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大将棋


大将棋


大将棋(だいしょうぎ)は、日本の将棋類の一つであり、二人で行うボードゲーム(盤上遊戯)の一種である。主に鎌倉時代において指されており、鎌倉大将棋という名称も提案されている。

ルール

水無瀬兼成の象戯図には大将棋の成りについて、

大象戯成馬 以上三枚
酔象成太子 鳳凰成奔王 麒麟成師子

と、酔象が太子に、鳳凰が奔王に、麒麟が獅子に成るということしか書かれていないため、成立時より駒の成りが変わっている可能性がある。

基本ルール

  • 縦横15マスずつに区切られた将棋盤の上で行う。
  • 自分から見て手前の五段を自陣、反対に相手から見て五段を敵陣という。
  • 駒は、中将棋の21種類に鐵将・石将・桂馬・悪狼・嗔猪・猫刄・猛牛・飛龍を加えた29種類あり、それぞれ動きが決まっている。
  • その他のルールはほぼ中将棋に準ずると思われる。
    • 成りのルールに関しては、本来のルールは敵陣の段数が5段である以外は中将棋の日本中将棋連盟のルールと同様と思われるが、現在ネット上に出回っているプログラムでは敵陣の段数以外本将棋と同様の成りルールとなっている場合がある。

初期配置図

駒の動き

駒の動きに関して、便宜上●、★と書く。

  • ●はその位置に動ける。
  • ★はその場所まで飛び越えていける。

駒の表記は1文字表記を行うため、便宜上「龍王」を「竜」、「飛龍」を「龍」、「飛牛」を「丑」、「猛牛」を「牛」と表記している。

各駒の移動能力及び成りの特徴

  • 歩兵・香車・鐵将・石将・桂馬は成るまでは前にしか進めず、仮に不成のまま敵陣1段目に進んだ場合は行き所のない駒となるが、日本中将棋連盟と同様の成りルールとすればいずれもルール上認められていることになる。
    • ただし桂馬以外は、成りによって元の駒の完全上位互換になる駒であり、基本的に不成とする意味が皆無であるため(歩兵については中将棋同様の獅子の特別ルールがあるとした場合、ごく稀に不成が戦略的に有効になるケースもあるが)、実戦的には敵陣に突入して即成っているはずである。
  • 香車・反車は成らない限り端以外の列に動けず、仲人も成らない限り初期配置以外の列に動けない。
  • 生駒の角行・麒麟・石将・猫刄・飛龍は成らない限り何手かけても筋違いの場所に到達できず、このうち石将は成るまでは盤の一部のマス目にしか動けない。
    • 成らない限り筋違いの場所に到達できない駒については、次に示す駒が筋Aと筋Bで別々の筋に配置されている。
      • 筋A:石将2枚・麒麟・飛龍2枚
      • 筋B:猫刄2枚・角行2枚
  • その他鐵将・桂馬は成るまでは盤の一部のマス目にしか動けない。
  • 獅子・飛鷲・角鷹は二歩移動できる。
  • 成りによる性能変化に関する特徴は次の通りである:
    • 成りによって元の駒の完全上位互換になるもの:醉象(→太子)、香車(→白駒)、麒麟(→獅子)、盲虎(→飛鹿)、角行(→龍馬)、反車(→鯨鯢)、龍王(→飛鷲)、龍馬(→角鷹)、飛車(→龍王)、歩兵(→金将(と金))、鐵将(→金将)、石将(→金将)、悪狼(→金将)、嗔猪(→金将)
      • このうち歩兵と麒麟については、中将棋同様の獅子の特別ルールがあるとした場合、前者は獅子の付け喰いに使えないルール、後者は先獅子のルールとの関連で、ごく稀に不成が戦略上有効になるケースもある。
    • 成りによって元の駒の完全上位互換にならず、利きの変化においてデメリットを伴うもの:金将(→飛車)、銀将(→竪行)、銅将(→横行)、猛豹(→角行)、鳳凰(→奔王)、竪行(→飛牛)、横行(→奔猪)、仲人(→醉象)、桂馬(→金将)、猫刄(→金将)、猛牛(→金将)、飛龍(→金将)
      • これを失う利きの数で分類すると次の通りとなる:
        • 1マスの利きを失うもの:仲人(→醉象)
        • 2マスの利きを失うもの:金将(→飛車)、銅将(→横行)、猛豹(→角行)、竪行(→飛牛)、横行(→奔猪)、桂馬(→金将)、猫刄(→金将)
        • 4マスの利きを失うもの:銀将(→竪行)、鳳凰(→奔王、斜め四方2マス目へは飛び越しで移動できなくなる)、猛牛(→金将)
        • 6マスの利きを失うもの:飛龍(→金将)
      • これらの駒では、成るか成らないかについて慎重な検討を要することもある。
      • 猛豹については、角行(ちょろ角)に成ると何手かけても筋違いの場所に到達できなくなってしまうという独特のデメリットがある。
      • 猛牛と飛龍については、成ることにより全体的な利きのマス目の数が8マスから6マスに減ってしまう駒であり、成りによるデメリットがやや大きめである。
        • これらの駒の成るメリットとしては、前者は斜め前、後者は縦横に動けるようになる点が挙げられる。後者の場合は筋違いの場所に到達できるようになる。
      • 本将棋と同様の成りルールの場合は、不成で進んだ小駒を敵陣から引いて成る場合(本将棋の4段目での銀成りと同様の例)、金将・銀将・銅将・猛豹・仲人・猫刄について6段目での成りがありうる(ルール上は醉象・盲虎・嗔猪も同様だが、元の駒の完全上位互換の駒に成るため、実戦的には敵陣に突入して即成っているはずであり、実戦ではまず起こりえない)。またその成りルールでは鳳凰・猛牛・飛龍(ルール上、成りによって元の駒の完全上位互換になる駒も含めれば、麒麟も同様)については6段目のみならず7段目での成りがありうる。
    • 中将棋にある駒は、利きの変化においてデメリットを伴う成りであっても、小駒が走り駒になるなど、駒の動きが総体的に強力になる傾向がある。

歴史

主に平安大将棋から派生して誕生したものと考えられている。あまりに大規模なため実際に指されていたかの疑惑もあったが、鎌倉時代には普及していたことが明らかになっている。

本項で示す形の大将棋が文献に最初に現れるのは、1297年-1304年にかけて書かれたとされる「普通唱導集」とされる。ここには大将棋指しに対しての死後の追悼文に、

大将基 伏惟 々々々々
反車香車之破耳 退飛車而取勝
仲人嗔猪之合腹 昇桂馬而支得

という表現が見られる。この表現は130枚制大将棋の初期配置や駒の動きと矛盾せず、13世紀には大将棋があったものと強く推測される。

また、出土資料では、鶴岡八幡宮の鎌倉時代の出土品に「鳳凰」(裏が「奔王」)と書かれた駒が含まれている。

脚注

関連項目

  • 中将棋
  • 平安大将棋
  • 将棋類の一覧
  • 将棋類の駒の一覧

参考資料

  • 『象戯図式』江戸時代に発刊された古将棋の解説書
  • 『ものと人間の文化史23 将棋』増川宏一・法政大学出版局・1977年・ISBN 4588202316(象戯図式の解説図が収録されている)
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外部リンク

  • SDIN無料ゲーム 大将棋

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 大将棋 by Wikipedia (Historical)


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