かいおうは、九州旅客鉄道(JR九州)が直方駅 - 博多駅間を筑豊本線・篠栗線・鹿児島本線(通称・福北ゆたか線)経由で運行する特急列車(通勤特急)である。
2001年10月6日の福北ゆたか線電化開業と同時に運行を開始した。日本国有鉄道(国鉄)時代は筑豊本線に寝台特急「あかつき」などが運転されていたが、筑豊本線が当時全線非電化であったことや単線区間が存在するため、鹿児島本線経由の方が距離が長いにもかかわらず所要時間が短いこと、筑豊本線の乗客そのものが減少したことなどにより、筑豊本線経由の優等列車は国鉄分割民営化を待たず1985年までに廃止されていた。筑豊本線では16年ぶり、篠栗線では初の優等列車である。複数の都道府県を跨いで走らない列車であり、運行区間全てが福岡県内で完結する。
「かいおう」の列車名は、沿線の直方市出身で運転開始当時は現役の大相撲力士(大関)だった魁皇博之の四股名に由来している。
国鉄・JRグループでは存命中の人物(しかも運行開始時に現役で活動していた人物)の名前が列車名に採用されたのはほかに例がない。
なお、魁皇は2011年7月場所を最後に現役引退し年寄・浅香山を襲名したが、JR九州は「かいおう」の列車名は変更しない方針である。
直方駅 - 博多駅間に1往復が運行されている。運行開始以来、直方駅発が朝、博多駅発が夜に運行されるダイヤである。
列車番号は運行開始当初から一貫して2090+号数+Hだったが、2022年9月23日の西九州新幹線開業に伴い運行を開始した「リレーかもめ」と列車番号が重複するため1090+号数+Hに変更された。
2021年3月12日までは下り3本、上り2本が設定されており、1 - 5号の号数が充てられていた。このうち1号は平日のみ、5号は土曜・休日のみの運転で(扱いは1・5号とも定期列車)、定期列車の運行本数は常に2往復であった。5号は2011年3月12日のダイヤ改正で1号のダイヤを土曜・休日のみ変更する形で設定された列車で、博多駅着が10時前となっていた。
直方駅 - 新飯塚駅 - 飯塚駅 - 桂川駅 - 吉塚駅 - 博多駅
2022年9月23日以降は787系電車(南福岡車両区所属)が使用されている。2001年10月6日の運行開始より運用されており、当初は4両編成での運行で、2003年に6両編成に変更され、2005年に2往復化されてからは6両編成(3・4号)と4両編成(1・2・5号)がそれぞれ1往復に充当されていた。2011年3月12日のダイヤ改正で4両編成が「にちりん」等の日豊本線の特急列車に転用されたことに伴い、6両編成のみの充当になった。2021年3月13日のダイヤ改正で下り3本・上り2本から1往復に削減されたため787系は一時本列車から撤退したが、2022年9月23日のダイヤ改正で再び全列車が本形式での運行になった。なお1号車のグリーン個室は締切となり利用はできない。
2011年3月12日から2022年9月22日までは783系電車4両編成(旧「にちりん」編成、ただし運用の関係から旧「みどり」編成が充当される日もあった)が充当されていた。 グリーン席は指定席、普通車は全車自由席で、各車両とも中央の乗降口を境に博多寄りのA室と直方寄りのB室に分かれており、駅や車内でもそのように案内されていた。なお「みどり」編成で運転される特急列車は「ハウステンボス」編成との連結運転を前提としているため号車番号は5 - 8号車が原則だが、本列車での運用時は例外的に1 - 4号車となっていた。
特急料金は特定特急料金を設定して、他の特急列車より割安に設定されており、加えて7日間有効の特急回数券(2枚綴り)が設定されている。また、グリーン料金も全区間で500円と、JR他社よりも割安に設定されているJR九州の他路線のグリーン料金よりも更に割安に設定されている(吉塚駅 - 博多駅間では「かいおう」乗車の場合のみこの設定が適用される)。DXグリーン席は通常のDXグリーン料金が適用される。
2011年3月12日以降はJR九州の在来線特急全列車が新幹線との乗継割引の対象外となっているが、「かいおう」は運行開始当初から適用外となっている。
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