『ちゅらさん』は、2001年度上半期に放送されたNHK『連続テレビ小説』のテレビドラマ。
本作で初めて沖縄県(小浜島)が主要な舞台となった。脚本は岡田惠和が担当、連続テレビ小説第64作目(放送40周年記念作品)に当たる。また、21世紀最初の作品となった。
シリーズ化され、続編パート2、3、4も制作された。
沖縄と東京を舞台に、八重山諸島小浜島で育ったヒロイン・古波蔵(上村)恵里(国仲涼子)が那覇へ移り住み、やがて上京して看護師を目指す成長物語で、上村文也(小橋賢児)との恋の行方、両親や兄弟、祖母など恵里を見守る家族との強い絆、個性的な「一風館」の住人達や、看護師として働く職場の人々の人間模様を描いた群像劇。
国仲はヒロインオーディションで2,084人の応募者から選ばれ、2000年10月17日の記者会見で発表された。
連続テレビ小説では初の沖縄県出身者をヒロインとして起用しただけでなく、ガレッジセールのような沖縄出身・ゆかりの芸能人や平良とみのように沖縄を拠点として活動している芸能人も多数起用された。
2001年の地上波の初回放送時における平均視聴率は22.2%、最高視聴率は29.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)であった。また、視聴者からも評価されており、『連続テレビ小説』としては『おしん』に続き2作目となる、全話を収録した完全版VHS・DVDが発売された。日本国内における再放送については、2004年4月からBS2で全156話について実施されたのを皮切りに、LaLa TV(2005年4月および2006年4月から)、チャンネル銀河(2009年10月から)、NHK BSプレミアム(2013年9月30日から)およびBS12 トゥエルビ(2020年10月から)でも実施されており、2024年4月からは初回本放送から数えて23年ぶりに総合テレビでの全話再放送が行われている。
NHKがテレビ放送50周年を記念して2003年に行った「もう一度見たいあの番組リクエスト」の連続ドラマ部門で、第1位となった。また、朝日新聞2010年9月25日付のbeランキング「心に残る朝ドラヒロイン」アンケート結果において、ヒロインである国仲は第3位だった。
続編については、2003年3月31日から4月28日(3月31日は2本立て)まで総合の「月曜ドラマシリーズ」として『ちゅらさん2』(全6話)が、2004年9月13日から10月11日まで『ちゅらさん3』(全5話)が放送された。これは、NHKのドラマの続編(2作目)としては『私の青空』(2000年放送の『私の青空2002』)以来2作目、続々編(3作目)の制作は史上初であった。さらに2007年1月には「土曜ドラマ」として『ちゅらさん4』(全2話)が放送され、朝ドラの続編制作の記録をさらに更新した。
副音声の解説は1作目の『ちゅらさん』のみであり、続編『ちゅらさん2』以降はステレオ放送のみ実施されている。
派生作品として、河あきら作画によるコミック版が双葉社から発売された。
タイトルである「ちゅらさん」は美しいさま、立派なさまを意味する沖縄方言の形容詞の終止形。「清(きよ)ら」の方言読みである「ちゆら」に琉球語特有の語尾である「さん」が付加されたもので、直訳すれば「清浄さ」というニュアンスとなる。
沖縄、八重山諸島の小浜島。古波蔵恵里は沖縄が本土復帰した日に誕生した少女。1983年11月、11歳の恵里は両親が始めた民宿「こはぐら荘」に宿泊に来た上村和也・文也兄弟と仲良くなるが、難病の和也は病死する。数日後、島を去る文也に恵里はみんさー織りのお守りを、文也はスーパーボールを渡し、将来結婚すると約束して別れる。それから7年後の1990年7月、恵里は那覇の那覇北高校野球部のマネージャーになっていたが、文也との約束は忘れていなかった。
※名字表記は、基本的に現姓とし、括弧内は劇中で姓が変わる前の旧姓とする。また、〔〕内の数字は出演したシリーズを記す(1は連続テレビ小説版、回想・写真のみの場合は除外する)。
ちゅらさん 大百科
ちゅらさん 海の日特集「美ら海の約束」
ちゅらさん 総集編
※これ以降、NHK総合などで再放送が実施されている。(詳細は後述)
※各話の区切りを考慮して各75分×3回の構成となっている。
第1作から半年後の設定。テーマは「夫婦」。
※連続テレビ小説からの出演者はパート1を参照
テーマは「親子の愛」。
※連続テレビ小説からの出演者はパート1を参照
テーマは「家族の愛・人の絆」。ハイビジョン製作(NHK総合では16:9の画像サイズで放送)。今回では恵里、容子、真理亜の関係にもスポットを当てている。
※連続テレビ小説との同キャストはパート1を参照
この番組で、古波蔵恵尚(ゴリ)が考え出した「ゴーヤーマン」という沖縄特産野菜・ゴーヤーをモチーフにしたキャラクターが登場した。劇中では恵尚がそれを売り出そうとしたところほとんど売れず、家族に莫大な借金を残す結果となったが、現実世界ではその後NHKの関連会社・NHKソフトウェア(現在はNHKエンタープライズに合併)からゴーヤーマンのグッズが発売され人気を集めた。2010年現在も沖縄県の土産物店ではNHKエンタープライズのゴーヤーマン関連商品が売られている。なお、このキャラクターは、「劇中当時(1991年)では受けないが、2001年現在では人気を集めるようなキャラクター」というコンセプトで考え出されたという。
また夏休み中の期間に限り、各話のエンディング5秒の「明日もお楽しみに」の映像がゴーヤーマンの映像に変わった。(例:茶碗の中に湯が入っていて、風呂のように浸かっている。ゴーヤーと共に吊るされているなど)また、2001年10月から11月にかけて『天下無敵のゴーヤーマン☆(歌・ガレッジセール)』がNHKみんなのうたの曲で放送された。当時沖縄以外の人々にはあまり知られていなかったゴーヤーの知名度を格段に上げた立役者でもある。
『ちゅらさん』以外では、2022年度前期の連続テレビ小説『ちむどんどん』にゴーヤーマンが登場している。恵尚役のゴリがタクシー運転手役で最終回に登場し、彼が運転するタクシーのミラーにゴーヤーマンがぶら下がっている。
また番組内でメルヘン童話作家として登場した城ノ内真理亜(菅野美穂)が、2004年のちゅらさん3の放送をきっかけとして、「ガジュマルの樹の下で」(ポプラ社)で実際に文壇デビューを果たした。書籍の表紙に記された作者は城ノ内真理亜だが、実際に手がけたのは、ちゅらさんの小説ノベライズ版などをはじめ、岡田惠和脚本のノベライズ執筆を多く手がける蒔田陽平。
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