭部の夜の動機がまた現れ、山の動機とともに静かに終わる。

編成

特殊楽器やステージ外の楽器が用いられている。

可能であればフルート2、オーボエ3、E♭クラリネット、クラリネット2を追加して全部で150人ぐらいの奏者が望ましい。

スコア上ではサミュエルエアロフォーンの使用を推奨している。サミュエルエアロフォーン(Samuel's Aerophone)とは、1912年にベルギーのフルート奏者Bernhard Samuel によって発明された木管楽器のための送風装置で、フットペダルで空気を楽器内に送り込み、ロングトーンを長く続けるための補助に使用する。現在では優秀な楽器奏者が多く、循環呼吸が出来る楽員が多いので使わないことが多い。

その他

  • 日本初演は1934年10月30日、奏楽堂にてクラウス・プリングスハイム指揮、東京音楽学校の管弦楽団によって行われた。この時既に「ワグネルトゥーバ」の記録あり、本格的な編成だった事が分かる。
  • CDのジャケットには、マッターホルンの写真がしばしば使われているが、作曲のきっかけとなった山は上述のようにドイツアルプスのツークシュピッツェである。
  • NHKの『名曲アルバム』で「名曲アルバム100選」のひとつに選ばれている。

参考文献

  • ヴァルター・デビッシュ『<大作曲家>R.シュトラウス』(村井翔訳)音楽之友社刊 ISBN 4-276-22160-9
  • 『作曲家別名曲解説ライブラリー9 R.シュトラウス』音楽之友社刊 ISBN 4-276-01049-7
  • Rainer Bayreuther. Richard Strauss' Alpensinfonie. Entstehung, Analyse und Interpretation. Georg Olms 1997. ISBN 3-487-10261-7
  • Eine Alpensinfonie. Score. München: F. E. C. Leuckart, 1915. (F. E.C. L. 7529)
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外部リンク

  • アルプス交響曲 作品64の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: アルプス交響曲 by Wikipedia (Historical)


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