一宮市(いちのみやし)は、愛知県北西部の尾張地方に位置する都市。中核市に指定されている。1921年(大正10年)市制施行。
現在の区域は、旧中島郡北部、旧葉栗郡西部、旧丹羽郡西部にあたる。
中心部は尾張国一宮である真清田神社の鳥居前町として栄えたことに端を発する。
ウールの世界三大産地「尾州」の中心地で、繊維の街として著名。一宮市を擁する愛知県は、テキスタイルの全国シェア約70%を占めており、尾州ウールは国内外のハイブランドのアパレル製品に服地として採用されている。
紡績・繊維産業の一大中心地として、繊維工場で女性従業員を多数雇用していたことから「女工の街」とも呼ばれており、働く女性従業員は「織姫」の愛称で呼ばれている。現在も、元従業員が居住している関係で女性人口がやや多い。
繊維産業の歴史は古く、平安時代には既に錦綾を生産していたが、近年では生産を海外に移転される傾向にある。現在、繊維工場跡は住宅や商業施設となっており、鉄道・高速道路の利便性の高さや名古屋へのアクセスの良さからベッドタウンとして都市開発が進められている。
2005年4月1日に隣接する尾西市と葉栗郡木曽川町を編入したことで、人口37万人に拡大した。2021年4月より、豊田市・豊橋市・岡崎市に次ぐ県内4つ目の中核市に移行した。
「一宮市」という名称は、尾張国一宮である真清田神社があることに由来する。 当地(以下、市街地)は、「尾張一宮」と呼ばれており、JRの駅名にもなっている。 愛知県内には、東三河地方に豊川市一宮町があり、そちらは「三河一宮」となる。他、岐阜県高山市一之宮町(飛騨一之宮)など、全国各地に「一宮」「一之宮」が存在しており、さいたま市大宮区も「武蔵一之宮」が起源である。なお、真清田神社の北側に「一宮市大宮」という町名がある。 市内および近隣市町では、市名を「いちのみや」ではなく「いちみや」と呼ばれることが多く、また一宮市内でも市街地のことを限定で「一宮」と呼ぶことがある。 市街地以外は、起(おこし)、奥町(おくちょう)、浅井(あざい)など旧町村名で呼ばれることが多い。
濃尾平野のほぼ中央に位置する。 犬山扇状地の西端部に位置し、最高でも標高20m程の平坦地に位置する。
一宮市の地名を参照。
2014年度(平成26年度)当初予算
市の規模の拡大の反面、産業構造の変化により財政力が弱く、愛知県内の人口10万以上の都市の中では瀬戸市と並び、地方交付税交付団体である。
2001年(平成13年)に市制80周年を記念し、市のシンボルソング「人・街・未来へ」が制作された。
かつては一宮市が運営する病院として一宮市立市民病院今伊勢分院と一宮市立尾西市民病院(旧:尾西市民病院)が存在したが、民間に移譲された。
農業では冬の寒風「伊吹おろし」を利用した切り干し大根作りが特筆される。 また、市東部の千秋町ではネギや鶏卵の生産が盛んであり、テレビ番組でもテレビ愛知『とれたて!』や、日本テレビ『どっちの料理ショー』などで紹介された。
織物産地としての歴史は平安時代にまで遡る。 江戸時代には、享保年間から開かれるようになった「三八市」で、一宮産の結城縞、寛大寺縞などの縞木綿や絹織物が売買された。 明治以降は、「毛織工業」が発展し、ガチャマン景気と呼ばれた繊維好況を受けて市内そこかしこで織機や撚糸の音が聞こえてきたが、そうし繊維関連の下請け業は国外からの安価な輸入品の増大により衰退した。 しかし、現在でも総合繊維産業都市として「ジャパン・テキスタイル・コンテスト」なども開かれている。毛織物製造出荷額の全国シェアは約18.2%(2001年度)。尾州ブランドは世界三大毛織物産地の1つである。
繊維関連大規模工場の国内再編による再開発もここ数十年来進んでおり、国道22号線沿いの東海レーヨン本社工場は1975年6月にユニー一宮店(現在は建て替えられてアピタの「テラスウォーク一宮」)に、2004年4月に旧木曽川町地区の旧倉敷紡績木曽川工場がダイヤモンドシティ・キリオ(現・イオンモール木曽川)に生まれ変わっている。
喫茶店のモーニングサービス発祥の地とされており「一宮モーニング」の普及活動を行っている。
JR尾張一宮駅と名鉄一宮駅がある市街地には真清田神社門前(市役所近隣)の本町商店街や名鉄百貨店一宮店(名鉄駅隣接)がある。商店街はかつては有数の賑わいが有ったが、他市同様現在は低調である。
近年は、木曽川町のイオンモール木曽川・アピタパワー木曽川店、市街地近接のテラスウォーク一宮(アピタ一宮店)などの商業施設があり、家電量販店などのロードサイド店舗も多く出店している。
テラスウォークは市街地に在るので店舗・駐車場の規模はそれほど大きくなく、市の東部の浅井町、千秋町、旧西成村ではアピタ江南西店やイオン扶桑店、北部の奥町、木曽川町、北方町、旧葉栗村では木曽川町の両店以外にもイオン各務原店やカラフルタウン岐阜(イトーヨーカドー)、また市街地や南部・西部の丹陽町、大和町、萩原町、旧尾西市などではアピタ稲沢店(ユニー本社隣接)やリーフウォーク稲沢(MEGAドン・キホーテUNY稲沢東店)などの利用も多い。
映画館はかつては市街地に多数有ったが現在は全部廃業し、今は一宮市唯一のシネコンはイオンモール木曽川店にある。
一宮市では、電気は中部電力パワーグリッド株式会社が供給している。
電気の供給が開始されたのは大正時代で、市制施行の前にあたる。現在の市域にあった14町村のうち、まず一宮町で1913年(大正2年)1月より供給が開始された。事業者は町内に本社を置く一宮電気で、同年2月には奥町・起町・木曽川町でも供給を始めた。同社の供給範囲は、1918年(大正7年)の時点では上記4町のほか、萩原町・今伊勢村・大和村・朝日村・西成村・浅井町・北方村・葉栗村を加えて計12町村となっていた。
一宮電気のほかにも、現在の市域には名古屋電灯が進出した。同社は名古屋市に本社を置いており、1914年(大正3年)の時点で千秋村と西成村の一部を供給範囲に組み入れていた。残る丹陽村については、稲沢町(現・稲沢市)を本拠とする稲沢電気(後の稲沢電灯)が1916年(大正5年)より供給を行っている。
現在の市域において大正初期に3社あった供給事業者は最終的に1社に整理された。まず1920年(大正9年)に名古屋電灯が一宮電気を吸収。名古屋電灯はこの後数度の合併を経て中京圏の大手電力会社東邦電力へと発展した。丹陽村に供給していた稲沢電灯も1939年(昭和14年)に東邦電力へ統合され市域の事業者統合は終わるが、戦時下の配電統制により3年後の1942年(昭和17年)に中部配電の供給範囲となった。戦後の1951年(昭和26年)に中部電力が発足し、中部配電の事業を継承して現在に至っている。
一宮市では、都市ガスは東邦瓦斯株式会社(東邦ガス)が供給している。
市内のガス事業については、旧一宮町で1882年(明治15年)にガス灯が新設されたのがその始まりであるが、本格的なガス事業は1909年(明治42年)に設立された一宮瓦斯、後の尾州電気によって開始された。合併により東邦電力に継承された後、市内のガス事業は1923年(大正12年)4月に東邦ガスへと譲渡されている。一宮市が昭和期に編入した10町村のうち編入前にガス供給が行われていたのは今伊勢町で、1933年(昭和8年)6月に開始。平成になって編入した2市町については、尾西市(旧今伊勢町域を除く)は1958年(昭和33年)6月から、木曽川町は1962年(昭和37年)11月から開始された。
ガス事業に関連しては、東邦ガス一宮製造所が市内に置かれていたが、1953年(昭和28年)10月に休止(翌年廃止)され名古屋市からの高圧導管輸送に切り替えられた。
市の中心となる駅:JR尾張一宮駅・名鉄一宮駅
2009年1月9日より岐阜駅発着の「ドリームなごや号」が停車するようになった。また、2010年12月9日からは「北陸ドリーム名古屋号」も停車するようになった。
市内交通などを担う一般路線については、下記の会社による路線バスおよびコミュニティバスがある。また、2007年6月30日までは一宮市尾西地域公共施設巡回バスが運行されていたが、i-バスの尾西北・尾西南コースとして吸収された。
一宮市の自動車ナンバープレートは、2006年(平成18年)10月10日からご当地ナンバーである「一宮」が付けられている(それ以前は「尾張小牧」だった)。
交付は愛知運輸支局小牧自動車検査登録事務所で行われる。
出典 : 一宮市ウェブサイト公立中学校の一覧・私立中学校の一覧
出典 : 一宮市ウェブサイト小学校などの一覧
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