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スカーフェイス (映画)


スカーフェイス (映画)


スカーフェイス』(原題:Scarface)は、1983年のアメリカ映画。監督はブライアン・デ・パルマ、主演はアル・パチーノ。キューバからアメリカにやってきた青年トニー・モンタナが、コカインの密売でのし上がり、自滅していく様子を描いた作品。1932年のギャング映画『暗黒街の顔役』(こちらも原題はScarface)を、当時の社会情勢を踏まえ、キューバ人青年を主人公にオリバー・ストーンが脚色した。

全米興行収入週末成績初登場2位(1983年12月9日-11日付)のヒットを記録し、ゴールデングローブ賞ではジョルジオ・モロダー(作曲賞)、スティーブン・バウアー(助演男優賞)、アル・パチーノ(主演男優賞)がノミネートされた。

日本における公開は1984年4月28日。

あらすじ

1980年、キューバから反カストロ主義者として追放され、フロリダ州マイアミへとやってきた犯罪者トニー・モンタナは、その素性から永住権を認められず難民の隔離施設へと収容される。収容施設においてトニーは、同じ施設送りのマニー・リベラらと共にマイアミの麻薬王フランク・ロペスの一味の依頼で元キューバ政府職員レベンガを殺害し、その報酬としてグリーンカード(アメリカ合衆国の永住権)を得る。その後、トニーは飲食店の皿洗いで生計を立てるものの、すぐに嫌気が差し、裏社会で成り上がることを決める。

フランクの右腕オマール・スアレスの依頼で行ったコロンビア人のコカイン・ディーラーとの殺し合いなどを通してフランクに認められたトニーは、弟分のマニーらと共に彼から直接仕事を請け負うようになり裕福になっていく。そして生き別れて同じくアメリカに来ていた母や妹ジーナを金銭的に支援しようとするが、犯罪に手を染める息子を母親は拒絶し、ジーナに兄に関わらないように言う。やがてトニーは、ボリビアに当地の麻薬王ソーサとの取引のためフランクの代理のオマールと共に派遣される。取引の大きさに尻込みするオマールを差し置いて独断で交渉しようとするトニーを気に入ったソーサは、オマールをかつて当局の犬で仲間たちを売っていたと言って処刑し、自分を裏切らないことを念を押した上で大金の掛かった取引を任せる。

アメリカに戻り意気揚々とフランクに報告したトニーであったが、フランクは独断専行で大規模な取引をしたことや、オマールの件自体がソーサの嘘である可能性であることに言及し、トニーを糾弾する。さらにフランクは、トニーが自身の情婦エルヴィラに手を出そうとしたことを知って暗殺者を派遣するが、これは失敗してしまう。命を狙われ重傷を負ったトニーはすぐにマニーらと共にフランクの事務所に乗り込むと彼を殺害し、彼のビジネスとエルヴィラを乗っ取るのであった。全てを手にし、ふと空を眺めるトニーの目に映ったのは、宣伝用の飛行船に書かれた"The World is Yours"(世界はあなたのもの)の文字だった。

エルヴィラと結婚し大邸宅に住むトニーは、新たなマイアミの麻薬王として君臨し、ソーサからのコカインで大儲けしていた。しかし、次第にエルヴィラやマニーと確執が生じるようになり、自身もコカインの大量摂取により崩壊していく。また、トニーの身辺には連邦捜査官の手が伸びており、起訴されれば長期の懲役も免れ得ない状況となっていた。一方、ソーサは、自分らの悪事を調査しているジャーナリストの殺害を手伝えば、助けるとトニーに提案する。標的のいるニューヨークへソーサの派遣した暗殺者と向かったトニーであったが、ジャーナリストの妻子を巻き込むことを嫌って、暗殺者を射殺してしまう。事態を知ったソーサは怒り、トニーへの報復を部下に命令する。

マイアミへ戻ってきたトニーは、彼が溺愛するあまりに素行の乱れた妹ジーナのことで母に罵られる。ジーナを追跡したトニーは、実は密かに彼女と結婚していたマニーを衝動的に射殺してしまう。邸宅に帰ってきたトニーは自身の執務室で衝撃を抑えるためにさらに大量のコカインを吸う。その頃、既にソーサの部下らが邸宅に侵入して包囲しつつあり、トニーの執務室も狙われていた。そこに狂ったジーナが現れ、トニーに自分を欲しがっているのだろうと言ってトニーを撃つ。その衝撃で部屋に飛び込んできた暗殺者の一人がジーナを射殺する。部下をはじめ妹までも失ったトニーは1人で大量の暗殺者相手に敢然と立ち向かい返り討ちにしていくが、最期は背後からショットガンで撃たれ階下の噴水の池へと落ちる。噴水には"The World is Yours"(世界はあなたのもの)と書かれた像がトニーの死体を見下ろすように立っていた。

キャスト

  • テレビ朝日版 - 初放送1989年5月28日 『日曜洋画劇場』
その他声の出演:村松康雄、小島敏彦、秋元羊介、小関一、宮田光、荒川太郎、岡のりこ、藤夏子
演出:小山悟、翻訳:平田勝茂、効果:リレーション、東上別符精、調整:切金潤
  • テレビ東京版 - 初放送1991年3月28日 『木曜洋画劇場』
その他声の出演:千田光男、稲葉実、星野充昭、江原正士、増岡弘、小室正幸、西村知道、秋元羊介、田原アルノ、安永沙都子
演出:伊達康将、翻訳:平田勝茂、効果:リレーション、調整:西村善雄、担当:熊沢博之、大谷俊賢、プロデューサー:三島良広、小長光信、配給:日本MCA、制作:テレビ東京、東北新社、制作協力:テレビハウス
  • ソフト版 - 初発売2004年5月26日
その他声の出演:斉藤次郎、竹田雅則、水落幸子、大野エリ
演出:高橋剛、翻訳:久保喜昭、制作:ACクリエイト

スタッフ

  • 監督:ブライアン・デ・パルマ
  • 製作:マーティン・ブレグマン
  • 製作総指揮:ルイス・A・ストローラー
  • 撮影:ジョン・A・アロンゾ、A.S.C.
  • 音楽:ジョルジオ・モロダー
  • 脚本:オリバー・ストーン

『暗黒街の顔役』との相違点

ハワード・ホークスが手がけた『暗黒街の顔役』のリメイク作品で、部分部分に違いが見られるものの、基本的な話の流れは原作と変わらない。

大きな相違点は、主人公の出自がキューバ人ということになっていることである。原作では警察が彼への包囲網を強め、結果として死に至るが、本作では警察の捜査により摘発されたトニーが、それから逃れるために同盟関係にある男から人殺しの依頼を受け、しかしそれができず死に至るという展開であることなどが挙げられる。

『暗黒街の顔役』の上映時間92分に対し、『スカーフェイス』は170分あり、電動ノコギリによる拷問シーンなどリメイクオリジナルのシーンも多数ある。

影響

公開当時は、決して評論家などからの評価は高くなかったが、その後時間の経過と共にマフィア映画のカルト的な傑作としての評価が確立し、特に黒人の若者たちの間では熱狂的に支持されるようになった。今では都市部のギャングのライフ・スタイルのバイブルとして、この作品と主人公のトニー・モンタナは、映画を超えた文化的アイコンとなっている。また、そうした社会的な影響の中でも、特にギャングスタ・ラップに於いてはこの作品のイメージはアイコンとして何度も引用され、アーティストたちの歌詞に大きな影響を与えている。

全世界で大ヒットしたRockstar Games社のコンピュータゲーム『Grand Theft Auto: Vice City』は、本作の影響を受けた作品として知られている。

主人公トニー・モンタナの台詞 "Say hello to my little friend!(「これがご挨拶だ!」)" は、アメリカン・フィルム・インスティチュート (AFI)が選んだ「アメリカ映画の名セリフベスト100」の61位に選ばれ、現在でも映画やテレビ番組などで度々引用される。

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ゲーム版

2006年にVivendi Games社から本作のビデオゲーム版『Scarface: The World is Yours』(対応機種:PS2、Xbox(Xbox 360対応)、Wii(2007年発売)、Windows)が発売された(日本語版は未発売)。ストーリーは映画版の「If」をテーマにしており、ラストの襲撃を辛うじて生き延びたものの富も権力も全て失ったトニーが、ソーサ一味に復讐するために再び成り上がっていく、という筋書き。本編同様、スラングや暴力描写がふんだんに盛り込まれている。

ゲーム内容は敵対するギャングと戦いつつ、麻薬売買やマネーロンダリングを通じて資金を稼ぐというもの。ある程度持ち合わせができればマイアミの物件(トニーの屋敷も含む)を買い漁ったり、表社会のビジネスに投資したりして徐々に勢力を取り戻していくことができる。三人称視点のゲーム画面や自動車の運転など、一見『GTAシリーズ』に似通った作風ではあるが、街中で銃を構えたり自動車を盗んだりすれば即座に通報されてしまうなど、『GTA』とは異なったコンセプトに仕上がっている(こうした事情から自動車は自分で購入したり部下に電話して調達しなければならない)。

なお、トニーの声を出しているのはアル・パチーノ本人ではなく、彼が推薦した声優のアンドレ・ソグリウゾである。

リメイク

2011年にユニバーサル・スタジオはスカーフェイスの新しい作品を企画中であることを発表した。スタジオは、新しい作品は続編でもリメイクでもないと述べているが、実質的にはアメリカンドリームを狙うギャングのボスといった本作と、その前身である『暗黒街の顔役』を踏まえた作品となる。

2016年8月に『デッドライン・ハリウッド』は、アントワン・フークアが監督に、また、9月に『バラエティ』がテレンス・ウィンターが脚本を務めると報じた。主演はディエゴ・ルナ。設定は現代のロサンゼルスを舞台にメキシコ移民の主人公に置き換えられている。しかし、2017年1月にフークアは『イコライザー』の続編のために降板し、脚本の担当者の一人であるデヴィッド・エアーが監督になったがそれも7月に降板が発表された。

2018年3月、フークアが新たな脚本で再び監督となることを発表されたが、またもや降板となった。

2020年、監督にルカ・グァダニーノが起用、コーエン兄弟が脚本を担当することが発表された。主演はディエゴ・ルナがつとめるとされていたが、降板したことを明かしたため、現在のところ明らかになっていない。

脚注

関連項目

  • 最も多くFUCKという言葉が使われた映画一覧
  • アル・カポネ

外部リンク

  • Scarface (1983) | Own & Watch Scarface (1983) | Universal Pictures(英語)
  • スカーフェイス - allcinema
  • スカーフェイス - KINENOTE
  • Scarface - オールムービー(英語)
  • Scarface - IMDb(英語)

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: スカーフェイス (映画) by Wikipedia (Historical)