2023年の日本競馬(2023ねんのにほんけいば)では、2023年(令和5年)の日本競馬界についてまとめる。
2022年の日本競馬 - 2023年の日本競馬 - 2024年の日本競馬
日本中央競馬会(JRA)と地方競馬では3月1日より、交流競走における騎手の騎乗について以下の通り変更することを発表。
日本中央競馬会(JRA)は、2022年10月17日に開催日割と重賞日程を発表。
年初は1月5日(中山・中京)から始まり、12月28日(中山・阪神)まで開催。祝日を含む3日間開催は、前年より1節減の3節(1月7日・8日・9日(中山・中京)、9月16日・17日・18日(中山・阪神)、10月7日・8日・9日(東京・京都))で実施。
総発売金額は3兆2869億7589万4800円(前年比100.5%)、総売得金は3兆2754億6790万700円(前年比100.7%)で、ともに12年連続で前年を超えた。
リーディングジョッキーは165勝を挙げたクリストフ・ルメール(栗東、2年ぶり6回目)、リーディングトレーナーは55勝を挙げた杉山晴紀(栗東、初受賞)がそれぞれ獲得した。
前述の通り、京都競馬場は整備工事をおおむね終え、4月10日に竣工式典と内覧会を行い、4月22日よりグランドオープンした。施設やコースの主な変更点は以下の通り。
本年の払戻金上乗せ施策は以下の通り。
「JRAプラス10」は前年と同様に、JRAの全競走およびJRAが発売する海外競馬の全投票法において実施。
3月1日付で、以下の調教師が新規開業。免許取得日はいずれも、2022年1月1日付。
JRAでは1923年に競馬法が制定されてから100周年となることを記念し、「競馬法100周年記念事業」を展開。記念競走を施行(前述)するほか、企画展示や記念イベントの開催、特設サイトの公開、記念切手の発行、記念投票券や特別版レーシングプログラムの作成などを行う。
JRAの厩務員・調教助手らが加盟する主要な4つの労働組合(関東労・全馬労・関西労・美駒労)と日本調教師会は3月17日に東京都内で団体交渉を行い、全馬労を除く3労組は交渉が決裂し、ストライキは決行されることとなったものの、日本調教師会は調教師・組合非加入者・補充員などで開催業務にあたり、開催を予定通り行う構えを見せ、JRAも予定通り開催を行うことを発表した。労組側は人件費削減のため2011年より改定された賃金体系の廃止を求め、3月10日に日本調教師会とJRAに対し開催ストライキを通告しており、団体交渉が続けられていた。なお、JRAは厩舎従業員春闘による影響が予想されるためとして、3月18日の中山・阪神・中京競馬の金曜日夜間発売、および土曜日早朝発売を取りやめることもあわせて発表した。全馬労を除く3労組は4月21日に妥結し、新旧賃金制度改革に関する話し合いは今後に持ち越しとなったものの、2011年4月以降にトレーニングセンターへ入った新賃金制度対象者に一律1万円のベースアップを行うことで交渉がまとまった。
この件について、内閣総理大臣の岸田文雄は3月24日の第211回国会・参議院予算委員会・令和五年度予算案集中審議において立憲民主党の小沼巧より出された質問に対する答弁で「競馬が将来にわたり、国民への娯楽の提供や畜産振興への貢献を行っていくためには、厩舎従業員の労働条件を整備していくことは重要だ」と述べ、JRAを所管する農林水産省に対し、円滑な労使交渉の環境整備に努めるよう求めた。
JRAは5月3日、所属騎手の永島まなみ・古川奈穂・今村聖奈・角田大河・河原田菜々(以上栗東)・小林美駒(美浦)に対し、それぞれ5月13日から6月11日まで30日間(開催日10日)の騎乗停止処分を科したことを発表。河原田・小林美・永島・古川奈の4名は福島競馬開催日の4月23日に騎手控室へスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧。今村は同日の京都競馬開催日に騎手控室へスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧し、調整ルームで角田河と通話。角田河は認定調整ルームで今村に電話をかけ通話した。これらの行為が日本中央競馬会競馬施行規程第147条19号(競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者)に該当すると認められたことが6名の処分理由とされた。
JRAは6月26日に開いた定例会見で、処分を受けた6名をJRA本部に呼び出し再教育を行ったほか、処分対象者以外の騎手全員にも聞き取り調査を実施し、法令順守を指導する説明会を開いた。さらに注意喚起の文書も送付。日本騎手クラブ会長の武豊からも各騎手へ厳しく指導した。JRAでは再発防止策として、今後は騎手が競馬場の調整ルームに入った後、競馬場内でのスマホ使用を全面禁止とすることを明らかにした。騎手の手伝いをするバレット、外国人騎手の通訳も同様にスマホ使用を全面禁止とする一方、過去のレース映像を閲覧したい場合に備え専用タブレット端末等を整備するとした。
後述の通り、同様の事案は南関東競馬でも発生しており、6月には藤田凌、12月には桜井光輔が携帯電話の不正使用で騎乗停止処分を受けている。
4月9日阪神開催(第83回桜花賞)より、GI等、注目度の高い競走を対象に、騎手の帽子にカメラを装着する「ジョッキーカメラ」を導入。JRA公式YouTubeチャンネルに公開される。2018年に英国で着用経験があった川田将雅から提案があったが、公正確保等の問題から見送られていた。その後2022年夏頃から行われた実用試験等を経て正式導入された。
4月23日京都開催より、各開催日の第11競走を対象に、GPSや携帯電話基地局等を活用した「競走馬トラッキングシステム」を導入。ターフビジョンでの映像の他、日本放送協会(NHK)・フジテレビ等での中継でも使用される。システム開発は富士通が担当。
1月 - 3月は「令和4年度」、4月以降は「令和5年度」の開催内容について記述する。
なお、日程等の発表時期は各主催者ごとに異なるため、発表があり次第順次掲載する。
2022年の日本競馬#2歳・3歳馬ダート競走の体系整備と全日本的なダート競走の体系整備による全国的な競走体系の変更に伴い、各主催者で重賞競走の変更点が多数生じている。
地方競馬全国協会は2024年1月1日に、2023年(暦年)の地方競馬の売得金額(速報値、重勝式を含む)を発表。1兆734億8095万5320円となり、従来の記録(2022年、1兆651億3741万8250円)を更新した。
地方競馬全国協会は2024年4月1日に、2023年度の地方競馬の開催成績を発表。総売得金額は1兆888億6525万8120円(前年度比:101.7%)、総入場人員は252万7874人(前年度比:114.5%)で、総売得金額は過去最高を更新した。
JBC実行委員会は、2022年3月14日に2023年のJBC競走について実施概要を発表。
JBCクラシック・JBCスプリント・JBCレディスクラシックの3競走は、11月3日に大井競馬場で開催。JBC2歳優駿は前年に引き続き、同日の門別競馬場で開催する。
施行距離はクラシックが大井ダート2000m、スプリントが大井ダート1200m、レディスクラシックが大井ダート1800m、2歳優駿が門別ダート1800m。格付はクラシック・スプリント・レディスクラシックがいずれもJpnI、2歳優駿がJpnIIIとされた。
2月18日に、2023年度の開催日程と重賞競走を発表。4月21日から2024年3月17日まで、帯広競馬場で25回・149日開催(ナイター95日、準ナイター30日、薄暮24日)。重賞競走は27競走を施行予定。
総発売金額は559億5800万1000円(前年比:100.86%)、総入場者数は33万6289人(前年度比:120.17%)で、ともに前年度を上回った。発売金額は帯広市単独開催となってからの最高額を更新した。
リーディングジョッキーは196勝を挙げた鈴木恵介、リーディングトレーナーは128勝を挙げた金田勇がそれぞれ獲得。
2月17日に、2023年度の開催日程と重賞競走を発表。4月19日から11月9日まで、門別競馬場で15回・82日開催(全日程ナイター)。ダートグレード競走を含む重賞競走は29競走を施行予定。
総売得金は512億8091万4960円(計画比:111.90%、前年比:2.84%減)で、前年度を下回ったものの、4年連続で500億円を超えた。
リーディングジョッキーは153勝を挙げた落合玄太が2年連続の受賞、リーディングトレーナーは140勝を挙げた田中淳司が9年連続の受賞となった。
北海道は2024年6月4日の道議会農政委員会で、2023年度地方競馬(ホッカイドウ競馬)特別会計の決算見込みを報告。単年度収支は30億2500万円の黒字(前年度比:8.8%減)で、単年度黒字は11年連続となった。約31億円の余剰金のうち20億9000万円を門別競馬場の改修工事などで使われる施設整備基金に積み立て、7億7400万円を一般会計に繰り入れる。
2月14日に、2023年度の開催日程と重賞競走を発表。通常開催は4月2日に水沢競馬場で開幕し、冬季休催期間を挟み2024年3月18日まで21回・124日(盛岡11回・66日、水沢10回・58日)開催。通常開催終了後、2024年3月23日から31日まで水沢競馬場で特別開催を1回・6日行う。ダートグレード競走を含む重賞競走は46競走(うち盛岡芝重賞8競走)を施行予定。
水沢競馬場では馬場に照明設備を新設し、3月11日より薄暮開催を実施。最終競走の発走時刻を、おおむね18時ごろとする。
総売得金は608億5330万2200円(前年度比:89.5%)、開催競馬場の総入場者数は18万4710人(前年度比:93.8%)で、いずれも前年度を下回った。
岩手県競馬組合は、2023年度の当期利益が4億9000万円の黒字となる見通しであることから、構成自治体(岩手県・盛岡市・奥州市)から受けている約330億円の融資に対する返済額として、過去最高額となる1億9500万円を充てる見通しとなった。
2022年11月28日に、2023年度の開催日程と重賞競走を発表。競馬場別の内訳は大井が98日(ナイター79日)、川崎が63日(ナイター49日)、船橋が60日(通年ナイター)、浦和が59日となっている。
浦和競馬場では新設された走路照明設備を3月20日から稼働し、「はくぼ開催」を実施。最終競走の発走予定時刻を通年で18時20分ごろとする。
千葉県競馬組合は、2024年3月8日で全日程を終了した2023年度船橋競馬の開催成績を発表。総売得金は962億814万1670円(前年度比:101.6%)で、過去最高額を更新した。
神奈川県川崎競馬組合は、2024年3月15日で全日程を終了した2023年度川崎競馬の開催成績を発表。総売得金は1036億2740万5650円(前年度比:97.5%)で、前年度を下回ったものの、2年連続で1000億円を超えた。
特別区競馬組合は、2024年3月22日で全日程を終了した2023年度大井競馬の開催成績を発表。総売得金は2070億7896万4150円(前年度比:105.9%)で、過去最高額を更新した。
埼玉県浦和競馬組合は、2024年3月29日で全日程を終了した2023年度浦和競馬の開催成績を発表。総売得金は707億6285万5820円(前年度比:106.6%)で、8年連続で過去最高額を更新した。
南関東地区の4競馬場は2024年1月1日より、競走馬のクラス編成において新たな格付制度「格付ポイント制」を全面導入する(2歳馬は4月1日より先行導入)。導入後は各馬に着順に応じたポイントを付与し、格付・編成を行う。他地区や海外での競走、ダートグレード競走でもポイントが計算され、都度加算される。
従来の番組賞金を積算する方式では、競馬場ごとに賞金体系の違いがあるため、「昇格までの速さ」や「南関東交流時に編成される組」が統一されていないことが問題となっており、格ごとに統一した数値(格付ポイント)を設定することで「番組編成を通じて公正公平かつ、より魅力ある競馬番組の実施」を目指すことを目的としている。
3月9日に、2023年度の開催日程と重賞競走を発表。4月2日から冬季休催期間を挟み2024年3月26日まで、金沢競馬場で22回(県営19回、市営3回)・89日開催。ダートグレード競走を含む重賞競走は23競走を施行予定。
1月20日に、2023年度の開催日程を発表。競馬場別の内訳は名古屋が27回・113日(前年比:増減なし)、笠松が21回・98日(前年比:1日減)となっている。
重賞日程は名古屋が2月22日に発表、ダートグレード競走を含む重賞競走は22競走を施行予定。笠松は2月24日に発表、重賞競走は27競走(準重賞6競走を含む)を施行予定。
名古屋のナイター開催は3月7日に発表され、2023年度は35日開催予定。
岐阜県地方競馬組合は、2024年3月22日で全日程を終了した2023年度笠松競馬の開催成績を発表。総発売額は451億1502万1800円で、過去最高額を更新した。
愛知県競馬組合は、2024年3月29日で全日程を終了した2023年度名古屋競馬の開催成績を発表。総売得金は813億1300万2100円(前年度比:106.4%)で、過去最高額を更新した。
2022年10月27日に、2022年度(1月 - 3月)の開催日程と重賞競走を発表。前年より姫路競馬場での開催が9日増加し、姫路では1月17日から3月23日まで5回・30日開催(重賞は4競走を施行予定)。園田競馬場では1月2日から12日(1回・6日)、3月28日から31日(1回・4日)の2回・10日開催(重賞は1競走を施行予定)。
2023年度(4月 - 12月)の開催日程と重賞競走は、2022年12月30日に発表。すべて園田競馬場で開催され、4月4日から12月31日まで21回・121日開催。ナイター開催は4月28日から10月27日までの金曜日に27回施行予定。ダートグレード競走を含む重賞競走は23競走を施行予定。このほか、発走時刻を通常より約2時間遅らせる「そのだサマー競馬」は、5月2日から8月17日まで33日間(金曜ナイター実施日は除く)施行予定。
2023年度の総売得金は1201億9399万2100円(前年度比:98.2%)で、前年度を下回った。
2月26日に、2023年度の開催日程と重賞競走を発表。4月8日から2024年3月27日まで、高知競馬場で19回・107日開催。ダートグレード競走を含む重賞競走は20競走を施行予定。
高知県競馬組合は、2023年度高知競馬の開催成績を発表。総売得金は958億1896万円で、過去最高を更新した。
テレビ高知やNHKが4月6日に報じたニュースによると、高知競馬所属騎手の妹尾浩一朗が4月5日の夜に自宅アパートにおいて酒を飲んでいた際に口論となり、同居する女性の首を両手でつかんで擦り傷を負わせたとして、傷害の容疑で警察に逮捕された。
この件について、高知県競馬組合は公式ホームページでコメントを発表し、「現在事実関係を調査しております。当組合としては、事実関係に基づき適切に対応してまいります」とし、妹尾が騎乗予定だった4月8日・9日の計8鞍は変更命令により騎手変更となった。
また、妹尾が4月5日に酒気帯び運転を起こしたことで刑事罰(罰金刑)に処されたこと等を受け、高知県競馬組合は妹尾に対し7月29日から9月30日まで実効15日間の騎乗停止処分としたほか、所属厩舎調教師の打越勇児に対し、7月30日まで実効2日間の賞典停止とした。
3月4日に、2023年度の開催日程と重賞競走を発表。4月1日から2024年3月31日まで、佐賀競馬場で23回・115日開催(ナイター94日)。ダートグレード競走を含む重賞競走は31競走を施行予定。
予定として発表されている競馬場別の開催日割は以下の通り。
予定として発表されている競馬場別の開催日割は以下の通り。
各主催者とも1月 - 3月は2022年度、4月 - 12月は2023年度。
1月31日発表
12月21日発表
2月27日発表。
4月28日発表。
6月6日発表。
6月6日発表。
調教師・騎手部門は2024年1月4日発表、競走馬部門・馬事文化賞は2024年1月9日発表。
2024年1月16日発表。
騎手・調教師のみ記載。ただし地方競馬及び日本国外からJRAへ移籍した者、引退・失効・免許返上後に再取得した者は除く。
地方競馬は年度単位(4月 - 翌年3月)となっているが、免許日を基準に記載する。
記載は氏名(所属地、免許日)の順。
地方競馬は「地方通算」のものと「中央・地方通算」(主にホッカイドウ競馬で使用)があるが、それぞれ出典に拠った。
同一人物が複数の記録を達成した場合は原則として最後に記録したものを記載するが、地方競馬から中央競馬へ移籍した騎手、また中央所属で平地競走と障害競走でそれぞれ記載可能な記録、さらに地方競馬及び日本国外所属で中央競馬もしくは地方競馬初勝利等が発生した場合はこの限りでない。
記載は、氏名(達成地、達成日)の順。
以下は本年に登録を抹消された競走馬の一覧である。
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